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TRADER'S Be & Po

vol.299 Oct.23.2017
 
米国食肉輸出連合会
NEWS CONTENTS
市況ニュース 生体牛は先物高で現金価格も上昇
トピックス 全米養豚企業トップ40、母豚数24万頭増加
需給予測 豚飼養頭数さらに増加、歴史的な安値予想
輸出動向 牛肉の対日輸出、勢いは衰えず
ワールドトレード 日本、アジア市場は米国産牛肉にとって不可欠
―NCBA
リテール ウォルマート、来期のオンライン売上40%増を予測
マーケット・データ 生体牛・豚価格、カットアウトバリュ、穀物先物価格
ファクト・シート ポーク(2017年8月)米国の輸出、
と畜頭数・枝肉生産量、飼養動向、日本の輸入量
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市況ニュース

生体牛は先物高で現金価格も上昇

 
 

9月第4週の肥育牛価格は、前年同週比で生体牛5%高、枝肉では6%高となった。先物市場は、現金取引価格をリードするというこれまでとは逆の動きを見せた。月曜日の10月契約分の終値は100ポンド当たり107.82ドルと、前週平均の108.01ドルを割り込んだが、その後、反発に転じ、木曜日の終値は110.15ドルまで上昇。これを受けて、肥育業者の売り唱え値は生体牛110〜111ドル、枝肉で172〜174ドルと強含んだ。

一方、カットアウト価格はほぼ横ばいで取引量も少な目だった。週初からの4日間でチョイスは100ポンド当たり0.63ドル、セレクトは0.28ドル上げたものの、取引量はわずか335ロード(≒コンテナ)だった。牛肉の売れ行きは、小売は好調だが、外食業界は不調。NRA(全米レストラン協会)の8月のRPI(レストラン経営指標)は100.2と7月より0.4ポイント低下。売上、客数ともに落ち込んだ。

今年これまでのと畜頭数は前年より5.9%、約130万頭多い。去勢牛と未経産牛の枝肉重量は前年比でそれぞれ7ポンド減、8ポンド減で、依然として前年水準を下回っているが、出荷待ちの肥育牛頭数は前年を上回っている。

ただ、12月受渡し分の先物価格は現金取引価格に対して大幅な高値をつけていることから、今後、肥育業者が出荷を遅らせる可能性もある。また季節的にも枝肉の歩留まり等級4および5の格付け比率が高まる。豚肉・鶏肉も生産が増加し、安価で推移している。これらが先行きのボックスビーフ価格の値下げ圧力となろう。

豚肉の生産増加は2018年も継続する見込みだ。USDAによれば、2017年の豚肉生産量は推定258億4100万ポンド、2018年にはさらに増加し267億1500万ポンドに達する予想。2017年の牛肉生産量は265億5900万ポンド、2018年には272億7500万ポンドと推定されており、鶏肉を含めて主要食肉すべての生産量が増加する見込みだ。

 

※2017年10月9日 CATTLE BUYERS WEEKLY

 
トピックス

全米養豚企業トップ40、母豚数24万頭増加

 
 

Successful Farming誌は10月2日、「ポークパワーハウス2017」(全米養豚企業トップ40)を発表した。これは、保有母豚数をベースにしたランキングで、2017年版で最も注目されるのは40社中25社で母豚数が増加、合計の増加頭数は24万6850頭に達していることだ。

この大幅な増加は2006年以来のこと。2006年当時はこの影響で年後半から豚価が暴落し、2008年まで母豚の淘汰が続いたが、今回は当時とは大きな違いがある。それは9月に2つの新しい豚肉工場が稼働したことだ。ミシガン州のクレメンスフードグループとアイオワ州のシーボードトライアンフフーズの工場だ。さらにアイオワ州ではプレステージフーズが新しい工場をオープンする予定だ。

最も母豚数が増加したのはミネソタ州のPiperstoneシステムの5万5000頭増。同社は3位にランクアップした。アイオワセレクトファームも新しい養豚施設を建設し、3万6000頭の母豚を追加した。

シーボードフーズも3万5000頭増加した。トライアンフフーズの合弁であるアイオワ新工場は1シフト・1万頭で稼働したが、来春には2シフト体制になる計画だ。1位のスミスフィールドフーズは米国内の増加でなく、メキシコやポーランド、ルーマニアで母豚を増やしている。

