印刷する
 

TRADER'S Be & Po

vol.368 Dec.7.2020
 
米国食肉輸出連合会
NEWS CONTENTS
市況ニュース チョイスのリブアイ、小売業者の争奪戦に
ベリー急落でカットアウト下落、生体豚の値下げ圧力に
豚肉卸売価格、供給増で低迷続く
供給動向 COVID感染者増加もパッカーは前年並みの供給を維持
消費トレンド アメリカ人の食費は可処分所得の10%
飼料関連ニュース 穀物値上がり、来年以降の食肉価格上昇の可能性
リテール関連 小売の販促活動は季節的に増加も、昨年の水準を依然下回る
USMEFインフォメーション USMEFの新しい会頭にパット・ビンガー氏が就任
7種の部位のアメリカンビーフが日替わりで毎日当たる! Journey to American Beefキャンペーン展開
マーケット・データ 生体牛・豚価格、カットアウトバリュ、穀物先物価格
ファクト・シート ビーフ(2020年10月)米国の輸出、
と畜頭数・枝肉生産量、飼養動向、日本の輸入量
定期購読(無料)の登録はこちら バックナンバーはこちら
 
市況ニュース

チョイスのリブアイ、小売業者の争奪戦に

 
 

チョイスのリブアイの引き合いが強まっている。先週、ホリデーシーズンの在庫が不十分だと気付いた一部の小売業者は、ポンド当たり11ドルまで買いを進めたが、その結果、チョイスのカットアウト価格は100ポンド当たりで6.77ドルも上昇した。セレクトのリブアイは8.00〜8.50ドルの取引で、セレクトのカットアウト価格の上昇は1.61ドルにとどまった。

COVID-19の感染者数の増加により、さらなるロックダウンが取りざたされる中で、小売業者は牛肉の手当を積み増ししている。多くの州で飲食店の店内営業が禁止されれば、この春に発生したショーケースが空になるような消費者行動が繰り返される可能性がある。

過去2週間、小売の牛肉販売は良好で、カットアウト価格は続伸した。前々週のカットアウト週間価格は、総合平均で215.66ドル(前年同週比7.9%安)。これは前週比では6.92ドル高で、前週は火曜日の急上昇に後押しされ、チョイスのカットアウト価格は4日間で11.72ドル上げ、237.70ドルまで上昇した。セレクトは4.43ドル高の213.89ドル。

一方、先週の生体牛の現金取引は、火曜日までの取引が5625頭とスローだったが、水曜日には北部および南部で取引が活発化し、6万9902頭が生体牛109〜110ドル、枝肉は172ドルで取引された。

枝肉重量は年間のピークを過ぎ、徐々に昨年水準へと近づいている。11月第1週の去勢牛の平均重量は924ポンド(同16ポンド増)、未経産牛は846ポンド(同7ポンド増)。いずれも前週比で2ポンド減少した。コロラド州立大学のステファン・クーンツ氏は、「4月以来の重量増加トレンドは10月に終焉を迎えた」と分析している。

 

※2020年11月23日 CATTLE BUYERS WEEKLY

 
 

ベリー急落でカットアウト下落、生体豚の値下げ圧力に

 
 

ポークカットアウト価格は過去4週間で18%下げ、生体豚価格にも値下げ圧力を加えている。カットアウト価格(100ポンド当たり)は、10月15日時点で101.42ドルだったが、11月11日には83.14ドルまで下落。同期間に主要カットのほとんどが値下がりしたが、カットアウト下落の主因はベリーの急落だ。

枝肉の約16%を占めるベリープライマルの価格は、10月中旬に173.89ドルと、同時期としては最高値を付けていた。その後1か月間で約70ドルも下落し、カットアウト全体の値下がり18ドルのうち、11ドルの引き下げ要因となった。

ベリー価格は年末に向けて例年下がる。第4四半期の供給増加とファストフードの売上低下が相まった季節的傾向だが、今年はさらにベーコンの小売価格が影響した。9月下旬〜10月上旬のベリー価格の急騰により、小売業者はベーコンの販促を減らし、同時に販促価格を引き上げた。

