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TRADER'S Be & Po

vol.374 Mar.15.2021
 
米国食肉輸出連合会
NEWS CONTENTS
市況ニュース 生体牛は価格維持もフィードロットの出荷遅れが懸念に
ポークカットアウト急上昇、寒波による供給不足発生で
ポーク関連ニュース 豚肉の在庫薄続く、ユーザーはポジション確保に懸命
輸出動向 2021年の米国の牛肉輸出額を74億ドルに上方修正―ERS
リテール 牛肉の小売販売、価格上昇も好調な売れ行きを維持
USMEFインフォメーション アメリカンポーク「おうちで食べよう!」を多彩な企画で提案
マーケティングスペシャリストに高梨正稔が就任
マーケット・データ 生体牛・豚価格、カットアウトバリュ、穀物先物価格
ファクト・シート ビーフ(2021年1月)米国の輸出、
と畜頭数・枝肉生産量、飼養動向、日本の輸入量
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市況ニュース

生体牛は価格維持もフィードロットの出荷遅れが懸念に

 
 

寒波の影響で肥育牛のと畜頭数が激減し、フィードロットの出荷遅れが深刻になりつつある。厳しい寒波が直撃したここ2週間のと畜頭数は、65万2383頭、60万6208頭と低下し、今後2週間は55万2000頭前後まで落ち込む可能性がある。

肥育業者は年初から、フロントエンドの供給(肥育日数150日以上の牛)に余剰感を抱えていた。1月1日時点で、前年に比べて13万8000頭多かったが、2月1日には44万4000頭増にまで拡大。アナリストは、「この寒波によると畜頭数の減少で、フロントエンドの供給は前年比68万頭に達している」と警告している。

こうした状況の中で、生体牛の現金取引価格は4週連続でほぼ横ばいで推移している。2月第3週の主要5州の去勢牛平均価格は100ポンド当たり114.07ドル、枝肉価格は180.57ドル。前週比でそれぞれ0.24ドル高、0.47ドル高。2月第4週は前半3日間で生体牛が114ドル、枝肉は179〜181ドルで取引された。

と畜頭数・牛肉生産量の減少に伴い、上昇していたボックスビーフ価格は、上げ止まる傾向をみせている。生産量が通常レベルに回復する見込みであることと、寒波後の在庫補充用の手当が予想より少なかったことが要因。2月第3週のカットアウト価格の全体(カット、ひき材、トリム)の平均価格は100ポンド当たり232.04ドル、前週比0.85ドル高。チョイスの平均価格は231.12ドル、同2.45ドル高。

 

※2021年3月1日 CATTLE BUYERS WEEKLY

 
 

ポークカットアウト急上昇、寒波による供給不足発生で

 
 

豚肉のカットアウト価格が急上昇し、特に加工原料用品目が大幅に値上がりした。2月3日と2月26日時点の価格を比較すると、カットアウト全体平均で14ドル値上がりした。ハム(モモ)とベリーの2品目で11ドルの上昇をけん引した。

牛肉と同様、寒波の影響で2月中旬に豚肉の生産量が低下し、供給のタイト感と在庫の品薄感が強まったことが要因。2月1日時点の豚肉冷凍在庫は、推定4億6千万ポンド(前年同期比26.5%減)。ベリーの価格は第2四半期に季節的な上昇をみせるが、在庫が前年比56%減と少ないため、さらなる価格上昇のリスクが強まった。

2月第3週の豚肉生産量は、前年同週に比べて5%・2800万ポンド減少した。加えて、パッカーがフォーミュラ取引を優先したことで、スポット市場の供給が激減した。スポット市場の供給量は、1月下旬以降、平均で7%減少している。

ベリーは、過去4週間のスポット市場の平均取引量が前年同期に比べて46%も減少。ハムの平均取引量も13%減少した。ハムはイースターに向けた在庫確保のため、引き続き高値を維持するだろう。

 

※2021年3月1日 Pork Merchandiser’s Profit Maximizer

  ポークカットアウト価格の対比(2月26日vs2月3日)
 
ポーク関連ニュース

豚肉の在庫薄続く、ユーザーはポジション確保に懸命

 
 

昨年から低水準で推移している豚肉の冷凍在庫は、1月の回復もわずかだった。と畜頭数が記録的な高水準にあるにもかかわらず、スポット市場への出回りが少なく、エンドユーザーは春季に向けた在庫積み増しとポジションの確保に追われている。

1月末時点の豚肉の全在庫は4億5990万ポンド(前年同月比26.5%減)、過去5年平均比21%減。前月比で11%増加したが、過去5年間の1月の平均増加率12%を下回った。例年、第1四半期には在庫が積み増しされるが、今年は一部製品の値上がりと輸出が好調であることから、在庫の積み増しが抑制されている。

ハム(モモ)の在庫は8420万ポンド(同26.5%減)、過去5年平均比24%減。前月比では57%増加したが、近年にない低水準からスタートしていること、また今年はイースターが4月4日と早く、在庫の積み増し期間が短いことから、エンドユーザーの手当てが活発化している。ベリーの在庫は3120万ポンド(同56%減)、過去5年平均比36%減。

 

※2021年3月1日 Pork Merchandiser’s Profit Maximizer

  豚肉の冷凍在庫の推移
 
輸出動向

2021年の米国の牛肉輸出額を74億ドルに上方修正―ERS

 
 

米農務省経済調査局(USDA−ERS)は、2021年の米国の牛肉輸出額予想を11月時点の予想よりも3億ドル多い74億ドルへと上方修正した。単価の上昇が主因としている。豚肉は、輸出量の減少を単価の上昇が相殺するとして、当初予想の68億ドルで変更はない。家きん類は中国向けが堅調なことを理由に1億ドル多い53億ドルに修正された。

