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TRADER'S Be & Po

vol.384 Aug.30.2021
 
米国食肉輸出連合会
NEWS CONTENTS
ワールドトレード 上半期の輸出、牛肉・豚肉とも記録的な水準に
市況ニュース 米国の豚価が欧州・カナダより割高、輸出需要の課題に
牛肉需要、過去30年で最高に
トピック 牛肉産業の持続可能性目標、2040年までに気候中立を実現
ポーク関連ニュース 豚と畜頭数、前年比大幅減も2019年比では1.9%減
生産動向 干ばつの状況悪化、牛群縮小の懸念
マーケット・データ 生体牛・豚価格、カットアウトバリュ、穀物先物価格
ファクト・シート ビーフ(2021年6月)米国の輸出、
と畜頭数・枝肉生産量、飼養動向、日本の輸入量
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ワールドトレード

上半期の輸出、牛肉・豚肉とも記録的な水準に

 
 

米国食肉輸出連合会(USMEF)が発表した食肉輸出データによると、2021年上半期の米国産食肉(バラエティミート含む)の輸出は、牛肉・豚肉ともに記録的な水準となった。

USMEFのダン・ハルストロム会長兼CEOは、「2021年は、労働力確保の厳しさや港湾・海上輸送での製品物流上の障害、多くの主要市場におけるフードサービスの制限など、多くの大きな課題が提起されている。その中にあっても上半期の輸出が記録的な水準に達したことは、国際的な顧客基盤の強固さ、高品質で栄養価に優れた米国産食肉に対する消費者の強い需要、そして急速に変化するビジネス環境に適応する米国の食肉産業の能力の高さを証明している」とコメントしている。

6月の牛肉輸出量は11万2249トン(前年同月比42%増)、輸出額は8億4440万ドル(同68%増)。この結果、上半期の輸出量は70万87トン(同18%増)、輸出額は46億4000万ドル(同28%増)に達した。上半期の輸出が過去最高だった2018年と比較しても、輸出量は6%増、輸出額は15%増となっている。

6月の輸出額の1頭当たり換算は351.18ドルに相当し、上半期の平均は359.49ドルと前年同期比で20%増加した。6月の牛肉総生産量に占める輸出割合は13.6%、正肉単体では11.5%。上半期の同14.7%、同12.5%で、それぞれ前年同期より約1.5ポイント上昇した。

6月の日本向け輸出量は2万4864トン(同20%増)、上半期累計は15万6287トン(同1%増)、10億5,000万ドル(同6%増)。チルドビーフは8%増加し、日本のチルドビーフ輸入量の51%を占めた。

中国向け8万1001トン、6億2250万ドル。前年同期に比較し10倍以上の増加となった。

  米国産牛肉(バラエティミート含む)の月別輸出量の推移
 

6月の豚肉輸出は23万8935トン(同15%増)、6億9680万ドル(同35%増)。上半期累計では158万トン(同1%増)、43億3000万ドル(7%増)と過去最高だった昨年を上回った。

6月の輸出額は1頭当たり換算で65.44ドルに相当し、上半期は同67.04ドルと前年同期比で5%上昇した。6月の生産量に占める輸出割合は29.4%、正肉のみでは25.5%。上半期の輸出割合は31.4%、正肉単体は28.1%。

上半期の日本向けは20万7699トン(同7%増)、8億6510万ドル(同6%増)。とくに小売需要が堅調に推移する中で、チルドポークの輸出が堅調に増加した。

中国/香港向けは47万1565トン(同22%減)と減少。このうち、バラエティーミートは16万6809トン(同25%増)、4億8700万ドル(同30%増)と増加した。

メキシコ向けは39万8565トン(同22%増)、7億8950万ドル(同45%増)と大幅に増加した。韓国向けは9万6154トン(同3%増)、3億1400万ドル(同12%増)。フィリピン向けは、関税率の一時的な引き下げにより5万8010トン(同239%増)、1億7,660万ドル(同257%増)と飛躍的な伸びを示した。

  米国産豚肉(バラエティミート含む)の月別輸出量の推移
 
市況ニュース

米国の豚価が欧州・カナダより割高、輸出需要の課題に

 
 

ポーク・カットアウト価格は、CME(シカゴ商品取引所)インデックスが8月のプレミアムを示しており、短期的には良好だ。しかし、下半期の肉豚価格見通しに関する不透明感は強い。10月限のリーンホッグ先物価格(100ポンド当たり)は88ドル、8月限に対して16%安となっている。