  全米の養豚企業トップ40(25位まで抜粋)
 
需給予測

豚飼養頭数さらに増加、歴史的な安値予想

 
 

USDA(米国農務省)が公表した豚飼養動向報告(9月1日現在)を基に豚肉の短中期的な供給状況と来夏までの価格を予想してみる。

【2017年秋冬期】

9月1日現在の肥育豚の飼養頭数は6746万2000頭(前年比2.6%増)。これらは9月から来年2月にかけて出荷される。重量区分ごとにみると、9月から10月後半にかけて出荷される180ポンド超の区分は前年比3.9%増。9月のと畜頭数は969万3000頭(同3.3%増)だが、新設2工場の詳細データを加味すると、直近2週間のと畜頭数は上方修正される可能性がある。

120〜179ポンドの飼養頭数は3.9%増。これは10月後半から11月末にかけて出荷されるだろう。予想通りならば、週間と畜頭数が260万頭を超える週も出てくる。新たに2工場が稼働したことで、処理能力についての懸念はない。市況の鍵となるのは輸出を含めた豚肉販売量だ。

先週、先物価格が反発したのは、豚肉販売量の見通しがより前向きとなったことが一因だ。先物市場は、今後2カ月間で増加する生産量の大半は、海外市場で吸収できるという希望的観測の下で推移している。新工場の稼働で昨年のようなパニック売りが回避されることから、肥育豚平均価格はアイオワ・ミネソタベースでポンド当たり53セント、前年比14%高と予想される。しかし過去5年平均比では25%近い下落で、生体豚・豚肉価格は歴史的な安値水準にある。

【2018年春期】

来年3〜5月に出荷される肥育豚頭数は、この9〜11月間の子豚生産頭数で決まる。9〜11月期の分娩見込み頭数は307万頭、前年比0.8%増とされ、前回のレポートより0.1%上方修正されている。これは繁殖母豚数の50.4%で、例年通りの比率となる予想だ。一腹当たりの産子数のトレンドを勘案すると、9〜11月の子豚生産頭数は前年比1.6〜1.8%増と予想される。

2018年第1四半期の枝肉価格はアイオワ・ミネソタベースで平均64セント、前年比3%安と予想される。今年2月はベリーの価格が急騰し、カットアウト価格を支えた。来春のベリー価格は前年より大幅安となるが、生体豚の需要増と季節的な価格上昇を加味すると、第2四半期の枝肉価格はポンド当たり75.6セント、前年比11%高と予想される。

【2018年夏期】

2018年夏の供給は、2017年比2%増の見通し。これは12〜2月期の分娩見込み頭数が1.3%増加し、一腹当たりの産子数も増加傾向にあることを前提とした予想だ。ただ昨年は第4四半期に繁殖豚が著しく増加した。今年は年末にかけた母豚の増加は控えめと予想されるが、12月1日現在の繁殖豚の飼養調査を注視する必要がある。

12〜2月期の子豚生産頭数を2〜2.3%増とすると、来年第3四半期の枝肉価格は73セント、前年比4.3%高と予想する。枝肉価格上昇の主な理由は新設工場の生体豚需要。この影響でパッカーのマージンは低下していくことになるだろう。来年第3四半期のポークカットアウト価格は前年比6%安と予想される。

 

※2017年10月2日 Pork Merchandiser’s Profit Maximizer

  米国の週間当たり豚と畜頭数の推移と予測
 
輸出動向

牛肉の対日輸出、勢いは衰えず

 
 

日本は8月1日から米国産の冷凍牛肉に対し、関税を38.5%から50%に引き上げたが、この影響はまだ見られず、米国産牛肉の人気は継続している。豪州産牛肉の関税は日豪EPAの下でわずか27.2%だが、今のところ、この関税格差で米国産牛肉の輸入が鈍ってはいない。

豪州は関税差で、日本市場におけるシェアを米国から奪還したい構えだが、日本での米国産ショートプレートに対する需要は強い。日本が輸入するショートプレート全体の中で、米国産は7割を占めている。日本や他のアジア諸国で米国産牛肉の輸入が拡大している背景には、米国の牛肉卸売価格が割安で、また為替相場で米ドルが弱まっていることも理由だ。

