4月の米国産食肉の輸出は、量・額とも前年同月比で大幅に増加した。豚肉輸出量は単月として新記録を樹立。牛肉も4月としては過去最高となった。
【豚肉】 輸出量は23万49トン(前年同月比13%増)で、2016年11月の記録を塗り替えた。輸出額は5億8410万ドル(同13%増)。1〜4月累計輸出量は86万6346トン(同4%増)、金額は22億9千万ドル(同9%増)。4月の輸出額は、肥育豚1頭当たり換算で58.45ドル(同6%増)に相当する。
4月の豚肉輸出をけん引したのはメキシコ向け。7万9019トン(同34%増)と歴代で2番目に多かった。メキシコ向けの1〜4月累計は23万2675トン(同7%増)と好調だが、メキシコは7月5日から米国の豚肉製品に報復関税を課す方針を表明したため、この成長を維持するのは困難になりそうだ(別項参照)。
韓国向けは2万5370トン(同74%増)、7410万ドル(同81%増)、1〜4月累計でも9万4888トン(同44%増)、2億7610万ドル(同55%増)と記録的な増加傾向を維持。消費者需要の強い伸びと米韓FTA(KORUS)による関税ゼロでのアクセスが、急速な拡大を後押ししている。
日本向けは3万1100トン(同5%減)、1億2500万ドル(同3%減)と減少したが、引き続き輸出額では1市場の座を維持。1〜4月累計は13万2534トン(同1%減)、5億4800万ドル(同1%増)。
【牛肉】 輸出量は11万1213トン(同11%増)、輸出額は6億7670万ドル(同23%増)で歴代4位の記録。1〜4月累計は42万9286(同10%増)、25億9000万ドル(同20%増)。4月の輸出額は肥育牛1頭当たり換算で328.46ドル(同16%増)。
日本は量・額ともにリーディングマーケットの地位を維持。4月の日本向けは2万5650トン(同9%増)、1億6660万ドル(同16%増)。1〜4月累計は9万8090トン(増減なし)、6億2610万ドル(同10%増)。うちチルドは4万7332トン(同4%増)、3億7500万ドル(同17%増)。日本向けの冷凍牛肉はセーフガードの発動期間が終わり、勢いを取り戻しているが、関税は38.5%で、最大の競合国である豪州に比べると依然として大幅に不利である。
韓国での勢いも継続している。1万9185トン(同62%増)、1億3480万ドル(同72%増)。1〜4月累計は7万1094トン(同31%)、5億100万ドル(同45%増)。日本とは逆に、韓国・豪州間のFTAよりも先にKORUSが施行されたことで、米国産は豪州産よりも関税率はわずかに有利だ。
「アジア市場で米国産牛肉がこれほど支持されているのは、過去に類を見ない。小売、外食のほぼ全ての分野で、米国産牛肉はカットとメニュー品目の幅広さで新規顧客を惹きつけている。この傾向は日本や韓国に限ったことではなく、アジアの他の市場や西半球で米国産牛肉の人気が上昇している」(ダン・ハルストロムUSMEF会長兼CEO)。
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