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TRADER'S Be & Po

vol.347 Jan.20.2020
 
米国食肉輸出連合会
NEWS CONTENTS
市況ニュース 生体牛価格の上昇続く、カットアウトは軟弱
ワールドトレード 生体豚先物にプレミアム、中国の需要増期待
4つの新協定の下で新たな10年がスタート
ポーク関連ニュース 供給増と大量在庫がベリー価格を圧迫
生産動向 豚飼養動向で2020年の供給増確実に、カギは中国輸出
USMEFインフォメーション 焼肉ビジネスフェアに出展、新刊ガイドブックも配布
マーケット・データ 生体牛・豚価格、カットアウトバリュ、穀物先物価格
ファクト・シート ポーク(2019年11月)米国の輸出、
と畜頭数・枝肉生産量、飼養動向、日本の輸入量
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市況ニュース

生体牛価格の上昇続く、カットアウトは軟弱

 
 

生体牛の現金取引価格は、クリスマスから年始にかけて上昇を続けた。クリスマス週の主要5州の生体牛平均価格は100ポンド当たり122.28ドル、前週比2.44ドル高。枝肉価格は195.22ドル、同3.37ドル高となった。

同週の現金取引頭数(5州で4万8782頭)は予想よりも少なかった。肥育業者は生体牛を125ドル、枝肉198ドルでオファーしたが、木曜日の午後まで南部ではほとんど取引がなく、アイオワ・ミネソタで火曜日に1697頭、木曜日に2189頭が取引された。ネブラスカでは471頭が枝肉194ドルで販売された。

年明け3日間の生体牛の先物取引は、2月契約分が125.77ドルと軟化したが、それでもアイオワの現金価格に対して、わずかながらプレミアム(0.39ドル)を付けている。

一方、ビーフのカットアウト価格は2週間連続の減産にもかかわらず、安定していない。前週のカットアウト平均価格は100ポンド当たり212.92ドル、前週比3.72安。チョイスは211.16ドル、同1.84安。

年明け3日間で、チョイスのカットアウト価格は208.25ドルと0.71ドル低下、セレクトも1.93ドル値下がりした。1月第2週から通常生産に戻ると、週当たりのと畜頭数は約65万頭と予想される。しかし、パッカーのマージンが12月中旬から大幅に低下しているため、カットアウト価格を安定化させようとパッカーがカットバックする可能性もあり、と畜頭数は予想よりもはるかに少ないかもしれない。

 

※2020年1月6日 CATTLE BUYER WEEKLY

 
ワールドトレード

生体豚先物にプレミアム、中国の需要増期待

 
 

米中貿易交渉の第一段階の合意署名により、米国の農産物の中国向け輸出は大幅に増加すると予想される。食肉輸出に関しては明確になっていない点もあるが、中国向け豚肉輸出は、ここ数カ月で大幅に増加。まだ予約後の未出荷玉も大量にある。

USDAの週次輸出報告書では、12月26日時点での中国への豚肉輸出は31万8000トンまたは7億2000万ポンド。過去4週間の輸出量は週当たり平均で約1万4000トン。輸出のペースがさらに上がれば、米国内の在庫評価は急速に変化する可能性がある。

中国が米国産の購入拡大にまだ余地を残している理由は、いくつかある。1つは中国の2019年の豚肉輸入の大部分は、米国以外の輸出国に依存していたこと。また、第一段階の合意はあくまでも政治的な決定で、最終的な合意ではないということだ。米中交渉はマラソン交渉であり、中国の交渉者は米国からの購入を増やすといえることが重要なカードの一つだと考えているようだ。

一部の大規模なパッカーは、中国向け製品がラクトパミンフリーであることを確認するための適切なシステムを設定していなかった。1月1日からは、ほとんどの主要パッカーが生産者にラクトパミンの給与を止めるように要求している。推測では、1月1日以降の豚肉供給の75%以上がラクトパミンフリーになり、大規模工場も中国からの注文をより受けやすくなる。

現時点では、中国が豚肉関税を現行の12%から8%に一時的に引き下げるとしているが、まだ不明な点がある。米国の生体豚価格はEUに比べて劇的に低くなっているが、関税差を考慮すると、その価格差が相殺されてしまう。

中国の11月までの豚肉輸入は173万3000トン。このうちスペインからが32万7724トンで全体の19%を占める。次いでドイツ28万4173トン、シェア16%。デンマーク13万6089トン・同8%、フランス7万1333トン・同4%。オランダ(13万5492トン)を加えた5カ国で約55%を占める。

