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TRADER'S Be & Po

vol.294 July 24.2017
 
米国食肉輸出連合会
NEWS CONTENTS
市況ニュース 生体牛とカットアウト価格ともに下落基調
ベリー高騰がカットアウト、肥育豚価格をけん引
業界ニュース アメリカ、カナダで牛肉消費量が増加
ポーク関連ニュース 5月の豚肉輸出10%増、メキシコとアジアの需要堅調
リテール ウォルマート、牛肉をより高品質なアンガスビーフに切り替え
USMEFインフォメーション ごちポオールスターズ」ステッカー &
「ごちぽのうた〜トンカツ編〜」CDを作成配布
マーケット・データ 生体牛・豚価格、カットアウトバリュ、穀物先物価格
ファクト・シート ビーフ(2017年5月)米国の輸出、
と畜頭数・枝肉生産量、飼養動向、日本の輸入量
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市況ニュース

生体牛とカットアウト価格ともに下落基調

 
 

独立記念日の祝日が終わって牛肉需要の停滞する盛夏に入ったことを受け、生体肥育牛の現金取引価格と牛肉カットアウト価格は右肩下がりの局面に入った。7月6日午後の生体牛取引価格は100ポンド当たり117〜118ドル。前週比で1ドル安、5月第1週に記録した週間最高値からは21ドル安となった。

7月第1週は祝日を除く3日間で、チョイスのカットアウト価格が100ポンド当たり4.68ドル下落。6月12日の最高値記録との比較では32.47ドル安となった。アナリストは「肥育牛・カットアウト価格とも今後4週間は安定しない。かなり値下がりする可能性がある」という。

カットアウト価格は現状でも昨年よりかなり高い水準にあるため、肥育牛価格より大幅な下落が見込まれている。6月最終週のカットアウト価格は全体平均で227.04ドル、前週比3.9%安だが、前年同週比では10.3%高い。肥育牛の平均価格は118.64ドル、枝肉は189.95ドルで、それぞれ前年比3.2%安、2.9%安。

生体牛の先物価格は先週、8月受渡し契約分が水曜までに275ポイント低下。これを受けた中西部の肥育業者は、生体牛を117ドル、枝肉を188ドルで売り出したが、木曜日には8月分取引が114.95ドルとさらに値下がりし、南部では生体牛が117〜118ドル、コロラドでは118ドルで3200頭が販売された。現金価格より先物価格が大幅に安いことから、肥育業者は引き続き積極的な出荷販売を続けている。

少なくとも今後3週間は下落基調が予想される。盛夏の需要停滞期に入り、生体牛・カットアウト価格ともに“夏バテ”するだろう。生体牛の現金取引は維持目標価格が115ドル、これを下回ると110ドル近辺まで下がるかも知れない。チョイスのカットアウトの次の目標は210〜212ドルだが、一部には「8月下旬まで200ドル台を維持できるかどうかが焦点だ」という見方もある。

 

※2017年7月10日 CATTLE BUYERS WEEKLY

 
 

ベリー高騰がカットアウト、肥育豚価格をけん引

 
 

7月7日のポークカットアウト価格の終値は100ポンド当たり105ドル、前年比17.3%、15.5ドル高となった。一部の強気予想をも大幅に上回る高値だ。豚肉の供給量は前年を上回っており、この価格高騰は国内と輸出の双方の市場で強い需要があることの証だ。

高値をけん引する国内要因はベリー価格。カットアウト価格の上昇分の約75%はベリーの価格上昇によるものだ(グラフ参照)。ロイン、バット、ピクニック、リブも前年より高いが、ベリーは事前予測をはるかに上回って推移している。

4月のベリープライマルの底値は、100ポンド当たり106ドル前後だった。この時点で予想された夏季のベリー価格は、供給の減少や小売の販促増などを加味して36%高、160〜165ドルだ。過去5年間(2012〜2016年)の夏季の価格上昇率は平均50%前後で、この予想は低い方だろう。

