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TRADER'S Be & Po

vol.357 Jun.22.2020
 
米国食肉輸出連合会
NEWS CONTENTS
トピックス 牛と畜頭数、予想以上のスピードで回復
市況ニュース ポークカットアウト急落、ロイン・ベリー値下がり
牛肉卸売価格が急落、生体牛の弱気続く
輸出動向 4月の豚肉輸出23%増、中国向けがけん引
リテール メモリアルデー、販促減も売上は前年上回る
牛ひき肉の売上が大幅増、パンデミックの影響
USMEFインフォメーション 「アメリカン・ビーフで丼選手権」販促資材を提供
アメリカン・ポーク『おうちで食べよう!』企画第2弾
マーケット・データ 生体牛・豚価格、カットアウトバリュ、穀物先物価格
ファクト・シート ポーク(2020年4月)米国の輸出、
と畜頭数・枝肉生産量、飼養動向、日本の輸入量
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トピックス

牛と畜頭数、予想以上のスピードで回復

 
 

牛のと畜頭数は予想より速く回復している。5月第1週(4月27日〜5月2日)のと畜頭数は、処理能力に対する稼働率が60.4%と記録的な低さだった。5月第5週のと畜頭数は63万6000頭・稼働率87.6%と推定される。さらに重要なのは、肥育牛(去勢牛・未経産牛)のと畜が著しく増加したことだ。

5月1週の肥育牛のと畜頭数は30万8217頭、5月4週は44万4631頭に達した。5月第5週も祝日があったものの、推定41万5000頭に達しており、一部のパッカーは「業界全体の稼働率は7月4日の独立記念日の週には90%台半ばへ到達する」と楽観的な見方をしている。

牛肉生産量も増加している。5月1週は約3億4700万ポンド(前年同週比35%減)で、通常稼働週としては最低水準だったが、5月第5週は推定4億2900万ポンド(同7.6%減)まで回復した。要因の一つは、枝肉重量の増加だ。

5月第4週のと畜牛全体の平均枝肉重量は825ポンド(同34ポンド増)。このうち去勢牛は894ポンド(同48ポンド増)、未経産牛は826ポンド(同41ポンド増)だった。アナリストは「この枝肉重量の増加は、同週のと畜頭数に2万4565頭分が追加されたに等しい」という。

肥育期間の長期化は、枝肉の格付けにも表れている。5月第4週のプライムの割合は12.55%と、5週連続で記録を更新。チョイスは71.79%、チョイス以上の割合は84.34%で、今年2月第4週の最高記録(83.70%)を更新した。

牛肉生産量の増加により、ビーフのカットアウト価格は続落している。5月の第4週のカットアウト平均価格は100ポンド当たり368.85ドル、前週比25.88ドル安。チョイスは29.09ドル安の367.76ドル。第5週のスポット市場で、チョイスはさらに劇的に下落し、前半4日間で91.08ドル下げて272.26ドルとなった。

 

※2020年6月8日 CATTLE BUYERS WEEKLY

 
市況ニュース

ポークカットアウト急落、ロイン・ベリー値下がり

 
 

商品市場の古い格言に「高値は高値で修正される」とある通り、高値になれば売れ行きが減少し、やがてそれが抑制されるが、今回は高値に加えて供給も急回復したことで、急騰していた牛肉・豚肉価格は急反落した。

5月上旬、牛肉生産量は前年比で34%も減少。小売はメモリアルデーを控えていたこと、外食店の営業も段階的な再開許可が出される見通しであったことから、卸売業者や大規模チェーンの引き合いが活発化し、価格は1日ごと、いや1時間ごとに競り上がった。

予想では、COVID-19で工場が閉鎖して供給不足は夏季いっぱいまで続くとの見方が大半を占め、これほど急速に生産が回復するとは思われていなかった。5月最終週の牛肉生産量は前年とほぼ同水準、豚肉生産量は同4%増に達した。

同週の豚と畜頭数は同1.7%増だったが、枝肉重量の増加により、豚肉生産量は同4.2%増となった。4月上旬以降で初めて生産量が前年を上回り、豚肉卸売価格が前週比17%安となった。今後も生産増による値下げ圧力が続く可能性がある。

ポークカットアウト価格は、5月上旬のピークに比べて100ポンド当たりで約40%安、約49ドル値下がりした。この下落はロイン、ベリー、ショルダーの値下がりが要因だ。

豚肉の小売価格は、牛肉に比べて劇的に変化している。5月に卸売価格が高騰したことで、小売業者は販促数を急減させ、小売価格を上げて対応した。先週のポークロインの販促総数は前年比71%減。バックリブはメモリアルデー後の主力販促品だが、今年の販促数は73%減だった。

