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TRADER'S Be & Po

vol.341 Oct.15.2019
 
米国食肉輸出連合会
NEWS CONTENTS
市況ニュース 生体牛続落、供給は11月に増加、その後に減少
ポーク関連ニュース 豚飼養頭数は拡大を継続、輸出需要に期待
ワールドトレード 中国の生体豚不足が深刻化
中国が南米産牛肉の輸入拡大、ウルグアイ42%増
消費動向 米国の一人当たりの食肉消費量、2007年以降で最大に
USMEFインフォメーション 「ホットプレートで楽しい!アメリカン・ビーフ」のレシピ資材配布
マーケット・データ 生体牛・豚価格、カットアウトバリュ、穀物先物価格
ファクト・シート ポーク(2019年8月)米国の輸出、
と畜頭数・枝肉生産量、飼養動向、日本の輸入量
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市況ニュース

生体牛続落、供給は11月に増加、その後に減少

 
 

生体牛の現金取引価格は、年間で最も安い時期に入った。9月第2週の平均価格は100ポンド当たり100.07ドルで、火災による大手パッカーの工場閉鎖以来、5週連続の下落となった。第3週は主要5州の平均で101.92ドルと戻したが、火災発生前の112.37ドルを大きく下回っている。

肥育牛の供給は11月にわずかな増加が見込まれる。しかし、その後は少なくとも来年2月までは減少する見込み。9月1日現在のフィードロット(収容能力1000頭以上)の飼養頭数は1098万2000頭(前年同月比1.3%減)と2016年12月以降で初めて前年割れを記録。8月の導入頭数は188万4000頭(同9.0%減)、出荷頭数は195万3000頭(同1.5%減)。

8月はと畜稼働日が昨年より1日少なかったことを考慮すると、出荷は3%増に相当するが、導入頭数は4カ月連続で減少し、しかも全ての重量区分で減少傾向を示した。600ポンド未満は38万5000頭(同10.5%減)、600〜699ポンド30万頭(同10.4%減)、700〜799ポンド42万4000頭(同7.8%減)、800〜899ポンド44万頭(同7.4%減)、900〜999ポンド23万頭(同4.2%減)、1000ポンド以上10万5000頭(同19.2%減)。

先物市場は、供給減少に反応し、10月・12月・2月受渡し契約分がいずれも急上昇した。アナリストは「今後11月は供給が緩やかに増加し、その後は2月まで減少に転じる」と予想する。2020年の第1四半期は火災で閉鎖された工場が再稼働する見通しであり、今後は出荷間近の肥育牛の需要が拡大し、生体牛価格は上昇に向かうだろう。

 

※2019年9月30日 CATTLE BUYERS WEEKLY

 
ポーク関連ニュース

豚飼養頭数は拡大を継続、輸出需要に期待

 
 

USDAが発表した豚飼養動向(四半期調査・9月1日現在)によると、肥育豚の飼養頭数は7124万8000万頭(前年同月比3.5%増)となった。アナリストの平均予想値を37万7000頭も上回っているため、先物市場には弱気ムードが広がった。ただ市場関係者の多くは依然として中国への輸出に焦点を当てている。

180ポンド以上の肥育豚が1296万9000頭(同6.4%増)と多いことから、短期的には値下げ圧力が強まる可能性が大。9月の豚と畜頭数は1005万頭(同6.5%増)。飼養動向から推測すると、豚の週間と畜頭数は今後数週間で260万頭を超える見込みだ。

120〜179ポンドの肥育豚は1481万4000頭(同5.3%増)と推定され、10月中旬から11月中・下旬のと畜頭数はさらに増加することを示唆している。昨年のこの期間の週間と畜頭数は平均259万頭だったが、今年は270万頭以上に達し、過去最高を記録する可能性がある。11月下旬から1月中旬に出荷される50〜119ポンドは2084万9000頭(同2.4%増)、50ポンド以下も前年より1.9%多い。

繁殖豚は643万1000頭(同1.6%増)と6月時点よりも約2万1000頭多い。これは6〜8月の雌豚のと畜頭数が1.9%減少したことと連動している。6〜8月の子豚生産頭数は3530万6000頭(同2.9%増)と推定されることから、豚肉生産量は2020年も拡大を続ける見込み。

子豚生産頭数の増加要因は、一腹当たりの産子数が史上最高の平均11.11頭(同3.6%増)と増えたこと。繁殖豚の分娩割合は49.1%と2015年以降で最低だったが、繁殖豚の多さから推測すると、来春から夏場にかけての出荷は1.5〜2%増と拡大し続ける可能性が高い。

 

※2019年9月30日 Pork Merchandiser’s Profit Maximizer

  米国の豚と畜頭数(週間)の推移
  繁殖豚の飼養頭数の推移
 
ワールドトレード

中国の生体豚不足が深刻化

 
 

中国では、アフリカ豚コレラ(ASF)による生体豚の損失が急速に拡大し、豚肉および他のたんぱく質不足が深刻化し、世界各地からの輸入を増やしている。米国産豚肉は依然として高い関税率に直面しているが、中国は深刻な豚肉不足により、米国産の大豆や豚肉などの特定の農産物に対し、限定的な免除を認める方向にある。

