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TRADER'S Be & Po

vol.362 Sep.7.2020
 
米国食肉輸出連合会
NEWS CONTENTS
市況ニュース 生体牛・牛肉価格、予想外の夏期の反発続く
7月の豚肉、小売価格下落も卸売価格との格差開く
ワールドトレード 中国の7月の豚肉輸入量、史上最多の43万トン
トピック 労働力不足、一部製品価格への影響が顕著に
業界ニュース 業界のCOVID-19関連支出は数十億規模に
ポーク関連ニュース 7月の冷凍豚肉在庫、過去9年で最低水準に
マーケット・データ 生体牛・豚価格、カットアウトバリュ、穀物先物価格
ファクト・シート ビーフ(2020年7月)米国の輸出、
と畜頭数・枝肉生産量、飼養動向、日本の輸入量
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市況ニュース

生体牛・牛肉価格、予想外の夏期の反発続く

 
 

生体牛とボックスビーフの価格は、8月を通して上昇を続けた。例年、「夏枯れ」といわれるこの時期の展開としては異例だが、価格水準は2019年を下回っている。このため、小売業者は昨年よりも牛肉の販促を拡大できる状況にあったことが要因の一つだろう。

現在の小売の食肉売り場で、ステーキは最も売れている品目であり、これがカットアウト価格を急激に引き上げている。もう一つの要因は、第2四半期に比べれば低下したものの、パッカーのマージンが依然として良好なことだ。

生体牛価格は7週連続で上昇し、8月第3週は前週比1〜2ドル高、7月第1週比では12ドル高となった。8月第2週の主要5州の去勢牛の平均価格は100ポンド当たり105.06ドル、枝肉価格は同168.04ドル。それぞれ前週比で3.72ドル高、4.84ドル高。

第2週のカットアウト価格の全体平均価格(カット・ひき材・トリム)は100ポンド当たり204.67ドル、前週比2.04ドル高。チョイスの平均価格は204.89ドル、同2.27ドル高。全体の平均価格は前年同週比6.2%安だが、総取引量は同8.2%増加した。

チョイスの日次ベースのカットアウト価格は、先週の前半4日間で11.14ドル上昇し、225.38ドルに達した。小売業者は9月にも牛肉の販促を積極的に行うと予想されるが、この2週間で日次ベースのカットアウト価格が急伸したことで、今後は小売のバイヤーからの抵抗が強まる可能性もある。

 

※2020年8月24日 CATTLE BUYERS WEEKLY

 
 

7月の豚肉、小売価格下落も卸売価格との格差開く

 
 

グラフは豚肉の卸売価格と小売価格の関係を示している。7月の豚肉の平均小売価格はポンド当たり4.179ドル(前年同月比6.4%高)。前月比では1.6%安となったが、これに対して鶏肉価格は同2.032ドル(同8.5%高)、同2.2%安だ。

小売では食肉の各品目が大幅な価格変動を見せているが、これは需要面よりも供給面の影響が大きい。例えば、7月のチャックのひき肉の小売価格は前年同月比18%高、前月比11%安。リーンおよびエクストラリーンの価格は同11%高、同4%安となっている。

多様な品目が販売されるステーキの平均小売価格は同8.7ドル、前月比9%安だが、前年同月比では13%高。ポークチョップの平均価格は依然として3.91ドル前後、前月比7%安、前年同月比15%高だ。

小売業者は、今後の潤沢な豚肉供給を見据えて、ポークチョップの価格をさらに低く調整するかもしれない。グラフが示すように、2014年のPEDv(豚流行性下痢症)によって、豚肉の卸売価格と小売価格の関係が大きく変化している。今年はCOVIDショックにより、全ての食肉に同様のシフトが起きるかもしれない。

 

※2020年8月17日 Pork Merchandiser's Profit Maximizer

  豚肉の小売価格 Vs 豚肉の卸売価格(カットアウトバリュ)
 
ワールドトレード

中国の7月の豚肉輸入量、史上最多の43万トン

 
 

中国の税関当局の発表によると、7月の豚肉輸入量は43万トン(前年同月比136%増)となった。中国の港湾では新たに厳密な検査が実施され、貨物が滞留する中にあって単月としては過去最高を記録した。

ASF(アフリカ豚熱)の猛威で数百万頭の豚が死亡し、大幅に不足した国内供給を埋め合わせるため、食肉の大量輸入が続いている。食肉全体の7月の輸入は6月より40万トン多く、4月と並ぶ大量通関となった。

1〜7月累計の豚肉輸入量は256万トンに達し、前年同期よりも100万トン多い。豚内蔵を含む豚肉類の7月輸入量は56万トン、1〜7月累計輸入量は338万トン。7月の牛肉の輸入量は21万トン、1〜7月累計では120万トンに達した。

