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TRADER'S Be & Po

vol.367 Sep.23.2020
 
米国食肉輸出連合会
NEWS CONTENTS
市況ニュース 10月の牛カットアウト反落、生体牛も下落
モモとベリーの在庫ひっ迫でポークカットアウト急上昇
業界ニュース 肥育牛供給と処理能力のバランス、2022年に均衡か
供給動向 フィードロットの出荷順調も飼養頭数は過去最多に
フードサービス 「マックリブ」シーズン到来、全国販売へ―マクドナルド
USMEFインフォメーション アメリカンポーク マーチャンダイジングガイド発刊
マーケット・データ 生体牛・豚価格、カットアウトバリュ、穀物先物価格
ファクト・シート ポーク(2020年9月)米国の輸出、
と畜頭数・枝肉生産量、飼養動向、日本の輸入量
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市況ニュース

10月の牛カットアウト反落、生体牛も下落

 
 

10月のボックスビーフ価格は反落した。昨年10月は、チョイスのカットアウト価格(100ポンド当たり)が4週間で13.35ドル上昇したが、今年はその真逆の展開となった。10月の前半3週間で10.32ドル下落し、その後も小幅ながら値下がりを続けた。

生体牛価格も値下がりしたことで、パッカーマージンは依然として一頭当たり180ドル前後を維持しているが、パッカーは事前取引で大量の牛肉を安値で販売したようだ。10月第4週の22日以内受渡し契約による販売量は、総販売量の21.4%にあたる1600ロード(≒コンテナ)。同区分の販売量が1600ロードを超えるのは2016年〜2020年で4回しかない。

同週のカットアウト価格は総合平均で205.56ドル(前年同週比5.0%安)、前週比で5.38ドルの値下がり。チョイスは205.99ドル(同5.6%安)、セレクトは201.44ドル(同3.4%高)。前週比でそれぞれ5.37ドル安、5.56ドル安。第5週は日次ベースで木曜日までにチョイスが0.32ドル値下がりした。

カットアウト価格の下落の誘因は、生体重量過多の牛が多いことだ。コーンベルト地帯、特にアイオワでは重量過多の牛が多く、下げ幅も大きい。サザンプレーンズ(南部平原)では、フィードロットの滞留が解消しつつあり、価格は横ばいだった。

主要5州の去勢牛平均価格は105.07ドル。前週比2.45ドル安、前年同週比5.06ドル安。枝肉の平均価格は163.95ドル、同4.40ドル安、同10.61ドル安。第5週の現金取引は低調で、水曜までの取引頭数は6450頭にとどまった。最低価格はアイオワの生体牛101〜103ドル、枝肉163ドル。ネブラスカは生体牛103ドル、枝肉158〜160ドル。

USDAの週間報告によると、枝肉重量は依然として前年を大きく超えている。10月第3週の去勢牛の平均枝肉重量は929ポンド、前週比1ポンド増、前年同週比29ポンド増。これは2015年同週の最高記録と比べて、わずか1ポンド少ないだけだ。未経産牛は850ポンド、同4ポンド増、同19ポンド増。2015年11月の最高記録に4ポンド差まで迫っている。

 

※2020年11月2日 CATTLE BUYERS WEEKLY

 
 

モモとベリーの在庫ひっ迫でポークカットアウト急上昇

 
 

10月中旬のポークカットアウト価格(100ポンド当たり)が100ドルを超えた。通常なら、これは豚肉の供給が季節的に減少する6・7月に出現する価格だ。週当たりと畜頭数が270万頭を超えているにもかかわらず、100ドル台の高値に押し上げたのは、ハム(モモ)とベリーの急上昇だ。

ハムのプライマル価格は、10月15日に前年比50%高となる93.14ドルをつけ、カットアウト全体の上昇に31%寄与した。ベリーのプライマル価格は173.9ドル、前年比39%高。同じくカットアウトの上昇に約31%寄与した。

ハムとベリーの価格高騰の要因は、例年よりも在庫薄状態の中で、エンドユーザーがホリデーシーズンへの手当に慌てて動きだしたことだ。エンドユーザーは夏期に安値が続いていたことで油断し、COVID-19の影響による不透明感あるいは輸出好調による冷凍在庫減少などもあり、手当時期を読み間違ったようだ。

10月1日時点で、ハムの在庫は推定1億4630万ポンド(前年同月比27%減)、過去5年平均比36%減。10月1日としては過去15年間で最低の水準だ。ベリーの在庫も前年比39%減。通常、と畜頭数が増えれば、スポット市場の供給が潤沢になることから、この時期はいつも少ないが、それでも今後の供給は限定的だ。

