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TRADER'S Be & Po

vol.411 0ct.3.2022
 
米国食肉輸出連合会
NEWS CONTENTS
市況ニュース ビーフカットアウト下落、予想超える生産で
豚肉価格、輸出需要の回復なければさらなる逆境に
生産動向 干ばつによるフィードロットへの導入促進が続く
テキサスの肉用雌牛のと畜、前年比31%増
ワールドトレード 食料供給は依然ひっ迫、世界的危機に米国の不作重なる
トピック 2022年の米国の農業利益、過去20年平均を上回る
フードサービス サブウェイとezCaterが教職員ケータリングコンテスト
USMEFインフォメーション 品川プリンス・グランフロント大阪などでPorktoberフェア
マーケット・データ 生体牛・豚価格、カットアウトバリュ、穀物先物価格
ファクト・シート ポーク(2022年8月)米国の輸出、
と畜頭数・枝肉生産量、飼養動向、日本の輸入量
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市況ニュース

ビーフカットアウト下落、予想超える生産で

 
 

ビーフのカットアウト価格は、9月第2週の前半に大幅に値下がりした。レイバーデイの連休週にもかかわらず、と畜頭数が予想以上に多かったことが要因だ。チョイスは前半4日間で100ポンド当たり4.90ドル安、セレクトは同4.78ドル安となった。

ただ、カットアウト全体の週間平均価格(100ポンド当たり)は260.06ドル、前週比9セント高と、ほぼ前週並みを維持した。この一因は、プライムの引き合いが強く、今年1月の最高値に近づいていることだ。

8月のプライムのカットアウト価格は330.57ドル。7月(317.51ドル)から13ドルも値上がりし、今年1月の最高値(341.12ドル)に迫っている。他の等級は上昇しておらず、ブランド・チョイス・セレクトの価格は、2022年3月以降275〜250ドルの範囲で推移している。

プライムの価格は、特にロインとリブが上昇している。8月のプライム・ロインは554.10ドル、前月比6%高と今年の最高値を更新。プライム・リブの価格は600ドル台に乗せた。1月の700ドルには届かないものの、前月比で12%上昇した。9月3日までの週のプライム発生割合は7.67%。今年4月30日までの週を最後に、10%を割り込んで推移している。

一方、同週の生体牛現金価格は、北部では概ね横ばい、南部では1ドル高となった。北部では火曜日までの取引量はわずか1833頭だったが、水曜日に1万4025頭が生体牛142〜144ドル、枝肉は226〜230ドルで取引された。南部では8885頭が生体牛142ドル・前週比1ドル高で取引された。

 

※2022年9月19日 CATTLE BUYERS WEEKLY

 
 

豚肉価格、輸出需要の回復なければさらなる逆境に

 
 

今年これまでの米国の豚肉輸出は、前年割れが続いている。7月の豚肉類(チルド・フローズン・加工品の合計)の輸出量は16万2675トン(前年同月比6.1%減)。輸出額は5億2000万ドル(同4%減)。1〜7月累計では、輸出量が17.2%減、輸出額は15.9%減少している。

米国農務省(USDA)は、8月の豚肉輸出量を前年同月比6.4%減と推定しているが、仮に8〜12月の豚肉輸出量が前年同期を5%上回ったとしても、年間では9%減となる見込みだ。米ドル高の影響を考えれば、輸出市場へ向けた製品出荷を拡大するためには、豚肉価格への値下げ圧力が強まる可能性がある。

今後の輸出動向を予想する上では、メキシコ向け輸出がカギとなる。7月のメキシコ向け輸出量は6万1000トン(同6.3%増)、輸出額は1億5320万ドル(同19%増)。1〜7月累計のメキシコ向け輸出量は21%増加しており、輸出量全体の39%を占める。と畜頭数が季節的に増加する今秋に、この輸出需要が持続されるかどうかが大きな焦点の一つだ。

  米国の豚肉(調製品含む)の輸出量の推移
 

一方、大幅な減少傾向が続いている中国向けの輸出量は、2023年も回復する期待は持てない。USDAの北京駐在員が年一回発行しているレポートでも、2023年の中国向け豚肉輸出の増加の可能性については悲観的だ。中国は、経済失速による需要減少と、国内の繁殖豚群の回復に伴う供給増加により、2023年の豚肉輸入量が減少する見込みだ。