ただ、ベリーは価格変動が激しい製品だ。過去5年間の夏の価格上昇率は、9%(2013年)から162%(2015年)までと幅広い。特に注目すべきは2015年の動き。今年と同様、2015年はベリーの価格が春季に暴落したことで、小売業者が夏季の販促に向けてかなりの量を予約購買、夏場に集中販売することができたが、その後、ベリー価格は8月に175ドルでピークを迎え、年末には100ドル割れとなった。

今年も同様の下落が起こる可能性がある。7月のベリー価格は平均200ドルを超え、その後、年内に130ドルを割ると予想する。現在、ベリー価格が過去最高値にあることから、ベーコンの平均小売価格は9月までに急上昇することが予想される。

 

※2017年7月10日 Pork Merchandiser's Profit Maximizer

  ポークベリープライマルの価格推移
 
業界ニュース

アメリカ、カナダで牛肉消費量が増加

 
 

北米で牛肉の消費量が増加している。供給量が増加しているためだが、牛肉への消費支出金額も増加傾向にある。市場調査のCanfaxによれば、カナダの2016年の小売の牛肉需要指数は1989年以来最高水準にある。

カナダの2016年の一人当たり牛肉消費量は、2012年以降で初めて前年を上回った。小売の販売重量を基にすると、一人当たりの牛肉消費量は40.0ポンド(18.2kg)、前年比2.8%増。国内の生産量拡大を受け、牛肉の消費量は枝肉重量ベースで90万7103トン、同4.1%増。

2016年の食肉消費量に占める牛肉のシェアは30.7%で、前年(29.5%)より上昇し、豚肉を上回った。2016年の牛肉購入金額は3.9%増加し、86億4000万カナダドルに達した。2017年の第1四半期は枝肉重量が低下し、輸出需要が堅調だったことから、国内供給量は予想よりも若干少なかったものの、「まだ供給がひっ迫することはない」という。

一方、USDA(米国農務省)の統計では、米国における一人当たりの牛肉の消費量は、2016年の55.6ポンド(約25.2kg)に対し、2017年は56.5ポンド(25.6kg)、2018年は58.0ポンド(26.3kg)と予測されている。この増加の要因は生産量の増加にある。2017年の牛肉生産量は前年より10億ポンド増、2018年はさらに9億ポンド近く増加する見込みだ。

 

※2017年7月10日 CATTLE BUYERS WEEKLY

 
ポーク関連ニュース

5月の豚肉輸出10%増、メキシコとアジアの需要堅調

 
 

5月の食肉輸出量は全体的に増加したが、特に豚肉はメキシコとアジア市場の高い需要がけん引し、好調だった。3月(17万6574トン)の記録的水準には届かなかったものの、冷蔵・冷凍および調理済み製品の総輸出量は17万4245トン(前年同月比10.3%増)を記録した。

最大の輸出先は引き続きメキシコで、5万6101トン(同21.7%増)。次いで日本向けは3万4743トン(同12.7%増)、韓国向けも1万5041トン(同51.5%増)と堅調な伸びを見せた。しかし、中国はこの2カ月間減少している。5月の中国向け輸出量は1万6907トン(同37.8%減)だった。

現在までの週間輸出データを基に推定すると、6月から7月上旬の輸出は著しく減速すると予想される。6月の輸出量は推定で前年同月比2.7%増、7月は同4.1%増と予想される。米国産豚肉の供給は潤沢で、EU産の価格に対する競争力が高まっていることから、秋季も輸出は引き続き拡大基調が見込まれる。

 

※2017年7月10日 Pork Merchandiser's Profit Maximizer

  2017年5月の豚肉輸出量の国別増減(対2016年5月)
 
リテール

ウォルマート、牛肉をより高品質なアンガスビーフに切り替え

 
 

