印刷する
 

TRADER'S Be & Po

vol.315 Jur.23.2018
 
米国食肉輸出連合会
NEWS CONTENTS
市況ニュース 肥育牛現金価格は続落、100ドル割れ予想
トピックス アメリカ産ラム、日本市場への輸出再開
ワールドトレード 世界の豚肉貿易、変化に直面―ラボバンク
食肉輸出 5月の牛肉輸出額は記録更新、豚肉は減少傾向
リテール スーパーで牛肉の販促が活発化、卸価格安を反映
業界ニュース チェックオフとのコラボで牛肉料理キットを
全米販売へ
マーケット・データ 生体牛・豚価格、カットアウトバリュ、穀物先物価格
ファクト・シート ポーク(2018年5月)米国の輸出、
と畜頭数・枝肉生産量、飼養動向、日本の輸入量
定期購読(無料)の登録はこちら バックナンバーはこちら
 
市況ニュース

肥育牛現金価格は続落、100ドル割れ予想

 
 

生体牛の現金取引価格は3週連続で下落。7月中に100ポンド当たり100ドルを割り込むことが予想される状況となった。過去2週間、出荷を控え目にしていた肥育業者は、6月最終週に売りを急いだ。珍しく月曜から取引があり、水曜までに大半の取引が終了。北部では月曜日に生体牛5414頭が100ボンド当たり108.88ドル、アイオワでは枝肉で同172.00ドル、ネブラスカでは枝肉が同170ドルとなった。

これを受けて、水曜日には取引がさらに増加し、ネブラスカで2万2706頭が生体牛で106.11ドル、枝肉169.38ドルで売買された。アイオワでは生体牛107ドル、枝肉169.59ドルで8303頭が、カンザスでは生体牛106ドルで2万280頭が取引された。これらの取引によって、6月第4週の平均価格は前週平均(生体牛108.74ドル、枝肉173.21ドル)を大きく下回った。

テキサスの肥育業者は金曜日に生体牛を108ドルで販売、値を戻すことに貢献したが、アナリストは「6月から7月への在庫繰り越し(出荷遅れ)を勘案すると、7月後半は100ポンド当たり100ドル台の維持は難しくなり、98ドル水準になる可能性がある」と予想する。

先物価格が有利であることから、その価格差を得る目的で、8月出荷の一部を9月に、9月の一部を10月に持ち越すことが予想される。しかしアナリストは、先物相場とのバランスから、生産者がこうした出荷調整で利益を確保しようとする場合は失敗に終わることが多いと指摘する。

 

※2018年7月2日 CATTLE BUYERS WEEKLY

 
トピックス

アメリカ産ラム、日本市場への輸出再開

 
 

約15年間に及ぶ空白期間を経て、米国農務省(USDA)は7月12日付で正式にアメリカ産ラムの日本市場への輸出再開を発表した。米国産牛のBSEが発生したことを受け、アメリカ産ラムは2003年12月から日本市場への輸出を停止されていた。

ラムと仔牛の生産及び加工卸業を営むマウンテン・ステート・ローゼンの前CEO、またハルパーンズ・パーベイヤーズ・ステーキ・アンド・シーフードのテキサスディビジョンの責任者でもある米国食肉輸出連合会(USMEF)会頭 デニス・スティファーは、以下のように述べている。

「輸出停止以前は、アメリカ産ラムにとって日本は最も重要なマーケットでした。今回の輸出再開によって、高品質なラムを再びこの大きな市場に輸出できる事を、米国のラム生産者ならびにラム業界は大変光栄に思っております。

米国内で生産されるラムの95%は穀物肥育であり、アメリカ産ラムの高品質な味わいは、輸出停止以前も日本の皆様に広く受け入れられておりました。ジューシーでたんぱく質が豊富なアメリカ産ラムは、日本市場においてもその価値を充分認めていただける商品です。

2016年にすでに輸出が再開した台湾など日本以外の大きなマーケットでも、アメリカ産ラムは広く受け入れられております。アメリカ産ラムの大幅な輸出増加において、日本は他に例をみない可能性を秘めた市場です。」

日本はすでに、アメリカ産牛肉、豚肉の主要なマーケットでもあり、健康的な食生活に欠かせないアメリカ産ラムの栄養面のみならず、味わいや安定した品質は日本の消費者に広く受け入られると思われる。

USMEFの会長兼CEOのダン・ホルストロムは、以下のように述べている。

「アメリカ産ラムの輸出再開において、米国の農務省関係者の尽力に感謝するとともに、今回の発表は、米国が必要としているラムの輸出強化の基盤を築くだろうと期待しています。他の市場で、アメリカ産の食肉製品が広く受け入れられている事と同様に、今回の輸出再開も米国農務省関係者及び食肉業界のたゆまぬ努力の結果です。アメリカ産牛肉、豚肉の成功が物語るように、日本では高品質な穀物肥育の食肉には大きな需要があります。アメリカのラム業界は、日本の外食業界や量販店とともに、この好機を活かしていきたいと願っております。USMEFは、日本の皆様にアメリカ産ラムの素晴らしさをお伝えして参ります」。

https://www.usmef.org/news-statistics/member-news-archive/usmef-statement-of-japanese-market-reopening-to-u-s-lamb/

