米国の牛肉輸出は、6月も非常に強いペースを維持し、今年5回目の10億ドル超えを達成した(2021年は2度達成)。一方で、豚肉輸出は依然として前年割れで推移している。
USDA公表、USMEF集計の食肉輸出統計によると、6月の牛肉輸出量は13万638トン(前年同月比16%増)。輸出額は10億5000万ドル(同31%増)。この結果、2022年上半期の輸出量は74万3904トン(同6%増)、輸出額は61億9000万ドル(同33%増)となった。上半期の牛肉生産量に占める輸出割合は15.4%(正肉単体では13.2%)。
USMEFのダン・ホルストロム会長兼CEOは、「多くの主要市場で経済的逆境が拡大し、海運や輸送面の課題が継続している状況にあって、上半期の米国産牛肉の輸出は驚異的というほかにない。アジアや欧州の多くの輸出市場が完全な回復からはほど遠いものの、世界の外食市場が回復したことが輸出増加に繋がった」としている。
6月の牛肉輸出は幅広い市場で増加したが、特にリード役となったのは日本市場。日本向けの6月の輸出量は2万7891トン(同12%増)、輸出額は2億1170万ドル(同15%増)。日本向けの上半期輸出量は15万5513トンでほぼ横ばいだが、輸出額は12億5000万ドル(同20%増)。このうちバラエティーミート(主にタンとスカート)は2万8045トン(同1%増)、輸出額は2億8740万ドル(同41%増)。
一方、6月の豚肉輸出量は21万9131トン(同8%減)、輸出額は6億4990万ドル(同7%減)。この結果、上半期の輸出量は129万トン(同18%減)、輸出額は36億2000万ドル(同16%減)といずれも前年を下回った。上半期の生産量に占める輸出割合は26.4%(正肉単体は23.5%)。
「中国で国内生産が回復し、輸入の必要性が低下していることを踏まえると、上半期の輸出減少は想定内だった。中国の豚肉価格が6月中旬以降に約40%上昇していることから、今後はバラエティーミート需要を主体に回復することが見込まれる。最大の輸出先であるメキシコ向けが引き続き記録的ペースで伸びており、この数カ月間は韓国、コロンビア、カリブ海諸国でも需要が拡大している」(ダン会長兼CEO)。
上半期の日本向けは輸出量15万8239トン(同9%減)、輸出額6億6730万ドル(同8%減)。冷凍豚肉は、中国の需要減少で欧州産との競合が強まり、また、出荷の大部分をオークランド港が取り扱っているため、輸送上の課題もマイナスの影響を与えた。上半期の日本向けチルドポーク輸出量は10万4204トン(同1.6%減)、輸出額は4億8000万ドルに達した。
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