 

※2020年6月8日 Pork Merchandiser's Profit Maximizer

  豚肉の生産量とポークカットアウト価格の前年比推移(週間)
 
 

牛肉卸売価格が急落、生体牛の弱気続く

 
 

牛肉生産量が急ピッチで回復したことで、牛肉の卸売価格は記録的な高値から急落に転じた。肥育業者は出荷の滞留分を解消しようとしていることから、生体牛の現金取引価格は6月末まで弱気展開が続くだろう。

アナリストは「先物価格は現在の現金価格に対して歴史的ともいえる大幅な安値をつけている。生体牛の現金価格は6月後半には105ドルまで下がる。ただ、4月末の底値水準までは下がらないだろう」と予想する。

5月第3週の生体牛価格は100ポンド当たり117.06ドル、枝肉価格は183.35ドルで、それぞれ前週比4.75ドル高、3.70ドル高だったが、第4週前半はカンザスで117.51ドル、ネブラスカ113.69ドル、アイオワ112.16ドルと幅広い価格帯で取引された。最高値はサザンプレーンズの120ドルだった。

枝肉重量が前年を大幅に上回っていることは、フィードロットでの大幅な出荷遅延が続いていることの表れだ。フィードロットには出荷時期を過ぎた牛が100万頭いるとされ、8月前に滞留が解消されることはない。

6月1日時点で、肥育日数150日以上の飼養頭数は前年比33%増。USDAの最新予想では、第2・第3四半期の生体牛価格は99ドル、第4四半期は100ドル。年間平均価格は104.08ドルの見通し。

 

※2020年6月1日 CATTLE BUYERS WEEKLY

 
輸出動向

4月の豚肉輸出23%増、中国向けがけん引

 
 

4月の米国の豚肉輸出)調整品含む)は21万8263トン)前年同月比23.4%増)。と畜頭数の減少で、3月より伸び率は落ちたものの2ケタ成長を達成した。4月の豚肉生産量に占める輸出の割合は約32%で、史上最高を記録した。

これは中国および日本への輸出増加が要因だ。4月の中国向け輸出量は8万1163トン。前年同月比で6万4325トン増加して、他の主要市場向けの減少を相殺した。中国向けは、フローズン6ピースの割合が多いが、他の品目も輸出している。4月の内訳は冷凍枝肉28%、ポークカット58%、ハム・ショルダーカット14%。

ポークのバラエティーミートの輸出も、中国向けが前年同月比136%増加したことで、全体で同14.2%増となった。バラエティーミート輸出量に占める中国のシェアは68%)昨年は33%)。中国向けのバラエティーミート輸出額は6950万ドル)同43%増)。

中国市場は、米国の豚肉輸出拡大の推進力となっているが、両国間の貿易問題で中国当局が再び米国産豚肉の輸入停止という圧力をかける可能性もあり、大きな変動要因を含んでいる。

 

※2020年5月25日 Pork Merchandiser’s Profit Maximizer

  米国の豚肉類(調整品含む)の中国向け輸出量の推移
 
リテール

メモリアルデー、販促減も売上は前年上回る

 
 

メモリアルデー(戦没将兵追悼記念日=5月最後の月曜日、今年は25日)の連休は、牛肉の小売販売が量・額ともに最も高まる時期だ。今年は販促広告がかなり絞られたが、売上は昨年を上回ったようだ。

過去2カ月間、牛肉需要が外食店からスーパーへとシフトし、またスーパーの多くはカットアウト価格の上昇を小売価格に反映するのを抑えていた。売上の増加はこれが要因になっている。

祝日向けの牛肉販促は、昨年に比べて大幅に減少した。店舗数(USDAデータから推計)は前年より減少し、特売価格は上昇した。牛肉の広告数は前年比48%減。牛ひき材は37%減、リブ19%減、ロインカットは44%減、ラウンド69%減、チャック91%減と大幅に減少した。

ビーフカットアウト価格は、記録的高値から反落している。しかし小売業者が牛肉の小売価格を据え置くためには、さらに100ポンド当たり125ドル以上の値下がりが必要だ。小売マージンが記録的に圧縮されており、小売業者は夏枯れ期が到来する直前の6月末には価格を引き上げるだろう。

 

※2020年6月1日 CATTLE BUYERS WEEKLY

 
 

牛ひき肉の売上が大幅増、パンデミックの影響

 
 

COVID-19のパンデミックで、牛ひき肉の売上が急増している。年初から5月17日までの小売市場における牛ひき肉の累計売上高は、前年同期比で10億ドル以上も増加した。210 Analytics社のアン・マリー・ローリンク社長は「これはまさにCOVID-19が食肉小売市場にもたらした衝撃の一つだ」と話す。

