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TRADER'S Be & Po

vol.356 Jun 8.2020
 
米国食肉輸出連合会
NEWS CONTENTS
トピック 豚肉の生産回復も出荷滞留は推定280万頭
市況ニュース 生体牛価格が大幅反発
ビーフカットアウト前年比94%高、天井を打つ
生産動向 4月の牛肉生産量21%減、年間予想も5%減に下方修正
ポーク関連ニュース 4月末の豚肉在庫、前月比3%増、
ベリーの在庫過多続く
ワールドトレード 中国豚肉輸入、4月は170%増で史上最多
マーケット・データ 生体牛・豚価格、カットアウトバリュ、穀物先物価格
ファクト・シート ビーフ(2020年4月)米国の輸出、
と畜頭数・枝肉生産量、飼養動向、日本の輸入量
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トピック

豚肉の生産回復も出荷滞留は推定280万頭

 
 

4月28日施行の大統領令(既報)の効果もあり、豚のと畜頭数は大方の予想よりも速く回復している。4月27〜5月2日までの週の豚と畜頭数は、推定154万頭(前年同月比35%減)まで減少したが、その後3週間で全ての工場が稼働を再開。5月第3週は推定209万8000頭(同10.8%減)まで回復した。

第4週には推定213万頭(同7.8%減)、5月上旬の底からは約38%の増加。豚肉生産量は、と畜頭数の不足の一部を枝肉重量の増加が補っている。USDA公表の先週の豚の平均枝肉重量は218ポンド(前年同週比4ポンド増)。結果として同週の豚肉生産量は4億6450万ポンド(同5.9%減)で、減少率はと畜頭数の減少より小幅にとどまっている。

農場にはまだかなりの豚が滞留している。4月5日から5月23日までの7週間の総と畜頭数は1419万4000頭。3月公表の飼養動向調査から推定すると、同期間の豚のと畜頭数は前年比で約4%増、約1700万頭が出荷される見通しだったため、滞留している豚はおよそ280万頭ということになる。

と畜頭数の回復は、この滞留を軽減する効果はあるものの、完全な解消は時間を要しそうだ。USDAの豚肉生産量の予想は、第2四半期が同8.8%減、処理能力の本格的な回復が期待される第3四半期には同2.9%増と、増加に転じると見込んでいる。

 

※2020年5月25日 Pork Merchandiser’s Profit Maximizer

  米国の週当たり豚肉生産量 (推定値・連邦検査検査済数量 )
  ポークカットアウト価格の推移
 
市況ニュース

生体牛価格が大幅反発

 
 

ビーフパッカーは通常、生体牛に対して必要以上の支払いは避ける。しかし、肥育牛とカットアウトの価格差が記録的に開いたことで、ついに変化が生じた。最初の動きは2週間前で、大手パッカーがフォーミュラおよびグリッドを使用して購入する牛に対して、100ポンド当たり115ドルを支払うことを決めた。これを一因として、同週の生体牛の平均価格は前週比7.81ドル高の112.31ドル、枝肉価格は同19.80ドル高の179.65ドルとなった。

5月15日と18日には、別の大手パッカーが南部平原で生体牛を119〜120ドルで購入。同社は20日にもこの価格水準で、南部およびコーンベルト地帯での購入を続けた。

他のパッカーも追従する動きをせたことから、コロラド以外の全地域で合計4万6102頭が生体牛115〜120ドル、枝肉価格180〜190ドルで取引された。生体牛の最高値は南部平原およびネブラスカの120ドル、最安値はアイオワの114〜115ドル。

一方で、肥育超過や重量過多の牛の増加に関する懸念が強まっている。枝肉重量は、5月第2週の平均が去勢牛896ポンド(前年同週比44ポンド増)。未経産牛829ポンド(同35ポンド増)。全体平均は820ポンド(同19ポンド増)。

全ての牛肉工場が稼働を再開し、と畜頭数は回復傾向をたどっている。統計で見ると、週間と畜頭数の底は4月27〜5月2日の週で43万8614頭、推定稼働率は60.4%だった。5月第2週には約50万頭に達し、第3週には推定55万5000頭・推定稼働率76%となっている。

 

※2020年5月26日 CATTLE BUYERS WEEKLY

 
 

ビーフカットアウト前年比94%高、天井を打つ

 
 

ビーフのカットアウト価格は、想像を超える高値を記録した後、反落基調に入った。5月第2週のカットアウト平均価格(カット、ひき材、トリム)は100ポンド当たり421.80ドル(前年同週比93.8%高)。前週比30.47ドル高、チョイスの平均価格は423.23ドル(同93%高)、同26.33ドル高。同週の総取引量は前年同週比36%減。第3週は前半4日間で、チョイスが前週比34.51ドル安の401.81ドル、セレクトは同36.53ドル安の382.53ドルだった。

小売業者は牛肉の販促を再開するためには、さらなる値下がりを期待している。アナリストは「生産の再加速に伴って、カットアウト価格は急落へと向かうだろう。記録的な高水準によって小売の牛肉マージンは消失し、メモリアルデーに向けた牛肉販促は非常に限定的となった。小売業者はマージンが回復するまでは販促を制限して、牛肉の平均小売価格を上げるだろう」という。

