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TRADER'S Be & Po

vol.326 Sep 4.2019
 
米国食肉輸出連合会
NEWS CONTENTS
市況ニュース 寒波の影響で生体牛価格上昇
ワールドトレード 中国の2018年豚肉生産量、予想外の0.9%減
ポーク関連ニュース NPPCが2019年の課題設定、最優先は貿易
セーフティ関連ニュース 家畜への抗生物質使用、大幅に減少
業界ニュース 全米豚疾病協議会を新設、外来動物の疾病リスク低減
USMEFインフォメーション SMトレードショーにパッカー4社と出展
マーケット・データ 生体牛・豚価格、カットアウトバリュ、穀物先物価格
ファクト・シート ビーフ(2018年11月)米国の輸出、
と畜頭数・枝肉生産量、飼養動向、日本の輸入量
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市況ニュース

寒波の影響で生体牛価格上昇

 
 

肥育牛の主要生産地に寒波が襲来し、生体牛価格は上昇している。1月第3週の生体牛現金取引の平均価格は100ポンド当たり123.71ドル、枝肉価格は196.78ドル。それぞれ前週比1.16ドル高、2.14ドル高だった。主要5州の取引は6万2720頭にとどまり、前週の10万1736頭を大きく下回った。

取引頭数の減少は、天候要因で出荷が遅れたのか、肥育業者がこうした上昇傾向が数週間続くと予想しているのかは不明だが、この天候を受けて、先物価格も2月受渡し契約分が同127.10ドルへと上昇した。

第4週の現金取引価格は、最低でもこの水準を維持して強含むことが予想される。実際、週末に新たな寒波の接近が予報され、肥育業者の売値は強気になった。前半4日間で唯一取引のあったアイオワでは、枝肉価格が195〜197ドル。先物価格は4日間で263ポイントアップの127.60ドルとなった。

生体牛価格の上昇でパッカー・マージンの縮小が続き、取引は低調だったが、オクラホマ州立大学のデレル・ピール氏は「冬季の寒波はしばしばフィードロットの収益と生産に影響を及ぼす。最近の寒波による出荷遅れは肥育牛価格を下支えし、上昇させる可能性がある」と指摘する。

 

※2019年1月21日 CATTLE BUYERS WEEKLY

 
ワールドトレード

中国の2018年豚肉生産量、予想外の0.9%減

 
 

中国当局が発表した2018年の豚肉生産量は、前年比0.9%減の5404万トンだった。ASF(アフリカ豚コレラ)がまん延する中、農家が家畜を現金化しようとして、と畜頭数が増加していたため、アナリストの多くは生産増を予測しており、0.9%減は予想外の数値だ。

China-America Commodity Data Analytics 社のアナリストは、「このデータは来年修正される可能性がある」と指摘しているが、国家統計局のデータによれば、昨年の豚肉生産量が減少したのは、豚の飼養頭数が3%減の4億2817万頭だったためだとしている。2018年の豚と畜頭数は1.2%減の6億9382万頭。

中国の豚肉価格は、北部のほぼ全域で数年ぶりの安値で推移している。これは、最近と畜頭数が大幅に増加し、市場に大量の豚肉が流通しているためだ。ASFによる豚の輸送制限のために価格が暴落、主要生産地域の多くの農家がと畜を進めており、今年後半の供給不足が懸念される。

なお、2018年の牛肉の生産量は1.5%増の644万トンに達し、過去20年間で最高記録を更新。子羊肉は0.8%減の475万トン、家きん類は0.6%増の1994万トンだった。

 

※2019年1月21日 Foodmarket.com

 
pork関連ニュース

NPPCが2019年の課題設定、最優先は貿易

 
 

全米豚肉生産者協議会(NPPC)は2019年の優先的課題を設定し、最も優先する課題に「貿易」を挙げている。具体的には、メキシコの米国産豚肉に対する20%の報復関税撤廃を目指し、米国がメキシコに対する鉄鋼・アルミニウム関税を撤廃するよう要請する。

また、米国・メキシコ・カナダ協定の批准、中国との貿易紛争解決、日本、フィリピン、イギリスおよびEUとの二国間貿易交渉の開始または継続、促進を議会に要請する。

EUとの貿易協定を支持する条件は、①他の20カ国と締結している自由貿易協定に沿って関税および非関税障壁を撤廃する②米国の豚肉生産方式の同等性を認め、米農務省の全認可施設からの輸入を受け入れること。イギリスに対しては、米国の豚肉輸出に対する関税および非関税障壁を撤廃し、コーデックス規格および他の国際的な生産基準を採用するよう働きかける。

その他の主な課題・懸念事項とNPCCの意向は◇FDA提案の遺伝子操作動物規制に関する枠組み(NPPCの意向=規制権限を米農務省へ移管)◇人工的に生産されたタンパク質に対するFDA/USDAの規制(同=USDAへ最終権限を委託)◇USDAの新・豚と畜検査制度導入(同=支援)◇2020年米国民向け食事ガイドライン(同=食事における動物性たんぱく質の基本的役割を尊重、範囲の限定)◇農場における食中毒発生調査(同=管理可能で、かつ生産者の生計を保護する方法での実施)◇抗生物質耐性と規制(同=科学とリスク評価の利用、動物の健康と福祉を保護するための使用、科学に基づく国際基準)◇外来動物の疾病予防および対策(同=政府と産業界の協調的努力を目指す)◇新たな疾病への備えと対応(同=全米豚健康情報センターへの資金提供)◇ビザ改革(同=農業雇用者に対し通年の労働力を継続的に提供するビザシステム)◇GIPSAの規則制定(同=生産者の家畜販売およびパッカーの家畜購入を制限するいかなる規制にも反対)◇メンダトリーレポート=畜産物取引価格の報告義務の再承認(同=速やかな再承認を支持)―など。

