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TRADER'S Be & Po

vol.364 Oct.5.2020
 
米国食肉輸出連合会
NEWS CONTENTS
市況ニュース 生体牛価格は反発、カットアウトは軟調
中国等のドイツ産豚肉輸入停止、市場に動揺
ポーク関連ニュース 中国でポークリブ価格が急上昇、ドイツ産輸入停止で
生産動向 干ばつでフィードロット飼養頭数がさらに増加
フードサービス パンデミック6カ月間、営業休止レストランは10万店に
ワールドトレード メキシコ向け生体牛輸出が急増
USMEFインフォメーション 10月から「ごちポのまちがいさがしキャンペーン」展開
マーケット・データ 生体牛・豚価格、カットアウトバリュ、穀物先物価格
ファクト・シート ビーフ(2020年8月)米国の輸出、
と畜頭数・枝肉生産量、飼養動向、日本の輸入量
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市況ニュース

生体牛価格は反発、カットアウトは軟調

 
 

9月第3週の生体牛の現金取引価格は、100ポンド当たり103〜103.50ドル。前週の主要5州の去勢牛平均価格101.21ドルから2ドル上昇し、3週連続の値下がりから反発に転じた。これに連動して枝肉価格も上昇した。

今後は回復基調に入るとの見方が強いが、例年レイバーデイ(9月第1週の月曜日)の後には、季節的に牛肉需要が弱まる。さらに重要なのは、フィードロットに滞留する肥育牛の解消がいつになるかだろう。

フィードロットでの滞留は、COVID-19のパンデミックの影響で3月から生じはじめ、6月1日時点で100万頭までに達したが、処理工場がと畜能力のほぼ100%で稼働してから、月を追うごとに減少している。

現金取引価格の上昇のきっかけとなったのは先物市場だ。月曜日に先物の10月契約分が106.87ドル、12月分111.70ドル、2021年2月分が115.70ドルを付けたことを受けて、水曜日の現金取引が活発になり、サザンプレーンズで生体牛2万6826頭が103ドル、ネブラスカ、アイオワ・ミネソタでは生体牛103ドル、枝肉162ドルで取引された。

生体牛価格とは対照的に、ボックスビーフおよびトリミングの価格は右肩下がりとなった。小売市場での牛肉の売れ行きは良好だが、例年9月にはカットアウト価格が季節的に下落する。先週のカットアウト平均価格は100ポンド当たり219.37ドル、前週比4.04ドル安。チョイスは同218.51ドル、同3.23ドル安。低脂肪の挽材(90CL)も223.86ドルと値下がりした。

アナリストは「牛ひき材の供給が需要を上回っている。小売の牛肉販売は依然好調だが、伸び率は鈍化している。季節的に牛肉需要が回復するのは10月上旬だ。ホリデーシーズンに向けたアジアからの引き合いが入るまで、カットアウトは軟調が予想される」という。

210 AnalyticsとIRIが合同で収集・分析したデータによると、レイバーデイの連休週の小売販売は、食肉部門全体の売上額が前年比18%増、販売量は11%増加。牛肉の売上額は25.5%増と好調だった。

 

※2020年9月21日 CATTLE BUYERS WEEKLY

 
 

中国等のドイツ産豚肉輸入停止、市場に動揺

 
 

生体豚価格は、夏季に生じた生体豚の滞留と季節的な供給増加によって値下がりが予想されていた。しかし現金市場が比較的強かったことに加え、ドイツで野生のイノシシにアフリカ豚熱(ASF)の感染が確認されたことを受けて、先物価格は上昇に転じた。

現時点では、ドイツの豚肉供給が減少することはないが、多くの国がドイツ産豚肉製品の輸入を停止する可能性がある。陽性が報告された直後、主要輸入国である韓国とベトナムが輸入停止を発表。続いて中国も輸入を停止した。

最大の関心事は、中国が輸入禁止を決定するかどうかだ。中国の2020年1月〜7月の豚肉輸入量は249万8000トン(前年同期比150%増)。米国からの輸入は1〜7月で47万7694トン、前年同期比の約4倍になった。

欧州からの累計輸入量は、中国の輸入豚肉全体の53%を占める。ドイツは欧州でスペインに次いで2番目に大きな供給国で、約14%を占めている。デンマークとフランスも主要な輸出国だが、輸出可能量はドイツに比べてはるかに少ない。ポーランドはASFの発生歴があるため、中国への輸出は認められていない。

中国のドイツ産豚肉の輸入禁止が続く場合、代替可能な供給力を持つ国はブラジルと米国だ。米国からの中国向け輸出が急増し、パッカーがと畜頭数を大幅に拡大できず、国内需要と他の輸出市場に分配する場合には、豚肉価格が値上がりすることも予想される。

