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TRADER'S Be & Po

vol.389 Nov.8.2021
 
米国食肉輸出連合会
NEWS CONTENTS
市況ニュース 肥育牛のと畜低調、カットアウトも底値探る動き
生産動向 母豚のと畜減少、2022年の豚肉供給に追い風
2021〜2022年の食肉生産量予想を下方修正―USDA
ポーク関連ニュース 豚肉の冷凍在庫、依然低水準、ベリーさらに減少
サスティナビリティ SPG連合への支持国・機関・団体等50以上に
消費動向 自宅調理の割合が80%に達する―IRI調査
USMEFインフォメーション 大阪で11月17〜19日開催の「加工食品EXPO」に出展
マーケット・データ 生体牛・豚価格、カットアウトバリュ、穀物先物価格
ファクト・シート ポーク(2021年9月)米国の輸出、と畜頭数・枝肉生産量、飼養動向、日本の輸入量
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市況ニュース

肥育牛のと畜低調、カットアウトも底値探る動き

 
 

生体牛の現金取引価格は、上げ要因を探って揉み合いを続けている。フィードロットからの出荷が低調(9月の出荷は前年比約3%減)で、依然としてフロントエンド(肥育日数150日以上)の牛の供給が潤沢な水準にあることが主因だ。

米農務省(USDA)公表・10月第3週の主要5州の去勢牛平均価格は、100ポンド当たり123.84ドルで、前週比0.88ドル高。9月同週(127.51ドル)から5週間にわたって小幅な上下動を続けており、前週も南部では124ドル、北部では124〜126.50ドルの値動きだった。

肥育牛のと畜頭数は、10月第2週が50万5000頭、第3週は52万5000頭前後と推定され、フロントエンドの供給を消化するのに必要な水準を大幅に下回っている。これに伴い、去勢牛・未経産牛の枝肉重量も予想以上に増加している。

10月9日までの去勢牛の週間平均重量は921ポンド。前年比では7ポンド減だが、前週比では5ポンド増、過去5年平均比では13ポンド増。未経産牛は839ポンドで、前年比7ポンド減、前週比3ポンド増、過去5年平均比7ポンド増。

ボックスビーフ価格も5週連続で下落した後に、底値を探る動きになっている。第3週のカットアウト(カット、ひき材、トリム)平均価格は、100ポンド当たり285.66ドル。前年同週比では33%高だが、前週比では4.48ドル安。チョイスは先週前半4日間で0.40ドル高と横ばい、セレクトは同2.10ドル高。アナリストは、「カットアウト価格は11月を通して横ばいで推移するだろう」と予想している。

 

※2021年10月25日 CATTLE BUYER’S WEEKLY

 
生産動向

母豚のと畜減少、2022年の豚肉供給に追い風

 
 

9月の母豚のと畜頭数は、推定25万1900頭(前年同月比8.8%減)。6カ月連続で前年を下回っており、COVIDパンデミックに端を発した繁殖豚淘汰の動きが終わりを迎えたことを伺わせる。

下記のグラフは、四半期毎の繁殖豚の飼養頭数と、それに対する母豚のと畜頭数の割合を示している。2020年後半から2021年前半にかけて、母豚淘汰の動きが起きたことが読み取れる。2014年から2020年第1四半期までの母豚のと畜率は平均12%であるのに対して、同期間は13%を超えている。

繁殖豚群における母豚と畜率の低下は、未経産豚の保留と同時に、母豚の保有期間が若干長期化していたことを示している。2014年から2019年末までの間、繁殖豚は57万6000頭(10%)増加した。6〜8月期の母豚のと畜頭数は77万3700頭、6月1日時点の繁殖豚飼養頭数に占める割合は12.4%になる。

9月から10月上旬のデータが示すと畜の減少を踏まえると、9〜11月期の母豚と畜頭数は75万1000頭となる見通し。9月1日時点の飼養頭数に占める母豚と畜率は12.1%で、これはCOVIDパンデミック発生前の平均に近く、繁殖豚の淘汰は終わりを迎えたと考えられる。

飼料コストの上昇や輸出の不確実性、またカリフォルニア州における「Prop 12」の施行にもかかわらず、生産者は母豚数を維持しようとしているようだ。

 

