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TRADER'S Be & Po

vol.319 Sep.25.2018
 
米国食肉輸出連合会
NEWS CONTENTS
市況ニュース 生体牛の現金取引価格、不安定さ続く
輸出動向 7月の輸出量は牛肉・豚肉とも増加、豚肉輸出額は減少
トピックス 米国産牛肉の輸入制限でEUが新しい提案
ワールドトレード 干ばつで豪州の牛飼養頭数が減少、牛肉生産量も
減少へ
USMEFインフォメーション 「アメリカン・ビーフ秋冬キャンペーン」10月1日からスタート
新刊「CATTLEMEN'S STEWARDSHIP」をWeb掲載
マーケット・データ 生体牛・豚価格、カットアウトバリュ、穀物先物価格
ファクト・シート ポーク(2018年7月)米国の輸出、
と畜頭数・枝肉生産量、飼養動向、日本の輸入量
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市場ニュース

生体牛の現金取引価格、不安定さ続く

 
 

先週の生体牛の現金取引価格は、4週連続の下落からわずかに回復したが、依然として不安定だ。この回復は、連休絡みでパッカーの買付けが増えためだが、通常、祝日週を過ぎると買付けは多少控えめになる。先物価格が今年の底値を探る状況にあり、アナリストは現金価格に対する値下げ圧力は、9月後半から10月まで続くと予想する。

先週の主要5州の取引量はわずか6万6593頭。生体牛の平均価格は100ポンド当たり107.18ドル、枝肉は同169.59ドル。今年これまでのところ、週間最安値は7月1日までの週に記録した100ポンド当たり106.87ドルだが、今後これを下回る可能性も予想される。フィードロットでは来年の2月まで出荷間近の牛が潤沢な状況が続くためだ。

9月1日時点のフィードロットの総飼養頭数は、過去最高を記録した。特に肥育日数150日以上の肉牛の頭数は、前年同月比33%増と2015年に次いで多い。肥育業者は出荷を増やす必要があるが、そのためには価格下落を受け入れざるをえないだろう。

肥育業者が先物価格の回復を期待して出荷を遅れせると、さらなる暴落を招く危険性もある。その兆候は枝肉重量にも表れている。8月25日までの週の枝肉の平均重量は、去勢牛が889ポンドで前週比3ポンド増、前年同週比2ポンド増。未経産牛は817ポンドで、同7ポンド増、同10ポンド増。全体平均は822ポンド、3ポンド増、1ポンド増だった。

レイバー・デー(9月第1月曜日)の前週、パッカーが販売した牛肉は8129ロード(≒コンテナ)で前年同週比7%増、2015年1月以降では最大となった。しかし祝日へ向けたスーパーの牛肉売上は期待通りにはいかず、中西部全体が雨に見舞われたこともあって伸び悩み、日次ベースのカットアウト価格は月曜日に上昇したが、その後に急落した。

 

※2018年9月10日 CATTLE BUYERS WEEKLY

 
輸出動向

7月の輸出量は牛肉・豚肉とも増加、豚肉輸出額は減少

 
 

USDA公表・USMEF編さんの食肉輸出データによると、7月の輸出量は牛肉・豚肉ともに前年を上回った。輸出額は牛肉が月間最高記録に迫る勢いだった一方、豚肉はメキシコと中国が課した報復関税の影響を受け減少した。

【豚肉】輸出量は17万6413トン(前年同月比1.5%増)。輸出額は4億6530万ドル(同5%減)で2016年2月以来の低水準となった。1-7月累計の輸出量は145万トン(同2%増)。輸出額は38億3000万ドル(3%増)。

7月の豚肉生産量に占める輸出割合は内臓を含む全体で24.7%、正肉単体では21.7%。前年同月(同25.9%、同21.3%)に比べ低下した。豚肉輸出額はと畜豚1頭当り換算で48.49ドル(前年同月比11%減)、1-7月累計は54.27ドルでわずかに前年を上回っている。

