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TRADER'S Be & Po

vol.404 Jun.27.2022
 
米国食肉輸出連合会
NEWS CONTENTS
トピック 海上輸送改革法可決、物流改善の重要な第1歩―USMEF
市況ニュース 生体牛価格、先物の反発を受けて現金価格も上昇
ベリー卸売価格、潤沢な供給と在庫が価格上昇を抑制
セーフティー 「Protect Our Pigs」キャンペーン開始−USDA
業界ニュース 牛肉市場、COVID禍を乗り越え平常化へ
ポーク関連ニュース 昨年と異なる需給状況で豚トリミングの前年割れ続く
USMEFインフォメーション アメリカンビーフバーガーTwitterキャンペーン
マーケット・データ 生体牛・豚価格、カットアウトバリュ、穀物先物価格
ファクト・シート ビーフ(2022年4月)米国の輸出、
と畜頭数・枝肉生産量、飼養動向、日本の輸入量
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トピック

海上輸送改革法可決、物流改善の重要な第1歩―USMEF

 
 

米国連邦下院議会は6月13日、2022年海上輸送改革法案(Ocean Shipping Reform Act of 2022/S.3580)を可決。16日にジョー・バイデン大統領の署名を経て成立した。

同法案は、コロナ禍以降のサプライチェーンの混乱に対応し、効率的で競争力がある経済的な海上輸送システムを通じて、米国の輸出の成長と発展を促進するために、連邦海事委員会(FMC)の権限を強化する管理要件を改正したもの。

FMCに対して、(1)海上運送業者が請求するデマレージ(超過保管料)やディテンション(空コンテナの返却延滞料)に関する苦情を調査し、(2)それらの料金が妥当かどうかを判断し、(3)不当な料金については払い戻しを命じることを求めている。また、海上運送業者、海上ターミナルオペレーター、あるいは海上輸送仲介業者が、利用可能な貨物スペースがあるにもかかわらず、その利用を不当に拒否あるいは他の不公平な差別的方法に訴えることを禁止している。

同法の可決について、米国食肉輸出連合会(USMEF)のダン・ホルストロム会長兼CEOは以下の声明(要旨)を発表した。

「USMEFは、両院の海上輸送改革法に対する超党的な強い支持に感謝し、バイデン大統領の最終承認を心待ちにしている。原価が上昇している現在、農産物の価値を最大化することがこれまで以上に重要になってきている。その最善の方法が、国際市場へのアクセスの確保だ。この法律は、連邦海事委員会(FMC)の権限を強化し、デマレージとディテンションに関する規則を施行し、海上運送業者の慣行に関する合理的なガイドラインを確立する。米国の輸出業者が利用できる輸送サービスを改善する上で重要な一歩になるだろう」

 

※USMEFニュースリリースほか

 
市況ニュース

生体牛価格、先物の反発を受けて現金価格も上昇

 
 

生体牛の価格は、先物取引が大幅に反発したことを受けて、現金取引価格も上昇に転じた。6月第1週の現金取引価格は生体牛(100ポンド当たり)が138.07ドル(前週比1.00ドル安)、枝肉221.89ドル(同2.10ドル安)だった。

6月第2週は、前半の取引頭数は少なかったが、北部では生体牛140〜142ドル、枝肉222〜227ドル、テキサスは生体牛136ドルで取引された。水曜日に先物の6月限の終値が310ポイント上げて136.82ドルに、8月限は340ポイント上げの137.52ドルとなったことを受けて、肥育業者の多くが売値を引き上げ、北部では生体牛142〜143ドル、カンザスは136〜140ドルで取引され、テキサスは136ドルと横ばいを維持した。

フィードロットの飼養頭数は、この時期としては記録的な水準にある。しかし、アナリストは、「導入頭数が予想通りに減少して順当な出荷が続けば、フロントエンド(肥育日数150日以上の牛)の供給は、第4四半期には減少へと向かう。コーンベルト地帯の現金価格が南部平原に対して大幅な割高になっていることは、今後の生体牛価格が上昇する兆しだろう」という。

一方、6月第1週のカットアウト平均価格は264.41ドル(前週比5.35ドル高)。第2週は前半4日間でチョイスが3.84ドル高、セレクトは0.41ドル安。季節的には、夏場に向けて下落基調をたどると予想されるが、小売市場では7月4日(独立記念日)の連休に向けて、牛肉の販促も増えるだろう。