※2021年10月25日 Pork Merchandiser’s Profit Maximizer

  繁殖豚の飼養頭数と母豚のと畜頭数比率(四半期毎)
 
 

2021〜2022年の食肉生産量予想を下方修正―USDA

 
 

米国農務省(USDA)の最新の予想では、2021年の食肉生産量は1065億6100万ポンドで、9月の予想値から5400万ポンド下方修正された。下方修正の理由は、豚肉、ブロイラー、七面鳥の生産量予想が低下したため。牛肉の生産量予想は、経産牛のと畜増と平均枝肉重量の増加を理由に上方修正された。

 2021年の牛肉生産量予想は278億3200万ポンド(9月時予想より9000万ポンド増)、豚肉生産量は276億7400万ポンド(同9200万ポンド減)。2020年は、豚肉生産量が牛肉生産量を11億2900万ポンド上回っていたが、今年は牛肉の生産量が再びトップとなる見通し。ただ、2022年には再び豚肉が牛肉を上回ると予想されている。

2022年の食肉生産量予想は1062億5500万ポンド。9月時の予想から6億6400万ポンド下方修正された。牛肉生産量の予想は269億9500万ポンド。フィードロットの導入傾向から、2022年下半期に肥育牛の供給がタイトになる見込みだ。

豚肉生産量の予想は275億8500万ポンド。9月予想の281億4500万ポンドから5億6000ポンド下方修正された。9月24日公表の四半期毎の飼養動向調査で、今年6〜8月期の子豚生産頭数と、9〜11月期の分娩見込み頭数が減少する見通しであることを反映したもの。

2022年上半期は肉豚のと畜頭数が減少するとともに、一腹当たりの産子数の増加率が鈍化し、下半期には肉豚の供給が減少する見通しだ。

 

※2021年10月25日 CATTLE BUYERS WEEKLY

 
ポーク関連ニュース

豚肉の冷凍在庫、依然低水準、ベリーさらに減少

 
 

9月末時点の豚肉の冷凍在庫は、推定4億6640万ポンド。前年比では横ばいだが、過去5年平均比では20%増。前月比では2.7%増と、過去5年平均の増加率とほぼ同水準。一部の部位が高値を付けたことで、在庫の積み増しが抑制された。その最たる例がベリー(バラ)だ。

ベリーの在庫は1300万ポンドと記録的低水準にあり、すでに少なかった1年前の水準に比べても47.5%減、過去5年平均比で54%減。前月比では26%減少しており、5年平均の減少率(13%減)を大幅に上回っている。ベリープライマルの価格は100ポンド当たり200ドルを超えており、エンドユーザーは在庫を消化することで対処しているようだ。

一方で、モモの在庫は1億9350万ポンド、前年同月比32.5%増、前月比4%増と回復した。労働力不足と輸出の鈍化で、ボンインハムの在庫積み増しが進んだことが一因だ。ポークリブの在庫は5450万ポンドと、依然として少ない。前年同月比8.3%減、過去5年平均比27.7%減。おそらくエンドユーザーは現在の反落を活用して、枯渇した冷凍在庫を補充するだろう。スペアリブは、この時期としては記録的な高値が続いている。

 

※2021年10月25日 Pork Merchandiser’s Profit Maximizer

  主要食肉(牛・豚・鶏・ターキー)の月末冷凍在庫量の推移(左)/豚肉の月末冷凍在庫量の推移(右)
 
サスティナビリティ

SPG連合への支持国・機関・団体等50以上に

 
 

米農務省(USDA)のトム・ヴィルザック長官は10月26日、9月の国連食料システムサミットで米国が提唱・発足した「食料安全保障と資源保全のための持続的生産性向上に関する連合」(SPG連合)に、50以上の国や組織が公式に支持を表明したことを発表した。

このSPG連合の目標は、社会・経済・環境の全ての範囲で、農業の持続可能性を最善の状態にする生産性の向上を通して、より持続可能な食料システムへの移行を加速することだ。

同長官は、「この連合を立ち上げた理由は、拡大する世界人口のニーズに適応して、世界中の人々が確実に食料を入手できるようにするには、農業の生産性向上が欠かせないことが明らかなためだ。環境への影響を最小限に抑えつつ、飢餓を終わらせるために、私たちは農業面で新たな実行方法を展開・発展させることに尽力しなければならない」と述べている。