米国産豚肉の中国向け輸出量は、2021年上半期は月間5万トンを超えており、2020年は8万トン台に達していた。だが、今年は月平均1万4000トン前後で推移しており、下半期に回復する見通しはほとんどない。

中国の豚肉輸入は、広範囲にわたって減少している。欧州からの7月の輸入量は5万8014トン(同70%減)。ドイツ産とイタリア産は、野生イノシシからASF(アフリカ豚熱)の感染が発見されたことから輸入が停止されており、スペイン、デンマーク、その他の国も大幅に減少している(表参照)。

中国の輸入豚肉市場で、米国産豚肉は他より高い関税が課されており、不利な立場にある。加えて、米ドル高が続く中で、中国市場では欧州勢との厳しい競合を続けることになるだろう。

 

※2022年9月12日 Pork Merchandiser’s Profit Maximizer

  米国の豚肉(調製品含む)の中国向け輸出量の推移
  中国の国別豚肉輸入量
 
生産動向

干ばつによるフィードロットへの導入促進が続く

 
 

干ばつの影響により、フィードロットへの導入が促進される傾向が続いている。アナリストの事前予想では、8月のフィードロット導入頭数は概ね前年と同水準とされ、出荷頭数はと畜日数が1日多いことから前年を1.5%上回り、9月1日時点のフィードロット飼養頭数はほぼ前年同月並みと見込まれている。

畜産マーケティング情報センター(LMIC)のアナリストは、「干ばつを要因とした導入は現在も継続中で、8月の導入頭数は昨年と同程度」と予想。「今秋は肥育業者の収益性が一層厳しくなる。主要な飼料穀物が8月下旬に高騰し、さらにトウモロコシの収穫量が減少を続けるとの強い懸念に直面している」と指摘する。

MBS Researchのアナリストは、「8月の導入も干ばつを要因とする肥育素牛・子牛の早期導入が支えた。全体として導入重量の軽量化傾向が見られ、8月以降はフィードロットへの導入の動きがさらに加速するだろう」と分析する。

繁殖農場で保留される未経産牛が縮小しており、雌牛群の淘汰が続いている。このままの傾向が続けば、2023年1月1日の肉用雌牛群は前年比で100万頭以上減少するだろう。これは、2023年半ばから肥育牛の供給が大幅に縮小することを意味している。

編集部注:9月25日に公表された8月のCOFレポートの実数は、導入頭数211万2000頭(前年同月比0.4%増)、出荷頭数200万4000頭(同6.4%増)、9月1日現在の総飼養頭数1127万9000頭(同0.4%増)。

 

※2022年9月19日 CATTLE BUYERS WEEKLY

 
 

テキサスの肉用雌牛のと畜、前年比31%増

 
 

現在の干ばつの影響、特に肉用雌牛の淘汰や子牛価格に関連したコスト高騰の論議は、全米に焦点を当てたものが多いが、テキサスA&M大学の農業エコノミストであるデビッド・アンダーソン氏は、サザンプレーンズ(南部平原)の雌牛のと畜動向に焦点を当てたレポートを発表している。

それによると、テキサス州は現在、全米で最も多くの肥育牛を保有。今年1月1日時点の飼養頭数は1270万頭で、ネブラスカの約2倍。雌牛頭数は510万頭、うち肉用牛は447万5000頭に及ぶ。これに次ぐのはオクラホマの213万1000頭であり、東部地区に拡大する干ばつの影響については、同地域の肉用雌牛の動向を注視する必要がある。

USDAの肉牛および乳牛のと畜頭数の調査・報告は、各州が地理的に大まかにグループ分けされて、地域ごとに報告されている。テキサス州は第6地域で、他にオクラホマ、ルイジアナ、アーカンソー、ニューメキシコが含まれる。

第6地域の牛処理工場で、今年これまでに処理された雌牛(経産牛)は66万8000頭。前年同期比で15万7000頭(31%)多い。乳用雌牛は、昨年より若干少ない21万7000頭。

第6地域で大きな干ばつが発生した2011・2012年との比較では、今年の経産牛のと畜頭数は2011年より8000頭多く、2012年よりも16万4900頭多い。乳用雌牛は2011年より13万200頭多いが、2012年(21万3800頭)とは大きな差がない。