メキシコは米国産豚肉の多くの製品に対し、6月上旬に関税を0%から10%へ引き上げ、さらに7上旬には20%へと引き上げた。これにより、7月のメキシコ向け輸出量は5万6484トン(同4%減)となり、輸出額は単価の低下を反映した9200万ドル(同25%減)と大幅に減少した。

中国は、米国産豚肉およびバラエティーミートに対する関税率が4月1日に12%から37%へ、さらに7月6日に62%まで引き上げた。7月の中国・香港向け輸出量は2万2199トン(同31%減)、輸出額は5590万ドル(同19%減)となった。特にバラエティーミートの輸出量が7446トン(同49%減)と大きく影響を受けた。この減少は関税の引き上げが要因だが、中国国内の豚肉生産量が増加していることも一因。

豚肉輸出額をけん引する日本向けは3万1248トン(同10%増)、1億2720万ドル(同6%増)と好調。韓国も著しい成長を持続し、コロンビア、中南米、アセアンなども高い伸びを続けている(国別輸出は最終面のポークファクシートを参照)。

  米国の豚肉(バラエティーミート含む)の月別輸出量の推移
 

【牛肉】日本、韓国の大幅な伸びに加え、台湾、ラテンアメリカなどがけん引し、7月の輸出量は11万6575トン(同12%増)を達成。輸出額は7億2200万ドル(同16%増)と2018年5月に記録した最高額(7億2210万ドル)に僅差で迫った。1-7月累計は77万9450トン(同10%増)、47億6000万ドル(同20%増)といずれも記録的なペースを続けている。

7月の牛肉生産量の占める輸出割合は全体で14%、正肉単体で11.8%(2016年12月以降で最高)に相当し、いずれも前年同月に比べ1%上昇。7月の輸出額はと畜牛1頭当たり換算で326.18ドル(同9%増)となった。

7月の日本向け輸出量は、BSEに伴う輸入再開以降で最大となる3万1883トン(同15%増)に達した。輸出額は1億9630万ドル(同12%増)。1-7月累計は19万1237トン(同7%増)、12億1000万ドル(同12%増)。このうちチルドビーフは8万7034トン(同4%増)、6億9490万ドル(同13%増)。

急成長を続ける韓国向けは、7月も2万3614トン(同51%増)、1億6920万ドル(同66%増)と拡大。輸出額の月間最高記録を2カ月連続で塗り替えた。1-7月累計は13万6897トン(同38%増)、9億7120万ドル(同54%増)。韓国では韓豪FTAに基づき豪州産牛肉にセーフガードが発動され、一時的に関税率が引き上げられると予想されることから、米国産チルドビーフの輸出はさらに勢いを増すだろう。

  米国の牛肉(バラエティーミート含む)の月別輸出量の推移
 

※USMEF News release

 
トピックス

米国産牛肉の輸入制限でEUが新しい提案

 
 

欧州連合(EU)は、米国産牛肉の輸入制限に関する世界貿易機関(WTO)での紛争解決にむけて一歩を踏み出した。欧州委員会(EC)はEU理事会に対し、米国と協議を開始し、紛争を解決するよう提案した。

ECは成長促進ホルモン剤不使用の牛肉の輸入について、対象国が特定されていない既存の輸入割当の一部を米国へ配分すべきだとし、また既存の割当量の国別配分に基づいて、WTOを通じて相互合意できる今後の実現可能な方法を定めるよう提案している。

しかし、既存の割当量はわずか4万5000トンで、そのうちのどれほどが米国へ配分されるかは不明だ。今回の提案で割当量が増加することはない。EU市場が32年間続けているホルモン禁止令の撤廃については一切触れていない。

EUへ輸出される米国産牛肉はすべて、USDAのNHTC(ホルモン剤不使用牛)プログラムに従って生産されなければならない。 このプログラムの下で認可される牛は年間15万〜17万5000頭にとどまることから、米国に4万5000トンすべてが割当てられても、EU向け輸出が拡大することにはならないだろう。