中国農業省の9月13日の発表によると、中国の生体豚損失は総飼養頭数の38.7%、母豚数は37.4%に達する。豪州のミートアナリストによると、生体豚は年末までに70%減少すると見られている。

中国の食品インフレ率は8月も前年同月比10%高で推移したが、この最大の要因は豚肉価格の47%高。また、中国の子豚価格は年初から2倍になっている。

中国は世界の豚肉生産量の約50%を占め、その大部分を消費している。中国の豚群の急激な減少は、世界の飼養頭数の約20%減に相当する。中国は豚肉在庫が減少するにつれ、輸入を拡大せざる得なくなる。これが米国の豚肉および牛肉市場を底支えすることに繋がる。アナリストは「中国では、豚肉は食生活の中心であり、すでに記録的に高い豚肉価格がさらに上がり続けるのを受け入れる余裕はほとんどない」という。

 

※2019年9月23日 CATTLE BUYERS WEEKLY

 
 

中国が南米産牛肉の輸入拡大、ウルグアイ42%増

 
 

ASFによる豚肉不足が深刻化する中国は、たんぱく質の供給増進のため、南米産牛肉の輸入を増やしている。中国が輸入を承認している世界の牛肉工場は289カ所で、豚肉(246工場)・家きん肉(95工場)よりも多い。最も多いのはブラジルで、過去数週間で25工場が追加承認された。

ウルグアイは主要供給国の一つで、中国の輸入牛肉の22%を占めている。ウルグアイの年間牛肉生産量は60万トン。70%が輸出され、うち中国向けが56%を占める。今年これまでの中国向け輸出量は、前年同期比42%増と急増している。

ウルグアイの牧草肥育、抗生物質フリーの牛肉生産者は中国にチャンスを見出している。同国の牛飼養頭数は1150万頭で、人口(約300万人)より多い。国土の80%に当たる950万ヘクタールの牧草地が牛肉生産に使用されている。ウルグアイの一人当たり牛肉消費量は世界一。同国にとって牛肉の生産と輸出は国家経済の基幹だ。生産農家は約4万4000戸、ほとんどが家族経営でヘレフォードやアンガスなどの伝統的な品種を肥育している。

一方、アルゼンチンも中国向けが輸出の73%を占めている。今年7カ月間の中国向け輸出額は前年の約2倍にあたる8億7000万ドル。中国向けの輸出が増加していることから、米国向け輸出は減少している。中国はアルゼンチンの輸出認可工場を増やしている。

 

※2019年9月23日 CATTLE BUYERS WEEKLY

 
消費動向

米国の一人当たりの食肉消費量、2007年以降で最大に

 
 

2019年の米国の一人当たりの食肉消費量は、2007年以降で最大に達し、2020年にはさらに増加する見通しだ。USDA(米国農務省)の最新レポートでは、2019年の一人当たりの消費量を221.4ポンド、2020年は223.2ポンドと予想している。

2019年の消費量増加の最大の要因は、生産量の増加。牛肉は269億5300万ポンド(前年同月比0.3%増)、豚肉は275億7800万ポンド(同4.8%増)、ブロイラー434億6700万ポンド(同2.0%増)といずれも前年を上回る見通しだ。

 

※2019年9月30日 CATTLE BUYERS WEEKLY

 
USMEFインフォメーション

「ホットプレートで楽しい!アメリカン・ビーフ」のレシピ資材配布

 
 

米国食肉輸出連合会(USMEF)は、このほどアメリカン・ビーフの切り落とし・薄切り商材の拡販を目指し、「ホットプレートで楽しい!アメリカン・ビーフ」レシピ提案資材を製作しました。ご希望の方に無償で提供しますので、アメリカン・ビーフの普段使い需要の店頭アピールにご活用下さい。

今回、作製したのは「ホットプレートで楽しい!アメリカン・ビーフ」の①レシピステッカー②リーフレット入り資材セット(数量限定)の2種で、いずれも平日の売り上げを支える切り落とし商材を華やかに演出する資材です。

「切り落とし」「薄切り」は精肉売場の基礎となる商材です。今回は「ホットプレートにて簡単に調理できる」「家族で楽しく食卓を囲むことができる」「平日でも、休日でも、昼食でも、夕食でも活用できる」レシピとして、①鉄板ビーフナポリタン②チャドルバギ(韓国の焼きしゃぶ)③アメリカン・ビーフライス④牛玉お好み焼き―の4種類を用意しました。

4種類を同時に使っていただくと、売場が華やかにになります。レシピカードに記載のQRコードをスマフォでスキャンすると、レシピ情報が入手できるようになっています。

本件に対するお問い合わせは担当:笠谷(tkasatani@usmef.org)まで。

  ホットプレートで楽しい! アメリカン・ビーフ
 

マーケット・データ

 
 
 
 
 
 
 

ポーク・ファクト・シート