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TRADER'S Be & Po

vol.358 July 13.2020
 
米国食肉輸出連合会
NEWS CONTENTS
市況ニュース 底値を模索する肥育牛・牛肉価格
ポーク関連ニュース 豚肉の小売価格上昇、売上は鈍化
生産動向 下半期の牛肉生産、大幅回復へ
COVID-19関連 ビーフ、ポークとも供給回復、価格は下落
フードサービス フードサービス産業の損失、3カ月で1200億ドルに
消費動向 COVID-19の牛肉消費への影響、需要低下続く
USMEFインフォメーション アメリカン・ビーフで笑顔に、日替わりで毎日当たる!
アメリカン・ビーフ 総計500kgプレゼントキャンペーン
マーケット・データ 生体牛・豚価格、カットアウトバリュ、穀物先物価格
ファクト・シート ビーフ(2020年5月)米国の輸出、
と畜頭数・枝肉生産量、飼養動向、日本の輸入量
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市況ニュース

底値を模索する肥育牛・牛肉価格

 
 

生体牛とボックスビーフの価格は、6月を通して続落し、今も底値を探っている状況だ。7月は6月に比べて牛肉需要が落ち込む時期だが、出荷待ちの牛の供給が潤沢なため、生体牛価格の底値はまだ数週間先になるかもしれない。

と畜頭数が能力の上限に近づいてきていることで、カットアウト価格は下落基調にある。6月第4週のと畜頭数は推定68万頭と予想を大きく超えた。枝肉重量はこの時期としては記録的に重く、週間と畜頭数に3万頭分上乗せしているのに等しい。6月第3週はと畜頭数が前年同週比1.8%減に対して、牛肉生産量は1.5%増だった。

肥育業者は出荷の滞留を解消しようと積極的な出荷を続けており、生体牛現金価格は6月4週も大幅に下落した。週間平均価格は生体牛が100ポンド当たり100.78ドル(前週比3.69ドル安)、枝肉は同160.70ドル(同5.70ドル安)。6月末の生体牛価格は95〜96ドル近辺までさらに水準を下げた。

一方カットアウト価格は、5月に季節的上昇をはるかに超えて暴騰した後で一転して急落し、6月は下げ続けた。6月第3週のカットアウト(カット、ひき材、トリム)の総合平均価格は100ポンド当たり222.69ドル。前年同週比では3.6%高だが、前週比では25.97ドル安。6月前半の3週間で146.16ドル下げ、第4週はさらに7〜10ドル値下がりしたようだ。

第3週のチョイスのカットアウト価格は224.04ドル、前週比26.01ドル安。6月前半の3週間で143.72ドル安。第4週も週初から4日間で5.46ドル下げた。カットアウト価格の急落を受けて、小売業者は8月に牛肉の販促を6・7月よりも活発化する見込みだが、当面は底値を探る動きが続きそうだ。

 

※2020年6月29日 CATTLE BUYERS WEEKLY

 
ポーク関連ニュース

豚肉の小売価格上昇、売上は鈍化

 
 

豚肉の供給は、5月上旬から劇的に回復し、それに連動して豚肉卸売価格は急落基調をたどっている。5月第2週の豚肉生産は推定5億6400万ポンド(前年同週比8%増)、前週比では68%増・2億2900万ポンド増加した。

しかし小売価格は、卸売価格が高騰した時の価格が維持されている。卸売から小売への価格連動には時差があり、5月の価格暴騰が小売価格の大幅な上昇に繋がっている。

最新のPOSデータを見ると、6月第1週のチルドポークの販売量は前年同週比でわずか3%増。パニック買いのピークだった3月中旬は同85%増だった。豚肉価格も高騰していた3月後半、販売量は2ケタ台の増加を維持したが、パニック買いが落ち着き、小売価格が上がり続けたため、販売量は5月に入って明らかに鈍化した。特に影響の大きい品目は冷蔵ロインで、販売価格が前年比24%上昇し、販売量は同10%減と落ち込んだ。

ベリーの卸売価格はもみ合いが続いているが、小売価格は注文量の増加傾向から若干調整され、最新週のベーコン価格は、ポンド当たり5.92ドル(同10.4%高)。小売での販売量は昨年より良化する兆しがあるが、依然として過剰な冷凍在庫とフードサービス需要の先行きが不透明で、変動性が高い。

 

※2020年6月22日 Pork Merchandiser's Profit Maximizer

  生鮮豚肉の販売量と販売価格の前年比の推移(POSデータ)
 
生産動向

下半期の牛肉生産、大幅回復へ

 
 

米国の2020年下半期の牛肉生産量は、上半期に比べて大幅に増加する見通しだ。と畜頭数が予想より速く回復したため、米農務省(USDA)は最新の需給生予測で、第2四半期の牛肉生産量を5月時予想よりも3億7000万ポンド多い60億500万ポンドへと上方修正。第3、第4四半期の予想もそれぞれ69億1500万ポンド、68億2500万ポンドに修正した。

