7月の豚肉輸出量は、豚肉価格の上昇もあって落ち込んだ。各国のバイヤーは米国の豚肉生産が晩夏から秋季にかけて大幅に増加することを見込んで、7月の高騰は短期的なものと見込んで購入をセーブしたのかも知れない。
7月の豚肉総輸出量は3億9000万ポンド(前年同月比3.8%減)、実数では1550万ポンドの減少。この大きな要因は、中国向け輸出量が急減していること。7月は中国本土向けが2000万ポンド(同57.4%減)、2700万ポンド減。香港向けは840万ポンド(同39.2%減)。
最大の輸出市場であるメキシコ向けは1億2870万ポンド(同10.4%増)。1-7月累計では10億2000万ポンド(同22.7%増)で、全体の輸出増を支えている。韓国向けも7月が同18.6%増、1-7月累計で同31.9%増と堅調だ。
週間輸出動向を基にした推定で、8月の輸出は緩やかな増加基調に転じ、9月は同7%増と見込まれる。2016年秋季は豚肉輸出が急増し、豚価を支えた。出荷頭数・豚肉生産量が大幅に増加する今秋の市況は、さらに輸出の重要性が高まる。特にメキシコ向けは昨年の月平均が1億6000万ポンド。今年は1億7000万ポンドをこの市場で消化できるかどうかだ。中国の減少分を吸収できる市場は限られている。メキシコ向けのハム(モモ肉)の輸出を維持できるかどうかが第4四半期の生体豚・豚肉価格にとって大きな鍵となるだろう。
7月の牛肉総輸出量は2億3940万ポンド(同10%増)、2180万ポンド増加した。輸出先トップの座を維持する日本が、この増加の大部分を占める。7月の日本向けは7470万ポンド(同22%増)。第2位のメキシコ向け4030万ポンドを大きく引き離している。日本向けの1-7月累計は4億7700万ポンド(同25%増)。
香港向け2180万ポンド(同33%増)など、他のアジア市場向けの輸出も伸びている。8・9月の週間輸出データを基にした推定では、8月の牛肉輸出量は2億9400万ポンド(同28%増)、9月は12%増と見込まれる。この予想が正しければ、今秋の牛肉生産量の増加分の過半は輸出市場で吸収され、それが牛肉のカットアウト価格を下支えするだろう。
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