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TRADER'S Be & Po

vol.382 Jul.27.2021
 
米国食肉輸出連合会
NEWS CONTENTS
市況ニュース 肥育牛価格は地域でバラつき、カットアウトは続落
豚肉需給 供給は今秋から来春に減少、価格は需要次第
トピック 食肉処理能力拡大に5億ドル―USDA
ポーク関連ニュース 6月の中国の食肉輸入量17%減―国内豚価の低下で
消費動向 牛肉小売価格上昇も需要は引き続き堅調
USMEFインフォメーション アメリカンポークおうちでBBQ!キャンペーン第二弾
マーケット・データ 生体牛・豚価格、カットアウトバリュ、穀物先物価格
ファクト・シート ビーフ(2021年5月)米国の輸出、
と畜頭数・枝肉生産量、飼養動向、日本の輸入量
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市況ニュース

肥育牛価格は地域でバラつき、カットアウトは続落

 
 

6月28日〜7月3日週の生体牛の現金取引価格は100ポンド当たり123.89ドル(USDA主要5州の去勢牛)、枝肉の平均価格は198.27ドル。前週比で生体牛は1.58ドル安だが、枝肉価格は0.29ドル高だった。

独立記念日(7月4日)の連休明けの週は、肥育業者が生体牛を122〜125ドルで売り出したが、この価格帯で取引が成立したのは北部のみで、地域によって取引価格にばらつきが見られた。

週初めは、アイオワ・ネブラスカで取引頭数が986頭と少なく、生体牛126ドル、枝肉199〜201ドル。水曜日から取引が活発化し、2万2000頭余りが生体牛価格123〜125ドル、枝肉196〜202ドルで取引された。南部では、カンザスで1万5673頭が生体牛119〜120ドル、テキサスで7287頭が生体牛120ドルで取引された。

一方、ボックスビーフのカットアウト価格は、生産日数が少なかったにもかかわらず軟化を続けている。6月28〜7月3日週のカットアウト(カット、ひき材、トリム)の平均価格は100ポンド当たり290.63ドル、前週比15.09ドル。チョイスの平均価格は289.50ドル、同20.57ドル安。

7月6〜7日は、チョイスが3.47ドル安の281.97ドル、セレクトは4.35ドル安の260.06ドルとなった。アナリストは「今後の気温上昇を受けて、カットアウト価格は下落が続くだろう」と予想している。

 

※2021年7月12日 CATTLE BUYERS WEEKLY

 
豚肉需給

供給は今秋から来春に減少、価格は需要次第

 
 

USDAが6月24日に公表した最新の豚飼養動向調査(四半期毎)の結果は、アナリストの予想範囲内で、供給見通しを変える要素は少ない。先物価格への影響も出ておらず、今後の価格見通しでは需要がカギを握ることになりそうだ。調査結果の要点と今後の見通しは以下のとおり。

飼養動向:6月1日時点の豚総飼養頭数は、7565万3000頭(前年同期比2.2%減)。総飼養頭数が前年を下回るのは、2014年同期以降で初めてのことだ。1年前に発生したCOVID-19による混乱の影響を踏まえると、供給は昨年より確実に減少している。

肥育豚の飼養頭数は6942万3000頭(同2.2%減)。アナリストの予想平均2.6%減であり、大きな差はなかった。ただ、180ポンドを超える肥育豚頭数は1360万頭(前年比1.5%減)で、2019年比では4.4%増となる。この出荷間近の肥育豚の飼養頭数は、実際のと畜動向とは一致していない。

6月の豚と畜頭数は、第1週が祝祭日により減少したが、その後の2週間は2019年比0.2%減。USDAの数値が正しければ、出荷が遅れて飼養頭数が増えていることになるが、と畜頭数から判断すると、今後の肉豚の供給見通しはもう少し減少する可能性がある。

50〜119ポンドの豚は1930万頭(同2.7%減)、2019年比1.7%減。これらは通常、8月中・下旬から10月初頭にかけて出荷される豚であり、10月限の先物取引に影響を与える。2019年8月第2週から9月の間の週当たり平均と畜頭数は257万5000頭だった。最新の調査結果を踏まえれば、今年の同期間の週間と畜頭数は253万頭前後となる。2019年10月第1週の平均と畜頭数は268万頭、今年はこの水準は下回るものの、260万頭は上回ることが予想されている。