同社の調べによると、5月17日までの食肉部門の累計売上額は、前年同期比で24.8%増・55億ドル増と10週連続で2ケタ台の成長を見せ、累計販売量は同18.0%増・76億ポンド増となっている。

5月第3週の売上増加額は、牛肉(1億3100万ドル増)が圧倒的1位で、次いで鶏肉(3900万ドル)、豚肉(2400万ドル)だったという。用途が多彩で調理が簡単なひき肉の人気が高く、特に牛ひき肉は前年同週比31.2%と大幅に増加した。七面鳥ひき肉は33.8%増、鶏ひき肉は27.1%増、豚ひき肉は11.3%増。

IRI社のデータによれと、パニック買いが発生した2週間を含む4月の4週間で、牛ひき肉の購入世帯数は7ポイント上昇し、全米総世帯の49%に達した。牛ひき肉の世帯当たり平均支出は30%(5ドル)増え、購入頻度も増加した。

 

※2020年6月1日 CATTLE BUYERS WEEKLY

 
USMEFインフォメーション

「アメリカン・ビーフで丼選手権」販促資材を提供

 
 

米国食肉輸出連合会(USMEF)はこのほど「アメリカン・ビーフで丼選手権」をテーマとした販促資材(ステッカー、レシピリーフレット)を作成、ご希望の販売関係者への提供を開始しました。

丼メニューは、昼食・夕食ともに提供できる簡便・満腹料理です。今回は「ステーキ」「うす切り」「切り落とし」を使用し、「スパイシー」「濃厚」「ガッツリ」「和風」「中華」「エスニック」等の切り口でバラエティーに富んだ丼レシピを提案し、平日および普段使いのアメリカン・ビーフ需要を店頭で訴求します。

提供ツールは@「アメリカン・ビーフでステーキ丼選手権」ステッカー=ステーキ商材の平日・簡単・普段使いレシピを店頭で想起させる4種A「アメリカン・ビーフで丼もの選手権」ステッカー=うす切り・切り落としを使用した変わり種牛丼レシピ4種です。各ステッカーのQRコードをスキャンすると、レシピ情報が入手できます。

それぞれのステッカーとレシピリーフレット・リーフレットケースのセット(各500セット限定)も用意しました。また、昨年好評だった切り落としを使用した「野菜と食べようアメリカン・ビーフ」レシピリーフレット入り資材セット(同)も提供します。

資材をご希望の方は、以下サイトよりお申し込みください。
https://www.americanmeat.jp/trd/publications/tool/online/input.php

本件の関するお問い合わせは担当:笠谷( tkasatani@usmef.org )まで。

  ツール①「アメリカン・ビーフでステーキ丼選手権」ステッカー、ツール②「アメリカン・ビーフで丼もの選手権」ステッカー
 
 

アメリカン・ポーク『おうちで食べよう!』企画第2弾

 
 

米国食肉輸出連合会(USME)は、今4月から実施している「アメリカン・ポーク『おうちで食べよう!』キャンペーン」(既報)が好評なことから、今回、その第2弾として3種類の季節メニューとソース(小袋)を提案します。

同キャンペーンは、「いまこそ、おうちで楽しく♪美味しく♪食べよう!」を切り口に、「巣ごもり消費」に対応して、アメリカン・ポークをご家庭で簡単においしく食べていただくために、4種類のメニューに合わせたソース、シーズニング(小袋)を提案してきました。

緊急事態宣言は解除されましたが、政府から「新しい生活様式」が示されており、まだまだ内食需要が強い環境が続くことが予想されます。そこで、『おうちで食べよう!』 企画第2 弾では、これからの季節に適した3つの料理に対して、それぞれソース小袋をご用意しました。
🅐 冷しゃぶドレッシング・ナッツごま(ロース、肩ロース、バラ)
🅑 冷しゃぶドレッシング・ガーリック&ごま油(ロース、肩ロース、バラ)
🅒 バラ焼きのたれ(十和田バラ焼き風)(バラ)

いずれも発送は7月中旬を予定しています。「おうちで食べよう!」キャンペーンの第1弾も引き続きご案内中ですので、併せてご検討ください。

本件に関するお問い合わせは担当:加藤( skato@usmef.org )まで。

  左/冷しゃぶドレッシング・ナッツごま(30g)、中/冷しゃぶドレッシング・ガーリック&ごま油(30g)、バラ焼きのたれ(40g)
 
 

マーケット・データ

 
 
 
 
 
 
 

ポーク・ファクト・シート