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TRADER'S Be & Po

vol.328 Mar 11.2019
 
米国食肉輸出連合会
NEWS CONTENTS
市況ニュース 生体牛価格、125ドル超えをにらむ
肥育素牛価格は弱含み
豚肉供給は予想以上に多い、値下げ圧力強まる
ポーク関連ニュース 豚肉生産量、2019年も記録更新
生産動向 フィードロット頭数2%増、総飼養頭数は微増
消費トレンド 2018年の牛肉消費支出額は微増
チルド&デリ食品市場、2025年に2677億ドル規模に
USMEFインフォメーション 三ツ星アメリカンポークの新レシピとソースを開発
マーケット・データ 生体牛豚価格、カットアウトバリュ、穀物先物価格
ファクト・シート ビーフ(2019年1月)米国の輸出、
と畜頭数枝肉生産量、飼養動向、日本の輸入量
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市場ニュース

生体牛価格、125ドル超えをにらむ

 
 

生体牛の現金取引価格は、再び100ポンド当たり125ドルを超えようとしている。2月の先物取引に2〜3ドルのプレミアムがついたことが一因。先週の現金取引の平均価格は124.96ドルで前週とほぼ同じ。枝肉の平均価格は199.92ドル、前週比4セントの小幅高となった。

先週、コーンベルト地帯の肥育業者は枝肉を204〜205ドルで売り出したが、パッカーの応札は200ドルまでだった。南部では生体牛が128ドルの唱え値に対し、応札は123ドルで取引は成立しなかった。先物市場では、2月分取引で水曜日の終値が128.32ドル、木曜日は127.62ドルとなった。

枝肉の格付では、プライムとチョイスの割合が増加し続けている。2月8日までの週のチョイス以上の格付割合は83.0%で、2週間前の記録(83.02%)に迫った。内訳はプライム9.12%、チョイス73.88%。セレクトは14.20%だった。

先物価格にプレミアムが発生しているものの、肥育業者は値上げに苦心している。一部のアナリストは「寒波を要因にファンドマネージャーが先物価格を本来の水準以上に押し上げた」と指摘。パッカーがマージンを確保するためにと畜を抑制しており、寒波による増体遅れからコストが増えた肥育業者は、現状の価格で牛を出荷することになるかも知れない。

 

※2019年2月25日 CATTLE BUYERS WEEKLY

 
 

肥育素牛価格は弱含み

 
 

昨年末から肥育素牛の価格に値下げ圧力が強まっている。フィードロットの飼養頭数の増加と寒波による出荷遅れで、導入用ペンに余裕がないことが要因だ。肥育牛の価格は横ばいの見込みだが、肥育素牛は今年2%値下がりすると予想される。

12月1日時点のフィードロットの飼養頭数は、12月としては2011年以来最大で、しかも肥育日数150日以上の牛は20%余り増加している。出荷可能な牛が増加している半面、12月のと畜頭数は予想を下回った。

サザンプレースでは、2018年は2017年に比べて秋季の牧草飼料の状況が良化し、いわゆる秋子牛が増えることが予想されていた。2018年に販売された子牛は前年比1%増、第4四半期は同7%増。しかしフィードロットの出荷ペースが予想より停滞したことで、肥育素牛価格は窮地に追い込まれた。

2018年第4四半期の肥育素牛(去勢牛)価格は100ポンド当たり147.90ドル、年間平均では146.93ドルとなった。フィードロットの在庫増加が続き、2019年初めは導入ペースの鈍化が予想されることから、USDA・ERSは2019年前半の肥育素牛の予想価格を下方修正。年間の価格推移は140〜149ドル、中間価格は144.50ドルと予想している。

 

※2019年2月25日 CATTLE BUYERS WEEKLY

 
 

豚肉供給は予想以上に多い、値下げ圧力強まる

 
 

豚肉の供給量は予想値を大幅に上回っている。12月公表の「Hogs and Pigs」レポートでは、2019年第1四半期の豚肉生産量は前年同期比1.9%増と予想されていたが、2月中旬までのところでは、この予想値をはるかに超える勢いだ。と畜頭数と生体重量のいずれも予想を大幅に上回って推移している。

年初から7週間の週当たりと畜頭数は前年比4.5%増。飼養頭数調査をもとに算出した予想値より2ポイント多い。生体重量は推定で約1%増。と畜頭数の増加と生体重量の増加が相まって、豚肉生産量は約5.5%増で推移している。この傾向が続けば、第1四半期の生産量は(昨年より営業日が1日少ないものの)約3.4%増となる見通しだ。