  四半期毎の子豚生産頭数の前年同期比増減
 

繁殖豚および分娩頭数:繁殖豚の飼養頭数は623万頭(同1.5%減)と、3月1日時点に比べて0.2%の微増。3〜5月期の母豚および種豚のと畜頭数は、前年同期比3.7%減だった。短期的には収益性が明らかに向上しているものの、飼料コストの急騰が生産者の拡大意欲に影響を与えたようだ。

3〜5月期の分娩頭数は推定で前年比1.6%減と、アナリストの事前予測に等しい。3月1日時点の繁殖豚頭数に対する分娩頭数の割合は49.3%。過去数年間の平均は49.5%。

今後の供給見通し:調査に対する生産者の回答から、6-8月期の分娩頭数は前年比4.4%減、2019年比4.9%減と見込まれる。この減少幅はアナリストの予想(3.1%減)より高い。6月1日時点の繁殖豚頭数に対する6-8月期の分娩見込み頭数の割合は51%。過去2年間平均は51.3%、過去5年間平均は51%。分娩頭数が調査の示す見込みより増加したとしても、12〜2月期の豚と畜数は前年比で3〜3.5%減少すると予想される。

 

※2021年7月8日 Pork Merchandiser’s Profit Maximizer

  繁殖豚の飼養頭数(四半期ベース)
  一腹当たりの産子数の推移
 
トピック

食肉処理能力拡大に5億ドル―USDA

 
 

USDA(米国農務省)は、食肉・家きん類の処理能力を拡大して競争を促進するため、「アメリカ救済計画」ファンドから5億ドルを投資することを発表した。これは、バイデン大統領の大統領令によってUSDAが農作物市場の競争促進を目指す、いくつかのステップの一つであり、より活発なサプライチェーンと、より良い食品システムの構築へ向けた取組みの一環でもある。

USDAは、食肉・家きん類処理業において競争力のある新規参入事業者を支援するため、「アメリカ救済計画」を通じて「Build Back Better Initiative」ファンドから助成金、貸付、技術支援を提供し、新規施設を支援することで、食肉・家きん類セクターの「集中」に対処する。

食肉・家きん類の処理インフラを改善するための戦略について、一般の意見を求める情報提供依頼書(RFI)を発行し、特定のステークホルダーとの会議の他、ニーズ、ギャップ、公平性への障壁、そして競争の盛んな処理市場についてより良く理解するための公的な関与を行う予定だ。

既存の小規模および零細規模の食肉加工施設の能力拡大には、5500万ドル超を投資し、小規模生産者や小規模加工工場に利益をもたらすことを目指す。強力な検査と食品安全基準を維持しながら、食肉・家きん類のと畜・処理能力および生産性を支援するために、「Meat and Poultry Inspection Readiness Grants」(食肉・家きん類検査準備助成金)として5520万ドルを利用できるようにした。

コロナ禍で小規模・零細規模の食肉加工施設が受ける変動と予期せぬコストを支援するために、「American Rescue Plan」から1億ドルを提供し、家きん類、肉、卵の小規模加工工場で一部検査料金の経済的負担を軽減する。

既存の小規模・零細規模の処理施設に対しては、コロナ禍での事業継続、市場での競争力向上、各事業者に必要な取引先拡大の支援を目的として、1億5000万ドル超を投資する。

また、「Product of USA」ラベルに関する新たな規制に関して、パッカーズ・ストックヤード法を再活性化することでミートパッカーが担う責任を維持し、農家が新規市場へのアクセスを拡大するための計画立案も行っている。

 

※2021年7月13日 Foodmarket.com

 
ポーク関連ニュース

6月の中国の食肉輸入量17%減―国内豚価の低下で

 
 

中国の6月の食肉輸入量は、前年同月比17%減の74万3000トンとなった。国内の豚肉価格の下落が輸入需要に強い影響を与えた。5月の輸入量(78万9000トン)に比べると5.8%減。

