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TRADER'S Be & Po

vol.335 Jul.01.2019
 
米国食肉輸出連合会
NEWS CONTENTS
市況ニュース 生体・牛肉価格続落、回復のラストチャンス迫る
豚肉価格、2019年下旬から2020年にかけて値上がり
フードサービス ブリスケットが人気商品に、需要拡大で価格上昇
ワールドトレード EU、米国産牛肉の輸入拡大で合意
ポーク関連ニュース 豚肉在庫、供給増にもかかわらず増加は緩やか
飼料関連ニュース トウモロコシ作付け遅れで価格上昇、飼料コストに影響か
USMEFインフォメーション P&B JAPANに初出展、7月22〜24日東京ビックサイト
マーケット・データ 生体牛・豚価格、カットアウトバリュ、穀物先物価格
ファクト・シート ポーク(2019年4月)米国の輸出、
と畜頭数・枝肉生産量、飼養動向、日本の輸入量
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市況ニュース

生体・牛肉価格続落、回復のラストチャンス迫る

 
 

生体牛の現金取引価格は、いわゆるドッグ・デイズ(夏枯れ期)を迎え、回復のタイミングを逸しつつある。6月第1週の生体牛価格(100ポンド当たり)は平均113.76ドル、枝肉価格は184.21ドル。いずれも前週比で2ドル安。第2週も続落基調で推移した。

6月は年間で牛肉需要が最も高まる月。次いで独立記念日(7月4日)の週末が年間で2番目に牛肉が売れる時期だ。しかし、現金取引価格はこの3週間で8ドル近く下げ、第2週には年間最安値となる106.87ドルをつけた。

第2週の現金取引は水曜にスタートしたが、主要5州の取引は6314頭と非常に少なく、北部で枝肉が185〜186ドル、生体牛は113〜114ドル。カンザス、テキサスではわずか850頭が112ドル強で売買された。

アナリストは「年間で牛肉需要が最も高まる時期にこうした取引状況であれば、価格回復は難しい。今後、需要面では夏枯れ感が強まる。7月4日の週までの3週間で、小売が牛肉の販促をどれだけ強化するかがカギになる」という。

6月の小売の牛肉売上は好調だが、と畜頭数が増加していることでボックスビーフ価格は下押している。第1週のと畜頭数は推定66万2000頭、第2週は推定66万5000頭。7月4日までの販促次第だが、アナリストは「チョイスのカットアウト価格は夏期の初めに212〜215ドルまで下落し、長期的には202ドル付近で底を打つ見通し」だという。

 

※2019年6月17日 CATTLE BUYERS WEEKLY

 
 

豚肉価格、2019年下旬から2020年にかけて値上がり

 
 

4月の豚肉価格は、食肉全般の生産増加とグリルシーズンの幕開けが寒冷かつ悪天候だったことが相まって、予想された価格を下回った。4月の豚肉生産量は推定22億6900万ポンド(前年同月比5.9%増)。生産増の要因は、と畜稼働日数が1日多かったことで、これを調整すると1.1%増となる。

現状の見通しでは、第2四半期の生産量は2.7%増、第3四半期は3.9%増。昨年の記録をさらに更新する高い水準だが、価格は昨年より大幅に上昇すると予想されている。

その背景にあるのは、今年後半、中国が米国産豚肉を大量に輸入して生産増加分を吸収するだけでなく、国内供給分も振り向けられる可能性があるとの見方だ。USDAの輸出見通しでは、近々中国向けに約2700万ポンド、12万2426トンが輸出されるという。

ただ、この出荷時期によっては、短期的に値下げ圧力が強まるかも知れない。現在、中国市場への輸出は停滞しており、他の食肉の生産増・価格低下で豚肉カットの一部は価格が軟化している。だが、中国に関するあらゆるデータは大幅な供給不足を示している。4月の中国の豚肉輸入量は24%急増したが、その多くはEU産。中国の豚肉価格が高騰する今秋には、中国が米国産豚肉の輸入拡大に踏み切るとの予想が強まっている。

 

※2019年5月28日 Pork Merchandiser’s Profit Maximizer

  米国の食肉(牛・豚・鶏)生産量の前年比の推移と予測
  米国の国民1人当たりの豚肉消費量の推移と予測
 
フードサービス

ブリスケットが人気商品に、需要拡大で価格上昇

 
 

牛肉のブリスケットの価格が急上昇している。テキサスA&M大学のデビッド・アンダーソン氏は「ブリスケット需要の増加は、過去数年間の牛肉需要のトレンドの中で最も興味深いものの一つだ。テキサスの至るところで新たなBBQ用の塊肉が販売されているだけでなく、アービーズのような巨大チェーンまでもが飛びついてブリスケットを提供しているほどだ」と指摘する。

ブリスケットはこれまで、じっくり時間をかけた低温調理用のメニューに使用されてきた安価なカットだった。それがもはや安価ではなくなり、今やプライマルのブリスケットはリブ・ロインに次いで3番目に高い。5月最終週のカットアウト価格で、ブリスケットは100ポンド当たり213.47ドル、前年同週比19.4%高。5月の1カ月間だけで、194.39ドルから19.08ドルも急上昇した。

