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TRADER'S Be & Po

vol.306 Feb 26.2018
 
米国食肉輸出連合会
NEWS CONTENTS
市況ニュース 生体牛、牛肉価格ともに弱基調
2018年の予想、生体豚78ドル、カットアウト87ドル
トピックス 2017年の輸出、牛肉輸出額と豚肉輸出量が新記録
ポーク関連ニュース 12月末の豚肉在庫、前月比2.3%減
生産動向 牛飼養頭数0.7%増、拡大ペース緩む
業界ニュース 牛肉を使った寿司「Beefshi」キャンペーン
USMEFインフォメーション FOODEXにメンバー4社と出展―3月6日〜9日
マーケット・データ 生体牛・豚価格、カットアウトバリュ、穀物先物価格
ファクト・シート ビーフ(2017年12月)米国の輸出、
と畜頭数・枝肉生産量、飼養動向、日本の輸入量
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市況ニュース

生体牛、牛肉価格ともに弱基調

 
 

2月は牛肉の需要が最も鈍る月であり、生体牛、ボックスビーフともに価格が低迷する時期だが、これまでのところ、肥育牛の価格は天候要因もあって予想より健闘している。ボックスビーフの卸売価格も、生産量が4%近く増加している中で輸出が好調なことから、前年同期比8%高の水準を維持している。

50CL(赤身率50%のひき材)の価格が季節的に高騰しているが、これはショートプレートに対する日本の引き合いが強いことも一因。2月第1週の生体牛の現金取引価格は100ポンド当たり125.91ドル(前週比0.55ドル安)、枝肉は199.90ドル(0.16ドル高)。

週初めの唱え値は生体牛130ドル、枝肉202〜204ドルだったが、生体牛の先物取引は、2月受渡し契約分が4日間で108ポイント下落するなど、全体的に下落傾向にあり、現金取引も弱気配となった。

寒波は、牛のグレードには影響を及ぼしていない。1月26日までの週に格付けされたプライムの割合は7.76%と、2週前の過去最高をさらに更新した。チョイスも72.30%に達し、合計で80.06%と、史上3番目に高い割合となった。枝肉重量も全体平均で827ポンド、前週比2ポンド減、前年同週比7ポンド増と気候の影響は見られず、当面は不需要期と供給増から弱基調が続きそうだ。

 

※2018年2月12日 CATTLE BUYERS WEEKLY

 
 

2018年の予想、生体豚78ドル、カットアウト87ドル

 
 

USDA(米国農務省)の予測では、豚肉生産量は2018・2019年ともに増加する。生産者マージンが黒字で、飼料の供給量も豊富であること、さらに米国産豚肉の輸出が増加していることが主な要因だ。

2018年の豚と畜頭数は前年比3.1%増、生体豚の平均重量は0.6%増、豚肉総生産量は266億ポンドの予想。これは前年比で約10億ポンドの増加だが、国民一人当たりの豚肉供給量の増加率は、生産量全体の伸びが示すほどではない。理由の一つは、米国の豚肉輸出が成長を続けていることで、これは2018年も継続する見込みだ。

世界の4大豚肉輸出国(米国、欧州、カナダ、ブラジル)の中で、豚肉の供給量が急速に拡大しているのは米国のみ。米ドルの安値基調も米国産豚肉価格の競争力を高め、輸出拡大の下支え要因になっている。2018年の米国の豚肉輸出量は58億6100万ポンド、2019年には61億ポンドを超えると予想される。
 全生産量に占める輸出比率は約22%となり、貿易動向が豚肉市況を左右する大きな要因になる。最大の輸出先はメキシコであり、NAFTAの再交渉は豚肉業界にとって特にデリケートな問題だ。

NAFTAが存続し、現在の貿易条件が維持されると仮定すると、2018年の豚肉価格は、生産量の増加によって引き続き価格上昇が抑制されるが、ベリー、ハム(モモ)、トリミングなどは季節的な変動性が高くなりそうだ。ベリーのプライマル価格は、昨秋に100ポンド当たり100ドルを割り込んだが、現状は150ドルを超えている。ハムの価格は7%上昇し、トリミングも値上がりしている。

2018年の肥育豚価格の予想は同73ドル、前年比10%高と見込まれるが、過去5年平均比では4.5%安。価格上昇予想の主因は、新工場の稼働による処理能力の拡大に伴い、生体豚をめぐる競争が激化することだ。カットアウト価格の予想は同87ドル。現在のところ、国内需要は非常に良好で、供給の急増分をうまく消化しているが、供給が史上最多を記録する夏・秋季は下落リスクが大きくなるだろう。