 

※2018年7月12日 USMEFニュースリリース

 
ワールドトレード

世界の豚肉貿易、変化に直面―ラボバンク

 
 

ラボバンクが公表した最新の四半期レポートは、米中間および北米内の貿易の緊張の高まりは、2018年後半の世界的な豚肉の貿易に多大な影響を与える可能性があることを指摘している。同社のシニアアナリストは「世界の豚肉貿易における主な変化は、米国・中国間の政治的、経済的な緊張の高まりから生じる不確実性が最大の要因だ。農業製品に対する新たな関税措置は、米国、中国、メキシコなど主要市場に大きな圧力をかけるだろう」と分析する。

さらに、今年前半に豚肉の生産量は世界的に増加していることで、年後半も値下げ圧力が続くと予想。欧州でアフリカ豚コレラ(ASF)が拡大していること、多くの地域で飼料価格が変化しつつあることが利益を圧迫する可能性があると指摘している。2018年第3四半期の主要市場のポイントは次の通り。

不確実性に満ちた中国市場

生体豚価格は短期的に回復したが、予想されたほど持続しなかった。値下げ圧力により、小規模農場は飼養頭数の削減もしくは廃業を迫られている一方、大規模農場は規模拡大を続けており、全体的な豚肉生産は依然として増加傾向にある。貿易における緊張が高まり、米国産豚肉への報復関税によって、今年後半の豚肉輸入は減少すると予想される。

豚肉輸出が混乱する米国市場

豚肉の生産量は前年を上回る水準で推移しているが、新工場の稼働で増加したと畜能力の利用は予想されたより鈍い。メキシコが追加関税を課されたことで、米国のメキシコ向け輸出は明らかに鈍化するだろう。中国・カナダ向けも緊張が高まり、輸出が停滞している。他の市場向けは増加が予想されるが、全体的な供給増加が今年後半の国内価格を圧迫する。

比較的安定した欧州市場

豚肉の価格は前年比17%安だが、この数カ月に大幅な上下動はない。2018年後半は供給の増加と飼料コストの上昇が予想されることから、農場の収益性は低下する可能性がある。しかし輸出は、他地域の貿易の緊張によって、利益を得る可能性がある。実際にメキシコからの引き合いが見られる。ASFの拡大が引き続き最大の懸念事項になっている。

好転が期待されるブラジル市場

今年前半、困難な状況が続いたブラジルの豚肉業界は、2018年後半には改善が予想される。世界の他地域で貿易の緊張が高まっていることで、既存市場向けの輸出拡大と新規市場へのアクセスが増加する可能性がある。

 

※2018年7月13日 FOODMARKET.Com

 
食肉輸出

5月の牛肉輸出額は記録更新、豚肉は減少傾向

 
 

USDA公表、USMEF編さんによる5月の食肉輸出は、牛肉が輸出額で新記録を更新。輸出量も大幅に増加したが、豚肉は前月に続き前年割れとなった。5月の牛肉輸出量は11万7871トンで過去6番目に多く、輸出額は7億2210万ドルでこれまでの月間最高記録(2018年3月)を4%上回った。1-5月累計は54万7157トン(前年比10%増)、33億2000万ドル(同21%増)。5月の生産量に占める輸出割合は13.6%、正肉単体では11.1%。

5月の豚肉輸出量はバラエティーミートの輸出減により21万7209トン(同2%減)、5億6250万ドル(同3.5%減)と前月に引き続き減少した。輸出割合は27.8%、正肉単体では24%。1-5月累計は108万トン(同3%増)、28億5000万ドル(同6%増)と前年を上回っている。

メキシコの米国産豚肉への報復関税は6月に発効したため、5月までの輸出実績に直接的な影響はない。5月のメキシコ向けは7万589トン(同3%増)、1億1560万ドル(同11%減)。1―5月累計は35万3264トン(同6%増)、6億2100万ドル(同2%増)で、依然として量的に最大の市場。

メキシコは6月5日付で、米国から輸入されるチルドおよびフローズンポークの正肉に10%の関税を課し、さらに7月5日にはこれを20%に引き上げた。また、6月から米国産ポークソーセージに15%、加工済みハムの一部に20%(これらの税率は7月以降も変わらない)を課すし、また米国以外を対象とした無税の輸入割当枠を設定した。

5月の中国・香港向けは3万4191トン(同31%減)、7990万ドル(同25%減)と前年を大きく下回った。中国が4月2日から発行した米国産豚肉への25%の追加関税(香港向け製品は適用外)が影響している。1-5月累計は18万7439トン(同18%減)、4億3640万ドル(同6%減)。中国は米国産豚肉に対する関税率をさらに25%引き上げたことから、今年後半の中国向け輸出はさらに減少する見通しだ。中国の米国産豚肉に対する関税率は62%。対して欧州やブラジル、カナダなど他国の関税率は12%である。

