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TRADER'S Be & Po

vol.396 Feb.28.2022
 
米国食肉輸出連合会
NEWS CONTENTS
市況ニュース 牛肉カットアウト続落、生産の増加受け
生産動向 米国の肉豚生産、拡大前の一時的停滞
牛飼養頭数減少、干ばつとコスト増加で
輸出動向 年間輸出額、牛肉100億ドル、豚肉80億ドル突破
2022年の豚肉輸出見通し2.7%減、中国向け減少で
リテール 食料品価格の品目別上昇率、1位牛肉、2位豚肉
USMEFインフォメーション 「おうちで食べよう!」「LINEキャンペーン」連続展開
フーデックスに出展、3月8〜11日に幕張メッセ
マーケット・データ 生体牛・豚価格、カットアウトバリュ、穀物先物価格
ファクト・シート ビーフ(2021年12月)米国の輸出、
と畜頭数・枝肉生産量、飼養動向、日本の輸入量
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市況ニュース

牛肉カットアウト続落、生産の増加受け

 
 

牛のと畜頭数が例年の水準を回復するにつれて、カットアウト価格は続落している。一方で、生体牛は取引頭数の増加により出荷待ちの滞留が解消され、現金取引価格は堅調になった。

2月第2週のチョイスのカットアウト価格は、前半4日間で前週比4.99ドル安の274.82ドル、セレクトは同7.10ドル安の268.95ドルまで下落した。ただし前年比では、依然として2割以上高い水準を維持している。

トリミングの価格も、50CLが112.96ドル(前年比23.6%高)、90CLは280.01ドル(同25.4%高)と高騰しており、小売業者は牛肉の通常売価の引き下げや積極的な販促が難しくなっている。

生体牛の現金取引価格は、2月第1週の主要5州の去勢牛平均価格が139.76ドル(前週比2.81ドル高)、枝肉は221.79ドル(同3.79ドル高)だったが、第2週は火曜日から取引が活発化して、全地域で140ドル台に乗せた。

水曜日には南部での取引頭数が2万4039頭と北部(1万1334頭)の2倍以上となり、生体牛140ドル、枝肉222ドルで取引された。北部では生体牛141ドル、枝肉222〜225ドルをつけた。

アナリストは、「生体牛価格は、季節的な傾向として第1四半期中には上昇する。フロントエンド(肥育日数150日以上の牛)の供給は、4月までは前年割れで推移する見通しで、価格は堅調に推移するだろう」と予想する。

 

※2022年2月14日 CATTLE BUYERS WEEKLY

 
生産動向

米国の肉豚生産、拡大前の一時的停滞

 
 

2020年から2021年上半期に起きた繁殖豚の淘汰は、終焉を迎えたようだ。しかし、豚肉生産はまだ再拡大期には入っていない。繁殖豚の動向は、と畜頭数の前年比だけに着目すると誤解に繋がる可能性があり、長期的な視点から把握するために下図を作成した。

1月の4週間、母豚のと畜頭数は減少している。繁殖豚が縮小しており、淘汰できる母豚がほとんどいないためだ。また1月はオミクロン株への感染が急増したために、母豚の処理工場がフル稼働できなかったことも影響したようだ。

肥育豚のと畜頭数は、USDAの12月の飼養動向調査が示唆した水準に近づいているが、同調査の12〜1月の出荷見込み頭数までには達していない。この差の原因は依然不明であり、今後の出荷動向を注視する必要がある。

 

※2022年2月14日 Pork Merchandiser’s Profit Maximizer

  四半期毎(期初)の繁殖豚飼養頭数と母豚の週当たりと畜頭数の相関
 
 

牛飼養頭数減少、干ばつとコスト増加で

 
 

米国農務省(USDA)が発表した最新の牛飼養動向調査によると、1月1日時点の総飼養頭数は9190万2000頭(前年同日比2.0%減・188万8000頭減)。3年連続の減少で、アナリストの予想平均(1.2%減)を上回る減少幅となった。全米各地で起きた干ばつと、子牛生産に関連するコスト増が減少を加速させた。