ブリスケットの月間平均価格は前年同月比12%高。対してショートプレートは1%高、リブ・ロインはいずれも1%安だ。高級バーベキュー用の肉の多くは、一部で「クラフト・バーベキュー」と呼ばれて新たな利用法を生み出し、USDAプライムやブリスケットブランドの拡販に役立っているという。

USDAプライムブリスケットは5月末に215.76ドルに達した。チョイスのプライマルブリスケットは前年同月比2%高、セレクト・アングレードはそれぞれ17%高と15%高。「需要が供給を上回り、価格の急上昇を招いた典型的な例だ」とアンダーソン氏は分析する。

 

※2019年6月17日 CATTLE BUYERS WEEKLY

 
ワールドトレード

EU、米国産牛肉の輸入拡大で合意

 
 

欧州委員会は14日のプレスリリースで、欧州連合はホルモンフリー牛肉の輸入について、米国の無関税割当枠を拡大することで合意したと発表した。

この枠(4万5000トン)は、牛肉生産過程における肥育ホルモン剤の使用禁止に関する二国間の紛争解決のために2009年に設けられた。

当初は米国が割当の大半を占めていたが、公平性を求める世界貿易機関(WTO)規則に従い、豪州、ウルグアイ、アルゼンチンが同枠に加わり、米国の割当シェアは30%程度に縮小していた。

新たな合意により、米国の割当量は1万8500トンから、7年間で3万5000トンへと拡大される。欧州委員会の次のステップとして、欧州理事会での採択、欧州議会での承諾といった欧州連合の認可プロセスを正式に開始する必要がある。

米国食肉輸出連合会は「施行までにはまだ重要なステップがあるが、この紛争が解決に向けて進んでいることは米国の牛肉業界にとって非常に明るいニュース。USMEFは割当シェア向上に関するUSTRの揺るぎない働きかけに感謝している」とコメントした。

 

※2019年6月17日 Meatingplace.com

 
ポーク関連ニュース

豚肉在庫、供給増にもかかわらず増加は緩やか

 
 

4月末の食肉冷凍在庫は、推定24億1700万ポンド(前年同月比2%減)。前年を下回ったが、過去5年平均比では6.2%増。3月から4月にかけての在庫増加率は0.8%増と小幅にとどまり、過去5年平均の2%増を下回った。

このうち、豚肉の同冷凍在庫は推定6億2190万ポンド(同2%減)と、過去5年平均比で1.2%減。在庫増加率は2.2%増で過去5年平均の4.3%増を大幅に下回った。エンドユーザーは今夏の価格上昇に備えて、在庫の積み増しを図ろうとしているが、豚肉の供給量が増加しているにもかかわらず、在庫の積み増しは例年より遅い。

ベリーの在庫は6110万ポンド(同5.3%減)、過去5年平均比5.9%減。モモの在庫は1億2140万ポンド(同8.2%増)。モモの在庫はイースターの販促に向けて例年秋から増加するが、今年は年後半の価格上昇懸念から、今後数カ月で在庫の増加ペースが加速するとみられる。

ロインの在庫は4320万ポンド(同8%増)と多いが、価格は比較的安定している。トリミングの在庫は4830万ポンド(同13.5%減)と減少しており、6〜7月に価格が再び上昇する可能性がある。

 

※2019年5月28日 Pork Merchandiser’s Profit Maximizer

 
飼料関連ニュース

トウモロコシ作付け遅れで価格上昇、飼料コストに影響か

 
 

大雨などの悪天候が続き、トウモロコシの作付面積および今年の収穫高が減少するとの予想が強まっている。これに伴うトウモロコシ価格の上昇は、今年後半から来年にかけて、全米の家畜生産者の飼料コストの上昇を招く懸念がある。

アナリストは、肉牛肥育業者の肥育牛増体にかけるコスト(COG)は少なくとも100ポンド当たり5ドル増加すると予想している。

USDAの予想作付面積9150万エーカー(昨年は8910万エーカー)のうち、700万〜1000万エーカーが作付されないとの予想もあり、2019/2020年度のトウモロコシ価格はブッシェル当たり5ドル台に値上がりするとの予想も聞かれる。トウモロコシ価格が4ドルを超えるのは、2013/2014年度以来となる。

先物価格はすでに前年同期比10〜12%高をつけている。6月もさらなる降雨で最終的な作付面積の損失が見込まれることから、さらに上昇する可能性がある。しかし一方では、トウモロコシ価格の急上昇で、一部の生産者は作付けの好ましいとされる期日(6月10日)以降にも作付を拡大させる可能性もある。

 

※2019年6月10日 CATTLE BUYERS WEEKLY

 
USMEFインフォメーション

P&B JAPANに初出展、7月22〜24日東京ビックサイト

 
 

米国食肉輸出連合会(USMEF)は7月22〜24日の3日間、東京ビッグサイト青海展示棟Bホールで開催される「第8回 P&B JAPAN」(同時開催:栄養食品素材展)に出展します。

P&B JAPAN(主催: P&B JAPAN実行委員会)はアメリカ大使館などの後援により、製パン製菓・リテール向け素材と開業者向け設備の展示会として毎年開催されているもので、USMEFとしては初出展となります。

 
 

マーケット・データ

 
 
 
 
 
 
 

ポーク・ファクト・シート