ウォルマートは、販売する牛肉のグレードをより高級な「アンガスビーフ」に切り替えた。同社のシニアバイスプレジデント、スコット・ニール氏によると、同社はこの一年間、タイソンフーズやカーギルといった食肉業界大手と協力してアンガスビーフの供給量を確保し、アンガスビーフ・ステーキやローストを据え置き価格で提供できる体制を築き、この3月から全米4700店舗でアンガスビーフを販売しているという。

これは、急速な競争激化に対するウォルマートの対応策の一つだ。ドイツのディスカウントストア、アルディとリドルが積極的に店舗を拡大、アマゾンはホールフーズ・マーケット社を買収して業界を揺るがす脅威となっている。ウォルマートは、カーブサイド・ピックアップ(オンラインで注文した食料品を、車を降りずに受け取れる)サービスを提供し、農産物や食肉といった集客のカギとなる生鮮食品を高品質化することで、顧客の支持を獲得したい考えだ。

アンガスビーフは、その霜降りと柔らかな肉質で高品質牛肉の代名詞とされ、大手ファーストフードチェーン店でアンガス・バーガーが提供されるなど、近年の需要はうなぎ登りだ。米国では干ばつの影響で、2014年には牛群が1951年以降最小規模になり、ここ10年間、牛肉消費量は減少してきた。しかし供給が増加したことを受けて、USDAの予測でも消費回復が見込まれていることから、「成長の可能性という点で、牛肉に決定的なチャンスが訪れている」とニール氏はいう。

アンガスビーフは、ホール・マッスルビーフ製品として1頭丸ごと提供されており、リブアイステーキはポンド当たりわずか10ドル程度だという。牛ひき肉は今回の切り替えの対象外で、仕入れ先は幅広く、アンガス牛以外に由来するものもある。生産者団体のブランド「サーティファイド・アンガス・ビーフ(CAB)」でなく、自社の「ベリファイド・アンガス」と称しているが、ニール氏は「ウォルマートのアンガス製品は霜降り・味わい・一貫性といった点でCABと同等の品質基準を設定している」という。

ウォルマートが前回、販売する牛肉のグレードを格上げしたのは2011年。セレクトからチョイスへの格上げを図った。当時は供給業者が他の小売店から在庫を移動したため、この変更に18カ月間かかったが、それによってウォルマートの牛肉市場シェアは4%増えたという。

 

※2017年7月5日 Bloomberg News

 
USMEFインフォメーション

「ごちポオールスターズ」ステッカー &
「ごちぽのうた〜トンカツ編〜」CDを作成配布

 
 

米国食肉輸出連合会(USMEF)はこのほど「ごちポオールスターズ」ステッカーを新たに作成しました。これは、アメリカン・ポークのロースを使った4種類の人気メニューのステッカーです。それぞれ新たにキャラクターも作成しました。また、これら4つのメニューは、料理研究家の行正り香さん考案によるものです。そのレシピに基づいた動画も作成しました。レシピと動画は、弊会ウェブサイトの「ごちポオールスターズ」で紹介をしております。是非一度ご覧ください。

また、今回「ごちポのうた〜トンカツ編〜」CDも作成しました。これは量販店の精肉売り場や、惣菜売り場で使っていただける内容となっております。弊会サイトよりCDを発注していただくか、ダウンロードして使っていただけます。

「ごちポオールスターズ」ステッカー&「ごちポのうた〜トンカツ編〜」を、みなさまの販促活動にお役立て頂ければ幸いです。

ステッカー規格は1セット:500枚 × 4(2000 枚)、サイズは横50mm×縦35mm。

【発注方法】

ステッカー & CDは弊会業界向けサイトの販促ツール申し込みフォームからご注文いただけます。

【CD ダウンロード】

CDの音源データ(mp3)は弊会業界向けサイトのごちポ販促ツールページからダウンロードしていただけます。

  「ごちポオールスターズ」ステッカー
  「ごちぽのうた〜トンカツ編〜」CD
 

 

 

マーケット・データ

 
 
 
 
 
 
 

ビーフ・ファクト・シート