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TRADER'S Be & Po

vol.385 Sep.13.2021
 
米国食肉輸出連合会
NEWS CONTENTS
市況ニュース 生体牛価格、第4四半期に上昇
豚肉需要は第3四半期も堅調、価格は高値推移
生産動向 フィードロット総飼養頭数、前年割れ続く
トピック ASF対策でプエルトリコ、ヴァージン諸島を保護ゾーンに
植物由来食品の市場規模、2030年に1620億ドル予想
ポーク関連ニュース 豚肉の冷凍在庫は依然少ない、モモは上積み
リテール レイバーデイ連休、牛肉の販促は少ない
USMEFインフォメーション アメリカンビーフ毎日食べたいレシピラベルを配布
「アメリカンポークおうちで食べよう!」秋冬向け提案
マーケット・データ 生体牛・豚価格、カットアウトバリュ、穀物先物価格
ファクト・シート ポーク(2021年7月)米国の輸出、
と畜頭数・枝肉生産量、飼養動向、日本の輸入量
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市況ニュース

生体牛価格、第4四半期に上昇

 
 

第4四半期に生体牛価格が急上昇するとの見方が広がっている。フロントエンド(肥育日数150日以上の牛)の減少と、肥育牛の枝肉重量の前年割れ基調を反映したものだ。フロントエンドの頭数は、9月1日時点では前年比6%増と予想されるが、10月1日には同1%増、2022年1月1日には同10%減と予想され、今後4カ月間で33万3000頭減少する見通しだ。

枝肉重量は5月から前年割れとなったが、今後も飼料コストの上昇を主因に前年割れが続くだろう。こうした見通しは、先物相場にも反映されている。10月限の生体牛先物は100ポンド当たり129.60ドル、12月限は135.62ドル。米国農務省(USDA)の第3・第4四半期の肥育去勢牛の予想価格も124ドル、127ドルと、それぞれ前回予想に比べて4ドル上方修正された。

フィードロットの飼養頭数は、2月をピークに6カ月連続で減少し、8月までの6カ月間で103万2000頭、8.5%減少した。同期間の過去5年平均の減少率は6.2%であり、昨年5月から続いてきた牛の滞留が一掃されたようだ。

オクラホマ州立大学のダレル・ピール氏は、「枝肉重量はフィードロットの入れ替えの活発化を示す指標になる。去勢牛・未経産牛の枝肉重量は5月に前年割れし、現在もそのまま推移している。フィードロットでの飼料コストの上昇により、今後数カ月間の枝肉重量は抑制されるはずだ」と分析する。

肥育素牛の価格も堅調に推移している。特に、重量の重い区分の素牛が高値をつけている。

第3・第4四半期の肥育去勢牛の予想価格の上昇を受け、USDA・ERS(経済調査局)は2021年の肥育去勢牛の年間予想価格を、前回予想よりも2.00ドル高の121.20ドルに上方修正。2022年についても供給減と盤石な需要を理由に、4ドル高の126ドルに修正した。

 

※2021年8月30日 CATTLE BUYERS WEEKLY

 
 

豚肉需要は第3四半期も堅調、価格は高値推移

 
 

現在の豚肉価格は、通常の需要から推測される価格水準を大きく上回っている。下図が示す通り、近年、豚肉の需要は拡大を続けており、2019年、2020年の価格は需給均衡ラインを超えている。

今年の価格は、長期的需要から割り出される均衡価格より約52%高い。全米豚肉委員会(NPB)の予測では、年内は高い需要が続くものの、その後は例年の水準へ後戻りする見通しだが、豚肉市況は現在の牛肉市場より大きな値下がりリスクを内包している。

中国では、国産豚肉の価格がASF前の水準にまで回復していることで、輸入需要はかなり鈍化している。最近のUSDAレポートでは、2022年に中国の豚肉生産量は14%減少し、豚肉輸入量は増加する予想となっている。しかし、中国の国内生産の低下は供給過多を要因とした推定であり、再構築に多額を投じた中国の生産者が実際に生産を抑制するかどうかは定かではない。

ドミニカ共和国におけるアフリカ豚熱の発生は、米国の生産者にとってもう一つの大きなリスクだ。USDAは、プエルトリコ、ヴァージン諸島をASF保護ゾーンに指定した。国際獣疫事務局(OIE)がこの指定ゾーンを認定すれば、他国が米国産豚肉を全面的に禁輸することは避けられる見込みだが、まだ完全な保証には至っていない。

