全米豚肉生産者協議会(NPPC)は2019年の優先的課題を設定し、最も優先する課題に「貿易」を挙げている。具体的には、メキシコの米国産豚肉に対する20%の報復関税撤廃を目指し、米国がメキシコに対する鉄鋼・アルミニウム関税を撤廃するよう要請する。
また、米国・メキシコ・カナダ協定の批准、中国との貿易紛争解決、日本、フィリピン、イギリスおよびEUとの二国間貿易交渉の開始または継続、促進を議会に要請する。
EUとの貿易協定を支持する条件は、①他の20カ国と締結している自由貿易協定に沿って関税および非関税障壁を撤廃する②米国の豚肉生産方式の同等性を認め、米農務省の全認可施設からの輸入を受け入れること。イギリスに対しては、米国の豚肉輸出に対する関税および非関税障壁を撤廃し、コーデックス規格および他の国際的な生産基準を採用するよう働きかける。
その他の主な課題・懸念事項とNPCCの意向は◇FDA提案の遺伝子操作動物規制に関する枠組み(NPPCの意向=規制権限を米農務省へ移管)◇人工的に生産されたタンパク質に対するFDA/USDAの規制(同=USDAへ最終権限を委託)◇USDAの新・豚と畜検査制度導入(同=支援)◇2020年米国民向け食事ガイドライン(同=食事における動物性たんぱく質の基本的役割を尊重、範囲の限定)◇農場における食中毒発生調査(同=管理可能で、かつ生産者の生計を保護する方法での実施)◇抗生物質耐性と規制(同=科学とリスク評価の利用、動物の健康と福祉を保護するための使用、科学に基づく国際基準)◇外来動物の疾病予防および対策(同=政府と産業界の協調的努力を目指す)◇新たな疾病への備えと対応(同=全米豚健康情報センターへの資金提供)◇ビザ改革(同=農業雇用者に対し通年の労働力を継続的に提供するビザシステム)◇GIPSAの規則制定(同=生産者の家畜販売およびパッカーの家畜購入を制限するいかなる規制にも反対)◇メンダトリーレポート=畜産物取引価格の報告義務の再承認(同=速やかな再承認を支持)―など。
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