肉用経産牛の飼養頭数は3012万5000頭(同2.3%減)。2021年の子牛生産頭数は3508万5000頭(同1.2%減)だった。アナリストは、2022年の子牛生産頭数も同程度か、それ以上の減少になる可能性があるという。

もう一つの重要な点は、フィードロットの外にいる肥育素牛および子牛の頭数が前年比で67万7000頭少なく、現在のキャトルサイクルが上昇傾向に転じた2015年以降で最も少ないことだ。肥育素牛および子牛の供給縮小により、フィードロットの導入コストの上昇は避けられないだろう。

◎繁殖雌牛頭数は2015年以降最少、牛群さらに減少も

テキサスA&M大学のデイビッド・アンダーソン氏は、今回の飼養動向調査の中で、牛肉産業のエンジンともいうべき繁殖用雌牛の数値に着目して、今後の長期的な牛肉生産の方向性を探る上で重要な示唆があると指摘する。

肉用種の経産牛の飼養頭数は、前年比71万8000頭減の3012万5000頭となった。これは2015年以降で最少だ。年間の減少としては、1996年〜1997年の86万頭減に次いで過去2番目に大きいが、さらに注目すべきことは、前年の飼養頭数自体も修正されており、前回公表時から31万4000頭少ないことだ。

肉用種の経産牛は東部の多くの州で減少した。西部ではカリフォルニア、ワシントン、オレゴンなどで増加したが、南部で増加したのはルイジアナ、バージニアのみで、テキサスは16万頭減の447万5000頭と2017年以降最少となった。

更新用に保有された肉用雌牛は561万2000頭(同3.3%減)。これは2014年1月1日以降で最少である。2021年の経産牛のと畜頭数が前年を大幅に上回っており、干ばつが肉用種の経産牛の減少を促したのは確かだが、干ばつの影響がなかった地域でも飼養頭数が減少している。

アンダーソン氏は、「経産牛の飼養頭数がこれほど大幅に減少したことを踏まえれば、牛群の縮小がさらに進むことが予想される。牛肉産業は生産の縮小・価格上昇へ向かっている」と分析している。

 

※2022年2月7日 CATTLE BUYERS WEEKLY

 
輸出動向

年間輸出額、牛肉100億ドル、豚肉80億ドル突破

 
 

米国食肉輸出連合会(USMEF)集計の食肉輸出統計によると、2021年の米国産牛肉(バラエティーミート含む)の輸出は、輸出量・輸出額ともに過去最高を更新し、輸出額は初めて100億ドルを超えた。豚肉(同)は輸出量が前年をわずかに下回ったが、輸出額は初めて80億ドルを突破した。

◎牛肉輸出額は韓国、日本、中国・香港で20億ドル台に

12月の米国の牛肉輸出量は12万1429トン(前年同月比1%増)、輸出額は9億9180万ドル(同33%増)。この結果、2021年の輸出量は144万トン(同15%増)と過去最高だった2018年を7%上回っている。輸出額は105億8000万ドル(同38%増)と前回記録(2018年)を27%上回っている。生産量に占める輸出割合は15%(正肉単体では12.8%)。

輸出先別でみると、量的には日本向けが最も多く、32万737トン(同5%増)だった。輸出額も23億7600万ドル(同22%増)と増加し、韓国に次いで2位。韓国向けは28万143トン(同14%増)・23億8200万ドル(同38%増)で、過去最高を更新した。

日本では、3月下旬から4月上旬に米国産牛肉に対するSGが発動され、関税率が上昇したが、韓国はKORUS(自由貿易協定)により関税率が段階的に引き下げられており、伝統的な小売市場とEコマースの両方で大きく成長している。FTA施行前に40%だった関税率は、2022年に10.7%に低下する。

中国/香港向けは、24万827万トン(同87%増)・20億9000万ドル(同114%増)。米中貿易協定の第一段階合意による市場アクセスの改善が寄与し、20億ドルを突破した。中国の牛肉輸入量に対する米国産のシェアは、量では6%、金額では11%を占めた。