中国は新型コロナウイルスの確認を行うため、6月に冷凍食品コンテナのチェックを開始し、国外の工場に対しては、従業員間で新型コロナウイルスが発生した場合には出荷の一時停止を要求している。

多くの専門家が、食品を介してウイルスが運ばれる可能性があることを示す証拠はないと言っているが、多くの工場では一時的に輸出を停止する対応をとっている。

 

※2020年8月24日 FoodMarket.com

 
トピック

労働力不足、一部製品価格への影響が顕著に

 
 

COVID-19の影響で、4〜5月に落ち込んだ米国の食肉生産はほぼ完全に回復した。過去4週間のと畜頭数は、前年同期比で豚7%増、牛1%減、家きん3.6%減。供給量は前年水準に近づいたものの、パッカーは労働力の関係から一部製品の供給を制限しており、トリミングや除骨の有無、整形の度合いによって、カットや製品間に格差が出ている。

下図は、ベーコンの小売価格とベリープライマルの卸売価格の相関を示している。これまでは、ベーコンの小売価格と6〜7週間前のベリー価格は非常に連動性が強かった。従来通りなら、小売業者はベリー価格の急落を活用して、ベーコンの販促拡大に向けて発注を増やすことが考えられる。

同時に逆のパターンもありえる。供給のひっ迫、輸出の増加などでベリー価格が上がれば、小売業者は利益確保のために販売価格を上げる。だが今年はCOVID-19による混乱以降、こうした相関が完全に崩れてしまっている。

USDA公表の8月前半のベーコンの平均小売価格は、ポンド当たり5.20ドルと5月よりも9%高い。これは労働統計局の月間インフレ率のデータと一致する。7月のベーコンの平均小売価格は5.78ドル。ベリープライマルの安値が長期間続いている中で、ベーコンの小売価格は高いままだ。

従来なら、現在のベーコン小売価格はベリープライマルの卸売価格1.60ドル前後に相当する。しかし実際には、6・7月のベリープライマルの平均価格は97セントだった。小売業者がベリーの安値を活用した販促を拡大しない理由は、ベーコンの加工工場における人手不足だ。

労働力の制約は、ハム(モモ)のボンインとボンレス製品にも影響が出ている。ボンインとボンレスの価格比率は、加工に必要な人件費高騰をカバーするために拡大傾向にある。この比率は、通常1.7〜2.3の範囲にある。今年1〜3月はほぼ2.0だったが、人手不足が深刻になった4月以降は3.8に急上昇し、ここ2週間で4.9へとさらに上昇している。

 

※2020年8月17日 Pork Merchandiser's Profit Maximizer

  ベーコンスライスの平均小売価格 Vs ポークベリープライマルカットの卸売価格
 
業界ニュース

業界のCOVID-19関連支出は数十億規模に

 
 

米国の食肉処理業者は、COVID-19から従業員を保護するための対策に数十億ドルを投じている。最近、豚肉パッカー最大手のスミスフィールド社は、COVID-19のパンデミックの中で、従業員の保護と食品供給の安定のために3億5000万ドルを支出したことを明かした。

同社は以前にもCOVID-19に直接関連する費用として、3億4000万ドルの支出増を公表していた。コストの内訳は、従業員保護に関連したものが1億9500万ドル、施設関連が1億2500万ドル、地域社会関連が3000万ドルだという。

食肉(家禽含む)の業界規模を考えれば、業界全体のこれまでのコストは優に100億ドルを超える可能性がある。

 

※2020年8月17日 CATTLE BUYERS WEEKLY

 
ポーク関連ニュース

7月の冷凍豚肉在庫、過去9年で最低水準に

 
 

USDA(米国農務省)が公表した7月の冷凍豚肉在庫は、過去9年間で最低の水準にまで減少した。7月末時点の豚肉在庫は4億5890万ポンド(前年同月6億1169万ポンド)で、2011年7月以来の低水準だ。

例年この時期には、夏季のグリルシーズンに向けて需要が高まるが、今年はCOVID-19による工場の稼働率低下で、シーズン開始当初から例年より供給が少なかった。ベーコンの加工に使われるポークベリーの供給は20%減少し、7月末時点で4235万ポンド(同5264万ポンド)と大幅に減少した。

また、輸出の増加も在庫の減少に繋がっている。同時に公表された輸出統計では、7月の中国の豚肉輸入量が過去最高に達した。農務省のデータによると、7月3日から28日までの間に、チルドまたはフローズンポークの正肉4万5132トンが中国へ輸出されている。

 

※2020年8月25日 FoodMarket.com

 

マーケット・データ

 
 
 
 
 
 
 

ビーフ・ファクト・シート