図表のとおり、EU4カ国の生体豚価格は、最も安いスペインで91.4ドル、ドイツは105.1ドルまで上昇している。これに対して、米国の価格(CME現金取引指標)は59ドルに留まっている。重要なのは、米国産豚肉に対する報復関税の撤廃と、中国の豚肉需要が米国産にシフトすることが明確になることだ。

中国の11月の豚肉輸入は22万9707トンで、史上最高記録を更新した。米国産は3万1771トン、全体の14%だった。2019年の中国の米国産豚肉輸入量(中国側のデータ)は約23万2000トンになる。2020年の中国の豚肉輸入は400万トンを上回る可能性があると推測される。米国のシェアがその20%(2019年は11%)を占めれば、米国の豚肉供給増を吸収して余りあるものになるだろう。

 

※2020年1月6日 Pork Merchandiser's Profit Maximizer

  アメリカとEU4カ国の豚枝肉価格の推移 / 中国の豚肉輸入量の推移
 
 

4つの新協定の下で新たな10年がスタート

 
 

米国の食肉輸出産業の新しい10年の始まりは、産業に直接的または間接的に利益をもたらす4つの主要な貿易協定の下で始まる。最も重要なのは、1月1日に発効した日米貿易協定だ。

米国食肉輸出連合会(USMEF)は、「この協定は米国の食肉輸出の歴史の中で最大の進展をもたらす一つだ。日本ほど、米国の農場や牧場主、そしてサプライチェーン全体に大きな利益をもたらす海外市場はない」という。

次に重要なのは、米中貿易交渉の第1段階の合意だが、中国は成長促進剤を使用した牛肉を禁輸しており、米国産牛肉の市場参入には厳しい障壁がある。3番目は、第1四半期にも批准手続きが完了する見込みのUSMCA(アメリカ・メキシコ・カナダ協定)。第4は、今後7年間で米国からのホルモンフリー牛肉の割当制限を3万5000トンに引き上げる欧州連合と米国の貿易協定だ。

米中交渉の第1段階の協定は、詳細が明らかにされていない。しかし米国の豚肉と大豆の中国向け輸出は、急激に増加する見込みだ。このため、今年の豚肉生産は3.8%増と予測されているものの、米国内での牛肉との競合は緩和されるだろう。

また、米国からの中国向けの牛肉輸出に大きな変化はないとしても、豪州、ブラジル、NZ、カナダの中国向け輸出は増える。これによって、米国産牛肉の需要は中国以外の市場で、4カ国からの不足を補いながら拡大する可能性が高い。

特に日本では、米国産豚肉・牛肉の需要拡大が期待される。2018年の日本向け輸出額は37億ドルだったが、USMEFは競合国との関税差がなくなることから、2020年の日本向け輸出は牛肉23億ドル、豚肉17億ドルの計40億ドルに達すると見込んでいる。

USMEFは、2025年までに対日輸出額を50億ドル(牛肉約28億ドル、豚肉20億ドル以上)に近づけるプロジェクトを行っていく。また、この協定では食肉加工品・調製品の関税が段階的に撤廃されるため、付加価値製品や加工度を高めた製品に新たなチャンスが広がり、米国の食肉輸出の全体的な成長に貢献するという。

 

※2020年1月6日 CATTLE BUYER WEEKLY

 
ポーク関連ニュース

供給増と大量在庫がベリー価格を圧迫

 
 

2019年12月の豚と畜頭数は、史上最高値を更新した。12月の第1週から第3週までの週当たり平均と畜頭数は279万1000頭に達し、前年同期に比べて5.8%増加した。3年前(2016年)の通常週のと畜頭数の上限は249万8000頭であり、パッカーは3年前よりも週平均で30万頭近くも多い豚をと畜処理した。しかも豚の生体重量は3年前よりも5ポンド重い。

それだけ大量の豚肉が市場に供給されたが、輸出の増加はその供給増を吸収するまでにはなっていない。アジア市場では、カタやモモの需要が強く、メキシコはモモを多く輸入する。ベリーは米国内の需要も増加しているが、供給増により在庫が膨らんだ。