2022年1月1日時点で、第6地域の肉用雌牛頭数は840万頭。前年(880万頭)より40万頭少ないことからも、この地域の雌牛群の淘汰割合は、前回の大規模な干ばつより高い。全米でと畜された肉用雌牛は2012年より30万頭多いが、この半数はテキサスで増加したことになる。

この数週間にわたってテキサスで起きた豪雨の影響で、雌牛の淘汰は短期的に抑制される可能性がある。季節的に、雌牛の淘汰が年間で最も増える週は10月か11月のいずれかであり、今後6週間にわたり、全米と同地域の肉用雌牛のと畜動向を注視することが重要だろう。

 

※2022年9月12日 CATTLE BUYERS WEEKLY

 
ワールドトレード

食料供給は依然ひっ迫、世界的危機に米国の不作重なる

 
 

世界的な食料供給の逼迫が懸念される中で、米国および南米で続く干ばつの状況と、ウクライナの作物生産をめぐる不確実性が危機感を増幅させている。

今夏の猛暑で、米国西部およびグレートプレーンズでの干ばつの状況が悪化し、USDAは全米のトウモロコシの予想収穫高を139億ブッシェルに引き下げた。これは8月の予測より3%低く、2021年の収量を8%下回る。大豆の予想収穫量も8月時の予測から3%減少し、前年同期比で微減の予想となった。

種子および農薬メーカーのCEOは、「今年のトウモロコシの収穫高は、北米とヨーロッパで例年の水準を下回ると予想され、世界的な供給の補充が達成できない状況となった。世界の供給が安定するには、世界の穀物およびオイルシード市場において、2年連続での例年並みの収穫が必要だ」と指摘する。

シカゴ商品取引所では、小麦の先物価格が過去12カ月で17%上昇し、トウモロコシの価格は約28%、大豆は約14%上昇。南米を含む大規模な生産地域での悪天候が世界の作物供給のひっ迫を長引かせそうだ。

今年は、特に貧困国で食料価格が上昇している。USDAの世界の食料安全保障に関する9月の報告書では、低・中所得国77カ国で、食料不安に陥っている人口を13億人と推定した。これは、2021年の推定値から約10%増加している。

2月下旬のロシアによるウクライナ侵攻後、作物の価格は急騰したが、ここ数か月は軟化していた。7月に締結されたロシア、ウクライナ間の合意により、ウクライナから100万トン以上の穀物が黒海経由で輸出することが可能になり、食糧の圧迫はある程度緩和された。

しかし、ロシア当局者が条件に不満を持っていると警告して以降、輸出協定はここ数週間で新たな圧力にさらされている。ロシアのプーチン大統領は、西側諸国が発展途上国を犠牲にして「穀物回廊」を利用したと述べ、国連の仲介する協定からロシアが撤退する可能性があることを示唆したことから、ここ数週間下落していた小麦価格が一時的に上昇している。

 

※2022年9月20日 FOODMARKET.com

 
トピック

2022年の米国の農業利益、過去20年平均を上回る

 
 

USDA- ERS(米国農務省経済統計局)の予測によると、2022年の米国の農業の純利益は1477億ドルに達する見込みだ。これは2021年に比べて73億ドル(5.2%)の増加。2021年の純利益は前年比で459億ドル(48.5%)増加しており、2年連続での増加となる。

インフレ調整後の2022年の純利益は、前年比で9億ドル(0.6%)低くなるものの、インフレ調整後の過去20年平均(1040億ドル)に比べて42.1%の増加となる。

2022年の農業における現金収入の予測は1685億ドル。2021年より221億ドル(15.1%)多く、インフレ調整後でも2021年より135億ドル(8.7%)多い。これは、2012年以降で最高の水準であり、2002〜2021年の平均(1253億ドル)に比べて34.5%の増加となる。

2022年に全ての農産物の売上から計上される現金収入は、2021年より917億ドル(21.2%)増加する見通し。大豆、トウモロコシ、小麦の収入増加にともなって、全農作物の現金収入が前年比364億ドル(15.3%)増加。家畜および家畜関連製品は553億ドル(28.3%)増とより大幅な増加となる見通しだ。

 

※2022年9月12日 CATTLE BUYERS WEEKLY

 
フードサービス

サブウェイとezCaterが教職員ケータリングコンテスト

 
 

