米国ではオミクロン変異株による感染拡大で労働力が不足し、牛肉生産量が引き続き制限されている。1月第2週のと畜頭数は、例年の65万頭余りに対して、推定62万1000頭にとどまり、2020年5月以来の低水準となった。
これを受けて、生体牛の現金取引価格は下落を続け、一方でカットアウト価格は大幅に上昇した。1月第1週の主要5州の生体牛(去勢牛)の平均価格は、100ポンド当たり138.41ドル、枝肉は同219.98ドル。12月最終週に比べて、それぞれ1.18ドル安、0.91ドル安だった。
第2週は、月曜日から下落傾向でスタートし、カンザスとテキサスで生体牛2520頭が135〜137ドル、火曜は7373頭が136〜137ドルで取引された。ネブラスカでは3175頭が138ドル、枝肉218ドルで販売された。
水曜、木曜日は北部、南部ともに下げ止まり傾向となったが、アナリストは「オミクロン株の拡大が続けば、多くの食肉処理工場で労働力不足が悪化する可能性があり、買い手・売り手とも警戒を強めている」という。
祝祭日週の稼働短縮と労働力不足で、牛肉生産量が減少しているため、牛肉卸売価格は年始から急上昇している。1月7日までの週間カットアウト価格は100ポンド当たり270.18ドル。前週比2.39ドル高、前年同週比では30.7%高をつけた。チョイスは265.89ドル、前週比3.09ドル高。
スポット市場での取引量が少ないこともあり、第2週のチョイスの平均価格は週前半の4日間で11.04ドル上昇し、木曜日に282.86ドルまで高騰した。セレクトは12.66ドル上昇の272.76ドルとなった。
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