台湾向けは6万3095トン(同1%減)・6億6800万ドル(同21%増)。過去最高だった2019年の輸出額を1億ドル以上も上回った。特にチルドビーフが増加しており、輸入チルドビーフ市場での米国産のシェアは81%を占める。

メキシコ向けは20万628トン(同4%増)・10億6000万ドル(同24%増)。このうちバラエティーミートは9万7642トン(同9%増)・2億6410万ドル(同16%増)で引き続き最大の輸出先となっている。これらのほか、中米向け2万991トン(同52%増)、インドネシア向け2万7010トン(同42%増)など多くの輸出先で新記録を達成した。

  米国産牛肉類(バラエティーミート含む)の月別輸出量
 

◎豚肉は多数の輸出先の成長で、中国の減少分を相殺

12月の米国の豚肉輸出量は21万5872トン(同17%減)、輸出額は6億430万ドル(同12%減)となった。この結果、2021年の年間輸出量は292万トン(同2%減)と小幅減少となったものの、輸出額は過去最高の81億1000万ドル(同5%増)に達した。生産量に占める輸出割合は29.4%(正肉単体では26%)。

主要国別では、輸出量の第1位はメキシコの87万4589トン(同27%増)で、これまでの最高記録(2017年)を9%上回った。輸出額は16億8000万ドル(同45%増)で2017年を11%上回った。

日本向けは39万4492トン(同2%増)・16億9000万ドル(同4%増)。2020年から発効した日米貿易協定による関税率の下で、着実な成長を遂げている。このうちチルドポークは20万5683トン(同2%増)で、日本のチルドポーク市場で1の座を堅持した。チルドポークの輸出額は10億2000万ドル。

韓国向けは16万7012トン(6%増)・5億5650万ドル(同23%増)。チルドポークが1万36トン(132%増)と大幅に増加し、同国のチルドポーク市場でカナダを抜いて第1位となった。KORUS協定の下で、米国産豚肉はゼロ関税の恩恵を受け、小売市場で拡大した。

中国/香港向けは73万4620トン(同29%減)・17億4000万ドル(同27%減)。量・金額ともに大幅に減少したが、バラエティーミートは32万8974トン(同26%増)と引き続き大幅に増加した。

フィリピン向けは7万8639トン(同69%増)・2億4430万ドル(同78%増)。フィリピン当局がアフリカ豚熱(ASF)の流行の後、豚肉供給と価格を安定させる措置として、一時的な関税率引き下げを行ったことが寄与した。

中米向けは13万9741トン(同41%増)・3億7610万ドル(同56%増)で、いずれも過去最高を記録した。ダン・ハルストロム会長兼CEOは「中国では国内生産の回復・増加により、輸入需要が低下することは予測されていた。米国は他の豚肉輸出国よりも中国への依存度は高くない。これが2021年の結果にも反映された。中国向けが30%近く減少しても、他の多くの地域で著しい成長を果たし、全体的に良い結果を残した」と評価している。

  米国産豚肉類(バラエティーミート含む)の月別輸出量
 
 

2022年の豚肉輸出見通し2.7%減、中国向け減少で

 
 

2021年の豚肉輸出は、好調なスタートを切ったもののゴール前で失速した格好だ。12月の豚肉輸出量(チルド・冷凍・調理済みの合計、製品重量ベース)は18万783トン(前年同月比17.5%減)と、3万8400トンも減少した。中国向けが前年同月より4万800トンも減少したことが要因だ。

2021年の輸出量は240万トン(同4.3%減)。米国農務省(USDA)は、2021年1月の時点で1.9%減と予想していたが、中国向けの激減(46%減・約33万8000トン減)より、全体でも予想を上回る減少となった。

これを受けて、2022年の生体豚先物価格は大幅に値下がりしている。USDAの豚肉輸出見通しも修正された。最新(2月時)の輸出量予想は前年比2.7%減。前回予想よりも12.7%下方修正された。

中国向けの輸出は、今年に入ってもかなり少ない。年初の数週間の輸出は前年同期比60〜65%減となっている。中国国内の豚肉価格はすでにASF発生以前の水準に戻っており、現時点では輸入需要は鈍化するとの見方が多いようだ。

 