小売業者や外食産業がベリーを効率的に販売できなかったのは、物量が豊富であるにもかかわらず、先物のプレミアムによってパッカーが高値を維持してきたことが要因。

結果的にベリーの小売価格も低下せず、早めに手当てした外食関係者は、大量かつ高値の在庫で苦戦を強いられている。パッカーと加工業者は、2019年を通じて苦しんできたベリーの需要と価格を適正化する必要があるだろう。

 

※2020年1月6日 Pork Merchandiser's Profit Maximizer

  ベリーのプライマル価格の推移 / ポークベリーの在庫量の推移
 
生産動向

豚飼養動向で2020年の供給増確実に、カギは中国輸出

 
 

中国でのアフリカ豚コレラ(ASF)の発生と、それに伴う豚肉の供給不足は、2020年の食肉貿易にも大きな影響がある。中国の生産者は急いで生産を増やそうとしているが、その努力が成功したとしても、2020年後半から2021年までには回復しないだろう。

米中の貿易交渉は第一段階の合意に達したと発表されたが、中国はASF発生以前と比較した約2100万トンの生産不足に直面している。このため中国は2020年に米国からだけでも100万トンの豚肉を購入する必要があるのではないかとの予測がある。これは2019年の約2.5倍に相当する。すでに中国は約34万トンの豚肉購入を予約している。

中国政府が政治的決定を下せば、これらの購入は大幅に拡大する可能性がある。しかし、過去12カ月の経験が証明したように、それは非常に大きな「If」だ。中国の輸入需要については不確実性が多いが、米国の豚肉供給には多くの確信がある。USDAが近く公表する四半期ごとのホッグ&ピッグレポートの最も重要な点は次のとおり。

アナリストは、12月1日時点の豚総飼養頭数は7000万頭を上回り、肥育豚は前年比約3%増と予測している。これらは12月から5月までに出荷されるため、2020年前半の豚肉供給は予想どおり3%台の増加が確実視される。

2020年後半に出荷される12〜2月と3〜5月の子豚生産頭数を決定するのは、12月1日現在の繁殖豚飼養頭数と分娩割合だが、アナリストの予想平均は繁殖豚が約1.6%増、それぞれの四半期の分娩頭数は1%増。少なくとも、2つの四半期の子豚生産頭数は約2%増加(分娩頭数1%増・産子数1%増)。分娩頭数と産子数が最近の傾向が持続すると、4%増となる可能性もある。

2020年後半の1腹当たり産子数は約3.5%増と予想すると、2020年の豚と畜頭数はかなり増える。少なくても2.5%増、豚肉生産量は3.5%増加する可能性が非常に高い。生産量は、2019年より8億6500万ポンド、2017年(ASF前)より約22億ポンド多いことになるが、中国が100万トン(22億ポンド)を購入すれば、供給増をすべて吸収することになる。

 

※2019年12月23日 Pork Merchandiser's Profit Maximizer

 
USMEFインフォメーション

焼肉ビジネスフェアに出展、新刊ガイドブックも配布

 
 

米国食肉輸出連合会(USMEF)は1月22、23日の両日、東京・豊島区の池袋サンシャインシティ文化会館/展示ホールで開催される「第12回〜ミートフードEXPO〜焼肉ビジネスフェア2020 in 東京」(同時開催=居酒屋 Japan 2020)に出展します。

1月1日に発効した日米貿易協定を受け、USMEFブースではアメリカン・ビーフならびにポークを幅広い用途に活用いただくための提案を行います。焼肉にとらわれず、カフェ・バル等でも提供できる目新しいメニューを提案します。

試食メニューとしては、ビーフは継続提案している「アイダホフィンガーステーキ」とともに、今年から本格提案する「イタリアンビーフ」を、ポークでは「プルドポークの味噌煮込みうどん」と「低温調理ベーコン」を紹介します。

USMEF発行の各種ガイド・冊子等も配布します。今回、新たに発刊した外食向けガイドブック「繁盛店を目指す! アメリカン・ビーフ 活用術」も会場でリリースします。本ガイドはこれまでに行ってきた6回の外食企業向けセミナーで蓄積した内容を冊子化したものです。

アメリカン・ビーフの基礎知識とともに、居酒屋・肉バル・ビアガーデン業態のトレンド及び課題の解説とアメリカン・ビーフを使用した解決法を紹介しています。ご来場の際には、ぜひUSMEFブースにお立ち寄りください。

 
 

マーケット・データ

 
 
 
 
 
 
 

ポーク・ファクト・シート