8月のフィードロット導入頭数は211万2000頭(前年同月比0・4%増)。大量導入だった前年8月を上回り、米国の多くの地域で続く干ばつの深刻さを物語っている。出荷頭数は、稼働日が1日多いこともあって200万4000頭(同6.4%増)と増加したが、それでも9月1日時点のフィードロット飼養頭数は1127万9000頭(同0.4%増)で、過去2番目に多い水準だ。
導入された牛の重量区分の増減をみると、600ポンド未満が前年比2万5000頭増、600〜699ポンドは同5000頭増、700〜799ポンドが1万5000頭減。900〜999ポンドと1000ポンド超は各5000頭減で、軽量級の増加と重量級の減少が目立つ。
導入が大幅に増加したのは、アイオワ(16%増)、ミネソタ(29%増)、テキサス(9%増)などの州。アナリストは、「干ばつは米国の広範囲な地域で継続しており、それが導入増に繋がっている。テキサスでは600ポンド未満の導入が3万頭増加するなど、干ばつに起因する大規模な導入増加が見られるが、アイオワとミネソタの2ケタ台の増加は、カナダからの素牛輸入が増加している可能性がある」という。
カナダのプレーリー3州で見られる干ばつは、8月に広がりを見せた。カナダの8月のフィードロット飼養頭数は3.3%減、導入は前年の半数近くにまで減少しており、米国への肥育素牛の輸出が例年よりもかなり増加しているようだ。
オクラホマ州立大学の研究者は、「干ばつによって国外から牛が移動したことで、今年のフィードロット飼養頭数・と畜頭数は高い水準にある。今年これまでのと畜頭数は、肥育牛では0.8%増だが、内訳は去勢牛1.7%減、未経産牛4.9%増。経産牛は全体で5.6%増加し、中でもビーフカウ(肉用種の経産牛)が13.4%増。牛全体のと畜頭数は1.8%増加し、雌牛のと畜割合は50.9%を占める」という。
今年の牛肉生産量は、第3四半期までの生産量が予想を上回ったことから、年間では前年並みもしくは微増と見られるが、2023年はフィードロット飼養頭数・と畜頭数・牛肉生産量のいずれも大幅に減少し、その縮小は2024年まで続くことが予想される。
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