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TRADER'S Be & Po

vol.305 feb.13.2018
 
米国食肉輸出連合会
NEWS CONTENTS
市況ニュース 寒波の影響で生体牛の価格上昇、先物は下落
トピックス ポークパッカーのと畜能力ランキング
ポーク関連ニュース 豚肉小売価格、ロイン低調、ベーコン急騰
需給動向 米国の一人当たり食肉消費、2018年は史上最高
セーフティ関連ニュース 豚と畜検査で新制度提案、パブコメ開始―USDA
USMEFインフォメーション アメリカン・ビーフ新マーチャンダイジングガイド発刊
マーケット・データ 生体牛・豚価格、カットアウトバリュ、穀物先物価格
ファクト・シート ポーク(2017年12月)米国の輸出、
と畜頭数・枝肉生産量、飼養動向、日本の輸入量
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市況ニュース

寒波の影響で生体牛の価格上昇、先物は下落

 
 

生体牛の現金価格とボックスビーフ価格は下落に転じるとの見方が強いが、寒波の襲来が価格を押し上げている。主要5州の去勢牛価格は、生体牛が100ポンド当たり122.89ドル、枝肉価格は194.89ドルと、それぞれ前週比2.97ドル、3.17ドル上昇した。

肥育地帯の北部を襲った大吹雪のため、大手パッカーの一部は先週月曜日、4工場で生産の一時停止を余儀なくされた。肥育業者は生体牛を126ドル以上、枝肉を198ドル以上で売り出したが、木曜日に2月受渡しの先物価格が122.47ドルまで値を下げ、現金市場でも肥育業者は125ドル未満に値を下げざるをえなかった。

5〜6月に出荷時期を迎える肥育牛が急増すると見込まれていることから、6月受渡し契約分の生体牛価格は、4月受渡し分より大幅に安い。アナリストは「フィードロットの飼養頭数は1月1日時点で昨年より8%多い。4月までは需要の強さで乗り切れるが、その後は供給の多さが勝り、値下がりは必至だろう」と予想する。

寒波による肥育面への影響は、USDAのレポートではまだ不明だ。1月12日までの週のプライムの割合は7.52%で新記録をつけ、チョイスは72.30%、合計で79.82%に達し、昨年8月以来の高水準となっている。枝肉重量は去勢牛が前年同週に比べて減少した半面、未経産牛は増加している。

同週のチョイスのカットアウト価格は100ポンド当たり199.29ドルで、前週比2.02ドル高。前年同週比では6.3%高。USDA公表の総販売量は6475ロード(≒コンテナ)で前年より7%少なかった。

 

※2018年1月29日 CATTLE BUYERS WEEKLY

 
トピックス

ポークパッカーのと畜能力ランキング

 
 

NPB(全米豚肉委員会)が公表した2017年ポーク・クイックファクトに、ポークパッカーのと畜能力ランキングが掲載された。2017年秋時点での上位50社合計の1日当たりのと畜能力は48万3835頭。2016年同期に比べて3万5515頭増加した。これは本紙前号で掲載した通り、新しいポーク工場の操業が相次いでいるため。

と畜能力1位はスミスフィールドグループで12万2300頭(スミスフィールド、ジョン・モレル、ファームランド、プレミアム・スタンダードファーム、クラヒティーの計9工場)。2位はJBSの9万3000頭(5工場)、3位はタイソンフーズ8万1050頭(7工場)。トップ3の順位と工場数は変わらないが、JBSはベアーズタウン工場の拡張で1600頭増加、タイソンはローガンスポート工場が100頭増加した。

4位はホーメル2万9500頭(2工場)で変わらず。5位には前年8位のクレメンスフードグループが、コールドウォーター工場の新設稼働により上昇した。6位トライアンフフーズ2万1500頭と7位シーボードフーズ2万500頭は営業が一体化されており、さらに両社の合弁企業によるスーシティー工場も1万200頭で9位に初登場。これらの3工場合計のと畜能力は5万2200頭となる。

全米の1日当たりのと畜能力は48万7435頭。今春にはトライアンフ―シーボードのスーシティー工場が2シフト体制で倍増するほか、2019年にはプレステージファームの新工場も稼働するため、さらに2万頭ほど増加する見込みだが、2017年秋時点でのと畜能力シェアは上位50社で99.3%、上位4グループではスミスフィールドグループ25.1%、JBS19.1%、タイソン16.6%、シーボード・トライアンフグループ10.7%の計71.5%。

  ポークパッカーの1日当たりと畜能力(2017)
 
ポーク関連ニュース

豚肉小売価格、ロイン低調、ベーコン急騰

 
 

USDAの小売レポートをみると、ポークロインの価格は年始から低迷している。生体豚のと畜頭数が史上最高に近い水準で推移する中、牛ひき肉やステーキの販促が増えたことで、ポークチョップの動きが停滞しているのかもしれない。

1月初めの3週間、ポークロインの小売における販促率(調査対象総店舗数の中で当該アイテムを販促した店舗の比率)は、前年同期比で15%低い。センターカットボンレスポークチョップの特売価格の平均は、前年同期比6%安。販促比率の低下で販売量も伸びず、ロインの冷凍在庫は増加していると予想される。

ベーコンの小売価格は、この2週間で急騰している。12月上旬はポンド当たり4.41ドルだったが、1月19日までの週の販促価格は5.06ドルまで上昇。小売業者はベリーの価格変動の敏感になっており、今後数週間は需要が分散し、これ以上の高騰は起こらないだろう。