 

※2018年2月5日 Pork Merchandiser’s Profit Maximizer

  米国の国民1人当たり豚肉供給量(枝肉換算)
 
トピックス

2017年の輸出、牛肉輸出額と豚肉輸出量が新記録

 
 

USDA公表、USMEF編さんの食肉輸出統計によると、米国の食肉輸出にとって2017年は記録的な1年となった。牛肉の輸出額は2度目の70億ドル台を達成し、豚肉の輸出量は過去最高を更新した。

牛肉(バラエティーミート含む)の総輸出量は126万トン(前年比6%増)で史上4番目に多く、輸出額は72億7000万ドル(同15%増)を達成、過去最高(2014年・71億3000万ドル)を2%上回った。牛肉の全生産量に占める輸出比率は12.9%、正肉単体では10.4%。輸出額の一頭当たり換算は286.38ドル(前年比9%増)、2014年の300.36ドルに次いで史上2番目に高かった。

【牛肉輸出は日本が成長をけん引】

国別では、日本が第1位の座を確固たるものにした。輸出量は30万7559トン(同19%増)、輸出額は18億9000ドル(同25%増)と輸入再開後で最高記録を更新。特にチルドビーフは14万8688トン(同32%増)、11億200万ドル(同37%増)と高い伸びを果たした。

韓国向けは18万4152トン(同3%増)、12億2000万ドル(同15%増)。小売業界で需要増を反映してチルドビーフは4万5153トン(同73%増)と飛躍的な伸びを見せた。メキシコ向けは輸出量で第2位(23万7972トン、同2%減)、輸出額では第3位(9億7970万ドル、微増)を維持。台湾向けは輸出額(4億970万ドル、同13%増)が新記録を達成した。香港向けは13万726トン(同16%増)。輸入が解禁された中国向けは3020トン、3100万ドル。

  米国の牛肉(バラエティーミート含む)の月別輸出量の推移
 

【豚肉輸出、メキシコ、南米等で記録更新】

豚肉の総輸出量は245万トン(同6%増)、64億9000万ドル(同9%増)。量としては史上最高、金額では2014年(66億5千万ドル)に次いで2番目に多かった。輸出比率肉生産量全体の26.6%、正肉単体で22.3%。輸出額の一頭当たり換算は53.47ドル(同7%増)。

国別では、メキシコ向けが80万1887トン(同10%増)と、6年連続で記録を更新。輸出額は15億1000万ドル(同12%増)で史上2番目となった。日本向けは39万3648トン(同2%増)、16億3000万ドル(同4%増)。チルドポークは、量的には微減(21万7857トン)したが、輸出額は10億3000万ドル(同4%増)と増加した。

韓国向けは17万3182トン(同28%増)、4億7500万ドル(同30%増)。コロンビア、チリで需要が急増し、ペルーを含めた南米向けは10万3987トン(同57%増)、2億6800万ドル(58%増)と記録的な成長を遂げた。2018年はアルゼンチンが米国産豚肉の輸入を再開する見込みであり、南米向け輸出はさらに拡大する可能性が大。中国・香港向けは49万5637トン(同9%減)。うちバラエティーミートは32万1116トン(同2%増)。

  米国の豚肉(バラエティーミート含む)の月別輸出量の推移
 
ポーク関連ニュース

12月末の豚肉在庫、前月比2.3%減

 
 

2017年12月末時点の冷凍豚肉の総在庫量は、4億9080万ポンド(前年同月比3.2%増)。過去5年平均比では6.7%減で、生産量が大幅に増加しているものの、これまでのところ需要は堅調に推移し、生体豚と豚肉の価格を支えている。

12月の在庫量は、ホリデーシーズン用にハム(モモ)の在庫消化が進み、前月比2.3%減。過去5年平均の1.7%減を上回る減少率となった。ハムの在庫は7180万ポンド(前年同月比17.8%増)、過去5年平均比12.9%増。前月比では17%減。

ベリーの在庫は3970万ポンド(同120%増)、過去5年平均比16%減。エンドユーザーが在庫を積み増ししたことで、昨春のような価格高騰は回避できるだろう。

牛肉の在庫は4億8950万ポンド(同13.8%減)。ホリデーシーズンの消化が好調だったことを裏付けている。半面、ホールターキー(七面鳥・丸)は推定1億1000万ポンド(同47%増)と在庫過多な状況にあり、ここ数週間で価格が20%も下がっている。

 

※2018年2月5日 Pork Merchandiser’s Profit Maximizer

  豚肉在庫量の推移
 
生産動向

牛飼養頭数0.7%増、拡大ペース緩む

 
 