USDAによると、11月第1週のベーコンの平均販促価格はポンド当たり5.34ドル、前年同週比14%高。販促数は同26%減だ。ベリーの価格は非常に変動が激しいが、いくつかの要因によって、このまま続落することはなさそうだ。

要因の一つは供給量だ。11月第1週の豚の週間と畜頭数は270万頭を超えたが、昨年は280万頭だった。処理工場の新たな作業手順や工場周辺地域のCOVID感染者数の増加を考慮すると、昨年の水準に達するのは難しいだろう。

卸売価格が100ドル近辺であれば、フードサービスだけではなく小売からもかなりの引き合いが入る。ベリーの卸売価格100〜110ドルに相応するベーコンの販促価格は4.25〜4.30ドル。この価格水準なら小売業者にもチャンスがある。

ベリー価格の急落の中でも、カットアウト価格が前年比4ドル安にとどまっているのは、ハム(モモ)が堅調なためだ。ハムの需要は国内外で好調だが、今後の国内需要は季節的に鈍化するため、活発な輸出がいつまで続くかが重要になる。これが来年第1四半期のカットアウト全体を左右するカギになるだろう。

 

※2020年11月16日 Pork Merchandiser’s Profit Maximizer

  ポークカットアウト価格の部位ごとの価格対比(11月11日と10月15日の対比)
  全米の小売店におけるスライスベーコン(1ポンドパック)の価格
 
 

豚肉卸売価格、供給増で低迷続く

 
 

例年、豚肉卸売価格は第4四半期に低迷するが、それは需要面ではなく、供給の増加によって生じる傾向にある。今年も同様の値下げ圧力が強まっている。別項のとおり、ポークのカットアウト価格は、秋季にベリーの高騰を主因に若干反発したが、その後に下落した。

ホリデーシーズンは、ハム(モモ)の季節的な需要が強い。今年は、ハムの除骨ラインにおける労働力のひっ迫によってボンレスハムの価格が急騰したことで、ハム全体の値上がりに拍車がかかった。

しかし、この2週間でハムの価格は軟化した。クリスマス用の手当が一巡すれば、12月後半に向けてさらに値下げ圧力が加わるだろう。11月20日のハムのプライマル価格は100ポンド当たり75.86ドル。前週は79.78ドルで、10月30日の97.78ドルから値下がりした。

ロインとバットの価格も依然低迷している。ピクニックの価格は、ホリデーウィークへ向けて季節的に大きく上昇する傾向にあり、現時点では今年も同様の状況にある。トリムの価格は供給の増加を反映して値下がりに転じた。これまでラインの稼働率低下によって、通常より供給が少なかった72CLは、10月の週間平均価格が前年比90%高だったが、11月20日には75.94ドルと前年比9.5%高まで値下がりしている。

 

※2020年11月23日 Pork Merchandiser’s Profit Maximizer

  ポークカットアウト価格の推移
 
供給動向

COVID感染者増加もパッカーは前年並みの供給を維持

 
 

この2週間、中西部でCOVID感染者数が増加していることで、エンドユーザーは安定供給への懸念を強めている。今春の経験が悲惨だったことから、今秋も同じ事態に陥るのではとの不安が強いが、今のところそのような状況にはなく、パッカーは新たな運営手順によって供給量に差が出ないように努力している。

先週の豚の推定と畜頭数は271万1000頭。前週の268万3000頭から増加したが、前年同週比では2%減。3月以降で週間と畜頭数が270万頭を超えたのは2回しかないが、パッカーは例年どおり、第4四半期のと畜増に対応するべく土曜日のシフトを増やしている。

2019年10月の月〜金曜日の1日当たり平均と畜頭数は48万7358頭。今年は48万5974頭で、その差はわずか0.3%だ。今年10月の土曜日の平均と畜頭数は25万1380頭(前年比1.6%減)と若干少ないが、現在のところ、11月の1日当たりと畜頭頭数も48万5090頭(同0.6%減)と微減にとどまっている。

