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TRADER'S Be & Po

vol.395 Feb.14.2022
 
米国食肉輸出連合会
NEWS CONTENTS
市況ニュース 牛と畜頭数は徐々に回復、生体牛価格は横ばい
2022年の肥育牛予想価格を上方修正―USDA
豚肉価格は堅調、強い需要と供給減・在庫薄で
トピック USDAが港湾混雑の緩和策、オークランド港に新施設
ポーク関連ニュース 豚肉在庫は依然低水準、カットアウト価格下支え
業界ニュース 価格高騰と上位企業集中度に相関ない―NPPC調査
USMEFインフォメーション 4月1日から「アメリカンビーフ春の店頭キャンペーン」
マーケット・データ 生体牛・豚価格、カットアウトバリュ、穀物先物価格
ファクト・シート ポーク(2021年12月)米国の輸出、
と畜頭数・枝肉生産量、飼養動向、日本の輸入量
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市況ニュース

牛と畜頭数は徐々に回復、生体牛価格は横ばい

 
 

オミクロン株の感染拡大の影響で減少していた牛のと畜頭数は、じわじわと回復して12月中旬の水準に近付いている。しかし1月のと畜頭数の減少は、肥育牛と畜の1日分に相当し、出荷待ちの滞留は完全に解消されてはいない。

1月第2週の牛のと畜頭数は、わずか47万2372頭だった。第2週は推定63万6000頭、第4週は64万3000頭。パッカーの肥育牛購入が徐々に増え、生体牛の現金取引価格は横ばいから弱保合で推移した。

先週の特徴的な動きは、地域による価格差が縮小したことだ。従来は南部より北部が高い傾向にあったが、その差はなくなっている。月曜日の現金取引は頭数が少なかったが、アイオワ・ミネソタで生体牛が100ポンド当たり136ドル、枝肉は同217ドル。火曜日は全ての地域で取引が活発化し、ほぼ全地域で生体牛が137ドル、枝肉は218ドルで販売された。水曜日には南部でより取引が増え、カンザスでは生体牛が136ドルとやや弱含んだ。

と畜頭数の回復と牛肉生産量の増加により、カットアウト価格の大幅な上昇は終わりを迎えた。カットアウト平均価格は、1月前半の3週間で100ポンド当たり20.52ドル上昇し、第3週には前週比7.91ドル高の288ドルをつけた。チョイスも3週間で22.50ドル上昇したが、先週は前半4日間で3.30ドル安となり、木曜日には289.11ドル。セレクトは3.23ドル安の279.10ドルとなった。

 

※2022年1月31日 CATTLE BUYERS WEEKLY

 
 

2022年の肥育牛予想価格を上方修正―USDA

 
 

USDA―ERS(米国農務省経済調査局)は、2022年の肥育牛の予想価格を上方修正した。第1・第4四半期の肥育牛(去勢牛)価格は、前回予想より100ポンド当たり1.00ドル高の139.00ドル、138.00ドルに、第2・第3四半期はそれぞれ2.00ドル高の136.00ドル、134.00ドルに修正。2022年の年間価格は、1.50ドル高の136.75ドルに上方修正した。

ERSは上方修正の理由について、「パッカーの生体牛需要が引き続き強いとの見通しに基づいて引き上げた」としている。これに伴って肥育素牛の予想価格は、第1・第3四半期はそれぞれ1ドル高の159.00ドルと160.00ドルに、第2四半期は2.00ドル高の156.00ドルに修正。結果として2022年の肥育素牛の年間予想価格は、前回予想より1.00ドル高の160.00ドルに引き上げられた。

 

※2022年1月31日 CATTLE BUYERS WEEKLY

 
 

豚肉価格は堅調、強い需要と供給減・在庫薄で

 
 

生体豚の先物価格が急上昇し、現金取引価格とカットアウト価格も上昇する勢いをみせている。「カリフォルニア州提案12」の実施が先送りされた(サクラメント郡上級裁判所が最終規則施行から180日後までの実施延期を決定)ことも好材料となった。

豚肉加工工場では、この2週間でCOVID症例の増加に伴って労働者の欠勤率が上昇し、生産が不安定になっている。1月第2週のと畜頭数は236万6000頭(前年同週比10.5%減)、第3週は244万頭(同10.2%減)。第4週は250万台を回復したが、前年に比べると5.5%減で依然として少ない。