これにより、畜産物の増加が乳製品の減少分を上回り、畜産物と乳製品の合計輸出額予想は326億ドルに上方修正された。農業製品全体では、油糧種子と穀物の輸出増加が見込まれることを主因に、50億ドル多い1570億ドルに上方修正された。

穀物の輸出額は、中国の需要の強さと価格高騰を要因に、前回予想より大豆が11億ドル、大豆かすは7億ドル、トウモロコシは8億ドル、小麦は7億ドルがそれぞれ上方修正された。中国向けについては、特にトウモロコシの輸出急増を要因に11月予想よりも45億ドル多い史上最高の315億ドルに達すると予想している。

 

※2021年3月1日 CATTLE BUYERS WEEKLY

 
リテール

牛肉の小売販売、価格上昇も好調な売れ行きを維持

 
 

牛肉の1月の小売価格は前月よりわずかに上昇したものの、売れ行きは依然好調だ。USDAによると、1月のチョイスビーフの平均小売価格はポンド当たり6.41ドルで、12月(6.29ドル)に比べて1.9%上昇した。前年同月比では5.8%高。

生鮮牛肉の平均価格は6.29ドルで、12月(6.23ドル)に比べて1.0%高、前年同月比5.9%高だった。

豚肉の平均小売価格は4.12ドルで前月と変わらず。前年同月比では7.3%高。鶏肉の平均価格は2セント上昇の2.03ドル(前年同月比8.6%高)となった。この結果、生鮮牛肉の小売価格は、鶏肉の平均価格の3倍以上に、豚肉との比較では1.5倍と値差が開いた。

 

※2021年2月22日 CATTLE BUYERS WEEKLY

 
USMEFインフォメーション

アメリカンポーク「おうちで食べよう!」を多彩な企画で提案

 
 

米国食肉輸出連合会(USMEF)は、2021年のアメリカンポークのプロモーションで「おうちで食べよう!」をテーマに様々な施策を展開します。各施策の詳細につきましては確定次第、順次ご案内いたしますので、アメリカンポークの販促企画にご活用願います。主な施策のポイントは以下のとおりです。

「おうちで食べよう!」シーズニング小袋の提供

いまこそ、おうちで楽しく♪美味しく♪食べよう!をキャッチコピーに、家庭で簡単に本格的なアメリカンポー料理を食べていたたくために次のシーズニングやソースの小袋を用意しました。

 
 
 

「CAMP&BBQ」のご提案

コロナ禍の中で生まれた多様な「生活の楽しみ方」に対して、自宅や身近なところで「食を楽しむ」というライフスタイル(新しい日常)を提案します。自然発生した「お家でキャンプ」や「ベランピング」「テラスでBBQ」などのムーブメントに対応し、「内と外をシームレスに楽しめるアイテムや体験」を通じて「おうち&アウトドアの新しい需要」を創出する一環として、「GOCHIPO CAMP&BBQ CLUB」マストバイキャンペーン(仮称)を4月末に開始します。

アメリカンポークの精肉と加工品などを一定額購入した上で応募された方に、購入額に応じた口数により、抽選でコールマン社のキャンプ製品やUSMEFのオリジナルキャンプ&BBQグッズをプレゼントします。

 
 

Porktober Fest(ポークトーバー)の展開(10月を中心に前後1カ月)

日本初上陸となる「Porktober」は、アメリカの中西部で楽しまれているポークの祭典です。栄養たっぷりの「大豆」と「トウモロコシ」を食べて育ったアメリカンポークのおいしさを「まるごと」楽しむお祭りです。本場のポークトーバーはベーコンが主役ですが、日本市場の展開ではアメリカンポークの色々な部位にトライするとともにベーコン・ハム・ソーセージなどを楽しみ、まるごと食べて恵みに感謝するシーズンとしての啓蒙活動を実施します。

キッチンカー派遣によるサンプリング支援

近年、話題沸騰中の「プルドポーク」を中心にした料理をオールインワンで提供できるキッチンカーを派遣し、アメリカンポークの催事販売をサポートします。「プルドポーク」はアメリカの人々に愛されるBBQ3大料理のひとつです。

「デリッシュキッチン」レシピ動画の提案

520万以上のSNSフォロワーをもつ日本最大級のレシピ動画サイトメディア「DELISH KITCHEN」とタイアップ。「買っておトク!作って楽しい! 食べて美味しい!」をテーマとしたアメリカンポークの簡単レシピ動画を公開、配信します。

 
 

マーケティングスペシャリストに高梨正稔が就任

 
 

米国食肉輸出連合会(USMEF)日本事務所のマーケティングスペシャリストに、3月1日付で高梨正稔(たかなし・まさとし)が就任しました。

同氏は明治大学卒業後、2015年4月に大手食肉加工メーカーに入社。2年間食肉事業部の営業部門で勤務した後、半年間、食肉専門学校で専門知識と技術を学び、2018年4月に職場復帰。輸入ポーク部に所属し、2019年4月より北米の取引先パッカーに出向、2020年3月に帰国し、輸入ポークの購買業務を担当していました。

USMEFでは、マーケティングスペシャリストとして、これまでのキャリアを活かしつつ、ポークのみならずビーフ、ラムを含む業界向け活動全般の業務を担当しますので、ご指導のほどをよろしくお願いします。

 
 

マーケット・データ

 
 
 
 
 
 
 

ビーフ・ファクト・シート