NCBAの年次総会で、Cattle Fax社のケビン・グッド氏は「米国ならびに世界の経済回復にともない、牛肉需要は過去30年で最高の水準にあり、この傾向は2022年も継続する。世界的なタンパク質の供給ひっ迫は、米国産牛肉の大幅な輸出拡大に繋がる」との見通しを示した。
牛肉の卸売価格は、需要増が供給の増加で相殺され、2022年のチョイスのカットアウト価格は100ポンド当たり265ドル、前年比で5ドル高と小幅な上昇にとどまると予想される。牛肉の小売価格(ポンド当たり)は2021年が6.80ドル、2022年は6.85ドルの予想。
同氏は、「COVID-19パンデミックの余波で、国内需要は依然として1988年以来最高の水準にある。景気刺激策と失業給付金が経済を後押しし、レストランが営業停止から脱するにつれ、需要が供給を上回る速さで増加。チョイスのカットアウト価格は6月に336ドル、小売価格は7.11ドルにまで跳ね上がった。それでも客足は依然多く、牛肉需要の強さを証明している」と指摘。
また「タンパク質の需要は世界的に増加。卸売価格が高いにもかかわらず、米国産牛肉の輸出は2カ月連続(4・5月)で過去最高を記録した。増加要因は、中国向けが昨年に比べて大幅に増加したことで、日本や韓国向けも引き続き増加している。タンパク質供給の世界的なひっ迫は、2022年の米国産食肉の輸出拡大を後押しし、米国産牛肉の輸出量は2021年に前年比15%増、2022年はさらに5%増加するだろう」との予想を示した。
チョイスのカットアウト価格は、4月上旬から6月中旬にかけて67.07ドル上昇した。上昇のピークは過ぎたが、現在はレイバー・デー(9月の第1月曜日)の連休へ向けた買い付けが追い風となって、再び反発する局面にある。
8月第1週のチョイスのカットアウト価格は平均280.58ドル、前週比14.09ドル高。第2週は前半4日間で21.67ドル高の317.90ドル、セレクトは13.22ドル高の296.26ドルをつけた。
第1週の主要5州の去勢牛平均価格は123.83ドル、枝肉は198.20ドル。前週比でそれぞれ2.15ドル高、0.81ドル高。第2週は、生体牛123〜127ドル、枝肉198〜204ドルで取引された。
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