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TRADER'S Be & Po

vol.308 Mar 26.2018
 
米国食肉輸出連合会
NEWS CONTENTS
市況ニュース 肥育牛価格は堅調、今後は下落含み
肥育素豚価格、春季の下落サイクルへ
ポーク関連ニュース 1月末の豚肉在庫8%増、ベリーの在庫回復
業界ニュース 食品小売業界と食肉業界のキー・トレンド
フードサービス 米マクドナルドがチルドビーフに切り替え、3500店舗で
消費関連サービス 栄養情報記載の食肉製品データベース公表−NAMI
USMEFインフォメーション アメリカン・ポーク「ごちポの日」キャンペーン
マーケット・データ 生体牛・豚価格、カットアウトバリュ、穀物先物価格
ファクト・シート ビーフ(2018年1月)米国の輸出、
と畜頭数・枝肉生産量、飼養動向、日本の輸入量
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市況ニュース

肥育牛価格は堅調、今後は下落含み

 
 

生体牛の現金取引価格は堅調に推移している。肥育業者が強気な姿勢を続けており、取引量が少ないことが一因だが、アナリストは「夏場に出荷頭数が激増して値崩れが起こることを防ぐためにも、出荷頭数を増やしていく必要がある」と警告する。

3月第1週のと畜頭数は推定59万7000頭と少ない。春季の需要が上向くのは少なくとも4〜6週先で、もし牛肉の生産量が増加すれば、ボックスビーフ価格に値下げ圧力がかかるだろう。

3月第1週の現金取引価格は、サザンプレーンズで生体牛が100ポンド当たり126.00ドル、北部ではこれよりも若干の高値で取引された。主要5州の去勢牛の平均価格は126.76ドルで、前週比1.19ドル安。枝肉の平均価格は204.21ドル、同0.48ドル安。

一方、生体牛の先物相場は4月受渡し契約分の終値が同121.77ドル、6月分は113.27ドル、8月分は111.25ドル。アナリストは「肥育業者は現状の先物価格でリスクヘッジすべきだろう。この先の現金取引価格は先物価格より下がる可能性がある。肥育業者が出荷率を上げて、フィードロットでの滞留を防がないと、現金取引価格は大幅に値下がりする懸念がある」という。

フィードロットの飼養動向から予測すると、今年8月1日時点の肥育日数150日以上の頭数は、前年比約85万6000頭増と記録的水準になると予想される。生体重量も増加、プライムの発生率上昇も続いている。

最新の週間レポート(2月24日までの週)では、去勢牛の平均重量は883ポンド(前年同週比5ポンド増)、未経産牛は828ポンド(同6ポンド増)。プライムの格付け割合は8.62%と、3週連続で記録を更新。チョイスも72.49%と高く、プライムとチョイスを合わせた割合は81.11%と過去最高を記録した。タイムリーな出荷が行われているかどうかをチェックするために、今後も格付の等級割合、枝肉重量、と畜頭数の3つを注視する必要がある。

 

※2018年3月12日 CATTLE BUYERS WEEKLY

 
 

肥育素豚価格、春季の下落サイクルへ

 
 

年初から好調だった肥育素豚の価格は、需要の過渡期となる夏季に向けて、季節的な下落サイクルに入りつつあるようだ。USDAは毎週、肥育素豚の取引頭数とフォーミュラ取引・現金取引の平均価格を公表している。素豚価格は、離乳までの前期育成(10〜12ポンド)と、肥育素豚までの後期育成(40ポンド前後)に二分されるが、取引される大半は前期育成豚だ。USDAが公表した2月28日までの週の平均価格は、フォーミュラ取引ベースで1頭当たり44.51ドル、現金取引では60.34ドル。

価格差が非常に大きく見えるが、これは季節的な傾向で特別なことではない。昨年の前期育成豚の平均価格は、フォーミュラ取引ベースで一頭当たり39.9ドル、現金取引は37.2ドル。年間を通して見れば、季節変動は吸収される。

前期育成豚の取引頭数は、フォーミュラ取引3万3852頭、後期育成豚は現金取引で3万4140頭。生体豚のと畜頭数が週当たり220万頭、秋季にはさらに増えて250万頭台であることを考慮すると、と畜頭数に対する肥育素豚の取引量はかなり少ないが、市場関係者が在庫状況や生産者のマージンを把握する際の一つの指標になる。

肥育素豚の過去5年平均価格の季節変動をみると、年初から現在まで、季節的サイクルを超える価格で推移している。現在、夏期の先物価格に対する肥育素豚価格の比率は0.65(リーンホッグ先物価格80ドルに対して肥育素豚価格52ドル)。この比率が、生産者の利益率の指標と見ることもできるだろう。比率が低ければ、生体豚現金価格に比べて肥育素豚価格は安いということになる。

肥育素豚の価格は、依然として生産者の利益率の高さを反映していることから、豚肉の潤沢な供給は2018年を通して続くと予想される。豚肉市場の今後の課題は輸出状況だ。アジア圏および北米の主要な貿易相手国との貿易摩擦の可能性が、短期的な豚肉価格の下落リスクといえる。

