ポークカットアウト価格は過去4週間で18%下げ、生体豚価格にも値下げ圧力を加えている。カットアウト価格(100ポンド当たり)は、10月15日時点で101.42ドルだったが、11月11日には83.14ドルまで下落。同期間に主要カットのほとんどが値下がりしたが、カットアウト下落の主因はベリーの急落だ。
枝肉の約16%を占めるベリープライマルの価格は、10月中旬に173.89ドルと、同時期としては最高値を付けていた。その後1か月間で約70ドルも下落し、カットアウト全体の値下がり18ドルのうち、11ドルの引き下げ要因となった。
ベリー価格は年末に向けて例年下がる。第4四半期の供給増加とファストフードの売上低下が相まった季節的傾向だが、今年はさらにベーコンの小売価格が影響した。9月下旬〜10月上旬のベリー価格の急騰により、小売業者はベーコンの販促を減らし、同時に販促価格を引き上げた。
USDAによると、11月第1週のベーコンの平均販促価格はポンド当たり5.34ドル、前年同週比14%高。販促数は同26%減だ。ベリーの価格は非常に変動が激しいが、いくつかの要因によって、このまま続落することはなさそうだ。
要因の一つは供給量だ。11月第1週の豚の週間と畜頭数は270万頭を超えたが、昨年は280万頭だった。処理工場の新たな作業手順や工場周辺地域のCOVID感染者数の増加を考慮すると、昨年の水準に達するのは難しいだろう。
卸売価格が100ドル近辺であれば、フードサービスだけではなく小売からもかなりの引き合いが入る。ベリーの卸売価格100〜110ドルに相応するベーコンの販促価格は4.25〜4.30ドル。この価格水準なら小売業者にもチャンスがある。
ベリー価格の急落の中でも、カットアウト価格が前年比4ドル安にとどまっているのは、ハム(モモ)が堅調なためだ。ハムの需要は国内外で好調だが、今後の国内需要は季節的に鈍化するため、活発な輸出がいつまで続くかが重要になる。これが来年第1四半期のカットアウト全体を左右するカギになるだろう。
|