この結果、今年上半期の生産量は129億3400万ポンド(前年同期132億3100万ポンド)、下半期は137億4000万ポンド(同139億2400万ポンド)、年間では266億7400万ポンド(同271億5500万ポンド)と予想される。今年下半期の予想は、前年同期に比べると1億8400万ポンド減だが、今年上半期からは8億600万ポンド増になる。

COVID-19の影響による牛肉工場の稼働率低下で、4月最終週の牛肉生産量は前年同週比35.4%減と大幅に減少した。しかし、その後の回復は予想よりも素早く、稼働率は通常に近い状態に戻りつつある。また、今回の予想には、出荷滞留による枝肉重量の増加が今後も継続するとの見方が反映されている。

生産の増加予想を受け、第3四半期の牛肉輸出予想も7億5000万ポンドへ上方修正された。4月の牛肉輸出量は前年同月比3.4%減少したため、第2四半期の輸出予想は修正せず6億7500万ポンド、第4四半期も7億5000万ポンドと変わっていないが、年間の輸出量は29億4400万ポンドと前年(30億2200万ポンド)に比べて微減となる見込み。

 

※2020年6月29日 CATTLE BUYERS WEEKLY

 
COVID-19関連

ビーフ、ポークとも供給回復、価格は下落

 
 

食品・食肉業界のニュースと情報の大手プロバイダー・Urner Barry社は、COVID-19パンデミックに関する特別レポート第3版を発表した。食肉関係のポイントは以下のとおり。

【ボックスビーフ】

パンデミック中の需給激変で、ボックスビーフの値動きは依然として変動性が高いが、供給状況は素早く改善した。2カ月前と比較すると、多くの工場が再稼働して労働者の出社率も向上、と畜頭数は劇的に改善。現在、1日当たりの牛と畜頭数は11万9000〜12万頭、例年の夏期の平日(12万2000〜12万3000頭)にかなり近い。

直近の5週間、フロントエンド(肥育日数150日以上)の肥育牛の滞留を解消するため、各工場は土曜日のと畜計画を積極的に維持している。フィードロットの6月1日時点の飼養頭数は1167万1000万頭で、統計開始(1996年)以降で2番目に多い。

6月20日までの週、スポット市場の生体牛価格は100ポンド当たり98ドル、前年同週を17ドルも下回った。先物は、期近の6月契約分の生体牛取引では、現金市場より安値での取引が続いている。カットアウト価格は、4月17日から5月11日までに約96%上昇し、ほとんどのアイテムが最高値を更新。しかし、と畜頭数の回復に伴って急落した。

【ボンレスビーフ】

不確実な状況が長引いており、需要は依然として例年の水準からは程遠い。

Fresh 90s(赤身率90%のビーフトリミング)の価格は例年の水準を大きく上回っているが、この3週間で約13%下落した。これは営業再開が遅れている一部地域での需要が少ないことに加えて、一部パッカーがフォーミュラ取引比率を上げ始めことで、ラウンドカットが安価な代替品になっているとみられる。

Fresh 50s(赤身率50%のビーフトリミング)は急騰後に暴落した。最高値は5月12日のポンド3.25ドルで、その後約1カ月間は右肩下がりで暴落(約70%安)。6月上旬は若干の安定感を示した。

牛ひき材を米国へ輸出する業者も大波乱の市況と戦っている。6月22日時点で、豪州からのボンレスビーフ輸入量は6万5330トン(前年6万6865トン)と干ばつによる牛価格上昇もあって減少。一方、NZ産の対米輸出は7万4124トン(同7万2162トン)と増加している。

  赤身率90%のビーフトリミングの価格推移
  赤身率50%のビーフトリミングの価格推移
 

【ポーク】

豚肉生産量は、4月最終週に2000年代で最低水準まで減少。価格はすぐに反応し、多くの品目が最高値水準に到達、カットアウト価格は2週間遅れて5月11日の週に天井をつけた。しかしそれ以降は、工場の稼働率低下中に形成された生体豚の過剰供給に照準が移った。

生産量が上向いたことで、ほぼ全カットの価格が弱気に転じ、5月11日のピークから5週間余りでカットアウト平均は42%下落した。ピクニック、ロイン、サーロインといった多数のアイテムが、この短期間で最高値記録から数年来の最安値まで下落。ボンインポークバットはピークから60%安、ボンレスロイン66%安、ベリー46%安、赤身率72%のトリミング45%安。

肥育豚のと畜頭数は「通常」(COVID-19前)の水準へ向かっている。ディスタンシング対策と工場の構造的変化により、1日当たりのと畜頭数が再び49万5000頭超に達することはなさそうだが、現在46万2000〜46万5000頭で推移しており、5月1日に記録した27万5000頭の最低値から70%近く回復。ここ3週間の週間生産量は前年を上回っている。