 

※2019年1月16日 MeatingPlace.com

 
セーフティ関連ニュース

家畜への抗生物質使用、大幅に減少

 
 

FDA(食品医薬品局)が新たに公表した「食用家畜に使用する抗生物質の販売・流通に関する年間レポート」によると、家畜に対する抗生物質の使用が大幅に減少したことが明らかになった。2017年の家畜への使用を目的とした抗生物質類は前年比33%減少。2016年の減少分を合わせると、2015年比で43%減となった。

NPB(全米豚肉委員会)の会長は「この報告は、豚肉生産者が抗生物質の必要性を低減するために熱心に取り組んできた成果の証だ。今後も獣医師とともにFDA認可レベルに沿った責任ある使用の保証に努めたい」と述べている。

NPBの獣医師は、成長促進剤としての抗生物質の使用を禁止した2017年1月のVeterinary Feed Directive(獣医学的飼養指針)の施行や、養豚業者のAS(抗生物質スチュワードシップ)プログラムの成果であると指摘。「世界最良の研究機関と協同し、農場での使用方法を開発し、様々な利害関係者と継続して人、豚、地球の健康のためのASプログラムを改善させている」と自負している。

ASプログラムの中心的要素は、獣医師による指導とパートナーシップ、疾病予防戦略と最適な治療アプローチ、ならびに効果的な記録管理、教育と継続的な改善の重要性に基づいており、NPBは「チェックオフ資金による抗生物質のさらなる研究と、動物および公衆衛生を守るという目的を共有する人々との協力を通じて、ASプログラムの継続的改善を図り、米国の豚肉産業を将来にわたってより持続可能なものにしていく」としている。

 

※FDA report/NPB News release

  食用家畜向け抗生物質の国内販売・流通量の推移
 
業界ニュース

全米豚疾病協議会を新設、外来動物の疾病リスク低減

 
 

米国の豚肉産業界は「全米豚疾病協議会(NSDC)」を新設、外来動物の疾病によるリスクを減らすための大きな一歩を踏み出した。NSDCは、全米豚肉委員会(NPB)、全米豚肉生産者協議会(NPPC)、北米食肉協会(NAMI)、全米豚健康情報センター、アメリカ豚獣医師協会、米国農務省(USDA)ならびに州政府の動物衛生当局の代表などで構成される。

この動きは、2013年にPEDv(豚流行性下痢症)が発生したことに対処し、豚肉生産者関係者が農場のバイオセキュリティに重点を置いた連係の強化をさらに発展させるもの。全米豚健康情報センターのエグゼクティブディレクターであるポール・サンドバーグ氏は、「業界が直面している最大のリスクは、米国に入るあらゆる外来動物の病気だ。発生段階の病気や新たな病気は、公衆衛生だけではなく動物の健康や福祉を脅かし、米国の豚肉輸出と取引を混乱させ、豚肉生産者とその事業に悪影響を及ぼす可能性がある」という。

同氏はASF(アフリカ豚コレラ)には言及していないが、新組織はこの疾病の米国への侵入防止を徹底する。昨年8月以来、中国ではASFが約100件発生、80万頭以上が殺処分されている。中国は世界最大の豚肉生産国であり、消費国であるが、この疾病のリスクについて、最もタイムリーに想起されるのは豪州だ。中国からの旅行者の携行品あるいは郵便貨物として豪州に密輸された豚肉のサンプルからASFが検出された。試験した52種のうち6種の豚肉製品が汚染されていたことが判明している。

 

※2019年1月21日 CATTLE BUYERS WEEKLY

 
USMEFインフォメーション

SMトレードショーにパッカー4社と出展

 
 

米国食肉輸出連合会(USMEF)は、2月13〜15日の3日間、幕張メッセで開催される「SMTS(スーパーマーケット・トレードショー)2019」にメンバー企業4社とともにブース出展します(ホール2/小間番号2-402)。

USMEFブースでは、アメリカン・ビーフについては「USビーフのステーキ肉で作るぜいたくハンバーガー」を中心に「ポンドステーキ」「ローストビーフ」のレシピ訴求資材の紹介と試食、4〜6月に実施する全国キャンペーンの概要と12月までの販促計画について提案・説明します。

アメリカン・ポークでは、昨秋から新たに提案を開始した「三ツ星アメリカン・ポーク」のコンセプトを紹介するとともに、「簡単低温調理レシピ」の提案を実施します。ビーフ、ポークともに提案メニューの試食提供をはじめ各種パンフレット・ガイドブック等も配布します。

パッカーブースの出展社と主な出展品目は以下の通りです。
◇Jones Dairy Farm=ハム・ソーセージ類
◇N.B.P.Japan Inc.=「National」ブランドのチルドビーフ
◇Smithfield Foods,Inc.=「Smithfield Premium」ブランドのチルドポーク
◇TREX CORP Inc.=「44Farms」ブランドのビーフ

 
 

マーケット・データ

 
 
 
 
 
 
 

ビーフ・ファクト・シート