  ポークベリーの価格推移(工場出荷ベース)
 

ポークカットアウト価格は、10月15日のピークから10月23日までに8ドル値下がりした。ベリーとハムが弱まったことが主因だが、今後の見通しのポイントは以下のとおり。

【ベリー】11、12月は下落基調と予想。現在のところ、12月までに130ドル台まで下がると見ている。統計的には、値下がり方向に動く際は、非常に急激かつ大幅になる可能性が大きい。

【ハム】カギとなるのは、特定の製品への引き合いだ。短期的には引き続き労働力の問題があり、ボンレス製品の価格はボンイン製品の3〜4倍で取引される可能性が高い。ハムプライマルは、ホリデーシーズン向けの引き合いが落ち着き始める12月までに、70ドル台まで下がると予想する。ハムの原材価格は引き続き高い。

【ロイン】価格は9月中旬から10月中旬までの間、小売需要の増加によって上昇してきたが、徐々に下げている。11・12月は小売業者の焦点がホリデー向け品目に移るとともに、緩やかに弱まる見通し。と畜頭数が週当たり270万頭に増えれば、現在の予想より下振れする可能性がある。

【ピクニック】例年、第4四半期は季節的に強い傾向にある。輸出需要に依存しており、製品の4〜6割は輸出されている。これまでの輸出量は非常に力強いが、過去2週間、中国や他のアジア市場向け輸出額は予想より低く、価格の上昇は例年より抑えられる可能性がある。

各品目の予想から、ポークカットアウトの全体価格は12月まで現状を持続することはく、今後2カ月間で約10ドル下落すると予想する。ボンイン・ボンレス製品間の大幅な価格差を考えると、日々の価格は非常に変動しやすい状態が続きそうだ。

また、CME(シカゴ商品取引所)がポークカットアウトの新たな取引を開始したことにも留意する必要がある。これは、幅広い豚肉製品を購入するユーザーにとって実用的なヘッジ手段になるだろう。

 

※2020年10月26日 Pork Merchandiser's Profit Maximizer

  CME(シカゴ商品取引所)における過去5年間のポークカットアウトとリーンホッグの指標価格の推移
 
業界ニュース

肥育牛供給と処理能力のバランス、2022年に均衡か

 
 

ラボバンク社のレポートで、アナリストのケビン・グリアー氏は「米国の肥育牛供給と牛肉処理能力のバランスは、2022年以降につり合いがとれ始める可能性がある。これは、と畜能力の拡大と肉牛減少の双方によってもたらされる」と指摘している。肥育業者の視点でとらえると、少なくとも2021年までは厳しい状況が続くことを意味するが、2023年までには肥育業者の優位性が強まるだろう。

そのためには、2021〜2022年の間の合理化が重要なステップとなる。1日当たりのと畜処理能力が5000〜6000頭増加すれば、肥育牛の供給と処理能力のバランスが是正される。問題は、いつ、どのようにしてバランスがつり合うかだ。

本紙調査のビーフパッカー上位30社を基にすると、米国の1日当たりの最大と畜能力は2019年で12万6400頭。2020年は緩やかに増加し、工場の新設や拡大を通じて、2022年までに約12万8000頭になる。しかし、10年以上前と比べれば、はるかに少ない。2012〜2014年の期間に、大手パッカーの工場閉鎖や合理化が相次いだからだ。

グリアー氏は「市場のバランスを評価する一つとして、近年、パッカーマージンの拡大がアンバランスさの象徴とされ、生産者が適正なマージンを確保できていないとの見方がある」と指摘する。そうした見方が正しいかどうかは別として、パッカーマージンは確かに 上昇している。

2018年以前の5年間は平均で1頭200ドルだったが、2017年以降から急増している。大手パッカーの工場火災やCOVID-19による混乱がなかったとしても、1頭400ドルのマージンが恒常化している。

肥育牛に限定して考えると、2010年から2017年までの年間上位30社のと畜能力に対し、1月1日時点の去勢牛・未経産牛の飼養頭数は約97%。つまり、年始時点の肥育牛の供給は、年間の処理能力より約3%少ないことになる。2018年から2020年までのこの比率は102%だとグリアー氏はいう。

近年では、処理能力に対して供給が増大している。2018年以前は供給が処理能力を下回っていたのに対し、現在は供給が能力を超えていることを示している。実際の価格交渉でも肥育業者の影響力が弱っている。同氏は、2022年までに去勢牛・未経産牛の飼養頭数が2020年1月の合計値から約3%減少すると予想し、アグリビーフとFPLフードの能力拡大とも相まって、供給と処理能力の比率は98%まで下げられるはずだと予想する。

