食品・食肉業界のニュースと情報の大手プロバイダー・Urner Barry社は、COVID-19パンデミックに関する特別レポート第3版を発表した。食肉関係のポイントは以下のとおり。
【ボックスビーフ】
パンデミック中の需給激変で、ボックスビーフの値動きは依然として変動性が高いが、供給状況は素早く改善した。2カ月前と比較すると、多くの工場が再稼働して労働者の出社率も向上、と畜頭数は劇的に改善。現在、1日当たりの牛と畜頭数は11万9000〜12万頭、例年の夏期の平日(12万2000〜12万3000頭)にかなり近い。
直近の5週間、フロントエンド(肥育日数150日以上)の肥育牛の滞留を解消するため、各工場は土曜日のと畜計画を積極的に維持している。フィードロットの6月1日時点の飼養頭数は1167万1000万頭で、統計開始(1996年)以降で2番目に多い。
6月20日までの週、スポット市場の生体牛価格は100ポンド当たり98ドル、前年同週を17ドルも下回った。先物は、期近の6月契約分の生体牛取引では、現金市場より安値での取引が続いている。カットアウト価格は、4月17日から5月11日までに約96%上昇し、ほとんどのアイテムが最高値を更新。しかし、と畜頭数の回復に伴って急落した。
【ボンレスビーフ】
不確実な状況が長引いており、需要は依然として例年の水準からは程遠い。
Fresh 90s(赤身率90%のビーフトリミング)の価格は例年の水準を大きく上回っているが、この3週間で約13%下落した。これは営業再開が遅れている一部地域での需要が少ないことに加えて、一部パッカーがフォーミュラ取引比率を上げ始めことで、ラウンドカットが安価な代替品になっているとみられる。
Fresh 50s(赤身率50%のビーフトリミング)は急騰後に暴落した。最高値は5月12日のポンド3.25ドルで、その後約1カ月間は右肩下がりで暴落(約70%安)。6月上旬は若干の安定感を示した。
牛ひき材を米国へ輸出する業者も大波乱の市況と戦っている。6月22日時点で、豪州からのボンレスビーフ輸入量は6万5330トン(前年6万6865トン)と干ばつによる牛価格上昇もあって減少。一方、NZ産の対米輸出は7万4124トン(同7万2162トン)と増加している。
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