USDA(米農務省)の最新データでは、全米の豚飼養頭数は3月1日時点で7430万頭(前年同月比2.1%増)。うち肥育豚は6790万頭(同2.1%増)、繁殖豚は635万頭(同2.2%増)。3月としては1999年以来最多となった。
2018年の豚肉生産量は1194万トン(同2.9%増)。2017年(同1.8%増)に続き、過去最高を更新。2018年のと畜頭数も、2017年(同3.0%増)に続いて2.3%増加した。同年の肥育豚の枝肉重量は平均209ポンド、前年比0.7ポンド増。
2019年の豚肉生産量については、業界アナリストの予想は約3%増だが、USDAの4月時点での予測は1239万トン(同3.8%増)。4月中旬の時点で生産量は前年比4.1%増、と畜頭数は同3.8%増、枝肉重量は同0.7ポンド増の212.7ポンド。
記録的な生産量が続く中、カットアウト価格はメキシコと中国の報復関税の影響もあって1〜2月には前年を下回った。しかしASF(アフリカ豚コレラ)の影響で中国での豚肉不足が深刻化し、世界的需要と価格が上向いたことで、3月以降の価格は急上昇に転じた。
3月のカットアウト価格は前月比28%高、生体豚価格は同63%高。今年、中国の豚肉の生産量が少なくとも2割減少すると仮定すると、中国の豚肉生産量は1080万トン減少することになる。昨年の世界の豚肉輸出量は約800万トン。中国の不足分が世界の豚肉輸出量を上回ることになる。
このため、今年の世界の豚肉輸出量は新記録に達する可能性がある。しかし中国の不足分を埋めるほどの十分な供給がないことから、豚肉価格および他の食肉の価格は世界的に上昇するだろう。中国の豚肉不足は今年後半に現実化し始めると予想され、それを見越して米国の豚肉価格は4月も続騰した。
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