 

※2018年3月5日 Pork Merchandiser's Profit Maximizer

 
ポーク関連ニュース

1月末の豚肉在庫8%増、ベリーの在庫回復

 
 

USDAが公表した1月末の食肉冷凍在庫状況によると、牛肉、豚肉、鶏肉、七面鳥肉の合計在庫は23億1700万ポンド(前年同月比6.4%増)、過去5年平均比では8.5%増。春夏に向けて、全畜種がさらに増加する見通しだが、品目別にその増減と価格への影響は異なっている。

豚肉の1月末時点の冷凍在庫は5億6800万ポンド(同8.3%増)、過去5年平均比では4.4%減。前年同月を上回っていることに加え、今後3カ月間の生産増加予想を加味すると、現状の在庫量を価格の弱気要因と見ることもできるが、在庫増加の主因はベリーの在庫である。

1月末のベリーの在庫は4470万ポンド。過去最低水準だった昨年に比べて219%増となるが、昨年はベリーの在庫が少なかったことが、夏季の価格急騰の土台となった。ベリーの在庫は、2014・2015・2016年と比べると依然少ない。

記録的な生産増にもかかわらず、豚肉の在庫も過去5年平均を大幅に下回っているが、これは生産増を輸出が吸収していることの表れだ。豚肉在庫の増加は、輸出拡大の基盤として必要な水準にあると見るべきだろう。

1月末のボンレスビーフの在庫は4億5680万ポンド(同8.4%減)、過去5年平均比1.6%増。春季の価格変動リスクに備えるため、エンドユーザーがトリミングを備蓄し始めている。昨年、50CLの価格が急騰し、今年はその再発を防ぐため、高脂肪トリミングの在庫が増えていると推測できる。

 

※2018年3月5日 Pork Merchandiser’s Profit Maximizer

  米国の国民1人当たり豚肉供給量(枝肉換算)
 
業界ニュース

食品小売業界と食肉業界のキー・トレンド

 
 

NAMI(北米食肉協会)の年次会合で紹介された「2018 Power of Meat」 レポートによる、10項目のキー・トレンドの要旨を紹介する。このレポートは、210人のアナリストが食肉の購買、調理、消費の傾向を顧客目線で調査したもの。

食品小売業界は、競争力と人口統計学的な推移、さらにテクノロジーや利便性、健康志向、透明性といったメガトレンドによって再構築されている。食肉部門も、流通計画から消費に至るまで、この潮流に沿って変化している。

食肉部門は、ターゲットを絞った広告、マーケティング、マーチャンダイジングを通じて、様々な消費者層に対するアプローチを多様化することで、顧客ロイヤリティを増進し、競争上の優位性を引き出す重要な部門であり続けることができる。

食肉業界は小売業界とチームを組んで買い物客の食肉に対する知識を広げることで、需要と売上を増加させることができる。現状では、消費者の食肉に対する知識は乏しく、わずかな種類のカットや品目しか購入しないという消費者が83%にのぼっている。

インターネットや競合他社が太刀打ちできないようなサービスを提供することも、競争で優位に立つためには重要だ。食肉の調理方法に関する情報源として、デジタルツールがトップの座を占めた一方で、レシピやメニューの提供、あるいは量り売りをする食肉売場の対面サービスを評価する買い物客が38%もいる。

生鮮・調理済みのいずれの食肉部門でも、明白なブランド志向がここ12年で最高値に達している。買い物客の多くに、よく知られたブランドの製品を購入する傾向があるが、他のものを購入するきっかけは、より良い品質や価値、一貫性を知ることだという。ブランド志向が強い一方、販促をきっかけに普段買わないブランドを試す買い物客が62%にも達する。

栄養面を重視する買い物客は、製品の個別の特徴に高い関心を持ち、週間支出額が高い。低脂肪のカットを選び、消費量をほどほどに抑えることを主眼とした“知識ある肉選び”を行う上で、80%近い買い物客が健康上・栄養上の情報が役立つと感じている。店舗では、10人に7人が摂取量をコントロールする目的でパッケージのサイズに注意を払っており、またタンパク質含有量、総脂肪量およびナトリウム量などの情報にも関心を持っている。

買い物客の多くは、食事のラインナップに利便性を重視した食品を採り入れる傾向がある。レンジ加熱食品、惣菜、加工済み食肉製品の消費量は、昨年にはさらに拡大した。加工済みの食肉製品は、製品の種類や価格、調理方法と品質に関する情報発信を増やすことで、さらなる成長ができる。購入頻度の高い買い物客は、夕食の全メニューを取り揃えたコーナーや、完全調理済み食肉製品の品揃えの拡大も評価している。

消費者は生産地、育成地、動物衛生、環境活動について知りたがっている。さらに食肉・家きん類のパッケージにあるナチュラル、オーガニック、牧草肥育、ホルモン剤不使用、抗生物質不使用といった文言を認知しつつある。こうした情報の透明性が売上を増加させる要因になるだろう。