 

※2020年5月26日 CATTLE BUYERS WEEKLY

 
生産動向

4月の牛肉生産量21%減、年間予想も5%減に下方修正

 
 

米国農務省・経済調査局(USDA・ERS)によると、COVID-19の感染が食肉全体の生産量に影響を与える中で、最も大きな打撃を受けたのは牛肉だという。米国の4月の牛肉生産量は18億ポンド(前年比21%減)。2020年の初め、牛肉生産は最高水準を更新する勢いだったが、工場閉鎖などで大幅に減少した。

このため、第2四半期の生産量予想は前期より13億ポンド少ない56億ポンド(同17%減)に下方修正された。これは1990年以降で最低の水準だ。牛肉工場でのソーシャル・ディスタンシング実施により、1日当たりのと畜処理が低下するため、ERSは2020年下半期の牛肉生産も下方修正。年間の牛肉生産量予想も同17億ポンド減の258億ポンド(同5%減)に下方修正した。

ただ、2020年下半期にフィードロットに導入される牛が増加する見通しにあるため、2021年にはと畜能力も回復し、牛肉生産量は275億ポンドと過去最高記録に達すると予想される。

第1四半期の牛肉輸出は記録的水準に達した。だが国内で予想される供給のひっ迫や世界経済の不確実性により、2020年間では輸出が減少すると予想される。しかし2021年には輸出も回復して、前年比9%増加する見通しだ。

4月の豚肉生産量は、前年同月比11%減。2020年の年間生産量の予想は、同16億ポンド減の274億ポンド(同1%減)に下方修正された。2021年の生産量予想は約282億ポンド(同3%増)となっている。

 

※2020年5月26日 CATTLE BUYERS WEEKLY

 
ポーク関連ニュース

4月末の豚肉在庫、前月比3%増、ベリーの在庫過多続く

 
 

4月末時点の食肉全体(牛・豚・鶏・七面鳥)の冷凍在庫は、推定24億5500万ポンド(同2.1%増)で、過去5年平均比では3.7%増。前月比は1.2%増で、過去5年平均(2.8%増)に対して増加幅は小さかった。

カットアウトの価格上昇により、冷凍在庫が急減するのではという憶測も多かったが、実際にはフードサービス需要の急減により、在庫消化は進まなかった。価格急騰は、と畜の減少と小売向け供給のひっ迫が要因だが、小売では冷凍在庫の活用が広がらなかった。

4月末の豚肉在庫は、推定6億1480万ポンド(前年同月比1.1%減)。過去5年平均比では3.5%減となった。このうち、ベリーの在庫は前年同月比32.3%増、過去5年平均比33.8%増と依然として多い。ただ前月比では3%増と、過去5年平均(11%増)に比べて低い増加にとどまった。

ベリーの在庫は例年、エンドユーザーが夏期需要へ向けた準備に取りかかる春季に増加する。今年は春季以前から冷凍在庫が非常に多く、COVID-19の影響で外食需要が低迷したこともあって、在庫を消化することが困難だった。

ベリー価格は5月に急騰した。4月中旬までは100ポンド当たり50ドル台で、4月下旬に100ドルを超え、最近は200ドル超までに急騰した。このため、5月前半の2週間で在庫はかなり減少したのではないかと見られる。

4月末のハム(モモ)の在庫は、前年同月比5.7%減。前月比は過去5年平均(26%増)に対して30%増となった。ロインは小売価格が高いことから、例年に比べて大幅な在庫減少につながったようだ。

 

※2020年5月25日 Pork Merchandiser’s Profit Maximizer

  ポークベリーの在庫量の推移
 
ワールドトレード

中国豚肉輸入、4月は170%増で史上最多

 
 

中国の税関のデータによると、4月の豚肉輸入量は過去最高の40万トン(前年同月比170%増)となった。これにより、中国の1〜4月の豚肉輸入量は135万トン(前年同期比170.4%増)に達した。

中国では国内生産の急減によって豚肉価格の暴騰が続いている。その中で、COVID-19の感染拡大による影響で価格が低下した米国など海外市場からの買い入れ量を拡大した。

アフリカ豚コレラの影響で、中国の豚群は少なくとも40%減少。豚肉生産量の減少に伴って豚肉価格は最高値を記録した。2月の初めからは値下がり傾向にあるが、それでも前年同期に比べて約2倍の高値となっている。

米国農務省のデータによると、米国の中国向け豚肉輸出は、第一四半期 (1〜3月)に過去最高を記録した。しかし、4月には工場閉鎖の影響で価格が高騰しており、今後、中国の米国産豚肉の輸入量は減少する可能性が高い。

4月の中国の牛肉輸入量は16万トン(同28%増)、1〜4月累計の輸入量は68万トン(同54%増)だった。

 

※2020年5月27日 Foodmarket.com

 

マーケット・データ

 
 
 
 
 
 
 

ビーフ・ファクト・シート