USDAの最新予想では、2017年の米国の牛肉・子牛肉の輸出量は27億8400万ポンドに達する見込み。これは前年比8.9%増となる。カット肉とバラエティーミートの7月までの累計輸出量は71万136Mトン(前年同期比11%増)、輸出額は39億7000万ドル(同15%増)。8〜9月の輸出も同水準の増加が見込まれている。

最新の週間輸出レポートでは、ボックスビーフ全体の輸出額は前年同週比18%増を記録している。特に高い伸びを示している品目は、112Aリブアイロール・リップオン、キャップ&ウエッジミート、アウトサイドスカート、184 XT トップバット、189A テンダーロインなど。

MLA(豪州食肉家畜生産者事業団)は関税格差によって豪州産牛肉への引き合いが増えることは間違いないとしながらも、楽観視できない理由として①日本で最も人気の高いショートプレートは、米国が日本の要望に合わせた仕様で大量に供給しおり、外食業界の大口顧客は豪州産へ切り替えるのはたやすいことではない②関税は低いものの、供給量や豪ドル高などで価格面の問題もあり、2017年は米国のシェアが拡大している③日本の顧客は、豚肉の使用量を増やしたり、冷凍牛肉の在庫割合を減らすといった選択肢を取ることもできる─と指摘する。

 

※2017年10月2日 CATTLE BUYERS WEEKLY

 
ワールドトレード

日本、アジア市場は米国産牛肉にとって不可欠―NCBA

 
 

NCBA(全米肉牛生産者牛肉協会)会員で、テキサス州クロケットで牧場を経営するケリー・サリバンさんは10月11日の下院の通商歳入委員会の公聴会で、アジア市場で米国産牛肉の輸出機会を拡大することの重要性について公述した。

サリバンさんは「米国の牛肉業界の成否は、世界の消費者とどれだけ強い関係を結べるかにかかっている。長引くNAFTAの交渉やKORUSの破棄あるいは見直しが障害となり、米国の牛肉業界が後退していくことに強い危機感を抱いている。交渉を行う上で、まずはTPPを離脱したことで(日本で)失った基盤を補い、米国の牛肉輸出業者に新たな販路を確保することに重点を置いてもらうよう強く要望する」と述べ、貿易協定が米国の牛肉生産者にもたらす利益に焦点を当て、議会と政府に対し、米韓自由貿易協定(KORUS)の現行協定を維持し、日本との貿易協定については早急に対応するべきだと主張した。

また、「消費者の好みも多様な海外市場では、アメリカ人には好まれないカットに高値がつくこともあり、米国の牛肉生産者にとって輸出は絶対に必要。地域経済は輸出にかかっている。それは輸出を通じて枝肉のすべての価値を最大化することができるから」だと説明した。

サリバンさんは、中国への輸出額が5年以内に年間3億ドルに達するとのUSMEFの試算に言及したうえで、トランプ政権が中国への牛肉輸出再開を実現したことに感謝の意を述べた。

 

※NCBA Newsletterほか

 
リテール

ウォルマート、来期のオンライン売上40%増を予測

 
 

ウォルマートはネット販売での売上が次期会計年度に40%増加することを見込んでいることを発表した。食料品のオンライン注文、カーブサイド・ピックアップ対象店舗を全米で2倍に増やす計画だ。

世界最大の小売企業である同社は新規出店を縮小し続けている。2019年度(会計年度で2019年1月まで)に計画されている新規出店はわずか25店舗。ダグ・マクミロンCEOは「歴史的転換期にいることに疑いの余地はない。将来に向けていっそうデジタル化を進めていく」と語った。同社はアマゾンの他、ターゲットなど従来の競合他社に対抗するべく、様々な買収を通じてEコマースを強化してきた。

アナリストは「ウォルマートはその巨大な実店舗網の基盤に結び付けたオンラインサービスを拡大しているが、店舗数の拡大は短期的には衰退期にさしかかっている。来年オープン予定のスーパーセンターは15店舗未満、ネイバーフッド・マーケッツは10店舗未満。新規出店からオンライン事業の発展や店舗改装へと大きく転換し、特にオンライン注文商品が受け取れる店舗を1000店舗増やすことで、米国の食料品業界トップの地位をキープしようとしている」と分析している。

 

※2017年10月11日 FOODMARKET.Com

 
 

マーケット・データ

 
 
 
 
 
 
 

ポーク・ファクト・シート