 

※2021年8月30日 Pork Merchandiser’s Profit Maximizer

  シ米国の国民1人当たりの豚肉供給量とカットアウト価格(各年第2四半期)
 
生産動向

フィードロット総飼養頭数、前年割れ続く

 
 

8月1日時点でのフィードロットの総飼養頭数は1107万4000頭(前年比1.9%減)となった。8月としては4年連続で1100万頭を超えているものの、4年間の中で最低の水準だ。7月の出荷頭数は190万頭(同4.5%減)。と畜日数が昨年より1日少ないことを考慮すると、微減水準だが、導入頭数は173万9000頭(同8.1%減)と大幅に減少した。

導入頭数の重量区分をみると、減少幅が大きいのは軽量級の2区分。600ポンド未満が37万5000頭(同4万5000頭減)、600-699ポンドは25万5000頭(同6万頭減)。重量級の900-999ポンドは20万5000頭(同1万頭増)、1000ポンド以上は7万頭でほぼ前年並み。

7月の出荷率(総飼養頭数における出荷頭数の割合)は過去5年平均を0.1%下回っているが、出荷頭数自体は過去5年平均を2万8000頭上回った。第4四半期にフロントエンド(肥育日数150日以上の牛)の供給が減少すれば、年末・年始に牛の出荷が速まる可能性もありそうだ。

 

※2021年8月30日 CATTLE BUYERS WEEKLY

 
トピック

ASF対策でプエルトリコ、ヴァージン諸島を保護ゾーンに

 
 

USDAは8月26日、プエルトリコおよびアメリカ領ヴァージン諸島を「外国動物疾病」保護ゾーンに設定すると発表した。これは、ドミニカ共和国で発生が確認されたアフリカ豚熱(ASF)の米国およびその領域への侵入を防ぐために重要な手段の一つ。

プエルトリコではすでに予防策が実施されているが、国際獣疫事務局(OIE)の正式な指定を通して、USDAは疾病発生前の取引パートナーにゾーンの認定を求めることができ、プエルトリコまたはアメリカ領ヴァージン諸島でASFが検出された場合も、米国は豚肉の輸出を継続することができる。

ゾーニングの手順の一つとして、USDAはプエルトリコにおけるASFへの認識の強化と、サーベイランスの継続にも取り組む意向。ドミニカ共和国当局と連携して、同国のASF抑制に取り組む。

 

※2021年8月26日 NPB news release

 
 

植物由来食品の市場規模、2030年に1620億ドル予想

 
 

ブルームバーグ・インテリジェンス社の調査によると、植物由来タンパク食品の売上は、今後9年間で爆発的に増加し、2030年までに世界のタンパク質市場の7.7%に達し、市場規模は2020年の294億ドルから1620億ドル超に拡大する可能性があるという。

この調査では、世界の動物性および家きん類由来のタンパク質需要が、2030年までに1.2兆ドルに達するとした上で、同年までの植物由来食品市場の成長を予想している。Beyond Meat・Impossible Foods・Oatlyなどの業界大手は、レストランや主要チェーンと提携して、植物由来タンパク質の選択肢を積極的に増やしているという。

ケロッグやネスレのような、より歴史が長く認知度の高い企業は、植物由来製品の流通拡大と、豊富な品揃えを見せるプロモーションキャンペーンを通して優勢を狙っている。食肉の代替品市場が植物由来乳製品と同じパターンの成長をたどれば、食肉代替品市場は今後10年間で42億ドルから740億ドル規模にまで拡大すると予想している。

 

※2021年8月30日 CATTLE BUYERS WEEKLY

 
ポーク関連ニュース

豚肉の冷凍在庫は依然少ない、モモは上積み

 
 

7月末時点の豚肉冷凍在庫は推定4億4310万ポンド(前年同月比3.8%減)、過去5年平均比では20.2%減と依然として少ない。秋季に豚肉生産が増加し、値下げ圧力が生じるとの観測があるものの、そうした生産増加の一部は、在庫水準の低さと相殺されるだろう。

モモの冷凍在庫は1億5260万ポンド(同11.7%増)、過去5年平均比では12.3%減。前月比では、過去5年平均の11%増に対し、今年は17%増えた。モモの在庫の積み増ができたことで、生産の増加と相まって、今秋のモモの価格上昇は控えめになるはずだ。

