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TRADER'S Be & Po

vol.370 Jan.18.2021
 
米国食肉輸出連合会
NEWS CONTENTS
市況ニュース 生体牛と牛肉の卸売価格、年末・年始に上昇
ポークカットアウトは加工原料用がカギ
ランキング ポークパッカーのと畜能力、48社計51万2370頭
供給動向 フィードロットの滞留続く、迫られる出荷率向上
市場規模 ホットドッグとソーセージ市場、2025年に964億ドル
ポーク関連ニュース 飼料価格急上昇、養豚業者の収益性のリスク増大
USMEFインフォメーション アメリカンミートのサスティナビリティー動画を公開
マーケット・データ 生体牛・豚価格、カットアウトバリュ、穀物先物価格
ファクト・シート ビーフ(2020年11月)米国の輸出、
と畜頭数・枝肉生産量、飼養動向、日本の輸入量
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市況ニュース

生体牛と牛肉の卸売価格、年末・年始に上昇

 
 

生体牛とボックスビーフの価格はクリスマス休暇以降に上昇し、2021年の牛肉業界は良好なスタートを切った。12月第4週の生体牛価格(100ポンド当たり)は、前週比3.07ドル高。主要5州の去勢牛価格は109.19ドル、枝肉は171.80ドル(前週比6.51ドル高)。

価格は12月第5週も続伸し、水曜日には北部で2万4971頭が取引され、生体牛平均価格は111ドル、アイオワでは112ドル、ネブラスカでは110ドルで取引された。枝肉の平均価格は175〜176ドル。南部では取引頭数が少なかったが、平均111ドルで取引され、木曜午前には112ドルをつけた。

第4週のカットアウト価格は前週比でやや下落したものの、第5週はクリスマス休暇による生産減少を要因に、回復傾向を見せた。第4週のと畜頭数は推定41万9000頭と、2015年の同週(40万3649頭)以降で最小となった。

同週のカットアウト価格(100ポンド当たり)は206.19ドル、前週比2.01ドル・3.2%安。チョイスの平均価格は205.60ドル、同1.51ドル・2.6%安。週間の総販売量は3764ロード(≒コンテナ、前年同週比24.1%減)と少なかった上に、クリスマス期間の小売の牛肉販売が好調だったことが後押しとなり、チョイスのカットアウトは先週前半4日間で2.41ドル上昇した。

 

※2021年1月4日 CATTLE BUYERS WEEKLY

 
 

ポークカットアウトは加工原料用がカギ

 
 

生体豚の先物相場は、ファンドや投機筋の注目もあって上昇局面で年末を締めくくり、それが1月4日の良好なスタートの足場となった。年頭にあたり、豚肉の需給および市況変動要因を整理してみる。

12月の豚飼養動向調査から予測すると、今後数カ月間のと畜頭数は、週当たりで推定260万頭余り。2017年1〜2月の通常稼働週(祝祭日なし)の平均と畜頭数は233万9000頭、2018年は239万4000頭。スポット市場での需給均衡には、国内と輸出市場の双方での需要拡大が不可欠だろう。

また一部では非常に重量の大きな豚が出荷されており、これが豚肉の生産・供給をさらに増加させている。MPR(パッカーの義務的価格報告)によると、これまでに出荷された豚の枝肉重量は平均220ポンド(前年比3.5ポンド増)。先週の豚枝肉平均重量は226ポンド(前年同週217.8ポンド)だった。枝肉の重量増が豚肉生産量をさらに増加させることになり、カットアウト価格に影響を与えるだろう。

12月24日までの週間輸出データでは、豚肉の輸出は良好だが、中国向けは旧正月向けの手当が一巡したことから、今後も需要が持続することは期待薄だろう。この時期は小売市場での豚肉販促が少なく、カットアウト価格の底支えは加工原料用の部位が重要になる。

過去数年間はベリーがけん引役になっていたが、と畜頭数は現状より大幅に少なく、安定していたフードサービス需要の基盤も崩れている。ボンレスハム(骨なしモモ)は引き続き高値で推移している。昨年からの在庫の繰り越しは少なく、イースターに向けた積み増し期間も短いことから、ハムの価格がカットアウト価格を下支えする可能性はある。カットアウト価格が現在のポンド当たり80セントを維持できるかどうかは、秋季と同様にハムの価格がカギになる。

 

※2021年1月5日 Pork Merchandiser’s Profit Maximizer

  生体豚(リーンホッグ)の先物価格の推移
  ポークカットアウト価格の推移(日次ベース)
 
ランキング

ポークパッカーのと畜能力、48社計51万2370頭

 
 

全米豚肉委員会(NPB)の公式Webに公開された2020年のクイック・ファクトで、主要ポークパッカーの推定と畜能力(工場別・1日当たり)のデータが更新された。それによると、2020年秋季時点の主要48社・グループの合計と畜能力は51万2370頭で、前年同期より2300頭増加した。週当たり(5.4日換算)のと畜能力は276万6798頭

プレミアム・アイオワ・ポークはミネソタ州の工場(2100頭)の稼働により、合計のと畜能力を5250頭に拡大したが、その他は施設拡張による増頭が主体で、2016〜2019年まで続いてきた大型工場の新設稼働(プライムポーク、クレメンスフーズ、トライアンフ―シーボード、プレステージファーム)は一段落し、上位企業のランキングに変化はなかった。

第1位はスミスフィールドグルーブの10工場・13万1300頭(1000頭増=マンモス工場)。2位はJBSの5工場・9万3000頭(増減なし)、3位はタイソン・フーズ7工場・8万1800頭(500頭増=ローガスポートとマディソン工場が各250頭増)。