 

※2020年11月2日 CATTLE BUYERS WEEKLY

 
供給動向

フィードロットの出荷順調も飼養頭数は過去最多に

 
 

肥育業者は可能な限りのスピードで出荷を続けているが、フィードロットの飼養頭数は増加している。9月の出荷頭数は184万6000頭(前年同月比6.2%増)。と畜稼働日が昨年より1日多いことを勘案すると、前年比1.4%増となる。

一方、導入頭数は222万7000頭(同5.9%増)と事前予想より3.4%も多く、10月1日時点の総飼養頭数は推定で1171万7000頭(同3.8%増)。前年より42万9000頭も多く、USDAの統計開始以来で最多となる。

飼養頭数は、アリゾナ、ミネソタを除く全ての州で横ばい、または増加した。最大はテキサス(287万頭)で、前年比8万頭の増加。次いでカンザス(254万頭)も16万頭増、ネブラスカ(241万頭)は14万頭増。

導入頭数が減少したのは、アイダホ、アイオワ、ミネソタ、サウスダコタ、テキサス、ワシントンの6州のみ。主要州ではテキサスが3%減となったが、カンザス、ネブラスカはともに13%増。出荷はカリフォルニア、コロラド、アイダホ、サウスダコタを除く全ての州で増加した。

テキサスA&M大のデビッド・アンダーソン氏は、「出荷頭数から算出する1日当たりの出荷平均は、2カ月連続で昨年を上回った。業界が強いられている調整(肥育牛の滞留解消)を考えれば、歓迎すべき傾向だが、絶対値では下半期に出荷が減少する傾向は今年も継続している。導入の増加は、COVID-19の直撃に対応して3・4月の導入が急減したことの反動でもあり、肥育上位3州のうち、カンザス(12.6%増)、ネブラスカ(13.2%増)の2州で大幅に増加した」という。

同氏は、導入頭数の増加分12万4000頭のうち、84%にあたる10万4000頭は最重量区分(700ポンド以上)だと指摘する。「この最重量級の肥育素牛の導入先はネブラスカ、次いでカンザスだ。重量級の素牛導入が増加したことで、年末から来年初めの出荷・と畜頭数に圧力がかかる可能性が強い」。

例年、導入のピークは10月だ。干ばつの状況により、小麦の草地造成や整備が困難なら、フィードロットへの導入に拍車がかかる可能性がある。東部やテキサスの干ばつで、導入がさらに進むかもしれない。

 

※2020年11月2日 CATTLE BUYERS WEEKLY

 
フードサービス

「マックリブ」シーズン到来、全国販売へ―マクドナルド

 
 

米国のマクドナルドは12月2日から「マックリブ」の販売を開始する。今年は、2012年以来初めて全国で発売する。マックリブは1982年に全国のマクドナルドでデビューし、現在は、ファンが最も待ち望む世界共通の期間限定メニューの一つ(ドイツでは通年販売)。

同社は「マックリブは、40年近く前の発売以降、愛され続けているメニュー。スモーキーでピリ辛なバーベキューソースたっぷりのシーズンド・ボンレス・ポークに、オニオンスライスとサワーピクルスをトッピング。他では味わえないマックリブの魔法を常連も“初めての人”ももうすぐ楽しむことができるだろう」とアピールする。

本格シーズンの到来を前に、すでにインターネットでは爆発的な人気になっており、今年は全国発売することにした。持ち帰り、ドライブスルーのほか、マクドナルドのアプリやマック・デリバリーを通じて購入できる。

  「マックリブ」シーズン到来、全国販売へ―マクドナルド
 

※2020年11月2日 Foodmarket.com

 
USMEFインフォメーション

アメリカンポーク マーチャンダイジングガイド発刊

 
 

米国食肉輸出連合会(USMEF)はこのほど「アメリカンポーク マーチャンダイジングガイドブック」(A4版・46頁)を発刊しました。

本ガイドブックでは、アメリカンポークの特長と商品化の基礎知識などの解説とともに、豚肉販売の核となる「ステーキ」「焼肉・BBQ」「しゃぶしゃぶ」「トンカツ」「生姜焼き」「ホットメニュー(鍋・煮物)」など、メニュー用途ごとにアメリカンポークの商品特性を活かした商品・売場づくりのアイデアを満載しています。

USMEFのWebでの閲覧・ダウンロード(PDF)も可能ですので、アメリカンポークの商品・売場づくりと販売促進にご活用下さい。

https://www.americanmeat.jp/trd/publications/book/index.html

  アメリカンポーク マーチャンダイジングガイド発刊
 

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