 

※2018年7月10日 FOODMARKET.Com

 
リテール

スーパーで牛肉の販促が活発化、卸価格安を反映

 
 

7月4日の独立記念日に、全米の小売チェーンは牛肉の販促を活発化させた。拡販アイテムとしてロイン系も幅広く取り上げられている。この手当てが開始された5月中旬のボックスビーフ価格は前年比6〜7%安だったため、積極的な販促になることはある程度予想されたが、6月中旬のカットアウトの総合平均価格(カット、ひき材、トリム)も前年比10%安を割り込んでおり、今夏を通して牛肉の活発な販促が継続すると見込まれる。

実際に、パッカーと小売の牛肉バイヤーとの8月用手当ての商談も活発で、6月第4週のUSDAのボックスビーフレポートによると、22〜60日以内受渡し契約の取引量は全取引の18.3%に達している。アナリストによれば、これほど高い比率は昨年のクリスマス用の手当て以来だという。

セーフウェイが北カリフォルニアで行った販促では、チョイスのトライチップ、チャックショートリブ、ボンレスリブのほかステーキ商材としてブレードステーキ(ポンド当たり5.99ドル)、リブアイ(同9.99ドル)、テンダーロイン(同17.99ドル)、さらに牛ひき肉も数アイテムが拡販された。さらに5日の金曜日は5ドルセールを開催し、ニューヨークストリップステーキ、PBの「Open Nature」の赤身率85%の牛ひき肉・パティがポンド当たり5ドルでチラシ投入された。

リージョナルチェーンのLuckyは、アンガスのボンインニューヨークステーキ(同4.99ドル)、アンガスTボーンステーキ(同5.99ドル)、アンガスボンインリブアイステーキ(同6.99ドル)で拡販。CAB(サーティファイドアンガスビーフ)の中で最も低価格で訴求されたのはボンレスロンドンブロイル(同5.84ドル)。

その他のチェーンではThe Raley'sはトライチップ(トリムなしホールで同2.97ドル)、チョイスのボンインニューヨークステーキ(同7.99ドル)などを販促。The Sproutsは、オールナチュラルのトライチップ(同6.99ドル)、チョイスのカルネアサダビーフのマリネを同3.99ドルで拡販した。

小売業者の積極的な牛肉拡販を反映し、6月第4週のパッカーの牛肉販売量は今年2番目の多さを記録した。総販売量は7530ロード(≒コンテナ)で前週から811ロード増加、前年同期比で23.3%増加した。

21日以内受渡し契約の相対取引は、前週比150ロード増の2110ロード(前年同期比9%増)で全体の28.0%を占め、22〜90日の受渡し契約の相対取引も416ロード増の1575ロード(同16%増)と、2011年6月中旬以降で最多を記録。チョイスのカットアウト価格は前週に比べ100ポンド当たり4.24ドル下落した。セレクトの下落幅は1.36ドルで、チョイスとセレクトの価格差は12.58ドルに縮まった。

 

※2018年7月2日 CATTELE BUYERS WEEKLY

 
業界ニュース

チェックオフとのコラボで牛肉料理キットを全米販売へ

 
 

全米肉牛生産者・牛肉協会(NCBA)がチェックオフを活用して展開する「Beef. It’s What’s For Dinner.」プログラムとのコラボレーションで、アメリカン・フーズグループが開発したSteak Bowlキットが全米で販売される。2月から一部店舗で販売を開始していたが、今回はスーパー業界のトップ5社をはじめ、1500店舗以上に販売が拡大される。

このキットは、世界の牛肉料理が簡単に作れるもので、そのまま作ってもよく、また家庭で好みの野菜を加えてオリジナル料理にすることもできる。USDAチョイスのフレッシュビーフを使用しており、必要な食材が全て一つのパッケージにされ、生鮮肉コーナーで販売されている。

種類は①韓国スタイル・プルコギビーフ・ボウル②ステーキ・ブリトー・ボウル③ステーキ&ザジキ・ボウル④ステーキ&マッシュ・ボウルの4種類。NCBAのメーカー契約部門のディレクターを務めるシェノア・フレンチ氏は、「この牛肉料理キットの販売が拡大され、大きな成果を上げることに興奮している。Beef. It’s What’s For Dinner.は消費者が手早くおいしく、健康的なメニューを求めていることを踏まえて開発されたもので、1つのパッケージで家庭の食卓に提供できることをうれしく思う」とコメント。

価格帯は12.48ドル〜17.99ドルで、いずれも4〜6人向け。30分以内にフライパン1つで温かい牛肉料理ができる。

 

※2018年7月10日 FOODMARKET.Com

   
 

マーケット・データ

 
 
 
 
 
 
 

ポーク・ファクト・シート