その他、レポートが示唆するキー・トレンドは「食肉販促調査のルーティーン化」「スーパーの勢力拡大」「食肉のWEBオーダーの普及」「オムニチャンネルのチャンス拡大の兆候」「品質、品揃え、価格、経営上の強みに対する関心の高まり」など。

 

※2018年3月12日 CATTLE BUYERS WEEKLY

 
フードサービス

米マクドナルドがチルドビーフに切り替え、3500店舗で

 
 

マクドナルドは3月6日から、チルドビーフ(冷蔵牛肉)を使ったクオーターパウンダーを始めとするプレミアムバーガーの販売を、米国内の3500店舗で開始した。他の店舗では5月までに販売を開始する予定だ。チルドを使用した製品の拡大は、品質向上とメニューの多様化を図ることで、競合チェーンに対抗することが狙いだ。

1年前、マクドナルドは冷凍ではなくチルドの牛肉を使ったバーガーを米国内約1万4000店舗で販売する計画を発表。2018年中旬までに、よりジューシーなバーガーを作ることを表明していた。クリス・ケンプチンスキー社長は、クオーターパウンダーのチルドビーフへの切り替えについて、2015年に朝食メニューの終日提供を開始して以来の劇的な変化だと強調する。

このプロジェクトは、キッチン担当のスタッフとサプライヤーに変化を強いるもので、同社長は「当社のサプライヤーは、冷凍から冷蔵への切り替えを可能にするべく、6000万ドルを投資してサプライチェーンを一新。またオーダーを受けてから提供するまでの時間が長引かないシステムを作り、確認するまでに一定期間を要した」という。

新クオーターパウンダーと「シグナチャー・クラフテッド」プレミアムバーガーは現在、マイアミ、オーランド、ナッシュビルの店舗で販売中。来月中には、ロサンゼルス、ヒューストン、サンフランシスコでも発売する。新たなプレミアムバーガー「ガーリックホワイトチェダー」の発売も発表し、さらに年内にも「シグネチャー・クラフテッド」シリーズを続々と発売していく方針も明らかにした。

 

※2018年3月6日 FOODMARKET.com 2月27日 Meatingplace.com

  豚肉在庫量の推移
 
消費関連ニュース

栄養情報記載の食肉製品データベース公表−NAMI

 
 

NAMI(北米食肉協会)は、消費者およびヘルスケア関係者などを対象に、食肉製品の栄養に関する正しい情報を一元的に提供するオンラインデータベースを公表した。専用サイト「Product Center」では「低脂肪」のような特定の栄養的特徴を検索しやすくなっており、減塩、低脂肪、アメリカ心臓協会認定、ナチュラル、オーガニックといった12の食肉カテゴリーに分類された1500以上の製品情報が掲載されている。NAMIによれば、特色ある製品としてベーコン、ボローニャソーセージ、コンビーフ、ハム、ホットドッグ、ジャーキー、スティックサラミ、パストラミ、ローストビーフ、サラミ、ソーセージ、スライスターキーが網羅されている。

このデータベースは、特定の製品やブランドで検索でき、ブランドのWebサイトへのリンクから、さらに詳細な情報や栄養情報の全データ、さらに製品の販売場所を知ることができる。NAMIのサイトwww.meatpoultrynutrition.org内に設けられており、食肉と家きん類の栄養的利点やその栄養価を裏付ける100以上の研究のデータベースも公開している。

 

※2018年3月8日 Meatingplace.com

 
USMEFインフォメーション

アメリカン・ポーク「ごちポの日」キャンペーン

 
 

米国食肉輸出連合会(USMEF)は、4月20日〜6月30日まで販売店向けの販促支援施策として、アメリカン・ポーク「ごちポの日」キャンペーンを実施します。USMEFは昨年、5月第3日曜日を「ごちポの日」として制定、登録し、記念日キャンペーンの展開を開始しました。

今年は、アメリカン・ポークを購入したお客様がパッケージの値札ラベルで応募すると、抽選で素敵な賞品が当たるマストバイキャンペーンとして実施します。併せて「ディスプレイ(陳列)コンテスト」も同時開催します。

期間中に200円以上のアメリカン・ポークを購入の上、値札ラベルを使ってUSMEF公式サイトの応募フォームから、またはハガキにて応募いただくと、抽選で合計2000名に賞品は当たります。A賞はアメリカン・ポーク約1kg(200名)、B賞はごちポのトートバッグ(1800名)。※賞品の発送は7月中旬以降を予定しています。

USMEF主催で行うディスプレイコンテストは、島什器(冷蔵ケース)を丸ごとアメリカン・ポーク一色でディスプレイし、コンテスト事務局に写真レポートを7月3日までに提出いただき、弊会の審査によりグランプリ(1店舗・金券15万円)、準グランプリ(3店舖・同5万円)、優秀賞(5店舗・同1万円)、ごちポ賞(同・同)を決定いたします。販促ツールも豊富に用意していますので、売場の活性化に活用いただければ幸いです。
本件に対するお問合せは担当:加藤(skato@usmef.org)まで

  豚肉在庫量の推移
 
 

マーケット・データ

 
 
 
 
 
 
 

ビーフ・ファクト・シート