潜在的な強い需要を予期して、先物は上昇基調にある。米国の第4四半期のと畜頭数は前年同期比で1%未満の増加、枝肉重量は0.9%増と予想すると、第4四半期の豚肉生産量は1.6%増(1億2100万ポンド増)にとどまる可能性がある。ポークカットアウト価格は、現在の100ポンド当たり約80ドルから84ドルまで上昇することもあり得る。
ただ、中国が米国から積極的な輸入を続けるかどうかは不透明だ。実際にグラフが示す通り、米国産豚肉の輸入は明らかにペースダウンしている。中国の米国産豚肉輸入は、市場・経済的要因だけではなく、政治的な要因にも大きく左右される。

 

※2020年9月14日 Pork Merchandiser’s Profit Maximizer

  中国の豚肉類の輸入量・上位4カ国からの月別推移(左図)、2020年1〜6月のドイツの豚肉輸出量と輸出先シェア(右図)
 
ポーク関連ニュース

中国でポークリブ価格が急上昇、ドイツ産輸入停止で

 
 

中国・北京では、ドイツからの豚肉輸入停止を受け、中国市場で人気のあるポークリブの価格が急騰し、コロナウイルスの打撃からいまだ回復途中にあるレストランを直撃している。

ポークリブは中国で最も売れるメニューに使われている製品だが、国内産は輸入品に比べて価格が10倍もするため、レストランの多くは輸入品に依存している。レストラン事業者は「コロナウイルスの流行後、ようやく客足が通常の水準に戻ったところにリブの価格が急騰し、利益を食いつぶしている」と嘆く。

中国国内でもASFが発生して国内の豚肉価格が暴騰しているため、今年8カ月間の豚肉輸入は、前年同期比で134%増加している。

輸入物のバックリブは、5月にはすでにキロ当たり11元(1.62ドル)と昨年のほぼ2倍の価格になっていた。「リブ&ライス」チェーンの経営者は「バックリブ、スープ、ザウアークラウト、ライスのセットを29元で提供している。通常はドイツ産が半分、残りはスペイン産やデンマーク産を仕入れているが、今週になって価格が14元に跳ね上がり、来週には16元まで上がる」と話す。

中国の輸入コンサルタント会社によると、輸入リブの価格は他のポークカットより大幅に高騰している。スペアリブの価格は、キロ当たり38元から44元に高騰したという。米国では国内でのリブ消費量が欧州各国より多く、中国への供給はほとんど増やせない。中国へのリブの主要供給国であるスペインやデンマーク、オランダなど欧州の供給国が、この価格高騰で大きな利益を得るだろう。

 

※2020年9月24日 FoodMarket.com

 
生産動向

干ばつでフィードロット飼養頭数がさらに増加

 
 

乳牛や子牛の繁殖地域の一部で起きている干ばつの影響で、牧草地帯からフィードロットへ移される牛が増加し続けている。キャトル・オン・フィード(COF)調査の7月の導入頭数は前年同月比11.0%増と多かったが、8月も5〜8%増となる見込みだ。

8月はと畜稼働日が昨年より1日少ないため、出荷は3〜5%減と予想され、9月1日時点のフィードロット総飼養頭数は3〜4%増となる見込みだ。アナリストは「干ばつの影響で、国内一部地域では子牛を早めに離乳させている。軽量な牛の導入頭数が増加していることから見ても、干ばつがここ数カ月の導入増の要因だ。軽量級と重量級の素牛の導入が同時に増加することは、通常はあまり見られない」という。

10月〜12月の導入頭数は増加率が低下すると予想されるが、それでも12月1日および1月1日のフィードロット飼養頭数は4〜5%増と、それぞれ過去最多を記録するかも知れない。いずれにしろ、2021年前半の肥育牛供給は潤沢になるだろう。

アナリストは「フロントエンド(肥育日数150日以上)の供給は、10月上旬までに前年水準を割るだろう。しかし6〜8月の導入増加により、12月中旬までに再び増加し始める」と予測する。

枝肉重量は引き続き昨年より大幅に増加している。9月第1週の去勢牛の平均重量は918ポンド、前週比2ポンド増、前年同週比25ポンド増。未経産牛の平均は832ポンド、同2ポンド減・同17ポンド増。全体平均は前年同週比23ポンド増で、これは同週のと畜頭数63万5387頭に1万8000頭分が追加されたことに等しい。

 

※2020年9月21日 CATTLE BUYERS WEEKLY

 
フードサービス

パンデミック6カ月間、営業休止レストランは10万店に

 
 

NRA(全米レストラン協会)が新たに公表したCOVID-19パンデミック発生からの6カ月間の影響調査によると、全レストランの約6分の1に当たる10万店が、無期限または長期的に営業を休止。約300万人の従業員が就業できず、業界の年間損失は2400億ドルに達する見込みだ。

