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TRADER'S Be & Po

vol.403 Jun.13.2022
 
米国食肉輸出連合会
NEWS CONTENTS
市況ニュース カットアウト価格小反発、生体牛は続落
予想以上のと畜増で豚カットアウト下落、先物は回復
生産動向 フィードロットの飼養頭数、最多記録を維持
リテール メモリアルデー向け販促、牛肉はステーキ、豚肉はリブ主体
USMEFインフォメーション アメリカンポーク「おうちで食べよう」で新たなレシピ動画
アメリカンポークのカッティング動画を追加公開
マーケット・データ 生体牛・豚価格、カットアウトバリュ、穀物先物価格
ファクト・シート ポーク(2022年4月)米国の輸出、
と畜頭数・枝肉生産量、飼養動向、日本の輸入量
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市況ニュース

カットアウト価格小反発、生体牛は続落

 
 

例年、生体牛と牛肉卸売価格はメモリアルデー(5月最終月曜日)の連休需要で勢いをつけて、6月から上昇に転じるが、今年はその可能性が低いようだ。食品インフレの影響を受けて、消費者が価格の安い食肉の購入を増やしていることもあり、これまでのところ小売業者の牛肉販促は予想より控えめだ。

5月第2週のカットアウト価格(100ポンド当たり)は259.06ドル、前週比1.82ドル高。4週連続の下落にストップがかかったが、依然として前年同週比では16.3%安。第3週は前半4日間でチョイスが1.80ドル高の263.97ドル、セレクトは1.41ドル高の244.43ドルと上昇気配をみせている。

しかしアナリストは、「カットアウト価格の反発は短期的になりそうだ。ガソリン価格の高騰など、インフレによる可処分所得の圧縮で、牛肉の需要は今後ますます厳しくなる」と予想する。

消費者の支払うガソリン代は、いまや全体1日当たりで5億2900万ドルも多く、軽油代も2億8300万ドル多い。こうした状況を反映して、先週のスーパーの特売も牛肉の品目数は少なく、積極的な値引き販売も見られなかった。

一方、生体牛は現金・先物取引ともに3週連続で続落した。第2週の主要5州の生体牛価格は140.25ドル、枝肉価格は225.80ドルで、それぞれ前週比2.19ドル安、3.02ドル安。5月初めをピークに下げ続けている。

夏場に向けてもこの基調が続くと見られるが、下落幅は、6月から7月にかけての牛肉需要と、肥育牛(去勢牛・未経産牛)の週間と畜頭数に左右されるだろう。5月第2週の牛と畜頭数は、今年最多となる68万頭。うち肥育牛の推定と畜頭数は53万4000頭だった。

第3週の牛と畜頭数は推定64万4000頭と大幅に減少した。今週は祝日による稼働日減でさらなる減少が見込まれるものの、週前半の生体牛取引は北部で138〜144ドル、枝肉は224〜227ドル。南部では2万頭近くが前週比1ドル安の137ドルで取引された。

 

※2022年年5月30日 CATTLE BUYERS WEEKLY

 
 

予想以上のと畜増で豚カットアウト下落、先物は回復

 
 

USDA(米国農務省)の豚飼養動向調査(3月1日時点)では、120ポンド超の肥育豚の飼養頭数は約100万頭(前年比3.7%減)だった。通常、この区分の豚は3月初めから5月1〜2週に出荷される。

4月第3週までの週間と畜頭数は前年比3.6%減で推移しており、USDAの推定値と一致する。しかし、過去4週間の週当たり平均と畜頭数は239万頭(同0.5%減)で、結果的に3月以降の累計と畜頭数は同2.6%減と推測される。さらに、同期間の肥育豚の平均重量が同1.5%増であることを加味すると、過去4週間の豚肉供給量は同1%増になると推定される。

この供給増加と小売需要の頭打ち傾向が、4〜5月の先物価格の下落要因となった。カットアウト価格は前年比で15ドル下落したが、その4分の3は生鮮豚肉(ロイン・バット・リブ)の値下がりによるものだ。

USDAの報告を基に6・7月の出荷を予測すると、週間と畜頭数は228万〜229万頭、前年比で約1%減となる。枝肉重量は減少に転じつつあり、中西部に猛暑が到来していることから、今後も減少すると予想される。供給の観点からは、今後数週間で反発する可能性がある。

卸売価格が反落したにもかかわらず、小売市場では販売価格を一部値上げしている上に、販促数が減少している。連休向けの目玉商品となったバックリブは、前年よりも大幅な高値で販促されている。

卸売価格の下落が小売価格に反映されるには、ある程度時間がかかる。だが、現在の安値を起点に、と畜頭数が季節的に減少する夏の後半に向けて、先物市場では「豚肉の供給はいずれひっ迫する」との憶測から、穏やかな回復を見せている。

 

※2022年5月23日 Pork Merchandiser’s Profit Maximizer

  豚の週間と畜頭数の推移
  小売におけるポークロインの特売価格の比較
 
生産動向

フィードロットの飼養頭数、最多記録を維持

 
 

