豚肉の供給量は前年並みだが、ポークトリム(豚ひき材)の価格は前年を下回っている。7月4日(独立記念日)やその後のレイバーデー、また8月からの学校給食用の買い付けなど、今後3カ月でトリミングの価格が変動する要素は少なくない。
下のグラフは、72CLポークトリム価格の推移を示している。2つのグラフはほぼ同じだが、左のグラフには2021年の価格線があり、右のグラフは2022年とCOVIDー19発生前の年(2017、2018、2019)のみを示している。
ここで強調したい点は、2021年に起きた出来事が、今年の予想や計画にどれほど影響を与えているかだ。2021年はトリムを含む豚肉価格全体が高騰したが、春季には不透明感が強かったため、エンドユーザーは例年のような在庫の積み増しを控えた。2021年4月末のトリムの在庫は3130万ポンドで、2017〜19年(コロナ前)の平均比15%減の水準だった。
豚肉の供給は、例年6・7・8月に減少する。と畜頭数が減少し、暑さによって生体重量も伸び悩む。2021年と2017〜19年、そして今年も同様だろう。しかし、需要サイドは違う。特にエンドユーザーの需要期に対する備えへの姿勢が異なる。2021年は春季の在庫積み増しが出来なかったため、72CLの価格は8月に上昇し、その後も秋まで比較的高値で推移した。
エンドユーザーは需要期に在庫不足に陥ることを恐れ、今年は同様の事態を回避しようと準備している。2022年4月末のトリムの在庫は前年比26%増、2017〜19年平均比でも6.5%増だ。
今年は、輸出需要や労働力をめぐる状況も昨年とは異なっている。中国向け輸出は前年比60〜65%減で推移しており、今年の豚肉輸出量は約7%減と予想されている。これは、国内向けのトリミングの生産を後押しするだろう。
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