近年の動向と比較すると、下落幅は小幅だ。2017年は夏季のピーク時の価格が92ドルだったが、CMEインデックスから算出される現金価格は9月末までに42%下落。2018年は同様にピークから48%、2019年は36%下落している。

肉豚価格が秋季に下落するのは例年のことだが、今年の供給は9月までに季節的な出荷増と、重量の増加により総生産量が底上げされる。9月末までに、週間と畜頭数は現在より約30万頭増加し、平均重量は約5ポンド増加すると予想される。

今後数カ月の供給予想は見方が一致しているが、需要予測には不透明な要素がある。ハム(モモ)は、一部のチルド製品の需要が不安定で、値下げ圧力が強まっている。また、輸出需要もこれまで以上に重要性を増している。過去15〜20年の供給拡大の約3分の2は、輸出成長に支えられてきた。

大きな問題は、労働力のひっ迫だ。パッカーは除骨および加工ラインをフル稼働することが困難な状況になっている。その影響は、ボンインとボンレス・トリム製品の価格差に表れている。この時期に人気の高いスペアリブをみると、セントルイスカットは、通常のトリムスペアリブに比べて2.80ドルも高い。この価格差は従来50セントから1ドルで推移していた。

輸出のメリットの一つは、通常、国内ユーザーが要求する小売スペックまで製品をトリムする必要がないことだ。例えば、ボンインのラージハムをメキシコへ輸出する方が、ボンレスハムの正肉加工よりもはるかに簡単だ。

下図のグラフが示すとおり、米国の肉豚の取引価格は現在、カナダ産より23%高く、欧州産と比べて32%高い(枝肉・米ドル換算)。2019から2020年の米国産豚肉の輸出需要をけん引してきたのは中国だったが、今年これまでの中国の米国産豚肉の輸入は33%減少。一方で欧州からの輸入は、主要供給国であったドイツからの輸入が停止されているにもかかわらず19%増えている。

 

※2021年8月2日 Pork Merchandiser’s Profit Maximizer

  米国とカナダ、EUの豚枝肉価格の推移
 

牛肉需要、過去30年で最高に

 
 

NCBAの年次総会で、Cattle Fax社のケビン・グッド氏は「米国ならびに世界の経済回復にともない、牛肉需要は過去30年で最高の水準にあり、この傾向は2022年も継続する。世界的なタンパク質の供給ひっ迫は、米国産牛肉の大幅な輸出拡大に繋がる」との見通しを示した。

牛肉の卸売価格は、需要増が供給の増加で相殺され、2022年のチョイスのカットアウト価格は100ポンド当たり265ドル、前年比で5ドル高と小幅な上昇にとどまると予想される。牛肉の小売価格(ポンド当たり)は2021年が6.80ドル、2022年は6.85ドルの予想。

同氏は、「COVID-19パンデミックの余波で、国内需要は依然として1988年以来最高の水準にある。景気刺激策と失業給付金が経済を後押しし、レストランが営業停止から脱するにつれ、需要が供給を上回る速さで増加。チョイスのカットアウト価格は6月に336ドル、小売価格は7.11ドルにまで跳ね上がった。それでも客足は依然多く、牛肉需要の強さを証明している」と指摘。

また「タンパク質の需要は世界的に増加。卸売価格が高いにもかかわらず、米国産牛肉の輸出は2カ月連続(4・5月)で過去最高を記録した。増加要因は、中国向けが昨年に比べて大幅に増加したことで、日本や韓国向けも引き続き増加している。タンパク質供給の世界的なひっ迫は、2022年の米国産食肉の輸出拡大を後押しし、米国産牛肉の輸出量は2021年に前年比15%増、2022年はさらに5%増加するだろう」との予想を示した。

チョイスのカットアウト価格は、4月上旬から6月中旬にかけて67.07ドル上昇した。上昇のピークは過ぎたが、現在はレイバー・デー(9月の第1月曜日)の連休へ向けた買い付けが追い風となって、再び反発する局面にある。

8月第1週のチョイスのカットアウト価格は平均280.58ドル、前週比14.09ドル高。第2週は前半4日間で21.67ドル高の317.90ドル、セレクトは13.22ドル高の296.26ドルをつけた。

第1週の主要5州の去勢牛平均価格は123.83ドル、枝肉は198.20ドル。前週比でそれぞれ2.15ドル高、0.81ドル高。第2週は、生体牛123〜127ドル、枝肉198〜204ドルで取引された。

 

※2021年8月16日 CATTLE BUYERS WEEKLY

 
トピック

牛肉産業の持続可能性目標、2040年までに気候中立を実現

 
 