11月前半3週の土曜日のと畜頭数は、平均27万1743頭(同10%減)と減少しているが、出荷重量が重いことで、と畜の微減分は相殺されている。11月21日までの週間平均枝肉重量は218ポンド(同1.9%増)、前年同期比4ポンド増。過去2週間も重量は増加傾向にあり、平均は219ポンドに近い水準だ。

 

※2020年11月23日 Pork Merchandiser's Profit Maximizer

  米国の養豚企業トップ40社(上位20社抜粋)
 
消費トレンド

アメリカ人の食費は可処分所得の10%

 
 

米国農務省・経済調査局(USDA-ERS)によると、アメリカ人は可処分所得(DPI)のうち平均10%を食品に費やしている。1960年〜2000年までに、この割合は17.0%から9.9%に低下したが、この20年間は変わっていない。

1960年〜2000年までの間に、アメリカ人の所得のうち、スーパーなど小売店で支払われる食費(内食)の割合は、1960年の13.7%から2000年には5.7%にまで低下した。同期間に、レストランなど家庭外の食事に支払われる食費(外食)の割合は、3.3%から4.2%に上昇している。

1960〜2000年にかけて、内食費の割合が下がった一因は、可処分所得が増加したことと、米国の食品システムの効率性が上がり、内食価格の上昇率が低く抑えられたためだ。これによって、より高価な外食費が増えることになった。

米国の平均DPIは、インフレを考慮すると、1965〜1985年までは年間3.3%増加し、1986〜2000年までは同2.8%増加した。だが2000年以降は増加率が鈍り、2001〜2019年までは同1.9%増にとどまっている。

内食費の割合は、2000年以降も低下を続けているものの、その低下幅はわずかだ。2007〜2009年の景気後退に家庭内食が増え、また近年は食料品店で割高な選択肢が増えたことがある。数十年前と比べて、カット野菜やフルーツ、オーガニック製品や調理済み食品などの購入が増加していることが一因。

外食費の割合は、2007〜2009年までの景気後退期は4.4%で安定していたが、2019年には4.7%に上昇し、内食費の4.9%とほぼ同水準になった。過去20年間で外食の食品価格が68.3%上昇したのに対し、内食は44.0%の上昇にとどまっている。

 

※2020年11月23日 CATTLE BUYERS WEEKLY

 
飼料関連ニュース

穀物値上がり、来年以降の食肉価格上昇の可能性

 
 

穀物の先物価格がここ数週間で急騰している。USDAの最新データも強気が緩む要素は見当たらない。飼料コストの上昇は、連鎖的に食肉価格の上昇を後押しする可能性があり、来年、バイヤーは食肉価格の値上がりに備える必要があるだろう。USDAの現在のトウモロコシの価格見通しは前年比12.4%高の4ドルだ。

11月上旬までに米国のトウモロコシの80%余りが収穫され、USDAの見通しが修正された。推定収穫量はエーカー当たり175.8ブッシェル。これは1カ月前の予想よりも1.5%、2.6ブッシェル少ない。これにより、トウモロコシの年度計の予想生産量は2億1500万ブッシェル減少する見通しとなった。

来年は、豚の分娩頭数の低下と牛の肥育期間の正常化によって、飼料需要が減少する可能性がある。2019/20年度、米国で飼料に使用されたトウモロコシは58億2700万ブッシェルで、前年比で約4億ブッシェル増加した。

USDAは、飼料用が7500万ブッシェル減少する一方で、トウモロコシの輸出量は3億2500万ブッシェル増加し、過去最高になると予想している。生産の下方修正と輸出増見込みから、期末在庫は4億6500万ブッシェル、使用量に対する在庫比率は11.5%と予想される。これは2013/14年度以降で最も低い水準だ。

 

※2020年11月16日 Pork Merchandiser’s Profit Maximizer

  トウモロコシ使用量に対する在庫比率と価格の推移
 
リテール関連

小売の販促活動は季節的に増加も、昨年の水準を依然下回る

 
 