主な調査結果は以下のとおり。

  • 8月の消費者のレストランにおける消費額は、依然として例年の水準を大きく下回り、全体的な売上額は平均34%減。
  • フードサービス業界の3〜6月の売上損失は1650億ドルで、年間では2400億ドルに達する見込み。
  • 今年営業を休止したレストランは推定10万店舗を超えているが、実態は数カ月後に政府統計が公表されるまで不明である。
  • 事業者の60%が、COVID-19の発生以前と比べてレストランの経営コスト(対売上比率)が上がったと回答した。
  • 現在営業に必要な従業員数は、平均でCOVID-19発生前の71%。
  • 最新の消費者調査では、成人の56%が、自分のコミュニティ内でパンデミック中に無期限に営業を休止したレストランを知っていると回答。
  • 事業者の40%が、連邦政府からの追加の救済パッケージがなければ、レストランが6カ月後に営業を続ける可能性は低いと考えている。

同協会は「この調査によって、独立店のオーナーや小規模フランチャイズ店には時間がないことを痛感した。政府には、早期に基本的な解決策に注力してもらう必要がある」とし、議会とトランプ政権に送った要望書の中で、中小企業支援プログラムを独立した法案として至急通過させるために共和・民主両党の支持を要請している。

 

※2020年9月15日 FoodMarket.com

 
ワールドトレード

メキシコ向け生体牛輸出が急増

 
 

米国とメキシコ間の生体牛取引は、メキシコ産の肥育素牛輸入が主体となっている。米国は年間平均で100万頭超を輸入しているが、メキシコは今年9月12日までに98万3109頭(前年同期87万5507頭)を国境超えで出荷した。

通常はこの増加に興味を惹かれるところだが、今年は米国からの輸出も増加している。テキサスA&M大学のデビッド・アンダーソン氏によると、「米国からの輸出頭数ははるかに少ないが、ここ数週間、過去数年間の最高水準にまで急増している」。

繁殖用肉牛は週平均およそ45頭で、昨年の49頭より若干少ないが、興味深いのはスローターキャトル(と場直行牛)の増加だ。今年前半の輸出はゼロだったが、7月第2週に240頭が出荷され、9月第1週には1271頭にまで増加した。2019年は年間でもわずか329頭だった。

同氏によると、メキシコ向けの輸出が継続しているのにはいくつかの要因がある。「メキシコの牛肉パッカー業界の成長により、と畜能力にある程度ゆとりがあること。米国産牛肉はUSDAの品質格付がしっかりしていることから、品種的に価格が高くならないブラーマン種の肥育牛輸出にチャンスがある」という。

現在の輸出頭数は、米国全体からみれば大きな数値ではない。だが、テキサス南部の肥育業者にとっては、メキシコ向け輸出は重要な販路をつくる大きなチャンスになりそうだ。

 

※2020年9月21日 CATTLE BUYERS WEEKLY

 
USMEFインフォメーション

10月から「ごちポのまちがいさがしキャンペーン」展開

 
 

米国食肉輸出連合会(USMEF)は、アメリカンポークのイメージキャラクター「ごちポ」の魅力を前面に出したWEBオープンキャンペーン「ごちポのまちがいさがしキャンペーン」を10月1日〜12月25日まで実施します。

本キャンペーンは、大好評だった前々回、前回に続き、今回も「ごちポくん」が日替わりで楽しくアメリカンポークの魅力をお伝えする、誰でも毎日参加できるオープンキャンペーンです。

キャンペーンサイトにある「ごちポ」のまちがいさがしに正解し、ルーレットでアタリがでると、キャンペーン期間中総計1129(いいにく)名様に、アメリカンポークをプレゼント。ルーレットではずれても、Twitterでシェアすれば、再チャレンジができます(再チャレンジは一日一回のみ)。

アメリカンポークの需要が増える冬のイベントシーズンに向け、ウェブバナー及びごちポ部公式Instagramアカウント等のソーシャルメディアでの告知を通し、キャンペーンを盛り上げていきます。

アメリカンポーク ごちポのまちがいさがしキャンペーン詳細

●実施期間/2020年10月1日(木)〜2020年12月25日(金)
●賞品/アメリカンポーク500g ・・・1,129名(キャンペーン期間中総計)
●キャンペーンサイト/https://cp2.americanmeat.jp/csm/present/201001/
●参加方法/キャンペーンサイトにあるまちがいさがしに正解し、ルーレットで当たりが出ると、アメリカンポークをプレゼント。期間中毎日、どなたでも参加でき、結果はその場でわかります。

  1129(いいにく)名様にアメリカンポークが当たる!ごちポのまちがいさがし
 

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