パッカーは記録的生産量だった昨年より、さらに5%も多くを処理することになる。これまでのところ、豚肉のカットアウト価格は65〜69ドルで推移しており、第一四半期の平均は68ドル前後と予想される。

多くのカットが下落傾向にある中で、特にモモの値下がりがカットアウト全体に打撃を与えている。モモのプライマル価格は現在、100ポンド当たり40ドル台にまで下がり、前年比26%・15ドル安。モモだけでカットアウト価格を約4ドル引き下げている。

豚肉の供給が潤沢なことに加え、最大の輸出先であるメキシコで依然として20%の関税が課されていることから、パッカーは在庫一掃のために値下げを余儀なくされている。イースターへ向けた需要増で、モモの価格は3月には多少回復するものの、それでも前年比10〜15%安の見通しだ。

メキシコの追加関税は、新協定(USMCA)が批准され、メキシコ産の鉄鋼・アルミニウムに対する追加関税が引き下げられれば撤廃されるだろう。加えて、夏から秋季の豚肉価格を下支えする要因となるのは、中国の追加関税の撤廃やASF(アフリカ豚コレラ)の拡大による輸出需要の増加だが、これが現実のものにならなければ、今年後半の豚肉価格は現在の予想より大幅に下落することになるだろう。

  ロイン(プライマル)の価格推移
 
ポーク関連ニュース

豚肉生産量、2019年も記録更新

 
 

豚肉生産量は、2015年以降記録更新を続けてきた。2016年は1.8%増、2017年に2.6%増、2018年の年間データはまだ公表されていないが、USDA(米農務省)による12月までの週間データでは2.6%増加している。12月最終週の週間生産量は5億8400万ポンド(26万4000トン)、と畜頭数は270万頭を記録した。

と畜頭数は2016年に2.4%増、2017年は3.0%増、2018年の週間データは2.1%増となっている。肥育豚の平均枝肉重量は、前年比0.7ポンド増加の209ポンド。2月に公表されたWASDE(世界農業需給予測)によると、2019年の豚肉生産量は前年比3.9%増の1240万トンと予想される。

2016年以降の記録的な生産量にもかかわらず、輸出の拡大により国民一人当たりの豚肉消費量は緩やかな増加に留まっている。USDAの推定では、2017年の一人当たり豚肉消費量は22.7kgでほぼ前年並み。2018年の推定は23.0kg(1.4%・0.3kg増)。2019年は生産増加分を輸出で消化できない場合、23.45kg(1.8%・0.4kg増)と2014年以降で最も大幅に伸びとなることが予想される。

2019年の牛肉生産量予想は2.8%増の1252万トン、家きん類は1.2%増の2248万トン。食肉類の総生産量は4750万トン(同2.3%増)と記録的な水準になると予想されている。一人当たり消費量は牛肉26.3kg(同1.9%・ 0.5kg増)、家きん類は49.8kg(同0.3%・0.2kg増)の見込み。

 

※2019年2月13日USMEFアナリストレポート

  米国の豚肉生産量―実績と予測(年間)
  米国の豚肉生産量―実績と予測(四半期毎)
 
生産動向

フィードロット頭数2%増、総飼養頭数は微増

 
 

USDAの最新データによると、1月1日時点のフィードロット(収容能力1000頭規模以上)の推定飼養頭数は前年比2%増。12月の導入は1.2%増、出荷は0.7%減だった(実数は頁参照)。

他方、カナダのサスカチュワン州・アルバータ州のフィードロット(同)の飼養頭数は、2月1日時点で前年比11%増。1月の導入頭数は40%以上増加した。この大幅な拡大は、昨年1月の導入頭数が史上3番目に少なかった反動と、牧草飼料の不足、米国からの輸出(1月は前年比8%増)で流入が増加している乳子牛が関係している可能性がある。

一方、肉牛の飼養動向調査では、米国の牛群は2018年も拡大を続けたが、増加率は2014年に拡大基調に転じて以降で最も小さかった。1月1日時点の牛総飼養頭数は前年比0.5%増、うち雌牛は0.3%増と推定されている。

家畜販売情報センターのアナリストの予想では、昨年1月の飼養頭数は9386万6000頭。今年1月は0.5%増なら9439万9000頭となり、2014年同日から613万6000頭の増加となる。