バラの在庫は前年同月比34.5%減、過去5年平均比31%減。前月比は過去五年平均の19%減に対し、24%減と依然少ない。バラの価格が8月に急騰した背景には、秋季の価格下落を期待したエンドユーザーが在庫を早めに消化したため、不足分を8月のスポット市場の追加手当で補わざるをえなかったとの見方もある。

他の品目の在庫も減少した。ポークロインは前月比8%減、他のタンパク質が高く、消費者の一部が豚肉へシフトしたことを背景に、小売の好調な需要を示している。食肉全体(牛肉、豚肉、鶏肉、七面鳥肉)の7月末の冷凍在庫は20億1500万ポンド(同12.4%減)、過去5年平均比16.6%減と少なく、年内の価格に引き続き影響を与えるだろう。

 

※2021年8月30日 Pork Merchandiser’s Profit Maximizer

  冷凍豚肉の月末在庫量の推移
 
リテール

レイバーデイ連休、牛肉の販促は少ない

 
 

7月中旬から牛肉の卸売価格が急上昇したため、レイバーデイ(9月6日)の連休に向けた小売業者の牛肉販促は少なくなっている。小売業者は牛肉マージンが回復するまで、おそらく9月いっぱいは、牛肉の販売価格の値下げや積極的な特売を実施することはなさそうだ。

レイバーデイの連休は、多くのアメリカ人にとって、昔からハンバーガーやホットドッグを楽しむイベントだ。先週から今週のスーパーの広告には、グリルステーキ品目はほとんど見られない。

スーパー4社の広告例をみると、2社はトライチップ・ローストを特売品目にしている。北カリフォルニアの1社は、チョイスのトリムド・トライチップをポンド当たり4.99ドル、赤身率85%の牛ひき肉を5.49ドルで販促。別のチェーンではTボーンステーキを10.99ドルで特売している。

セーフウェイは牛肉の特売は2品目のみで、マリネド・トライチップロースト7.99ドル、USDAプライムのボンレスニューヨークストリップ20.99ドル。Raley'sは、クロスリブロースト4.47ドル、赤身率91%の牛ひき肉6.99ドル、フランクステーキ8.99ドルの3品目を販売した。対照的に、チキンはドラムスティック、レッグクォーターなどが1.27ドルの安値で販促された。

8月第3週のビーフのカットアウト価格(カット、ひき材、トリム)の平均は100ポンド当たり314.76ドル、前週比16.46ドル高。この4週間で47.51ドルも値上がりした。前年同週比では48.6%高であり、小売業者は牛肉の販促を活発に展開できないだろう。

 

※2021年8月30日 CATTLE BUYERS WEEKLY

 
USMEFインフォメーション

アメリカンビーフ毎日食べたいレシピラベルを配布

 
 

米国食肉輸出連合会(USMEF)は、新型コロナの環境下において内食比率が増え、消費者から調理法やレシピへの要望が高まっていることに応えて、アメリカンビーフのレシピ訴求シール・リーフレットを継続的に製作してきました。

これまでに開発したレシピ訴求資材は「野菜と食べよう!アメリカンビーフ」「ホットプレートで楽しいアメリカンビーフ」「アメリカンビーフで家飲み」「アメリカンビーフで楽しいお弁当生活」「アメリカンビーフで丼もの選手権」「アメリカンビーフでステーキ鍋」「煮込んでおいしいアメリカンビーフ」など15種類(シリーズ)に及びます。

これらのバラエティに富んだ資材をUSMEFの公式Webより提供・配布中です。シールに記載されているQRコードをスキャンすると、レシピの詳細を入手できるようになっています。配布をご希望の企業の方は、下記より発注ができます。
https://www.americanmeat.jp/trd/publications/tool/online/input.php

  毎日食べたいレシピ後紹介!
 
 

「アメリカンポークおうちで食べよう!」秋冬向け提案

 
 

米国食肉輸出連合会(USMEF)は、2021年のアメリカンポークプロモーションでは「おうちで食べよう!」をテーマに様々な施策を連続展開しています。その一環で、この秋冬向けの施策の一つとして、新たに以下の4つのメニューを提案し、タレ小袋と販促用POPを製作・配布します。

なお、春夏から提供している従来のタレ・シーズニング小袋についても、在庫のあるものについては継続提供していますので、引き続きご活用下さい。

  からし焼き、プルコギたれ、味噌だれ、コク深クリームソース
 

マーケット・データ

 
 
 
 
 
 
 

ポーク・ファクト・シート