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TRADER'S Be & Po

vol.329 Mar.25.2019
 
米国食肉輸出連合会
NEWS CONTENTS
市況ニュース 生体牛価格上昇、枝肉重量減少で供給増を中和
豚肉価格は過去10年で最低、春季は販促好機
輸出動向 2018年の牛肉輸出は新記録を更新
豚肉輸出は前半堅調も後半は報復関税が圧迫
トピックス ASF侵入防止を強化、国外とも協力―USDA
ワールドトレード 米国がアルゼンチン産牛肉の輸入を再開
生産トレンド 牛群の拡大期は終了へ
フードサービス 機内食市場、2024年まで年率5.6%で成長
USMEFインフォメーション 春のアメリカン・ビーフキャンペーン展開
マーケット・データ 生体牛・豚価格、カットアウトバリュ、穀物先物価格
ファクト・シート ポーク(2018年12月)米国の輸出、
と畜頭数・枝肉生産量、飼養動向、日本の輸入量
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市場ニュース

生体牛価格上昇、枝肉重量減少で供給増を中和

 
 

生体牛の現金取引価格は上昇基調にある。2月第3週の平均価格は100ポンド当たり126.36ドル、前週比1.40ドル高。枝肉の平均価格は201.97ドル、同2.05ドル高。ただ主要5州の取引頭数は4万4930頭と非常に少なかった。

2月最終日の生体牛価格は129.95ドルだった。肥育業者は南部で129ドル強、コーンベルト地帯では枝肉202ドル強の売り唱え値を出したが、パッカーの応札は生体牛125ドル、枝肉202ドルだったようだ。

アナリストは「カンザス西部における過去7年間の3月の現金ベーシス(現金取引と先物取引の価格差)は+3.31ドルだが、今年は-3.40ドル(先週水曜日の先物と先々週の現金価格の差)。ベーシスがマイナスになる時は、供給増加が影響していることが多く、今年はそれに該当する」と指摘する。3月のベーシスが最もマイナスになった直近の記録は、2016年の-0.85ドル。

一方、政府機関の閉鎖で遅れていたと畜頭数・枝肉重量の実績をみると、2月2日までの週のと畜頭数は59万3267頭。平均枝肉重量は819ポンドで、前週比2ポンド減。2月9日までの週はと畜頭数62万5433頭、平均枝肉重量は818ポンドで前週比1ポンド減、前年同期比では9ポンド減だった。寒波の襲来で肥育環境が悪化し、短期的に供給増が緩和されていることが明らかになれば、生体牛現金取引価格は上昇するだろう。

 

※2019年3月4日 CATTLE BUYERS WEKLLY

 
 

豚肉価格は過去10年で最低、春季は販促好機

 
 

2月最終週のポークカットアウト価格は100ポンド当たり59.6ドル。前年比23%安と、2009年秋以来の最低水準となった。遅れていた政府統計が出揃ったことで、豚肉の供給増加がより鮮明になった。

12月第1週以降の豚と畜頭数は、累計3194万2000頭(前年同期比3.2%増)。この数値は12月の豚飼養動向調査で予想された水準より多い。同報告では、120ポンド超の肥育豚頭数は前年比2.5%増と推定されていた。生体重量も昨年より増加しており、豚肉生産量の増加に拍車をかけている。

年始以降の豚肉生産量は週当たり平均5億2750万ポンドで、昨年より週平均で2200万ポンド多い。供給が増加する一方で、需要面は事前予想よりはるかに厳しい状況に直面している。12月の時点では、USMCA協定に調印すればメキシコの追加関税がすぐに解消されると考えられていたが、いまだに実現していない。米国で生産される豚モモ肉の3割が輸出されるメキシコでは、依然として20%の関税が課されている。

メキシコ向けの輸出数量を維持するためには、輸出業者は関税分を相殺するべく値引きを強いられているが、メキシコ側は同協定批准後の関税問題の解消を見据えて、必要な分しか購入していない。中国も、ここ数週間は米国産豚肉に活発な動きを見せているが、関税は62%を課したままだ。中国市場でもEU産やブラジル産などとの競合のために、値下げを余儀なくされている。

一方、国内の小売業者はこの低い価格を受けて、第2四半期に販促を活発化すると見られている。USDAのレポートは、フォワード取引(22日以上後の受渡し契約)の量が急増することを示している。この大半はロインとリブで、メモリアル・デーと父の日の週末へ向けた小売の主要販促商品だ。

しかし、市場の力学はすぐに変わる可能性がある。12月の飼養動向調査から推測される3月〜4月上旬のと畜頭数は、前年比2%前後しか増加せず、4月下旬から5月にかけてはさらに鈍化するため、価格が変動する可能性もある。

