9月第3週の生体牛の現金取引価格は、100ポンド当たり103〜103.50ドル。前週の主要5州の去勢牛平均価格101.21ドルから2ドル上昇し、3週連続の値下がりから反発に転じた。これに連動して枝肉価格も上昇した。
今後は回復基調に入るとの見方が強いが、例年レイバーデイ(9月第1週の月曜日)の後には、季節的に牛肉需要が弱まる。さらに重要なのは、フィードロットに滞留する肥育牛の解消がいつになるかだろう。
フィードロットでの滞留は、COVID-19のパンデミックの影響で3月から生じはじめ、6月1日時点で100万頭までに達したが、処理工場がと畜能力のほぼ100%で稼働してから、月を追うごとに減少している。
現金取引価格の上昇のきっかけとなったのは先物市場だ。月曜日に先物の10月契約分が106.87ドル、12月分111.70ドル、2021年2月分が115.70ドルを付けたことを受けて、水曜日の現金取引が活発になり、サザンプレーンズで生体牛2万6826頭が103ドル、ネブラスカ、アイオワ・ミネソタでは生体牛103ドル、枝肉162ドルで取引された。
生体牛価格とは対照的に、ボックスビーフおよびトリミングの価格は右肩下がりとなった。小売市場での牛肉の売れ行きは良好だが、例年9月にはカットアウト価格が季節的に下落する。先週のカットアウト平均価格は100ポンド当たり219.37ドル、前週比4.04ドル安。チョイスは同218.51ドル、同3.23ドル安。低脂肪の挽材(90CL)も223.86ドルと値下がりした。
アナリストは「牛ひき材の供給が需要を上回っている。小売の牛肉販売は依然好調だが、伸び率は鈍化している。季節的に牛肉需要が回復するのは10月上旬だ。ホリデーシーズンに向けたアジアからの引き合いが入るまで、カットアウトは軟調が予想される」という。
210 AnalyticsとIRIが合同で収集・分析したデータによると、レイバーデイの連休週の小売販売は、食肉部門全体の売上額が前年比18%増、販売量は11%増加。牛肉の売上額は25.5%増と好調だった。
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