ただ、中国海関総署のデータによると、今年前半の累計食肉輸入量は508万トンで、2020年同期(475万トン)に比べると、まだ前年を上回っている。アフリカ豚コレラによって豚群が激減して以降、大量の豚肉輸入と国内生産の再構築によって供給が回復してきたことで、中国国内の豚肉価格は、年始に比べて半分以下にまで下落した。先週の豚肉価格はキロ当たり21.94元(3.39ドル)。

 

※2021年7月13日 Foodmarket.com

 
消費動向

牛肉小売価格上昇も需要は引き続き堅調

 
 

テキサスA&M大学のデビッド・アンダーソン氏は、「牛肉の小売価格は、メモリアルデー(5月の最終月曜日)前後に季節的なピークを迎え、その後は下落するが、今年は需要の増加とタイトな供給、生産コストの上昇によって値上がりする可能性がある。それでも消費者は受け入れるだろう」と予測する。

5月のチョイスビーフの小売価格はポンド当たり6.96ドルだった。パンデミック下にあった前年の7.59ドルを下回っているが、過去5年平均は上回っている。チョイスの平均価格は今年前半以降、6.41ドルから6.96ドルまで上昇した。最近の牛肉価格の変動は、季節的な上下動に沿っているが、過去5年平均の5.82ドルを上回って推移している。

同氏は、「リブアイステーキの価格は、今春からメモリアルデーの週末まで上昇を続けた。この時期はグリルシーズンの始まりであり、年間を通じて牛肉小売価格が季節的ピークを迎える。リブアイの卸売価格は祝日に向けてポンド13.18ドルまで値上がりし、その後は10.36ドルで落ち着いた。自宅調理による強い需要と、輸出が好調であることから、牛肉供給は全面的にタイトになっている」という。

経済の回復が続き、人々が外食の機会を求めるにしたがって、レストランの牛肉需要、特にリブアイやテンダーロインなどの高価なカットの供給がタイトになっている。レストランの再開が増加しても、食料品店における牛肉需要は衰えていない。これが結果として小売価格の高騰を後押しする状況になっている。

失業率の低下と経済成長を通して需要が拡大すると同時に、供給サイドでは、飼料、燃料、そして労働力のコストが上昇している。同氏は「この問題は、牛群の縮小、工場の生産能力や輸送能力など、牛肉業界がこの1年半の間に取り組んできた変動性、構造変化への対応の最終ラウンドだ」と指摘している。

 

※2021年7月5日 CATTLE BUYERS WEEKLY

 
USMEFインフォメーション

アメリカンポークおうちでBBQ!キャンペーン第二弾

 
 

米国食肉輸出連合会(USMEF)は、8月2日から9月30日まで「ごちポ×DELISH KICHENアメリカンポーク『おうちBBQ!』キャンペーン」を実施します。

コロナ禍において生まれた多様な「生活の楽しみ方」の一つとして、「蜜」を避けるレジャーとしてキャンプ需要が増加していることを受けて、4月30日から6月30日に展開したアメリカンポークCAMP&BBQマストバイキャンペーンの第二弾として実施するものです。

今回は520万人以上のSNSフォロワーを有する日本最大級のレシピ動画メディア「DELISH KICHEN」とタイアップ。特設コラボサイトを開設し、おうちで作れる人気上位スペシャルレシピなどを紹介します。バナー広告も掲出します。

アメリカンポーク製品300円以上(税抜)を購入の上、レシート&商品ラベルを撮影してスマートフォンで応募すると、抽選でA賞=アメリカンポークCAMP&BBQスペシャルミートセット(100名)、B賞=コールマン賞クラシックアイアンスキレット(100名)が当たります。当選しなかった方の中から200名にWチャンス賞「ごちポオリジナルCAMP&BBQエプロン」をプレゼントします。

DELISH KICHENのメンバーをはじめ、各種メディア、店頭ツール、WEB、SNSなど幅広い接点でキャンペーンを告知し、来店・購入促進を図ります。商品貼付用ラベル(4種類)は7月27日から発送開始、店頭POP(B5サイズ)はUSMEFサイトの「販促ツール/ガイドブック」頁よりダウンロードが可能です。

  ごちポ×DELISH KICHENアメリカンポーク『おうちBBQ!』キャンペーン
 
 

マーケット・データ

 
 
 
 
 
 
 

ビーフ・ファクト・シート