ASF(アフリカ豚コレラ)が、世界市場で引き続き大きな懸念となっている。中国では繁殖豚が大量に処分され、今年後半には顕著な供給不足が起こる可能性がある。中国ではこの疾病がかなり長期間にわたって蔓延する可能性があり、豚肉供給量が不足し、その調整のために輸入需要がますます増加するだろう。

 

※2019年3月4日 Pork Merchandiser's Profit Maximizer

  ロイン(1/4トリムド・バキュームパック)の工場出荷価格(週間平均)
 
輸出動向

2018年の牛肉輸出は新記録を更新

 
 

USDA公表・USMEF編さんによる2018年の食肉輸出統計によると、牛肉輸出額は前年の記録を破り、輸出量は新記録を達成した。豚肉の輸出量は2017年の記録をわずかに下回り、輸出額は前年比1%と微減。

牛肉輸出量は韓国、日本、台湾、ASEAN地域での堅調な需要により、135万トン(前年比7%増)を達成し、2011年の記録をも5%上回った。輸出額は83億3000万ドル(同15%増)に急上昇、昨年の記録を10億6000万ドル上回った。

世界中で米国産牛肉への需要が高まる中、最も高い成長を示したのは韓国。輸出量は23万9676トン(30%増)、輸出額は17億5000万ドル(同43%増)。前年の記録を5億2600万ドル上回り、3年前の二倍以上に達した。チルドビーフは5万3823トン(29%増)。韓国での輸入チルドビーフ市場でのシェアは58%に達し、小売・外食両分野で大きな成功を果たした。

USMEFのダン・ハルストロムCEOは「韓国への輸出再開には10年弱を要したが、いまや韓国の一人当たりの米国産牛肉消費量は世界で最も高い。米国の牛肉業界が精力的に取り組んできた結果であり、農務省によるプロモーション費用や米韓FTA交渉が素晴らしい支援となった」と指摘。米韓FTAによって、米国産牛肉の関税は40%から18.7%に引き下げられ、2026年までにはゼロになる。

主要市場である日本向けは33万217トン(同7%増)、20億8000万ドル(同10%増)。輸出額はBSE発生後で初めて20億ドルを超え、日本の牛肉輸入額において米国産はトップシェアを誇る。だがCPTPPによって、米国と他の競合国との間で関税率の差が拡大していることから、現在のポジションも確かとはいいがたい。

台湾向けは5万9694トン(33%増)、5億5000万ドル(34%増)。輸出額は過去5年間で2倍になり、6年連続で記録を更新している。台湾のチルドビーフ市場で米国産は75%以上のシェアを獲得した。メキシコ向けは23万9110トンと微増。うち正肉は14万2514トン(7%増)。中国・香港向けは13万129トン(3%減)、10億3000万ドル(12%増)。2014年以来初めて10億ドル超えた。うち、中国向けは7297トン、6080万ドル。

  牛肉(バラエティーミート含む)の月別輸出量
 
 

豚肉輸出は前半堅調も後半は報復関税が圧迫

 
 

2018年の豚肉輸出量は244万トン(同0.5%減)、輸出額は63億9000万ドル(同1%減)。厳しい環境の中でも、輸出額は2014年(66億5000万ドル)と、2017年(64億9000万ドル)に次いで過去3番目に高い水準を確保した。

5月までは、輸出量をリードするメキシコ市場向け豚肉輸出は7カ月連続で記録を達成し、2017年を6%上回るペースだった。しかし、米国の鉄鋼・アルミニウム関税への報復関税により、メキシコ向け輸出は前年割れに転じ、年間では77万7143トン(同3%減)。輸出額への打撃はさらに大きく、13億1000万ドル(同13%減)と、2015年以来最低となった。

中国・香港向けも報復関税が影響を及ぼしている。35万1774トン(同29%減)、8億5170万ドル(同21%減)。このうち、ポークバラエティーミートの輸出量は22万5414トン(同30%減)となり、豚足の輸出額が激減し、モモとピクニックの価格下落にも繋がった。

韓国向けは24万2372トン(同40%増)、6億7030万ドル(同41%増)と新記録を達成した。米韓FTAによって関税ゼロで輸入されており、米国産豚肉製品はより手頃で購入しやすくなり、利便性が求められる韓国の需要に適合して飛躍的な伸びを示した。

輸出額をリードする日本市場は、39万4300トン、16億2000万ドルで前年のほぼ横ばい。牛肉同様、CPTPPと日欧EPAの施行により、日本への主な豚肉輸出国で関税軽減を受けていないのは米国のみで、日本での米国産豚肉シェアの先行きは不透明な状況にある。