この期間の生体豚現金取引価格は、100ポンド当たり60〜70ドルで推移したが、先物価格(シカゴ商品取引所・USDAのLM-HG200)は、1月21日に60.91ドルだったものが28日には75.31ドルまで跳ね上がった。

  シカゴ商品取引所の豚先物価格の推移(生体豚現金取引価格指標)
 

先物価格がわずか5日間で14ドルも上昇したことから、カットアウト価格も強気に転じた。カットアウト価格は年初から10ドル上昇したが、これに最も貢献しているのがロインだ。

1月28日のロインプライマルの価格は、100ポンド当たり101ドルと年初よりも26ドル高い。これは、カットアウト価格を6.5ドル押し上げたことに相当する。ベリーの価格も4.2ドルを付加したが、ピクニック、バット、リブの安値で相殺された格好だ。

ロインは、鶏むね肉や牛ひき肉との比較でこれまで価格競争力があり、小売市場で売れ行きが良好だったが、今後はその優位性が薄れるだろう。また豚のと畜頭数が改善するにつれて、ロインの価格上昇も小幅になると予想されるが、それでも前年実績を大幅に上回る価格帯にとどまるだろう。

 

※2022年1月31日 Pork Merchandiser’s Profit Maximize

  ポーク・ロインプライマルの価格推移(日次ベース)
 
トピック

USDAが港湾混雑の緩和策、オークランド港に新施設

 
 

米国農務省(USDA)は1月31日、米国の農畜産物の円滑な輸出の障壁となっている港湾の混雑と海上輸送の混乱を改善するための計画を発表した。USDAとカリフォルニア州のオークランド港が提携して、農畜産物製品を空(から)のコンテナに積載できるよう、25エーカーの「ポップアップ」サイトを開設する。

ヴィルザック農務長官は、「COVID-19を通じて、供給システムに潜む脆弱性が明らかになった。経済の急速な回復によってサプライチェーンに大きな負荷がかかっており、創造的なアプローチで政権、州、地方、そして民間パートナーと一体となって港湾の能力を改善する。今回の提携は、そのための積極的なアプローチに基づくもので、アメリカの農業を動かし続けることへのバイデン・ハリス政権の強いコミットメントのサインだ」としている。

ブティジェッジ運輸長官は、「USDAとオークランド港の創造的な提携を通して、米国の農畜産物製品が滞りなく出荷され、また港湾の混雑を引き起こしている空コンテナをより有効に利用できるように支援する。サバンナ港内にポップアップ港湾を設置した後、物品の流れが大幅に改善された。オークランド港でも同様の成果が期待できる」と述べている。

今回の発表を受けて、米国食肉輸出連合会(USMEF)のダン・ハルストラム会長兼CEOは2月1日、以下のコメントを発表した。

米国の輸出業者のフラストレーションが続く状況に対処するUSDA、オークランド港をはじめ他の関係機関の尽力に感謝する。米国の港湾において輸出業者が直面する輸送面の課題には、魔法のような解決策はないが、コンテナへのアクセス改善は確実に正しい方向へ向けた第一歩だ。オークランド港は米国の食肉輸出業者の戦略を担う基幹販路であり、特にアジアの主要市場へ向けたチルド製品にとって重要な役割を担っている。新たなコンテナ用地が利用できることを心待ちにしている。

 

※2022年2月1日 FOODMARKET.com/USMEF News release

 
ポーク関連ニュース

豚肉在庫は依然低水準、カットアウト価格下支え

 
 

USDAが発表した2021年12月末の豚肉の総在庫は4億9390ポンド(前年同月比4.1%減)。過去5年間平均比で19.1%減と依然として少なく、カットアウト価格を下支えする要因になっている。前月比では0.8%減と、過去5年平均の2.2%減に比べれば小幅な減少にとどまったものの、1月はと畜頭数が少なかったことから、在庫の積み増しは進んでいないだろう。

ハム(モモ)の在庫は6380万ポンド(同18.9%増)。過去5年平均比では12%減。前月からの減少率は16.9%減。過去5年平均の25%減を下回ったものの、依然として低い水準だ。