4位はクレメンス・フード・グルーブの2工場・2万3700頭だが、5位のシーボード2万2500頭(2000頭増)、6位のトライアンフ・フーズ2万1500頭、7位のトライアンフ−シーボード2万400頭は、豚肉のマーケティングがシーボード基準で統一されており、これらをグループとみなして合算すると3工場・6万4400頭となる。

  ポークパッカーの1日当たりと畜能力(2020)
 
供給動向

フィードロットの滞留続く、迫られる出荷率向上

 
 

米国のフィードロット業界は、記録的な飼養頭数とともに2021年を迎えた。11月の出荷はやや期待外れだったため、肥育業者は出荷率を上げる必要があるとアナリストは指摘する。

 「10〜12月の導入頭数は前年同期比で約50万頭減少したようだ。しかし、この減少による効果は第2四半期の半ばまで現れないだろう。それまで肥育業者は、昨年より大幅に多いフロントエンド(肥育日数120〜150日)の牛の出荷に苦慮するだろう」という。

米農務省調査によると、12月1日のフィードロット飼養頭数は1203万6000頭(前年同月比増減なし)。11月の導入頭数は190万6000頭(同8.9%減)、出荷頭数は178万2000頭(同1.7%減)。アナリストは「出荷頭数および出荷率は、2015年以降で最低水準。出荷滞留の解消を第2四半期まで先送りしないために、肥育業界は出荷ペースを上げなければならない」と警告している。

 

※2021年1月4日 CATTLE BUYERS WEEKLY

 
市場規模

ホットドッグとソーセージ市場、2025年に964億ドル

 
 

米国の調査会社最大手 Research and Markets によると、世界のホットドッグとソーセージの市場規模は、2019年の758億3900万ドルから2025年には964億500万ドルに達すると予測されている。

世界の豚肉消費量は、2025年に1億2700万トンまでに増加すると推定され、同期間の食肉消費量全体の増加分の28%を占める。予測期間中の発展途上国の豚肉消費量(一人当たり)は微増と予想されるが、ラテンアメリカンでは急速な成長を維持し、中産階級からの需要が高まる。

アジアは牛肉消費量の増加が見込まれる唯一の地域だが、先進国では家庭内食用の生鮮食品の購入よりも、徐々にコンビニエンスフードと外食需要が増加する。食肉原料のホットドッグとソーセージの市場拡大と同時に、植物由来の代替品が多く販売され、ホットドッグおよびソーセージ市場の成長を新たな段階に押し上げると予想している。

 

※2021年1月4日 Foodmarket.com

 
ポーク関連ニュース

飼料価格急上昇、養豚業者の収益性のリスク増大

 
 

飼料コストは過去3カ月間で急激に上昇しており、その傾向はこの2週間で加速している。2021年3月限のトウモロコシ先物価格はブッシェル当たり4.80ドル。期近取引の終値としては2014年5月以降で最高値を付けて2020年を終えた。

3月限のトウモロコシ先物は、この2週間で13%高、8月中旬からは43%高を付けている。中国の飼料需要と南アメリカの気象条件(ラニーニャ現象)が、トウモロコシと大豆の価格を押し上げている二大要因だ。

市場関係者は、アルゼンチンとブラジルにおける状況が改善しない場合、そして中国の豚肉業界再生に伴う飼料需要のさらなる増大がある場合の、需給均衡点と価格の成り行きを熟考しているようだ。

中国からの注文は過去7年で最高の売上を記録し、アルゼンチンとブラジルの乾燥した天候による収穫高への被害規模の把握は不透明だが、収穫量の見込みは着実に低下している。

アルゼンチン当局は先週末、急激な飼料価格の上昇と国内需要の確保するため、トウモロコシの輸出を3月1日まで停止することを発表し、警戒感の薄かった市場関係者を驚かせた。アルゼンチンは世界のトウモロコシ輸出の18%を占める。ロシアも最近、国内でのインフレを抑制する目的で、小麦を含む一部商品の輸出に関税を課しており、穀物価格はインフレ圧力が増大し、不安定な状況にある。

 

※2021年1月5日 Pork Merchandiser’s Profit Maximizer

  トウモロコシ価格の推移(オマハベース)
 
USMEFインフォメーション

アメリカンミートのサスティナビリティー動画を公開

 
 

米国食肉輸出連合会(USMEF)はこのほど「アメリカンミートのサスティナビリティーへの取り組み」と題した動画を作成し、USMEFの公式WebならびにYouTubeで公開しました。

国連提唱の「SDG’s」(Sustainable Development Goals=持続可能な開発目標)への取り組みの広がりもあり、畜産・食肉分野でも自然環境への負荷や温室効果ガスの削減などサスティナビリティーへの関心が高まっています。

USMEFは公式Webに米国の家畜生産におけるサスティナビリティーに関する専用ページを設け、牛肉・豚肉それぞれの分野の取り組みと成果などのレポートを掲載していますが、今回作成の動画も同ページに追加掲載しました。

動画(2分12秒)はイラスト画をベースにしたアニメーション仕立てで、牛肉と豚肉の取り組みをわかりやすく説明しています。動画およびレポートは下記で閲覧できます。
https://www.americanmeat.jp/trd/database/report/sustainability/index.html

  アメリカンミートのサスティナビリティーへの取り組み
 

マーケット・データ

 
 
 
 
 
 
 

ビーフ・ファクト・シート