SPG連合に参加・支持を表明(第一次公表)した国は、オーストラリア、ブラジル、ドミニカ共和国、ガーナ、ホンジュラス、リベリア、フィリピン、北マケドニア共和国、米国。そのほか、国連食糧農業機関(FAO)などの国連機関や多くの学術・研究機関のほか、民間部門では北米食肉協会(NAMI)、米国食肉輸出連合会(USMEF)全米豚肉生産者協議会(NPPC)、全米ターキー連盟、アメリカ穀物協会、アメリカ大豆輸出協会など、多くの畜産・食肉関係団体や企業も支持を表明している。

 

※2021年10月27日 Foodmarket.com

 
消費動向

自宅調理の割合が80%に達する―IRI調査

 
 

IRIおよび210 Analyticsの調査によると、米国消費者の9月の食費支出における自宅調理の割合は80%近くに達した。回復していた外食費の一部が再び小売店へとシフトして、オンラインでの食料品購入も増加したという。

パンデミックの最中、オンライン購入の割合は20%だったが、今年7月にこの割合は11%にまで低下していた。しかし、8月は13%、9月は14%と再び上昇している。だが日配品や冷凍品に比べて、生鮮品、特に食肉のオンライン購入の頻度は依然として低い。生鮮食品をリードしているのは青果であり、オンライン購入における世帯浸透度の高い生鮮品15品目のうち、12品目を青果が占める。

食肉ではひき肉とベーコンが購入されているが、畜種やカット、あるいはブランド商品など、食肉全体においてオンラインがオフラインと同等のシェアを確保するための改善の余地は、まだまだ多いようだ。

同調査では、消費者の消費・購買パターンの変化や、インフレの進行、物流を含むサプライチェーンをめぐる厳しい環境と制約の間で、食肉の小売は依然として流動性が高い状況にあるとし、また食肉の値上がりは、他の食品価格の上昇と合わせて、大きなトピックとして注視されているとしている。

一方、米国農務省経済統計局(USDA−ERS)の調べによると、パンデミック中に自宅での食事が増えた結果、2020年のアメリカ人の食費支出は、前年比で7.8%減少したことが明らかになった。食費は1997年以降、いわゆるリーマンショック後の2008年(1.5%減)・2009年(3.0%減)を除いて毎年増加してきた。

1997年から2019年にかけて、食費は内食・外食のいずれも増加してきたが、外食費の上昇幅がより大きかった。パンデミックの打撃で、2020年の外食費は前年比19.5%落ち込んだ一方、内食費は4.8%上昇した。

2019年の食費の割合は、外食51.8%・内食48.2%だったが、2020年の外食の割合は12.8%に急落した。外食費が食費の半分を割ったのは、2003年の調査開始以降初めてのことだ。

 

※2021年10月18日 CATTLE BUYERS WEEKLY

 
リUSMEFインフォメーション

大阪で11月17〜19日開催の「加工食品EXPO」に出展

 
 

米国食肉輸出連合会(USMEF)は、2021年11月17日(水)〜19日(金)にインテックス大阪で開催される「加工食品EXPO」にメンバー企業3社とともに出展し、アメリカンポークならびに加工品の提案を行います。

「加工食品EXPO」は、商材ごとの3つの展示会(加工食品、ワイン・酒、肉・乳製品の各EXPO)で構成される「第1回国際食品商談week」として開催されるもので、「第5回”日本の食品”輸出EXPO」も同時開催されます。

USMEブースでは、ポーク加工品を取り扱っている以下のメンバー企業が出展します。また、メニュー提案として、「ピクニックを使ったプルドポーク/生姜焼き」「テンダーロインを使ったローストポーク」の提案を行います。試食の提供は開催ガイドラインに則り、十分感染対策を取った上で行います。

出展メンバー企業

  • ・Hormel Foods社
  • ・Jones Dairy Farm社
  • ・Berkwood Farms社

ご来場いただく際は、以下のe-招待券をダウンロードしていただき、招待券を印刷していただくか、入場用QRコードを入り口でご提示して下さい。

■e-招待券 ダウンロードURL

https://www.jfex.jp/ja-jp/visit/e-ticket.html

 
 

マーケット・データ

 
 
 
 
 
 
 

ポーク・ファクト・シート