例年、生体牛と牛肉卸売価格はメモリアルデー(5月最終月曜日)の連休需要で勢いをつけて、6月から上昇に転じるが、今年はその可能性が低いようだ。食品インフレの影響を受けて、消費者が価格の安い食肉の購入を増やしていることもあり、これまでのところ小売業者の牛肉販促は予想より控えめだ。
5月第2週のカットアウト価格(100ポンド当たり)は259.06ドル、前週比1.82ドル高。4週連続の下落にストップがかかったが、依然として前年同週比では16.3%安。第3週は前半4日間でチョイスが1.80ドル高の263.97ドル、セレクトは1.41ドル高の244.43ドルと上昇気配をみせている。
しかしアナリストは、「カットアウト価格の反発は短期的になりそうだ。ガソリン価格の高騰など、インフレによる可処分所得の圧縮で、牛肉の需要は今後ますます厳しくなる」と予想する。
消費者の支払うガソリン代は、いまや全体1日当たりで5億2900万ドルも多く、軽油代も2億8300万ドル多い。こうした状況を反映して、先週のスーパーの特売も牛肉の品目数は少なく、積極的な値引き販売も見られなかった。
一方、生体牛は現金・先物取引ともに3週連続で続落した。第2週の主要5州の生体牛価格は140.25ドル、枝肉価格は225.80ドルで、それぞれ前週比2.19ドル安、3.02ドル安。5月初めをピークに下げ続けている。
夏場に向けてもこの基調が続くと見られるが、下落幅は、6月から7月にかけての牛肉需要と、肥育牛(去勢牛・未経産牛)の週間と畜頭数に左右されるだろう。5月第2週の牛と畜頭数は、今年最多となる68万頭。うち肥育牛の推定と畜頭数は53万4000頭だった。
第3週の牛と畜頭数は推定64万4000頭と大幅に減少した。今週は祝日による稼働日減でさらなる減少が見込まれるものの、週前半の生体牛取引は北部で138〜144ドル、枝肉は224〜227ドル。南部では2万頭近くが前週比1ドル安の137ドルで取引された。
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