第4四半期に生体牛価格が急上昇するとの見方が広がっている。フロントエンド(肥育日数150日以上の牛)の減少と、肥育牛の枝肉重量の前年割れ基調を反映したものだ。フロントエンドの頭数は、9月1日時点では前年比6%増と予想されるが、10月1日には同1%増、2022年1月1日には同10%減と予想され、今後4カ月間で33万3000頭減少する見通しだ。
枝肉重量は5月から前年割れとなったが、今後も飼料コストの上昇を主因に前年割れが続くだろう。こうした見通しは、先物相場にも反映されている。10月限の生体牛先物は100ポンド当たり129.60ドル、12月限は135.62ドル。米国農務省(USDA)の第3・第4四半期の肥育去勢牛の予想価格も124ドル、127ドルと、それぞれ前回予想に比べて4ドル上方修正された。
フィードロットの飼養頭数は、2月をピークに6カ月連続で減少し、8月までの6カ月間で103万2000頭、8.5%減少した。同期間の過去5年平均の減少率は6.2%であり、昨年5月から続いてきた牛の滞留が一掃されたようだ。
オクラホマ州立大学のダレル・ピール氏は、「枝肉重量はフィードロットの入れ替えの活発化を示す指標になる。去勢牛・未経産牛の枝肉重量は5月に前年割れし、現在もそのまま推移している。フィードロットでの飼料コストの上昇により、今後数カ月間の枝肉重量は抑制されるはずだ」と分析する。
肥育素牛の価格も堅調に推移している。特に、重量の重い区分の素牛が高値をつけている。
第3・第4四半期の肥育去勢牛の予想価格の上昇を受け、USDA・ERS(経済調査局)は2021年の肥育去勢牛の年間予想価格を、前回予想よりも2.00ドル高の121.20ドルに上方修正。2022年についても供給減と盤石な需要を理由に、4ドル高の126ドルに修正した。
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