  豚肉(バラエティーミート含む)の月別輸出量
 
トピックス

ASF侵入防止を強化、国外とも協力―USDA

 
 

米国農務省(USDA)は3月6日、世界で拡大するASF(アフリカ豚コレラ)の国内への侵入防止に向けた追加措置を発表した。中国での拡大を受けて、昨年秋に講じた予防措置をより強化する。ASFは、人体にも食の安全性にも影響を与えることはない。国内の豚肉産業を感染から守ることを最大の目的としている。

主な追加措置は◇CBP(税関・国境警備)と協同して、探知犬60チームの調教・追加配備し、計179チームで国内の主要商業港および空港での警備、検査を行う◇CBPとの調整のもと、違法な豚肉・豚肉製品の貨物チェック、ASFリスクのある旅行者に対する二次的な検査を徹底するなど、主要商業港・空港での到着審査を拡大強化◇ごみを出す施設に対する検査を強化し、出されたごみが適切に処理されていることを確認し、感染拡大の可能性を阻止する◇豚生産者の意識を高め、農場でバイオセキュリティ手順の自己評価を行うことを奨励◇穀物、飼料、添加物、豚の口腔液サンプル中のウイルスをスクリーニングするための、正確で信頼性の高い試験手順の開発を行う―など。

またASFの侵入防止と貿易維持に向けた北米の整合的アプローチとして、カナダおよびメキシコの担当部局と緊密に連携。豚肉業界のリーダーシップと高水準の連携を継続し、ASFの流入阻止に向けて統合した取り組みを行う。

USDAは「国外におけるASFの状況を、非常に危機的な問題と捉えている。豚肉産業、生産者、他の政府機関、近隣諸国とともに、これらの追加対策を実行、徹底し、侵入・感染拡大の防止を保証するために尽力する」としている。

 

※2019年3月6日 USDA News release

 

◆中国から不法輸入された豚肉製品を押収

CBPの広報担当者は、ASFに感染する恐れが懸念される豚肉を含む中国からの違法輸入製品を押収したことを明らかにした。この数週間でニュージャージー州ニューアーク港において、ラーメンや洗濯用洗剤などさまざまな製品のコンテナ貨物50本(検査終了は25本)に、中国の豚肉製品が含まれていたことを確認した。申告の不正、および輸入禁止の豚肉と他の製品が一緒に梱包されていたという。押収された焼豚製品などがASFに汚染されていたかどうかは明らかではないが、米国の規制に違反して輸入された場合は試験を必要とせず、すべて押収・廃棄される。

これを受けてNPPC(全米豚肉生産者協議会)は「米国へのASF侵入を防ぐために警戒が強化され、配置が拡大されたことに対して、USDAとCBPに感謝している。このような違法な輸出入活動は許されず、密輸品を輸送しようとする者には、迅速かつ重大な罰則を課さなければならない。食肉製品の違法な侵入を防ぎ、農場のバイオセキュリティ規則に注意し、空港と港で警戒を続ける必要がある」との声明を発表した。

 

※2019年3月18日 Meatingplace.com

 
ワールドトレード

米国がアルゼンチン産牛肉の輸入を再開

 
 

米国はアルゼンチン産牛肉の輸入を17年ぶりに再開した。3月1日に、ロイン系やハンバーガー向けの赤身牛肉数トンがフィラデルフィアに到着した。

アルゼンチン産牛肉は、口蹄疫の懸念により17年間輸入が禁止されていたが、昨年11月下旬、USDA(米国農務省)が同国からのチルドビーフの輸入を認可した。同国には年間2万トンの無関税枠が割り当てられ、牛肉処理10施設からの輸入が認められた。

同国から輸出されるのは赤身8割、プレミアムカット2割の見込み。アルゼンチン農務大臣によると、輸出業者に割り当てられる無関税枠は年間1億5000万から1億8000万ドル相当。11月の合意では、米国は同国へ牛肉を無制限に出荷できることになったが、同国での米国産牛肉への需要は低いという。

 

※2019年3月11日 CATTLE BUYERS WEKLLY

 
生産トレンド

牛群の拡大期は終了へ

 
 

過去4年間、全米で牛群の拡大が進んできたが、2018年は緩やかな拡大にとどまり、肥育牛サイクルにおける拡大期は今年で終わりを迎えそうだ。ただ2018年の子牛生産頭数は前年比1.8%増で、今年もさらに増加する見込みであることから、2021年までは肥育素牛・肥育牛の供給は増加する可能性がある。

公表が遅れていたUSDA(米国農務省)の牛飼養動向調査(1月1日現在)がようやく公表されたが、前年同期の飼養頭数が下方修正されたため、多くの区分でわずかに前年同期を上回る結果となった。

