米国の消費者の食肉購買行動は、過去2年間の経済的激変の余波によって引き続き変化している。北米食肉協会(NAMI)と食品業界協会(FMI-The Food Industry Assn)が開催したウェビナーで、210 Analyticsのアン・マリー・ローリンク会長は、「2022 Power of Meat」の調査結果からその変化を明らかにした。
同調査によると、消費者の75%が食肉製品の値上がりに気づき、43%が特売の減少に気づいたという。その反応として、61%が外食や宅配の機会を減らすことで食費を節約し、62%が外食の代わりに自宅でレストランのような体験を再現しようとしている。
販促が減少した半面、買い物客は「食肉の特売に目を光らせている」という。75%が事前に特売をチェックし、80%が店内商品の価格や販促を見比べており、89%が予算通りのパッケージ価格を探し求めているという。特売品を見つける方法では、従来の主流であったチラシよりも、店内表示・デジタル広告、そしてストアアプリの利用が増加している。
食料品全体の値上がりの中で、「付加価値のある製品」や「PB(プライベートブランド)製品」が消費者に好まれる選択肢として成長した。生鮮肉では、メーカーブランド指向が過去17年間で最も高い29%に達したが、PB指向は生鮮肉(31%)、加工肉(26%)ともに過去最高を記録した。
食肉の購入量は2020年比で5.6%減少したが、販売額は0.3%増の818億ドルと記録を更新。購入頻度は減ったものの、一回当たりの購入金額が増加した。世帯への食肉普及率は98.5%と、依然として高い。
食肉の購入に際して、消費者が最も関心を寄せているのは「利便性」。シーズニングや味付けした付加価値型商品(68%)、調理済み商品(59%)、ミールキット(64%)、食肉惣菜のバラエティー(67%)などへの関心が高い。
ローリング会長は、「献立や買い物、調理や片付けなど、消費者を手助けすることが2022年の最大の伸びしろになる」と強調した。なお、米国の人口に占める食肉消費者の割合は74%と、昨年(71%)よりも増加。セミ・ベジタリアンは16%、ヴィーガンまたはベジタリアンは6%にとどまるという。
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