ロシアは11月1日、ブラジル産牛肉・豚肉の輸入を再開した。ブラジルが輸出を再開できるのは9施設だが、米国食肉輸出連合会(USMEF)は、これによってロシア向け以外のブラジル産食肉の流通量が減少する可能性があるとして、米国産食肉の輸出にはプラスに作用するとの見通しを示した。
ロシアは2017年12月、ブラジル産食肉にラクトパミンが含まれているとして輸入を停止した。USMEFによると、この反動もあり、2018年には中国・香港、シンガポール、アルゼンチン、アンゴラ、チリ、フィリピンなどへのブラジル産豚肉の流入が増加。またブラジル産牛肉は中国・香港、エジプト、チリ、ウルグアイで大幅に前年を上回っている。
本紙の質問に対して、USMEFのスポークスマン、ジョー・シューイ氏は「米国産豚肉・牛肉はロシア市場へのアクセスがない。ブラジルの食肉輸出がロシアへ流れれば、米国の輸出業者にとってはプラスになる」との見方を示した。
今回、ロシアへの輸出を許可された施設は、牛肉については「Minerva S.A.」「Barra Mansa Comércio de Carnes e Derivados Ltda」「Agra Agroindustrial de Alimentos S.A.」「Frigorífico Astra do Paraná Ltda」「Frigorífico Vale do Sapucaí Ltda」。豚肉は「「Alibem Alimentos」が所有する2施設と「Adelle Indústria de Alimentos Ltda」「Aurora Alimentos」。
ブラジルのブライロ・マギー農牧食糧供給相は、ロシアの決定を歓迎し、「市場は得難く失いやすい、再開はいっそう成し難い。この知らせは非常に嬉しいことだ」とフェイスブックにメッセージを投稿した。
禁輸以前、ロシアはブラジル産豚肉の最大の輸入国だった。ブラジルの豚肉業界団体であるABPAによれば、ロシアの禁輸によって輸出販路を失ったブラジル産豚肉は概算で23万400トン。これは同期間に輸出されたブラジル産豚肉の4割に相当するという。
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