フィードロットの飼養頭数は、4カ月連続で最多記録を更新した。5月1日時点の総飼養頭数は1196万7000頭(前年月比2.0%増)。前年同月比で27万6000頭多く、5月1日としては1996年の統計開始以降で最も多い。干ばつの影響で、フィードロットへの導入が予想以上に多いことも要因の一つだ。

4月の導入頭数は180万9000頭(同0.9%減)で、アナリストの予想平均3.5%減よりもかなり多い。4月の出荷頭数は合計189万3000頭(同2.5%減)。テキサスA&M大学のデビッド・アンダーソン氏は、「出荷頭数は、と畜日数が1日少ないことを加味する必要があるものの、導入頭数の方は予想以上に多い。1〜4月の累計導入頭数は765万頭に達し、過去20年間で2019年に次いで2番目に多い」という。

さらに注目すべき点は、1月1日時点でフィードロット外の牛頭数に対する導入比率が過去最大で、素牛供給の30%に相当することだ。これは肥育素牛が積極的に導入されている明確な証拠であり、今後、時間とともに肥育素牛の供給がひっ迫することを示唆している。

USDA(米国農務省)の報告では、干ばつがキャトルサイクルとフィードロットへの導入に大きな影響を与えている。この2年間の干ばつで、牧草と乾草の状況が悪化しており、2022年の放牧シーズンは、牧草地の状況指標が1995年の統計開始以降で最も悪い状態でスタートした。このため、子牛のフィードロットへの導入ペースが加速し、連動して2022年の肥育牛のと畜ペースも速まる可能性がある。その結果として、2022年後半から2023年にかけて、肥育牛の供給が大幅に減少することが見込まれる。

 

※2022年5月30日 CATTLE BUYERS WEEKLY

 
リテール

メモリアルデー向け販促、牛肉はステーキ、豚肉はリブ主体

 
 

メモリアルデー(5月30日)の連休におけるスーパーの特売状況を見ると、タンパク質の販促の中では牛肉が30%を占め、次いでシーフード28.5%、豚肉23%、鶏肉15%、七面鳥1.6%などとなっている。

牛肉ではステーキ用が最も多く、48%を占める。牛ひき肉は30%。ステーキ用の平均価格(ポンド当たり)は、前年より1.15ドル高い9.18ドル。トップラウンドとボンインリブ以外の全品目が、前年より高値で販売されている。赤身率80%の牛ひき肉の平均価格は、前年をわずかに上回る3.32ドル。

豚肉は、リブが販促の38%強を占める。バックリブの平均価格は4.82ドルで、前年より16%高い。スペアリブは2.78ドルでほぼ横ばい。リブに次いで多いのはベーコンで、ブランドラベル・ベーコンは平均6.69ドル、同11.5%高で販売された。ポークチョップの平均価格は3.70ドル、同14.9%高。プルドポーク向けに人気のショルダーローストの平均価格は、16%安の1.58ドル。

鶏肉は、スキンレスチキンブレスト(皮なしムネ)が販促の中心で、平均価格は4.94ドル。高値が続くステーキの代替品として、積極的な売り出しが行われている。

 

※2022年5月26日 Foodmarket.com

 
USMEFインフォメーション

アメリカンポーク「おうちで食べよう」で新たなレシピ動画

 
 

米国食肉輸出連合会(USMEF)は、アメリカンポークの販促企画としてご好評をいただいている「おうちで食べよう!」施策を更に盛りあげる一環として、新たにソース小袋を使ったレシピ動画を作成しました。

人気料理インフルエンサー「ぐっち夫婦」にソース小袋7種(内容は本紙2月28日付既報参照)を使った「ヘルシーレシピ 天使のポーク」と「ヤミツキレシピ 悪魔のポーク」メニューを考案していただき、国内動画レシピサイト1の「Delish Kitchen」で紹介いたします(6月13日より公開)。

QRコードを付けたステッカーラベルを用意しました。このラベルはソース小袋を発注していただければ、もれなくケースに同梱もしくは別送にて手配します。各ソース小袋をこのラベルを使ってトレイパックに添付していただければ、購入したお客様はQRコードよりソース小袋を使ったレシピ動画を視聴していただけます。

ご好評いただいているソース小袋7種類は増産したものもあり、まだ提供可能ですので、アメリカンポークに付加価値を付けた販売促進として、ソース小袋と今回の人気料理インフルエンサーのレシピ動画を活用下さい。

  アメリカンポーク、あなたはどっち派?デリッシュキッチン コラボ企画
 
 

アメリカンポークのカッティング動画を追加公開

 
 

米国食肉輸出連合会(USMEF)は、アメリカンポークの様々な部位を活用したカッティング動画をシリーズで作成しています。4月末に、その第1弾として「ピクニック(うで肉)」の活用動画をUSMEFのYoutubeチャンネルで公開したのに続き、新たに4部位のカッティング動画を作成、追加公開しました。各部位のカッティング、メニュー提案は以下でご視聴いただけます。

本件に対する問合せは担当:加藤(Email:skato@usmef.org)まで。

 
 

マーケット・データ

 
 
 
 
 
 
 

ビーフ・ファクト・シート