サブウェイとezCater(イージーケーター)は、「教職員ケータリングコンテスト」を実施すると発表した。公式アプリ等で、仕事熱心な教職員の推薦を募り、サブウェイのケータリングランチ(写真)を2022校に無料で届ける。

最近のアンケートで、教師の半数以上が昼休みの間も仕事をしており、さらに40%近くが仕事を終わらせるために昼食を抜いていることがわかったことから、サブウェイとそのフランチャイズ店舗がイージーケーターと提携して、学校の全教職員の尽力に対して、敬意と感謝を示すための取り組みとして実施する。

「CateringforEducators.com」にログインして、好きな学校の全教職員やスタッフを推薦し、サブウェイの無料ケータリングランチでお祝いされるべき理由をアメリカ中に伝えることができる。1日1校を推薦でき、最も多く推薦された2022校に10月27日にケータリングランチを届ける。

イージーケーターは、全米的なケータリングプラットフォームで、職場に食品を配達するノウハウを保有している。サブウェイはケータリングの徹底的な見直しを行い、新たなケータリングプログラムを開発。今回のコンテストは、そのPRの一環でもあり、両社は今回の提携を機にケータリングビジネスの拡大を図る。

 

※2022年9月20日 FOODMARKET.com

  サブウェイケータリング
 
USMEFインフォメーション

品川プリンス・グランフロント大阪などでPorktoberフェア

 
 

米国食肉輸出連合会(USMEF)は、アメリカンポークをまるごと楽しむ祭典「Porktober(ポークトーバー)」を展開しています(概要は既報)。その一環として、「品川プリンスホテル」ならびに「グランフロント大阪」にて10月1日〜10月31日までレストランフェアが実施され、下記の各店でそれぞれのアメリカンポークメニューが提供されます。

【東京】品川プリンスホテル レストランフェア(10月1日〜10月31日)

味街道 五十三次
アメリカンポークの湯引き朝天唐辛子ソース など

コーヒーラウンジ マウナケア
アメリカンポークのチョップドサラダ

フードコート 品川キッチン・カレーショップ シエール
アメリカンポークのロースカツカレー など

LUXE DINING HAPUNA
バックリブのロースト カッティングサービス など

DINING&BAR TABLE9TOKYO
アメリカンポークのグリル ホースラディッシュ風味

和ビストロ いちょう坂
アメリカンポークのローストと煮込みの2 種の味わいカッティングサービス等

【大阪】グランフロント大阪 レストランフェア(10月1日〜10月31日)

世界のビール博物館
アメリカ産三元豚とキノコの洋風しゃぶしゃぶ

世界のワイン博物館
アメリカ産三元豚を使ったロティサリーポーク

DEAN & DELUCA
アメリカンポークのグリル ポルチーニクリームソース

GARB MONAQUE
アメリカンポークと淡路野菜の BBQ グリル

ベトナムノーイ 123
アメリカンポーク ブンチャー

GATE2 FIELDER'S CHOICE
AMERICAN PORK SEASONAL SALAD vol.10

THE CITY BAKERY BRASSERIE RUBIN
アメリカンポークのポルケッタ ハーブジャークソースとチェダーチーズ

Bar Española LA BODEGA
香ばしくグリルしたアメリカンポークヒレ肉と紀の里産 秋野菜のパエリャ

博多漁家 磯貝
アメリカンポークの蒸し豚と合わせ野菜 かんずり添え

白雲台
アメリカンポーク つぼ漬け

鉄板焼ステーキレストラン 碧
アメリカンポークを使った沖縄風 角煮

PIZZERIA e TRATTORIA DA BOCCIANO !
アメリカンポークを使ったサルティンボッカ

Indian Tandori Bindu
アメリカ産タンドリーポーク

また、上記とは別に、関東・関西のレストラン約30店舗でもPorktober(ポークトーバー)に連動して、アメリカンポークを使用したオリジナルメニューを提供するフェアが実施されます。USMEFは、これらのレストランで「景品が当たる抽選会」(アメリカンポークやオリジナルトートバックをプレゼント)などのサポートを実施しています。

その他、10月にも各地でアウトドアのイベントが実施されます。詳細はUSMEF公式WebのPorktober(ポークトーバー)専用ページをご参照下さい。

 
 

マーケット・データ

 
 
 
 
 
 
 

ビーフ・ファクト・シート