 

※2019年2月25日 CATTLE BUYERS WEEKLY

 
消費トレンド

2018年の牛肉消費支出額は微増

 
 

USDA・ERS(米農務省経済調査局)とBLS(労働統計局)の発表によると、2018年の消費者の牛肉支出金額は2017年をわずかに上回った。豚肉、ブロイラー、七面鳥の消費支出額は減少し、卵、チェダーチーズは増加した。データを比較すると、牛肉の購入単価が他の食肉に比べて上昇基調に転じたことがわかる。

ERSによると、2018年の牛肉(チョイス)の小売価格はポンド当り5.92ドル、前年比0.25%高。一人当たりの年間牛肉消費量は平均56.9ポンドで前年と変わらず。牛肉の総生産量は2.5%増の268億6400万ポンドとなった。2019年の牛肉生産量はさらに2.8%増加し、276億1000万ポンドとなる見込み。

2018年の豚肉の平均小売価格は、前年比1%安の同3.74ドル。ブロイラーは0.15%安の1.87ドルだった。BLSによると、冷凍の七面鳥(丸)の平均小売価格は1.50ドル、前年比で約5%安となっている。

 

※2019年2月25日 CATTLE BUYERS WEEKLY

 
 

チルド&デリ食品市場、2025年に2677億ドル規模に

 
 

Grand View Research社の新たな調査レポートによると、チルド食品およびデリ食品の世界市場規模は、2025年までに米ドル換算で2677億ドルにまで拡大する可能性がある。2025年までのCAGR(年平均成長率)は5.2%と予想される。

チルド&デリ食品は消費者の支持を主因に需要が拡大しており、食品業界では最も有望な分野で、今後、世界的な消費傾向に大きな影響を与えると予想されている。同レポートの要点は以下のとおり。

調理済み製品(プリパック製品)の市場規模は、2017年に405億4000万ドルに達し、2025年まで年率5.8%のスピードで拡大。地域別では中央・南アメリカでは、ブラジル、ベネズエラ、アルゼンチンなどの小売食品チェーン店の増加が予想されることから、同期間のCAGRは4.3%と見込まれる。

アジア太平洋地域では、人口増加と一人当たりの消費量の増加により、爆発的な成長の機会がある。顧客基盤のポテンシャルが高いことから、チルド&デリ食品製造業者の投資機会が拡大。特にインドと中国で、2025年に向けて著しい成長が予想される。同地域全体で、洗練されたチルド&デリ食品に対する需要が増加し、結果としてCAGR5.8%の成長が予想される。

北アメリカとヨーロッパは消費の面では最大の市場だが、成長率は発展途上の地域よりも低い。ラテンアメリカ、東南アジア、東ヨーロッパの新興市場では、収入の伸びが比較的好調であることから、価格はより手頃に、商品やサービスはより新しいものへと変化している。

この市場の主要企業はTyson Foods, Cargill Meat Solutions, Arthur's Food Company, Gainsborough Chilled Foods Ltd, Ready Pac, Winterbotham Derbyなど。

 

※2019年2月26日 FOODMARKET.com

 
USMEFインフォメーション

三ツ星アメリカン・ポークの新レシピとソースを開発

 
 

米国食肉輸出連合会(USMEF)はこのほど『アメリカン・ポーク2019年キャンペーン』の一環として、需要期に向けた「三ツ星アメリカン・ポーク」のオリジナル企画を用意しました。

今回は、家庭の調理器具を使ってカンタンな下準備をすることで、旨みが凝縮されてシェフがつくったようなおいしさになる調理方法を提案します。アメリカン・ポークを、より一層おいしく食べてもらうための①新レシピ提案=「三ツ星レシピ」(低温調理、バックリブ)と②アメリカン・ポークのオリジナルソース「三ツ星リッチソース」を開発しました。

販促物はリーフレット、レシピステッカー、B5POPに加え、レールPOP(Webサイトよりダウンロードでデータ提供)を用意しました。「三ツ星リッチソース」はミシュランガイドで10年連続して星を獲得している岸本直人シェフの監修によるもので、3月20日より出荷を開始します。「三ツ星低温調理」は下記の専用サイトより、下準備の動画とレシピが閲覧できます。
https://www.americanmeat.jp/csm/topics/mitsuboshi_low_temperature

 
  リーフレット
 
  レシピステッカー/リッチソース
 
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