USDA公表・USMEF編さんの食肉輸出統計によると、2020年の米国の豚肉輸出量(バラエティーミート含む)は史上最高の297万トン(前年比11%増)と300万トンに迫り、輸出額も過去最高の77億1000万ドル(同11%増)を記録した。
牛肉(同)は125万トン(同5%減)、76億5000万ドル(同5%減)。COVID-19パンデミックの影響により前年を下回ったが、4四半期計では4.5%増と順調に回復しており、12月は単月としての過去最高を更新した。
◎豚肉は中国、中米、ベトナム等で新記録、日本も増加
2020年の豚肉輸出のうち、正肉カットは251万トン(同15%増)、66億7000万ドル(12%増)と過去最高を更新した。輸出額は、と畜豚1頭当たりに換算すると58.65ドルに相当し、前年を10%上回った。年間の豚肉総生産量に占める輸出割合は29.3%(前年26.9%)、正肉カットは26.5%(同23.6%)で、いずれも前年より上昇した。
中国・香港向けの輸出量は104万トン(同56%増)、23億7,000万ドル(同63%増)で総輸出量の約3分の1を占めたが、広範な輸出先で拡大したため、年間での中国向けのシェアは低下した。
メキシコ向けは68万8253トン(同3%減)と前年を下回ったが、10月以降は3カ月連続で増加し、12月は7万1426万トン(同8%増)と増加した。日本向けは第4四半期(同12%増)に勢いを増した。日米貿易協定による関税率低下も寄与し、年間では38万6700トン(同5%増)、金額にすると16億3000万ドル(同6%増)と拡大。日本の輸入豚肉市場における米国産のシェアは、前年の31%から36%に上昇した。
中米向けはホンジュラスとニカラグアの力強い成長に伴い、9万9222トン(同1%増)と6年連続で記録を更新。南米向けはコロンビア向けの減少により減少したが、チリ向けは4万9828トン(同16%増)と急増した。同国では中国への豚肉輸出が急増し、米国からの輸入が増加した。
アセアン向けは7万7149トン(同28%増)も記録的な成長を見せた。フィリピン向けが4万6665トン(同15%増)と増加し、ベトナム向けも2万5183トン(同82%増)と急拡大した。
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