6月20日の週の生体豚の平均重量は293ポンド・前年比8ポンド増。6月19日の全国の加重平均価格は100ポンド当たり28.48ドル・前年比45.55ドル安。現金市場は短期的に「良くて横ばい」、先物は現物の弱気を反映して、7・8月契約分が6月22日に最安値を更新した。

  週当たりの豚肉生産量とカットアウト価格の推移
 
フードサービス

フードサービス産業の損失、3カ月で1200億ドルに

 
 

米国のレストラン業界はコロナ禍による閉店で大打撃を受けており、営業再開後の回復ペースも非常に遅い。全米レストラン協会(NRA)によると、5月のフードサービス産業全体の売上損失(コロナパンデミック発生以前に予想された売上高に対する減少額)は400億ドルとなった。

3月の損失300億ドル、4月の500億ドルに続いて大幅に落ち込んでおり、この3カ月間のコロナ禍に関連する経済損失は総額1200億ドルに上る。年間の損失は2400億ドルに達する見込みだという。

NRAのアンケート調査では、回答者の66%がテイクアウトやデリバリー対応で営業しているとし、約34%は「営業再開を妥当と評価する顧客が十分にいない」と回答、制限が解除されてからも店内営業を再開していない。

 

※2020年6月29日 CATTLE BUYERS WEEKLY

 
消費動向

COVID-19の牛肉消費への影響、需要低下続く

 
 

4・5月の米国の牛肉生産量は、COVID-19による牛肉工場の稼働率低下により、過去最も低い水準まで落ち込んだ。USDAの予想では、第2四半期の国民一人当たりの消費量は前年同期比12.5%減と予想される。

一方、カンザス州立大が算出した牛肉の需要指数によると、4月の小売店のチョイスビーフは同18%減。ウィスコンシン大学のブレンダ・ボエテル氏は「消費量イコール需要量ではない。消費量は、牛肉生産量と輸出入量の差し引きで計算される関数だ。牛肉の生産量が増えることで消費量は増加するかもしれないが、消費者の牛肉への支出金額がポンド当たりで下がっているため、牛肉需要は減少している」という。

通常、米国の牛肉消費の半分以上はフードサービス市場で消費されるが、今回のコロナ渦で牛肉の消費場所が小売へシフトしたことは、プライマルのラウンドとリブの価格差が縮小したことに端的に表れている。

牛肉需要を決定する大きな要因の一つは所得だ。同氏によると、「景気後退が今後数カ月にわたる可能性があり、牛肉需要は全体的に減少するだろう。需要の回復には時間がかかり、外食で消費される高価なプライマルカットの需要は、全体の牛肉需要よりも大きく低下する」という。

 

※2020年6月22日 CATTLE BUYERS WEEKLY

 
USMEFインフォメーション

アメリカン・ビーフで笑顔に、日替わりで毎日当たる!
アメリカン・ビーフ 総計500kgプレゼントキャンペーン

 
 

米国食肉輸出連合会(USMEF)は、停滞していた経済活動が徐々に回復途上にあることを受け、日本の皆さんを「アメリカン・ビーフで笑顔に」したいとの思いから、7月1日(水)よりアメリカン・ビーフが当たる消費者向けキャンペーンをスタートいたしました。

当キャンペーンは、誰でも毎日参加でき、その場で結果がわかるWEBオープンキャンペーンです。キャンペーンサイトにアクセスし、アメリカン・ビーフのシズル感溢れる動画を視聴すると、抽選に参加でき、当たりがでると、アメリカン・ビーフまたは今話題のシュパットエコバッグがもらえます。

A賞のアメリカン・ビーフは、7種類の部位のなかから、当選した曜日によってプレゼントの部位が変わり、期間中総計500kg、625名様に当たります。アメリカン・ビーフで沢山の方が笑顔になってくださるよう、Webバナー他様々なメディアを通し、キャンペーンを盛り上げてまいります。

【キャンペーン概要】

●応募期間: 2020年7月1日(水)〜8月31日(月)
●当選者数(キャンペーン期間中合計): 2,625名

【A賞】アメリカン・ビーフ 625名

7部位うち当選した曜日によって賞品が変わります
月曜=牛タン
火曜=アウトサイドスカート(ハラミ)
水曜=ストリップロイン(サーロイン)
木曜=リブアイロール(リブロース)
金曜=骨付きショートリブ(バラ)
土曜=テンダーロイン(ヒレ)
日曜=チャックアイロール(カタロース)

【B賞】 アメリカン・ビーフオリジナル シュパットエコバッグ 2,000名

●キャンペーンサイトURL
https://2020-american-beef-opcampaign.com/csm/present/200701/index.html

  アメリカンビーフで笑顔に アメリカンビーフプレゼントキャンペーン
 

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