3月の米国産食肉の輸出は、牛肉・豚肉ともに3月としては過去最高を記録した。米国食肉輸出連合会(USMEF)によると、牛肉の輸出量(バラエティーミート含む)は12万4808トン(前年同月比8%増)と、BSE発生以降2番目に多く、輸出額は初の8億ドル超えとなる8億190万ドル(同14%増)を記録した。
このうち正肉は9万8986トン(同13%増)・7億1830万ドル(同17%増)で、いずれも過去最高を更新した。輸出額は肥育牛1頭当たりに換算すると348.66ドル(同13%高)。3月の牛肉生産量に占める輸出割合は14.7%、正肉単体では12.5%で、それぞれ昨年の13.9%、11.3%から拡大した。
これにより、第1四半期(1〜3月)の輸出量は前年とほぼ同水準33万3348トン、輸出額は21億2000万ドル。正肉は26万2914トン(同4%増)・19億ドル(同5%増)。1頭当たり換算は335.45ドル(同6%高)、輸出割合は全体で14.1%、正肉単体では11.9%となった。
3月は、韓国向けが2万4104トン(同7%増)・1億7590万ドル(同6%増)と引き続き好調。韓国向けの第1四半期計は6万8996トン(同8%増)・5億390万ドル(同8%増)。チャックロール、ショートプレート、ショルダークロッド、ロインの輸出が増加している。
中国向けは、月間記録となる1万4552トン・1億990万ドルに達した。第1四半期累計は3万1058トン・2億3410万ドル。前年同期の約15倍を超えた。2020年の第4四半期に比べても、約25%増加している。中国市場での米国産シェアは3.4%と、前年同期の1%から拡大した。USMEFは「中国向けは、4月に新たな輸出認定工場が追加され、今後数カ月間はさらなる成長が見込まれる」という。
日本は依然として輸出額トップの市場だが、3月はセーフガード発動による関税率の上昇が影響して伸び悩んだ。第1四半期累計は7万5409トン(同9%減)・4億8520万ドル(同7%減)。
台湾向けは、3月に4905トンと今年最高を記録したが、第1四半期累計は1万2543トン(同20%減)・1億1830万ドル(同13%減)。チルドビーフは昨年より8%増え、台湾のチルドビーフ市場における米国産のシェアは78%へと拡大した。
一方で豚肉は、日本、メキシコ、中央アメリカ、フィリピン向けにけん引され、3月に月間の過去最高を記録。中国向けの第1四半期累計は23万6498トン(同20%減)・5億3230万ドル(同27%減)と減少したものの、依然として最大の輸出先となっている。 |