ベリーは3950万ポンド(同26.6%増)、過去5年平均とほぼ同水準。ベリーの在庫は、季節的な要因で第1四半期を通じて増加する。加工業者が春夏の需要に備えて積み増しを図るためだが、今年は年初にベリーの価格が上昇したことから、1月に積み増しができたかどうかは不明だ。

ロインの在庫は3900万ポンド(同5.7%減)、過去5年平均比では7.4%減。

 

※2022年2月1日 FOODMARKET.com/USMEF News release

  豚肉の月末在庫の推移
 
業界ニュース

価格高騰と上位企業集中度に相関ない―NPPC調査

 
 

全米豚肉生産者協議会(NPPC)は「米国の豚肉産業における集中度に関する調査報告書(2022年1月)」を公表し、現在の豚肉価格の上昇が上位企業の集中によるものではなく、米国産豚肉への強い需要と市場要因によるものであることを明らかにした。

NPPCのジェン・ソーレンセン会長は、「豚肉加工業界における上位企業の集中度は、15年前に比べて大きく上昇してはいない。最近の豚肉価格の上昇は、豚肉への高い需要と原価の高騰、賃金の上昇、そしてサプライチェーンによる業界全体のボトルネックが引き起こしたものだ。小売価格が上昇している間に、卸売業界が高い利益を得たことを示す根拠はない」と強調している。

豚肉パッカー上位4社への集中度は、この5年間で約7%低下している。上位4社の集中度は、1995年から2016年までの間に企業合併と拡大によって44.5%から72.0%に上昇したが、2017年から2020年の間に複数の新規工場が開業したため、現在は64.6%になっている。

一方で、全米の豚肉価格(ポークチョップの小売価格)は、他7カ国との比較で依然として最も安く、豚枝肉価格も調査対象18カ国の中で2番目に安い。報告書は、上位企業の集中度の変遷と小売価格の変化には相関はないと指摘している。

分析を行った経済学者らが提言したもう一つの問題点は、生産者価格と卸売価格の価格差だ。これはパッカーのコストと利益を形成する要素だが、パッカー業界では週当り賃金・輸送コスト・包装コストが上昇しているにもかかわらず、この価格差は縮小を続け、過去6カ月間で15%縮小している。

同期間に、卸売価格と小売価格の価格差は35%以上拡大した。小売業者のコストが高騰したこと、昨年夏の卸売価格の高騰に小売価格が連動するまで潜在的なタイムラグがあったことが要因だ。小売価格の高騰にもかかわらず、ここ数カ月のパッカーの売上総利益は過去5年平均に近づいており、パンデミック前の通常の範囲内に戻りつつある。

 

※2022年1月31日 CATTLE BUYERS WEEKLY

なお、同報告書は下記からダウンロードできます。
https://nppc.org/wp-content/uploads/2022/01/Pork-Industry-Concentration-Report.pdf

 
USMEFインフォメーション

4月1日から「アメリカンビーフ春の店頭キャンペーン」

 
 

米国食肉輸出連合会(USMEF)は、春から初夏にかけての商戦を盛り上げる消費者キャンペーンとして、4月1日から6月30日まで「アメリカンビーフ春の店頭キャンペーン」を実施します。

キャンペーンシールが貼付されたアメリカンビーフ(400円以上のパック商品)を購入されたお客さまに、抽選で「煙が少ない電気焼肉グリル」(300名)や「アメリカンビーフオリジナルグッツ詰め合わせ」(トートバック・エプロン・マスクのセット1000名)が当たります。

キャンペーン用トレイパックシール(2層式)の内部に記載のシリアルナンバーを応募用Webサイトに入力すると、その場で当落がわかります。キャンペーン告知資材として「キャンペーンシール」「キャンペーン告知POPセット」(B5POP,棚帯のセット)を作成中(発送は3月25日予定)ですので、この機会に店頭にてキャンペーンを告知頂き、マネキン試食販売に代わる販促手法として、売上向上とリピーター獲得にご活用ください。

本件へのお問い合わせは担当:笠谷(tkasatani@usmef.org)まで。

【キャンペーン概要】

  • キャンペーン期間:2022年4月1日〜2022年6月30日
  • 賞品:A賞/電気焼肉グリル………………………………………300名
    B賞/アメリカンビーフオリジナルグッズ詰め合わせ…1000名
  キャンペーンの流れ
 
 

マーケット・データ

 
 
 
 
 
 
 

ビーフ・ファクト・シート