4月末時点の食肉全体(牛・豚・鶏・七面鳥)の冷凍在庫は、推定24億5500万ポンド(同2.1%増)で、過去5年平均比では3.7%増。前月比は1.2%増で、過去5年平均(2.8%増)に対して増加幅は小さかった。
カットアウトの価格上昇により、冷凍在庫が急減するのではという憶測も多かったが、実際にはフードサービス需要の急減により、在庫消化は進まなかった。価格急騰は、と畜の減少と小売向け供給のひっ迫が要因だが、小売では冷凍在庫の活用が広がらなかった。
4月末の豚肉在庫は、推定6億1480万ポンド(前年同月比1.1%減)。過去5年平均比では3.5%減となった。このうち、ベリーの在庫は前年同月比32.3%増、過去5年平均比33.8%増と依然として多い。ただ前月比では3%増と、過去5年平均(11%増)に比べて低い増加にとどまった。
ベリーの在庫は例年、エンドユーザーが夏期需要へ向けた準備に取りかかる春季に増加する。今年は春季以前から冷凍在庫が非常に多く、COVID-19の影響で外食需要が低迷したこともあって、在庫を消化することが困難だった。
ベリー価格は5月に急騰した。4月中旬までは100ポンド当たり50ドル台で、4月下旬に100ドルを超え、最近は200ドル超までに急騰した。このため、5月前半の2週間で在庫はかなり減少したのではないかと見られる。
4月末のハム(モモ)の在庫は、前年同月比5.7%減。前月比は過去5年平均(26%増)に対して30%増となった。ロインは小売価格が高いことから、例年に比べて大幅な在庫減少につながったようだ。
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