※2022年2月1日 FOODMARKET.com/USMEF News release

  米国産豚肉(調製品含む)の月別輸出量の推移
  米国産豚バラエティーミートの月別輸出量の推移
 
リテール

食料品価格の品目別上昇率、1位牛肉、2位豚肉

 
 

米国の食料品価格のインフレ率は、総合インフレ率より高く、主食品目は8〜16%値上がりしている。1位は牛肉で、平均16%の値上がり。1月の牛ひき肉の小売価格は13%高、ビーフローストは19%高。ステーキや他の牛肉製品は17〜18%高。このところ、牛ひき材の卸売価格が大幅に上昇しており、消費者需要はより手ごろな牛肉品目にシフトしているようだ。

次いで上昇率の高いのは、豚肉の14.1%高。家きん類は9.8%高。しかし、値上がりしているのは食肉由来のタンパク質だけではない。卵、油、脂肪、小麦粉なども2ケタ台の値上がりとなっている。

 

※2022年2月14日 Pork Merchandiser’s Profit Maximizer

 
USMEFインフォメーション

「おうちで食べよう!」「LINEキャンペーン」連続展開

 
 

米国食肉輸出連合会(USMEF)は、2022年のアメリカンポークのプロモーションで「おうちで食べよう!」をテーマに様々な施策を展開します。

3月中旬から今年の春夏向け提案アイテムのソース・シーズニング(小袋)の提供を開始。4月1日からは「LINEマストバイキャンペーン」を展開します。

「おうちで食べよう!」は、昨春から展開している施策で、家庭で簡単に本格的なアメリカンポーク料理を食べていたたくために、USMEFがメーカーとタイアップで開発したシーズニングやソースの小袋を提供しています。今回は、7種のメニューを用意しました。

3回目の展開となるLINEキャンペーンは、今回から新たに「選ばれて、ずっと1 ごちポからのありがとう プレゼントキャンペーン」として4月1日〜6月30日まで実施します。「ごちポ」のLINEアカウントを友達追加のうえ、購入した米国産豚肉の値札ラベルとレシートの画像をアップロードすると応募が完了。抽選で豪華賞品をプレゼントする消費者キャンペーンです。

LINEキャンペーンおよび5月以降に展開する「CAMP&BBQ」(5月〜10月)、「ポークトーバー」(10月)などについては詳細が確定次第、順次ご案内します。

  いまこそ、おうちで楽しく♪美味しく♪食べよう!ソース小袋
  ごちポからのありがとうプレゼントキャンペーン
 
 

フーデックスに出展、3月8〜11日に幕張メッセ

 
 

米国食肉輸出連合会(USMEF)は、3月8〜11日まで千葉市美浜区の幕張メッセで開催される『FOODEX JAPAN 2022』(第47回 国際食品・飲料展)にメンバー企業2社(Berkwood Farms/Smithfield)とともに出展します。

USMEFブースでは2022年のキャンペーンや販促提案を展示・試食を通して紹介します。アメリカンビーフでは、①量販店向けの消費者キャンペーンおよび販促資材②外食向けのテイクアウト需要に対応できるアメリカンビーフを使ったサンドイッチ、ハンバーガー提案③8月〜9月にかけて展開する全国規模のキャンペーンを紹介します。

アメリカンポークでは、リテール向けに①春夏向けの販促アイテム(メーカー5社とのタイアップで新開発した7種類のソース・スパイス小袋を使用したメニューの試食提案)②4月からの従量税低下に伴い、コストメリットの発揮が期待されるピクニック(ウデ)の新たなカッティングと活用アイデア提案③付加価値向上に向けたアメリカンポークのブランディングを紹介。

外食向けには、春夏にかけて実施するBBQプロモーションとともに、昨年から取り組みを開始した「ポークトーバー」の今年の展開について紹介します。

ビーフ、ポークともに提案メニューの試食提供をはじめ各種パンフレット・ガイドブック等も配布しますので、ご来場の際はUSMEFブースにお立ち寄り下さい。

 
 

マーケット・データ

 
 
 
 
 
 
 

ビーフ・ファクト・シート