全米の牛群は2017年も拡大したが、2018年1月1日時点の総飼養頭数は9439万9000頭(前年比0.7%増)、69万4000頭の増加に留まった。肉用雌牛の飼養頭数は3172万3000頭(同1.6%増)、子牛生産頭数は3580万8000頭(同2.0%増)。アナリストは総飼養頭数を1.3%増と予想していた。

総飼養頭数が最も多いのはテキサスで1250万頭・前年比20万頭増。2位はネブラスカ680万頭・同35万頭増。次いでカンザス630万頭・10万頭減。肉用雌牛が最も多いのもテキサスで458万5000頭・同2万5000頭増。次いでミズーリ216万6000頭・同11万1000頭増、オクラホマ213万1000頭・同3万6000頭増、ネブラスカ191万頭・同1万頭減。

2017年に雌牛の増加が最も顕著だったのはサウスダコタ192万頭(8.2%増)。

子牛生産頭数も15万頭増と全米で最大の伸びとなった。同州で肉牛の総飼養頭数、子牛生産頭数が急増した背景には、アバディーンの牛肉処理工場が営業を再開したこと、干ばつによりモンタナから牛が移動したことがある。

 

※2018年2月12日 CATTLE BUYERS WEEKLY

 
業界ニュース

牛肉を使った寿司「Beefshi」キャンペーン

 
 

NAMI(北米食肉業界)は、鮮魚の代わりに牛肉を使用した寿司「Beefshi」の普及に向けて新たなキャンペーンを行っている。チェックオフを活用してNAMIが実施したアンケート調査では、消費者の半数以上が「Beefshi」コンセプトを魅力的に感じたと回答。特にミレニアル世代(66%)と35〜44才の世代は「食べてみたい」との回答が多いという。

「Beefshi」を創作したのは、カリナリー・インスティテュート・オブ・アメリカで学ぶシェフ。パストラミ、コンビーフ、ジャーキー、ビーフホットドッグ、ビーフボローニャといった調理済みビーフを、伝統的な寿司のスタイルに取り入れている。主な提案メニューは以下の通りだが、プロモーションの一環で、専用WebサイトBeefshi.comで各レシピの動画を公開している。

Texas Asade Sushi (テキサス・アサダ寿司)

ローストビーフにライム、クミン、ニンニクを擦り込み、コリアンダー、細切りしたハラペーニョとオニオン、砕いたカッテージチーズを巻く。サルサソースを添えて。

Inside Out Wisconsin Maki (ウィスコンシン巻き)

サマーソーセージのスティック、コルビーチーズの細切り、ディルのピクルスのスライスを酢飯で巻く。粒マスタードを添えて。

New York Deli Roll (ニューヨーク・デリ・ロール)

ホースラディッシュとスイスチーズの細切りを、海苔の代わりにコンビーフで巻き、少量のキャラウェイシードの上で転がす。

The Reuben Roll (ルーベン・ロール)

パストラミ、ザワークラウト、薄くスライスしたスイスチーズを酢飯で巻く。ロシアンドレッシングを添えて。

The Hiker’s Roll (ハイカーズ・ロール)

細く切ったビーフジャーキーと薄卵焼き、豆苗またはクレソンを、伝統的な手巻き寿司スタイルで。シラチャーソース(タイで人気の辛みのあるソース)につけて。

Carolina Sushi (カリフォルニア寿司)

細長く切ったビーフボローニャのフライとニンジンの細切りを、海苔の代わりにキャベツの葉のピクルスで巻く。

 

※2018年2月12日 meatingplace.com

  豚肉在庫量の推移
 
USMEFインフォメーション

FOODEXにメンバー4社と出展―3月6日〜9日

 
 

米国食肉輸出連合会(USMEF)は、3月6日〜9日に幕張メッセで開催される「FOODEX JAPAN 2018」にメンバー企業4社(Freshmark/Meat byLinz/スミスフィールド/Loham Inc.)と共同出展します。

USMEFブースでは、アメリカン・ビーフについては昨年末から提案を強化している「ポンドステーキ」のさらなる普及に向けて、4月1日〜6月30日まで展開する「アメリカン・マイレージキャンペーン」の内容を中心に紹介します。

アメリカン・ポークについては、今年の「ごちポの日」(5月第3日曜日)キャンペーンの展開内容とともに、アメリカン・ポークの新しい食べ方提案として今期から力を入れる「低温調理」と、その提案メニューを紹介します。

 
 

マーケット・データ

 
 
 
 
 
 
 

ビーフ・ファクト・シート