小売業者は、サンクスギビングデー(11月26日)と、その後のクリスマスへ向けてポークハム(モモ)の販促を活発化させる。この時期は、豚肉の販促活動指数が全体的に増加する傾向にある。

11月20日までの1週間の豚肉の販促活動指数は16万5640ポイントで、前週の12万1730ポイントから大幅に増加した。4週前は8万2370ポイントでほぼ倍増したことになる。

しかし、販促活動指数は前年水準に比べて依然として14%少なく、過去5年平均比でも10%少ない。9月および10月上旬の指数が前年より40%も少なかったことを考慮すると、回復傾向にあるが、最新のUSDA報告でもハムの週間販促は前年比で20%少なく、過去5年平均比でも12%少ない。

 

※2020年11月23日 Pork Merchandiser's Profit Maximizer

  全米の小売における豚肉の販促活動指数
 
USMEFインフォメーション

USMEFの新しい会頭にパット・ビンガー氏が就任

 
 

米国食肉輸出連合会(USMEFダン・ハルストロム会長兼CEO)は、11月10〜13日、「バーチャル・プランニング・カンファレンス」を開催。世界の食肉需給と消費動向に関する様々な講演・分析・討議が行われ、今後の世界マーケティング戦略を協議・策定するとともに、最終日に新しい役員チームを選出した。

USMEFの新しい会頭(チェアマン)には、カーギル・プロテイン・ノースアメリカ社の国際販売を率いるパット・ビンガー氏(写真)が就任した。同氏は、サウスダコタ州北東部の農場で育ち、ノーザン州立大学を卒業後、1987年にカーギルの子会社であるエクセルコーポレーションに入社。1991年から国際マーケティングに関与。カンザス州ウィチタを拠点とするカーギル・プロテイン社の海外オフィスネットワークを指揮する17年間を含め、33年間にわたり食肉業界で活躍している。

 
  米国の週当たり豚と畜頭数の推移
 
 

7種の部位のアメリカンビーフが日替わりで毎日当たる!
Journey to American Beefキャンペーン展開

 
 

米国食肉輸出連合会(USMEF)では、食肉の需要期である年末から来年の年明けにかけて、キャンペーン期間中総計500kgのアメリカンビーフが当たる消費者向けキャンペーンを実施いたします。

当キャンペーンは、誰でも毎日参加でき、その場で結果がわかるWEBオープンキャンペーンです。キャンペーンサイトにアクセスし、アメリカンビーフの生産に関わる人たちの想いをテーマにした動画を視聴すると、抽選に参加でき、その場で当落が分かります。

当たりがでると、アメリカンビーフまたは一気にたためるレジかごバッグがもらえます。A賞のアメリカンビーフは、7種類の部位のなかから、当選した曜日によってプレゼントの部位が変わり、期間中総計500kg、642名様に当たります。B賞は、今話題のレジかごにフィットし一気にたためる便利なエコバッグで、合計1,000名様に当たります。

海外旅行がまだ難しい状況の中、動画の中の大自然やカウボーイスピリットでアメリカの風を感じていただき、おいしいビーフで沢山の方が笑顔になってくださるよう、Webバナー他様々なメディアを通し、キャンペーンを盛り上げてまいります。

【キャンペーン概要】

●応募期間:2020年12月1日(火)10:00〜2021年2月28日(日)23:59
●当選者数(キャンペーン期間中合計):1,642名
【A賞】アメリカンビーフ 642名
7種の部位うち当選した曜日によって賞品が変わります
月曜・タン/火曜・アウトサイドスカート(ハラミ)/水曜・ストリップロイ(サーロイン)/木曜・リブアイロール(リブロース)/金曜・骨付きショート リブ(バラ)/土曜・テンダーロイン(ヒレ)/日曜・チャックアイロール(肩ロース)
【B賞】アメリカンビーフオリジナル一気にたためるレジかごバッグ 1,000名
●キャンペーンサイトURL
https://winter-american-beef-opcampaign.com/csm/present/201201/

  米国の週当たり豚と畜頭数の推移
 

マーケット・データ

 
 
 
 
 
 
 

ビーフ・ファクト・シート