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TRADER'S Be & Po

vol.399 Apr.11.2022
 
米国食肉輸出連合会
NEWS CONTENTS
市況ニュース 春季の価格上昇、今年は小幅にとどまるか
消費動向 食料品価格急騰、インフレ加速とウクライナ情勢で
トピック 日本の牛肉SG発動基準の変更を歓迎―USMEF、NCBA
西海岸港湾の労使交渉、5月12日からスタート
生産動向 今春の肥育豚の供給はひっ迫―豚飼養動向予想
リテール NRFが「2022年世界の小売業者トップ50社」を発表
USMEFインフォメーション アメリカンビーフ、ポーク春夏キャンペーン展開
マーケット・データ 生体牛・豚価格、カットアウトバリュ、穀物先物価格
ファクト・シート ポーク(2022年2月)米国の輸出、
と畜頭数・枝肉生産量、飼養動向、日本の輸入量
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市況ニュース

春季の価格上昇、今年は小幅にとどまるか

 
 

生体牛とビーフカットアウト価格は例年春季に上昇するが、今年の上げ幅は過去数年間に比べて小幅にとどまりそうだ。3月第3週の生体牛価格は100ポンド当たり139.10ドル、枝肉価格は221.68ドル。それぞれ前週比0.80ドル高、1.57ドル高と、予想に反して横ばいで推移した。出荷待ちの牛の供給が5月末までは潤沢であることが予想されることが要因の一つだ。

同週のカットアウト価格は0.33ドル高の216.49ドルだったが、第4週は前半4日間でチョイスが5.36ドル高、セレクトは1.91ドル上昇した。昨春のチョイスのカットアウトは、4月から5月にかけて急上昇。10週間で94.79ドル上昇し、6月第1週には326.07ドルをつけた。しかし、今年の上昇幅は昨年の半分にも満たないと予想される。

アナリストは、「インフレの加速で消費者の家計が圧迫されている。これが肥育牛価格やカットアウト価格を抑制する要因となる。カットアウト価格は、メモリアル・デー(5月最終月曜日)の連休需要に向けて5月前半まで上昇基調をたどるのは確かだが、上げ幅は例年に比べて小さくなる。消費者は牛肉の購入に際して、価格をより注視する傾向が強まり、特にミドルミート(ロイン系)が影響を受けることになるだろう」と予想する。

 

※2022年3月28日 CATTLE BUYERS WEEKLY

 
消費動向

食料品価格急騰、インフレ加速とウクライナ情勢で

 
 

2月は食料品価格が急激に値上がりし、過去40年間で最大の上昇率を記録した。コロナ禍で起きたサプライチェーンの混乱の余波でインフレが加速したこと、ウクライナ情勢が緊迫化したことが主因だ。

労働統計局(BLS)によると、2月の消費者物価の上昇率は前年比7.9%(未調整)で、1982年1月以降で最大の伸びとなった。前月比では0.8%の上昇(季節調整済み)。12〜1月間の0.6%を上回り、2021年2月の上昇率0.4%の2倍に達した。

自宅で消費される食品(内食)の価格は前年比で8.6%も上昇し、1981年4月以降最大の上昇率を記録した。内食価格の物価指数の前月比は、昨年12月はわずか0.4%だったが、1月は1%、2月は1.4%と、2022年に入って加速している。

内食における主要6食品グループの全てで上昇。前年比ベースで牛肉は16.2%、食肉、家きん類、魚、卵は13%上昇した。

 

※2022年3月21日 CATTLE BUYERS WEEKL

 
トピック

日本の牛肉SG発動基準の変更を歓迎―USMEF、NCBA

 
 

米国通商代表部(USTR)と米国農務省(USDA)は3月24日、日本と米国産牛肉のセーフガード(以下SG)の発動基準を変更することで合意したと公表。これを受けて、米国の関係団体から歓迎するステートメントが発表された。

米国食肉輸出連合会(USMEF)ダン・ホストロム会長兼 CEOのステートメント

USMEFは、日本の米国産牛肉に対するSG調整に関するUSTRとUSDAの努力に大変感謝しております。日米貿易協定は、日本の米国産牛肉に対する関税の大幅な引き下げを含め、米国食肉業界にとって非常に画期的なものです。しかしながら、このSGがあることで、競争条件が完全に公平になったわけではありませんでした。