米国とカナダは、ホルモン剤を使用した牛肉の禁輸をめぐるEUと長年の論争の末、最終的にWTO協定違反の判決を勝ち取った。しかし、EUは(生産過程で成長促進剤が使用された牛肉の輸入について)禁止措置の解除を拒否。2009年、EUと米国は覚書(MoU)を締結し、2014年に改訂。この覚書は長年にわたる紛争に暫定的な解決策を提示するもので、4万5000トンの割当が規定された。

 

※2018年9月10日 CATTLE BUYERS WEEKLY

 
ワールドトレード

干ばつで豪州の牛飼養頭数が減少、牛肉生産量も減少へ

 
 

豪州の牛の生産地域の多くで干ばつが悪化し、飼養頭数に影響を与えている。USDA・FASの新たなレポートによると、2019年1月1日、豪州の総飼養頭数は20万頭減の2530万頭になると予想され、その結果、と畜頭数、牛肉生産量、輸出量のすべてが今年から来年にかけて減少する見通しだ。

豪州東部の多くの地域では、高温で非常に乾燥した気候条件により牧草の育成不足、飼料価格の高騰、貯水量の低下に見舞われている。こうした気候は今後も続き、これまでの家畜の再構築への努力に大きな打撃を与えることになりそうだ。

FASによると、2019年の牛のと畜頭数予想は780万頭、2018年の推定825万頭から45万頭減少する見込み。経産牛のと畜率は2018年半ばに50%以上に上昇しており、生産者は牛群の再構築よりもむしろ淘汰を行っていることがうかがえる。

未経産牛のと畜頭数は、2018年の推定360万頭から2019年には同340万頭(全体の44%)に減少する見込み。子牛生産頭数は、気候条件の回復にともない同900万頭から2019年は950万頭へ回復すると予想されている。

牛肉生産量は同230万トンから2019年には218万トンに減少。牧草不足と経産牛のと畜率の高さにより、枝肉重量の減少が予想される。2019年の牛肉輸出量は推定151万トン、今年の推定163万トンから6%減少する見込み。米国向けの牛肉輸出量は、ハンバーガー製品向けの需要が安定していることから、横ばいと予想される。

 

※2018年9月10日 CATTLE BUYERS WEEKLY

 
USMEFインフォメーション

「アメリカン・ビーフ秋冬キャンペーン」10月1日からスタート

 
 

米国食肉輸出連合会(USMEF)は10月1日から12月31日まで「アメリカン・ビーフ2018年秋冬キャンペーン」を展開します。期間中、抽選で1000名様にアメリカン・ビーフやアメリカン・ビーフのオリジナルグッズをプレゼントする精肉売場店頭でのクローズド・キャンペーンとして実施します。

アメリカン・ビーフの商品(パック当たり店頭価格300円以上)にキャンペーンシールを貼付して販売していただき、購入されたお客さまがシール記載のシリアル番号をキャンペーンサイトで入力すること、その場で当落がわかるキャンペーンです。

賞品はA賞がPRIMEサーロインステーキ肉1s(100名)、B賞アメリカン・ビーフ トートバッグ(400名)、C賞アメリカン・ビーフ エプロン(500名)を用意しました。キャンペーンシールの発送は9月27日より開始します。専用のキャンペーン資材申込書にて発注願います。

  2017 Cattlemen's Stewardship Review〜アメリカの肉牛生産者が果たす責任と規範〜
 
 

新刊「CATTLEMEN'S STEWARDSHIP」をWeb掲載

 
 

米国食肉輸出連合会(USMEF)がこのほど発刊した「2017 CATTLEMEN'S STEWARDSHIP REVIEW―アメリカの肉牛生産者が果たす責任と規範―」(概要は本誌前号に掲載)は下記URLで閲覧・ダウンロードが可能となりました。
https://www.americanmeat.jp/trd/publications/book/index.html

  2017 Cattlemen's Stewardship Review〜アメリカの肉牛生産者が果たす責任と規範〜
 

マーケット・データ

 
 
 
 
 
 
 

ポーク・ファクト・シート