今年1月1日の総飼養頭数は9476万頭(前年比0.5%増)、前年の頭数も10万1000頭下方修正された。前年の修正が最も大幅だったのは肉牛頭数で、25万7000頭減。今年1月は3176万6000頭(同1.0%増)。繁殖用に保留された未経産牛(前年の修正は2万3000頭減)は592万5000頭(同3.0%減)。子牛生産頭数は3640万3000頭(同1.8%増)だが、2017年の頭数も5万頭下方修正された。

全フィードロットにおける飼養頭数は1437万1000頭(同1.6%増)。収容能力1000頭以上のシェアは全体の81.3%で、わずかに上昇した。500ポンド未満の子牛とフィードロット外の未経産牛・去勢牛の合計は2640万頭(同1%増)。

 

※2019年3月4日 CATTLE BUYERS WEKLLY

 
フードサービス

機内食市場、2024年まで年率5.6%で成長

 
 

ResearchAndMarkets.comの「機内食ケータリング市場(2019〜2024年)」調査によると、機内食のケータリング市場は2019年、米ドル換算で推定180億4000万ドルに達し、2024年までCAGR(年平均成長率)5.61%で成長することが予想されている。

機内食市場の拡大は、航空業界の発展と成長が主因。食品・飲料の機内オーダーに対応するためのテクノロジーの統合が市場発展に寄与している。また、機内販売や機内食の「パーソナルシェフ」といったコンセプトも、今後この市場に影響を与えるという。

市場の主なトレンドを分野別に見ると、アジアおよび欧州では、航空会社の需要を受けて最も成長することが予想されるのは「食事」の分野だ。しかし米国では、経営の圧迫からフードサービスのあり方や軽食の味に変化が求められ、一部地域の航空機では機内食に追加料金制をとっている。「飲料」分野も、予想期間中に高い成長率を達成すると予想されている。

地域別に見ると、アジア太平洋地域では世界で最も速いスピードで市場が拡大し、航空会社による需要は全地域で最多を占める。インド、ベトナム、中国など、可処分所得が増加している一部の発展途上国への便が拡大することが、市場拡大の重要な原動力となっている。

ただ、アジア太平洋地域は食文化の面で多岐にわたる市場であり、各地域で食の嗜好性は多様だ。インドと中国は隣接しているが、2つの国の食文化は全く異なっている。同じ国内でも北部と南部では乗客の食文化が異なる。こうした多様性が、この市場の拡大をリードする可能性がある。

機内食市場の業界のリーディングカンパニーは、Gate Gourmet、LSG Sky Chefs、SATSなどの大手5社。食への需要、高品質、安全性が、地域企業よりも大手製造会社が好まれる主な理由だ。こうした大手企業は、高品質な料理の開発にかける研究・開発費の比率を高めており、これが機内食の高品質化・差別化につながっている。しかし、小〜中規模の空港に対して提供を行う企業となると、勢力図はある程度地域別に分散している。

 

※2019年3月13日 FOODMARKET.com

 
USMEFインフォメーション

春のアメリカン・ビーフキャンペーン展開

 
 

米国食肉輸出連合会(USMEF)は3月30日〜6月30日まで「2019年春のアメリカン・ビーフキャンペーン」として、期間中1500名様に商品が当たる!!精肉売場店頭でのクローズド・キャンペーンを実施します。

キャンペーンへの参加はアメリカン・ビーフ商品(パック当たり300円以上)にキャンペーンシールを貼付して販売していただくだけです。シール付きの商品をご購入されたお客様が、シール記載のシリアル番号をキャンペーンサイトに入力することで、キャンペーンの応募が出来ます。2層式シール内部に記載のシリアルナンバーを応募Webサイトに入力すると、その場で当落がわかります。

賞品はA賞「PRIMEサーロインステーキ肉1kg」(150名)、B賞「アメリカン・ビーフ クーラーバッグ」(600名)、C賞「ムック本dancyuステーキ」(750名)。キャンペーンシールは3月25日より発送を開始します 。

「ステーキ肉が当たる」をキャッチにした今回のキャンペーンは、同形式の店頭キャンペーンとして3年連続で実施していることもあり、お客様の認知度が向上。昨年10〜12月の展開では、応募数が前年比2.3倍に増加しました。

期間中に長期間キャンペーンシールをご利用いただくことが、アメリカン・ビーフ商品のリピーター獲得につながります。行楽シーズン・大型連休等での販売拡大、平時のアメリカン・ビーフ商品の需要喚起に是非、キャンペーンシールをご活用ください。

本件に関する問い合わせは 笠谷 tkasatani@usmef.org まで

  B7リーフレット(91mm×128mm)
 

マーケット・データ

 
 
 
 
 
 
 

ポーク・ファクト・シート