今回発表された変更は、SGの潜在的な影響を軽減し、米国の輸出業者とその日本の顧客にとって、より混乱を防ぐものとなります。米国の対日牛肉輸出は 2021年に32 万トンを超え、23億8000万ドルの新記録を樹立いたしました。しかし、2021年に米国産牛肉は輸入量がSG発動数量を超過し、3月中旬から4月中旬までの30日間、他の輸入国より高い関税が課されていました。

全米肉牛生産者牛肉協会(NCBA)ケント・バッカス国際貿易市場
アクセス担当シニアディレクターのコメント

日本が輸入する米国産牛肉に対するSGについて、米国と日本が大筋合意したとの発表を歓迎する。日米貿易協定の条件の一環として、2021年3月にSGが発動された後、両国は協議に入った。NCBAは、牛肉SGの発動基準の変更が日本の消費者と米国の肉牛生産者の相互にとって、有益なものとして改善される取り組みを強く支持する。

合意内容の詳細開示はこれからになるが、今回の発表によって、長期的な解決を確保するための重要なステップを踏み出したことに、NCBAは勇気づけられている。この長期的な解決は、米国の肉牛生産者が日本の消費者へ高品質な米国産牛肉を競争力のある価格で提供し続けることができるようにすることを目指すものだ。NCBAは、キャサリン・タイUSTR代表のリーダーシップと、この1年間尽力してきた交渉担当者の努力に感謝している。

なお、合意内容の概要は以下で閲覧できます。

USTRとUSDAの共同プレスリリース

United States and Japan Reach an Agreement to Increase Beef Safeguard Trigger Level Under the U.S.-Japan Trade Agreement | United States Trade Representative (ustr.gov)

農林水産省 日米貿易協定に基づく牛肉SGに関する協議の実質合意について

 
 

西海岸港湾の労使交渉、5月12日からスタート

 
 

米国・西海岸の港湾のターミナルオペレーターを代表する国際港湾倉庫労働組合(ILWU)と太平洋海事協会(PMA)の代表者によると、新たな労働協約へ向けた交渉が5月12日に開始される。Journal of Commerce紙によると、今回の労使交渉の争点は港湾の自動化に焦点が当てられているが、米国が現在抱えているサプライチェーンの課題をふまえると、この労使交渉は立法および規制当局からもより多くの精査を受けるだろうと報じている。

ブルームバーグの報道では、マーティン・ウォルシュ労働長官は、現在のサプライチェーンのボトルネックに加えて、潜在的な混乱が懸念される中での労使交渉をより密にモニタリングし、必要に応じて関与する構えだとしている。

PMAとILWUは2014年から2015年初めに、長期にわたる交渉を実施。その間に公的な作業の停止はなかったが、貨物の移動が遅くなり、港湾の混雑が激化した。双方は2015年2月に、5年間の労働協約に合意(2015年5月に批准)。2017年には3年間の延長(2022年6月30日まで)で合意していた。

 

※2022年4月1日 USMEF EXPORTER UPDATE

 
生産動向

今春の肥育豚の供給はひっ迫―豚飼養動向予想

 
 

今年後半から2023年の肥育豚の供給拡大の可能性について、不透明感が強まっている。生体豚の現金取引価格は強いものの、飼料コストの高騰・国内の非関税障壁(カリフォルニア州の提案12)・不確実な需要などが供給予測を難しくしている。

12月1日時点の繁殖豚の飼養頭数は618万頭だった。と畜頭数の週間データをもとにすると、2月の母豚のと畜頭数は推定23万9300頭(前年比0.8%減)。12〜2月期の繁殖豚(母豚および種雄の合計)と畜頭数は推定82万1400頭(同5.8%減)、前年同期比で5万1100頭少ない。

  米国の繁殖豚の飼養頭数の推移(四半期毎)
 

12〜2月期の期初の繁殖豚飼養頭数に対する母豚のと畜比率は13.3%。COVID-19の発生前とほぼ同水準だ。養豚企業が生産拡大へと転じるには、飼料コストと国内外の需要がより安定することが必要だ。これまでは一腹当たりの産子数が増加してきたが、この2年間の産子数は横ばいだ。疾病の発生による影響が今後の肥育豚供給の不透明感を増大させている。

