牛のと畜頭数は予想より速く回復している。5月第1週(4月27日〜5月2日)のと畜頭数は、処理能力に対する稼働率が60.4%と記録的な低さだった。5月第5週のと畜頭数は63万6000頭・稼働率87.6%と推定される。さらに重要なのは、肥育牛(去勢牛・未経産牛)のと畜が著しく増加したことだ。
5月1週の肥育牛のと畜頭数は30万8217頭、5月4週は44万4631頭に達した。5月第5週も祝日があったものの、推定41万5000頭に達しており、一部のパッカーは「業界全体の稼働率は7月4日の独立記念日の週には90%台半ばへ到達する」と楽観的な見方をしている。
牛肉生産量も増加している。5月1週は約3億4700万ポンド(前年同週比35%減)で、通常稼働週としては最低水準だったが、5月第5週は推定4億2900万ポンド(同7.6%減)まで回復した。要因の一つは、枝肉重量の増加だ。
5月第4週のと畜牛全体の平均枝肉重量は825ポンド(同34ポンド増)。このうち去勢牛は894ポンド(同48ポンド増)、未経産牛は826ポンド(同41ポンド増)だった。アナリストは「この枝肉重量の増加は、同週のと畜頭数に2万4565頭分が追加されたに等しい」という。
肥育期間の長期化は、枝肉の格付けにも表れている。5月第4週のプライムの割合は12.55%と、5週連続で記録を更新。チョイスは71.79%、チョイス以上の割合は84.34%で、今年2月第4週の最高記録(83.70%)を更新した。
牛肉生産量の増加により、ビーフのカットアウト価格は続落している。5月の第4週のカットアウト平均価格は100ポンド当たり368.85ドル、前週比25.88ドル安。チョイスは29.09ドル安の367.76ドル。第5週のスポット市場で、チョイスはさらに劇的に下落し、前半4日間で91.08ドル下げて272.26ドルとなった。
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