生体豚の先物相場は、ファンドや投機筋の注目もあって上昇局面で年末を締めくくり、それが1月4日の良好なスタートの足場となった。年頭にあたり、豚肉の需給および市況変動要因を整理してみる。
12月の豚飼養動向調査から予測すると、今後数カ月間のと畜頭数は、週当たりで推定260万頭余り。2017年1〜2月の通常稼働週(祝祭日なし)の平均と畜頭数は233万9000頭、2018年は239万4000頭。スポット市場での需給均衡には、国内と輸出市場の双方での需要拡大が不可欠だろう。
また一部では非常に重量の大きな豚が出荷されており、これが豚肉の生産・供給をさらに増加させている。MPR(パッカーの義務的価格報告)によると、これまでに出荷された豚の枝肉重量は平均220ポンド(前年比3.5ポンド増)。先週の豚枝肉平均重量は226ポンド(前年同週217.8ポンド)だった。枝肉の重量増が豚肉生産量をさらに増加させることになり、カットアウト価格に影響を与えるだろう。
12月24日までの週間輸出データでは、豚肉の輸出は良好だが、中国向けは旧正月向けの手当が一巡したことから、今後も需要が持続することは期待薄だろう。この時期は小売市場での豚肉販促が少なく、カットアウト価格の底支えは加工原料用の部位が重要になる。
過去数年間はベリーがけん引役になっていたが、と畜頭数は現状より大幅に少なく、安定していたフードサービス需要の基盤も崩れている。ボンレスハム(骨なしモモ)は引き続き高値で推移している。昨年からの在庫の繰り越しは少なく、イースターに向けた積み増し期間も短いことから、ハムの価格がカットアウト価格を下支えする可能性はある。カットアウト価格が現在のポンド当たり80セントを維持できるかどうかは、秋季と同様にハムの価格がカギになる。
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