12月時点の調査で、9〜11月期の子豚生産頭数は前年比4.8%減。通常、この豚は3〜5月期の間に出荷される。3月の4週間の肥育豚と畜頭数が前年比5%減で推移していることから、USDAの推定はかなり正確であることがわかる。

12月時点で、生産者は分娩頭数を前年比0.5%増と見込んでいた。一腹当たりの産子数を0.5%増と仮定すると、12〜2月期の子豚生産頭数は前年比約1%増になるが、夏季の先物価格動向から判断すると、市場関係者は子豚生産頭数の増加を見込んでいないように見える。

アナリストの予想を用いて試算すると、繁殖豚頭数に占める分娩割合は48.8%。3〜5月期の分娩頭数は前年比0.4%減。この減少で、一腹当たり産子数の増加は相殺され、秋季の肥育豚供給は前年比で微増水準にとどまる。

現在、先物価格は昨年に比べて大幅な高値を維持している。飼料コストの高騰やインフレの拡大が投機的な買いを促す要因となっているが、分娩頭数の割合が予想より高い場合は、秋季の先物取引価格が調整される可能性がある。

 

※2022年3月28日 Pork Merchandiser’s Profit Maximizer

  四半期毎の期初の繁殖豚飼養頭数に占める母豚のと畜頭数の割合
  母豚の一腹当たりの産子数(四半期ベース)
 
リテール

NRFが「2022年世界の小売業者トップ50社」を発表

 
 

全米小売業協会(NRF)は、調査会社のKanter社と共同で「2022年世界の小売業者トップ50社」を発表した。このリストは、2021年の事業実績に基づいて世界で最も影響力のある小売企業50社をランキングしたもの。

世界最大の小売企業は、昨年に引き続きウォルマート。同社はオムニチャンネル市場、実店舗サービスおよび達成モデルに大規模な投資を行った。上位10社の変動をみると、2021年と同じ順位を維持したのは2位のアマゾン、3位のシュワルツグループ、4位のアルディ。

2021年に5位だったアリババは13位に順位を下げ、コストコが昨年の6位から5位にランクアップ。6位のアホールド・デレーズ(2021年7位)、7位のカルフール(同8位)、8位のイケア(同9位)、9位のセブンアンドアイ(同13位)、10位のホーム・デポ(同15位)が順位を上げた。

調査分析を行ったKanter社のデイビッド・マーコット副社長は、「世界的パンデミックの2年目となった2021年は、世界で小売企業の力が試された。2020年と同様に、顧客のニーズや日常的行動の変化にうまく対応した小売企業売上と利益を大幅に拡大した」としている。同社のランキング方法は、3カ国以上で直接投資していることを対象条件として、小売企業の国内外における売上に基づいて点数を付与するシステムを用いている。

 

※2022年3月24日 FOODMARKET.comほか

  2022 世界の小売市場で影響力をもつ国際小売企業トップ50(上位20社抜粋)
 
USMEFインフォメーション

アメリカンビーフ、ポーク春夏キャンペーン展開

 
 

米国食肉輸出連合会(USMEF)は、食肉の大きな需要期である夏に向け、4〜6月にアメリカンビーフおよびアメリカンポークの消費者向けキャンペーンを実施します。ビーフキャンペーンの概要は以下のとおりです(ポークキャンペーンは本紙前号に掲載済み)。

【買って、当たる!!アメリカンビーフキャンペーン】

  • 期間:2022年4月1日(金)〜6月30日(木)23:59まで
  • 賞品:A賞 減煙 焼肉グリル………………………………全期間計300名
    B賞 アメリカンビーフオリジナルグッズ
           (トートバッグ、エプロン、マスク)………………全期間計1,000名
  • 応募方法:パッケージにキャンペーンシールの付いたアメリカンビーフ(米国産牛肉)を購入。シールに記載の二次元バーコードで応募ページにアクセス後、シリアルナンバーを入力して応募。その場で結果がわかります
  • キャンペーンサイトURL
    https://www.americanmeat.jp/csm/topics/beef_spring2022_cp/
    または「アメリカンビーフ」で検索
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