全米肉牛生産者・牛肉協会(NCBA)は8月12日、米国の牛肉産業界の持続可能性(サステナビリティ)に関する新たな目標を発表した。NCBAは、持続可能な牛肉生産において、米国の牛肉生産者はすでに世界的なリーダーであるとした上で、新たな目標設定を通じて、米国の生産システムの持続可能性をさらに向上させるとともに、継続的な改善へ向けた生産者の努力を世界に実証するとしている。主な目標は次の通り。

  • 2040年までに、米国の肉牛生産における気候中立性を実証する。
  • 2025年までに、生産者の収益性と経済的持続可能性に定量化可能な増加をもたらす機会を創出および拡大する。
  • 動物福祉のさらなる向上を目的とした家畜の取り扱いプログラムにおける教育機会の拡大を通して、家畜と資源の責任ある管理者としての信頼を高める。
  • 牛肉業界に従事する全ての人の安全性と健康を継続的に向上する。

米国の牛肉産業界は、2021年に持続可能性の現状を評価し、最も効率的な改善策を決定し、前進へ向けた構想の共有を促すための「Sustainability Goals Task Force」を結成。このワーキンググループが持続可能性の目標設定などを進めてきた。

NCBAのマーティ・スミス氏は「米国の肉牛生産者は、持続可能性へのコミットメントを何世代にもわたって実証してきた。土壌、水、大気資源を守るために精力的に取り組み、遺伝学、牧草管理、糞尿処理、その他多数のテクノロジーの採用といった無数の改善を重ねてきた。今回の目標設定は、業界が進む次なるステップにすぎない。継続的な改善を公約し、努力を測定・記録できるようにする。肉牛生産者がリーダーとなって、重要なステップを踏み出したことを誇りに思う」と述べている。

NCBAの持続可能性目標に関する詳細はncba.org/sustainabilityを参照。

 
ポーク関連ニュース

豚と畜頭数、前年比大幅減も2019年比では1.9%減

 
 

USDAの推定では、先週の豚と畜頭数は241万5000頭(前年比5.7%減)。過去4週間の平均と畜頭数は前年同期比8.4%減となっている。大幅な供給減に見えるが、下のグラフが示す通り、この減少率の主因は昨年のと畜頭数が異常に多いためだ。

2020年の4・5月は、工場閉鎖などによってと畜頭数が大幅に低下し、肉豚の滞留が生じ、その処理に一定期間を要した。現在のと畜頭数を2019年と比較すると、過去4週間の平均234万4000頭に対して、2019年同期は238万7000頭、1.8%の減少である。

6月1日時点の飼養動向調査によると、120ポンド超の豚の飼養頭数は2860万頭、対して2019年は2740万頭。週間データを基に計算すると、6月第1週から8月第1週までのと畜頭数は226万5100頭、2019年同期比3.5%減。メモリアルデーの日程の違いを調整すると、現在のと畜頭数は2019年比で約1.9%減となる。

過去3カ月間のと畜頭数は増加傾向にあるが、2019年比では依然として下回っている可能性が高い。問題は、9・10月へ向けて2019年との差がどれだけ変化するかだ。

一方で豚肉の在庫は、除骨・加工などの人員不足によってさらに減少している。この結果、ボンレス製品やトリムの価格は予想より大幅に高くなり、カットアウト価格全体を下支えしている。直近のハム(モモ)プライマルの取引価格は、23-27#ハムの価格より約20%高をつけており、ボンレスハムとトリムの価格上昇がカットアウト価格を下支えしている。

 

※2021年8月16日 Pork Merchandiser’s Profit Maximizer

  米国の週当たり豚と畜頭数の推移
  ハム(モモ)プライマルの価格(日次ベース)
 
生産動向

干ばつの状況悪化、牛群縮小の懸念

 
 

米国東部および北中西部で、干ばつ状況が悪化している。現時点で、牛の飼養頭数の32%が干ばつ地帯にいる。干し草の36%、アルファルファの64%が干ばつ下にあることも明らかになり、これが牛群のとう汰を促すことが懸念されている。

こうした状況から、繁殖用に保留された未経産牛が、フィードロットへの導入用に組み入れられる可能性がある。また、肥育素牛や子牛の価格が下落することも予想される。一部のアナリストは、来年の1月1日までに牛の総飼養頭数は前年比で約150万頭減少する見込みだとしている。

 

※2021年8月9日 CATTLE BUYERS WEEKLY

 
 

マーケット・データ

 
 
 
 
 
 
 

ビーフ・ファクト・シート