 

※2022年6月13日 CATTLE BUYERS WEEKLY

 
 

ベリー卸売価格、潤沢な供給と在庫が価格上昇を抑制

 
 

ベリー(豚バラ肉)の卸売価格は、前年の水準にまで回復する勢いはなさそうだ。要因は、豚肉の供給が予想よりも多いことだが、これまでの高値で需要そのものが低下しているようだ。

外食で提供されるベーコンの価格は、指標がないため推測の域を出ないが、前年に比べると上昇率は2ケタ台だろう。ファストフードでは、ベーコンは主要タンパク質というよりも一種の調味料的な位置付けで使用されるため、価格弾力性は高い。

それでも、食材価格の急騰を受けて、外食事業者が食材の調整(コストカット)に踏み切るケースは多い。ベーコンはこれまでの高値から、需要そのものが低減している可能性もある。

一方、ベーコンの小売価格は、USDAの週間販促調査によると、5月の平均販促価格がポンド当たり6.57ドル(前年同月比20%高)で、前年より1ドル以上高い。

豚の週間と畜頭数は、6月下旬には230万頭を割り込む見込みだが、それまでは依然として230万頭を超えて推移する見込みだ。この供給増に加えて、エンドユーザーが春季に積み増しした在庫も、ベリー価格の上昇を抑制する一因になっている。

 

※2022年6月6日 Pork Merchandiser's Profit Maximizer

  ポークベリーの価格推移(日次ベース)
 
セーフティー

「Protect Our Pigs」キャンペーン開始−USDA

 
 

USDA-APHIS(米国農務省動植物検疫局)は6月16日、米国におけるASF(アフリカ豚熱)の侵入防止の新たな取り組みを発表した。「Protect Our Pigs」(われわれの豚を守ろう)と題した支援活動・啓蒙キャンペーンを通して、アメリカの豚群および豚肉業界の保護を推進するための情報やリソースを提供し、豚肉生産者、獣医、養豚経営者をサポートする。

ASFは、家畜と野生の双方に致命的な影響を与える伝染性の高いウイルス性疾患。人間の健康には被害を与えないが、豚群の間で急速に拡大する。米国では発生していないが、周辺国(ドミニカ共和国やハイチ)で確認されている。この疾患に対する治療や有効なワクチンはまだない。

USDAのマーケティングおよび規制プログラム次官を務めるジェニーレスター・モフィット氏は「ASFは、世界の多くの国の豚肉産業と経済を壊滅させている。米国でこれが発見されれば、豚肉産業・養豚コミュニティを壊滅させる危険がある」とし、もし豚肉の生産・輸出国大国である米国にこの疾患が侵入すれば、10年以上にわたって500億米ドル規模の損失が推定されると警告する。

新たに始まる「Protect Our Pigs」のウェブサイト(aphis.usda.gov/ProtectOur Pigs)では、ダウンロード可能なファクトシートやポスター、啓発動画、ソーシャルメディアでシェアできる画像、インタラクティブな新しいバイオセキュリティガイドといった素材や、最新の感染状況などが提供される。

またAPHISは、ASFが米国で発見された場合、養豚経営者と公衆が取るべき行動について、情報やリソースを直ちに公開できるよう備える。これらの支援活動の一環として、6月29日午後3時(東部夏時間)から、討論会「African Swine Fever: What You Need to Know(アフリカ豚熱:今知るべきこと)」を開催する。豚肉業界を代表する専門家や、養豚経営者、獣医がパネリストとして出演し、疾患の最新情報や対策についての議論、質疑応答などを行う。

 

※2022年6月16日 FOODMARKET.com

 
業界ニュース

牛肉市場、COVID禍を乗り越え平常化へ

 
 

生体牛と牛肉市場は、“平常モード”へと回帰しつつあるようだ。需給状況は、少なくとも過去2年間よりは明らかに安定してきた。コロラド州立大学の農業エコノミスト、ステファン・クーンツ氏は、「インフレは今後も引き続き大きな争点であり、その影響は長引くだろう。半面、肥育牛の供給は多く、COVID関連で発生したサプライチェーンの問題は、今夏から秋季を通して解消する見通しだ」という。