ハム(モモ)の卸売価格は上昇しているが、これは輸出の需要が高いこととイースターへ向けた買付のため。1月の小売の販促価格は前年より低い。小売と外食の双方で需要が強いベリーは今後も価格変動が続きそうだが、ロイン、バット、ハムは他の食肉に対し比較的割安な価格を維持できる。豚肉の供給が記録的に多いことで、2018年は小売業者にとって豚肉の販促機会が増えるだろう。

 

※2018年1月22日 Pork Merchandiser’s Profit Maximizer

  牛ひき肉・豚チョップ・鶏ムネ肉の小売価格の推移(2011年を100%として比較した場合の高安)
 
需給動向

米国の一人当たり食肉消費、2018年は史上最高

 
 

USDAが公表した食肉需給見通しでは、2018年の国民一人当たりの消費量予測は222.8ポンドと、前月予測(222.2ポンド)からさらに上方修正された。これは統計を開始して以来最高の数値である。上方修正の理由は、全米における牛肉、豚肉、鶏肉の生産量予測がいずれも増加したためだ。

牛肉の生産量予測は、前年比4.9%増から6.1%増に上方修正された2017年第4四半期に、フィードロットへの導入頭数が増加。その結果として2018年前半の出荷頭数も増え、年間の予想生産量は278億ポンドに達する見込み。牛肉の輸入量も29億8千万ポンド(前年比1.3%減)に上方修正された。

豚肉の生産量予想は約270億ポンド(同5.4%増)。ブロイラーの生産量予想も前月予想の同1.8%増から2.1%増に修正された。

一方、米国産牛肉の輸出も増加傾向にある。2017年1-11月の累計輸出量は前年同期比で13%、3億2000万ポンド増加している。その増加の大部分を占めるのがアジア諸国だ。第1位は日本で、輸出量全体の29.5%(2016年27.6%)。次いで韓国16.6%(同17.6%)、メキシコ14.7%(同15.5%)、香港11.1%(同横ばい)、カナダ10.9%(同12.0%)、台湾4.8%(同5.3%)など。

 

※2018年1月29日 CATTLE BUYERS WEEKLY

 
セーフティ関連ニュース

豚と畜検査で新制度提案、パブコメ開始―USDA

 
 

USDA・FSIS(米国農務省食品安全検査局)は1月19日、豚のと畜検査に関する新たな規則を公表し、パブリックコメントの募集を開始した。「NSIS」(新・豚と畜検査制度)は、これまで5施設で15年間にわたる試験を踏まえて導入されるもので、先行して導入されてきた家きん業界の任意の規則であるHIMPと同様のシステム。

パブコメ期間は60日間。新制度の導入を選択しない施設は、現行の検査制度を継続することができる。いずれもFSISによると体、頭部、内臓のすべての検査は継続されるが、NSISを導入する施設には、食品安全を保障する上で、FSISがより高い有効性を認めたオフラインの検査規則が追加される。

提案された規則は、すべての豚と畜施設に対し、HACCP、衛生標準作業手順(SSOP)、その他の必須のプログラムにより、全生産工程を通じて汚染を防止するための措置を実施することを求めている。

それらを前提として、FSISがと体の検査を行う前に、施設の職員が不適当な豚を選別・除去すること、枝肉や各部位の欠陥部分を切断し、特定して整理しておくこと、さらにと畜処理の間、糞便による汚染防止と抗菌措置のための工程管理が維持できるよう、施設側が能力に合わせたライン速度を定めことができる。

NAMI(北米食肉協会)のバリー・カーペンター会長兼CEOは「NSISは5つの豚肉処理工場で15年間にわたって試験的に実施され、より良い検査モデルとなることが証明されている。科学的根拠に基づく検査モデルとしてサポートしたい。規則の最終版が完成し、NSISを通して食品安全を高水準かつ最も効果的な方法で維持できるようになることを期待している」という。

 

※2018年1月29日 CATTLE BUYERS WEEKLY、2月1日Meatingplace.com

 
USMEFインフォメーション

アメリカン・ビーフ新マーチャンダイジングガイド発刊

 
 

米国食肉輸出連合会(USMEF)はこのほど「アメリカン・ビーフ 新マーチャンダイジングガイドブック」を発刊しました。本ガイドブックでは、アメリカン・ビーフの特長と安全・品質管理体制の解説とともに、「ステーキ」「焼肉(BBQ)」「しゃぶしゃぶ」「すき焼き」「カレー&シチュー」「簡便クッキング商品」など、牛肉販売の核となるメニュー用途ごとのアメリカン・ビーフの活用方法と売場づくりのアイデアを満載しています。

アメリカン・ビーフは安定した品質・味覚とともに、細分化された規格製品を単品購入できるため、商品化作業の効率化と適正利益の確保を図る上で、多くの優位性を備えています。本ガイドでは、その特長をフル活用し、アメリカン・ビーフだけで創る牛肉売場の陳列提案例をはじめ、それぞれの用途に適した部位からの多彩なアイテム(セット商品含め53アイテム)と、その商品化作業のポイントを紹介しています。

本ガイドブックは2月14〜16日に幕張メッセで開催される「スーパーマーケットトレードショー」のUSMEFブースにて配布します。USMEFホームページの下記URLでの閲覧、ダウンロードも可能ですので、牛肉の売場の活性化のためにお役立下さい。
https://www.americanmeat.jp/trd/publications/book/index.html

  アメリカン・ビーフで創る新しい牛肉売場・商品提案
 

マーケット・データ

 
 
 
 
 
 
 

ポーク・ファクト・シート