レイバー・デー(9月第1週の月曜日)に向けた1週間は、年間で牛肉の売上が三番目に高まる時期だ。小売業者は様々な牛肉の販促を展開したが、期待されたよりも品目数は少なく、価格も高かった。
6・7月にビーフのカットアウト価格は急落したものの、それ以前に小売業者は牛肉でかなりの損失を出したため、例年並みの販促を渋ったようだ。また外食店の営業再開が非常に遅いために、小売では販促をしなくても牛肉の売れ行きが好調なことも販促を控えめにさせる要因となった。
小売の牛肉販売は前年を大幅に上回っている。210 Analyticsによる最新の週間データをみると、8月第3週の食肉全体の売上高は前年同週比16%増、販売量は7%増。牛肉の売上高は20.5%増で、羊肉に次いで高い伸びを示している。
しかし8月最終週は、牛肉よりも安価な豚肉や鶏肉のチラシ掲載が増加。カットアウト価格および生体牛価格は下落に転じつつあり、この傾向は9月末まで続く見通しだ。
8月24〜28日までのカットアウト価格は100ポンド当たり220.10ドル、前週比8.23ドル高。チョイスは平均220.76ドル、同8.96ドル高。スポット市場では、8月31日からの週の前半4日間でチョイスは2.16ドル下げ、227.24ドルとなった。
生体牛の現金取引価格は、8月最終週から軟化を続けている。先週の主要5州の去勢牛平均価格は100ポンド当たり105.06ドル、枝肉価格166.53ドル。それぞれ前週比1.50ドル安、2.88ドル安。祝日週の稼働短縮により、パッカーの買付けが絞られたことで続落した。
また、フィードロットでの牛の滞留が解消されていないことも、先安要因となっている。多くのアナリストは、滞留が完全に解消されるのは10月中になるだろうと予想している。
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