牛肉の卸売価格は、初夏の季節的な強さを維持しているが、徐々に緩みつつある。このためパッカーのマージンも圧縮される傾向にあるが、週間のと畜頭数はまだかなり多い。同氏は、「高値でもと畜頭数が維持されているのは需要が堅調な証だ」という。と畜牛の重量は季節的な減少を続けており、例年より大幅に減少している。

牧草地の状況は、39%が「非常に悪い」、20%が「悪い」と判別され、依然として厳しい。テキサスでは干ばつの影響が大きくなっている。このため、「今年これまでの経産牛のと畜頭数は、前年を約15%上回っている。しかし、北部および中央平原部では先々週から先週にかけて降雨があり、状況が改善する可能性がある。農作物の育成に反映されるまでに2、3週間かかるものの、季節的には予期されなかったことで、牧草・乾草の改善が期待される」という。

 

※2022年6月13日 CATTLE BUYERS WEEKLY

 
ポーク関連ニュース

昨年と異なる需給状況で豚トリミングの前年割れ続く

 
 

豚肉の供給量は前年並みだが、ポークトリム(豚ひき材)の価格は前年を下回っている。7月4日(独立記念日)やその後のレイバーデー、また8月からの学校給食用の買い付けなど、今後3カ月でトリミングの価格が変動する要素は少なくない。

下のグラフは、72CLポークトリム価格の推移を示している。2つのグラフはほぼ同じだが、左のグラフには2021年の価格線があり、右のグラフは2022年とCOVIDー19発生前の年(2017、2018、2019)のみを示している。

ここで強調したい点は、2021年に起きた出来事が、今年の予想や計画にどれほど影響を与えているかだ。2021年はトリムを含む豚肉価格全体が高騰したが、春季には不透明感が強かったため、エンドユーザーは例年のような在庫の積み増しを控えた。2021年4月末のトリムの在庫は3130万ポンドで、2017〜19年(コロナ前)の平均比15%減の水準だった。

豚肉の供給は、例年6・7・8月に減少する。と畜頭数が減少し、暑さによって生体重量も伸び悩む。2021年と2017〜19年、そして今年も同様だろう。しかし、需要サイドは違う。特にエンドユーザーの需要期に対する備えへの姿勢が異なる。2021年は春季の在庫積み増しが出来なかったため、72CLの価格は8月に上昇し、その後も秋まで比較的高値で推移した。

エンドユーザーは需要期に在庫不足に陥ることを恐れ、今年は同様の事態を回避しようと準備している。2022年4月末のトリムの在庫は前年比26%増、2017〜19年平均比でも6.5%増だ。

今年は、輸出需要や労働力をめぐる状況も昨年とは異なっている。中国向け輸出は前年比60〜65%減で推移しており、今年の豚肉輸出量は約7%減と予想されている。これは、国内向けのトリミングの生産を後押しするだろう。

 

※2022年6月6日 Pork Merchandiser’s Profit Maximizer

  赤身率72%のポークトリミングの日次ベースの価格推移(左)/赤身率72%のポークトリミングの日次ベースの価格推移(2021年除く)(右)
 
USMEFインフォメーション

アメリカンビーフバーガーTwitterキャンペーン

 
 

米国食肉輸出連合会(USMEF)は、6月9日〜8月3日まで「Burger is AMERICAN BEEF. 2022. Twitterキャンペーン」を実施します。今回のキャンペーン参加店舗は、北海道(札幌)・東北(仙台)・東海(名古屋、岐阜、浜松、豊橋)・関西(大阪)・九州(福岡、熊本)に拡大しました。

6月9日〜6月22日までの第1弾に続き、第2弾(6月23日〜7月6日)から第4弾(7月21日〜8月3日)まで、それぞれの地域の5店舗・計20店舗が参加。アメリカンミートの公式Twitterアカウントをフォローし、投稿により応募された方の中から各店舗10名・合計200名に対象のハンバーガー1食分と引き換えることができるクーポンをプレゼントします。

応募方法や参加店舗・実施スケジュールなどキャンペーンの詳細は下記よりご覧いただけます。
Burger IS AMERICAN BEEF. 2022. Twitterキャンペーン

  burger IS AMERICAN BEEF.2022.Twitterキャンペーン
 

マーケット・データ

 
 
 
 
 
 
 

ビーフ・ファクト・シート