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TRADER'S Be & Po

vol.292 June 26.2017
 
米国食肉輸出連合会
NEWS CONTENTS
ワールドトレード 米国産牛肉の中国向け輸出再開、EVプログラム公表
市況ニュース 牛肉カットアウト価格はピーク、今後は下落基調に
ポークカットアウト堅調、ベリー、トリミングが上昇
需給トレンド 2017年の食肉生産量予測を下方修正、2018年は増加
業界ニュース CSビーフパッカーズが操業を開始
USMEFインフォメーション 「アメリカン・ビーフ チャック&ラウンドの活用術」発刊
マーケット・データ 生体牛・豚価格、カットアウトバリュ、穀物先物価格
ファクト・シート ビーフ(2017年4月)米国の輸出、
と畜頭数・枝肉生産量、飼養動向、日本の輸入量
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ワールドトレード

米国産牛肉の中国向け輸出再開、EVプログラム公表

 
 

米中両国政府は6月12日、米国産牛肉の輸出条件で合意に達したことを発表し、USDA・AMS(米国農務省・海外農業サービス局)は同日付で中国向けの輸出証明(EV)プログラムの内容を公表した。

中国向けの米国産牛肉輸出は2003年に禁止されて以降、14年ぶりの輸出再開となる。この間、中国は主要な牛肉輸入国へと発展し、輸入額は2012年の2億7500万ドルから2016年には25億ドルにまでに拡大した。世界最大の牛肉生産国である米国は、世界第4位の輸出国でもあり、2016年の輸出額は54億ドルを超えている。中国が輸入を禁止する以前は、中国にとって最大の牛肉輸入相手国であり、輸入全体の7割を占めていた。

輸出条件の有効日は5月24日で、中国向けEVプログラムの主な規定は30カ月齢未満の牛に由来する冷蔵または冷凍の①骨なし・骨付き牛肉②内臓=腎臓、肝臓、第三胃(その他の内臓は不可)③横隔膜④ほほ肉、頭肉、舌、唇⑤足、腱、牛骨⑥テール⑦バックストラップ⑧被膜組織⑨ひき肉(食道を除く部位でUSDA・FSISの規定に沿って製造されたもの)。

牛肉製品は次の牛に由来すること=①米国内で分娩、肥育、と畜された牛②カナダまたはメキシコから輸入され、米国内で肥育・と畜された牛③カナダまたはメキシコからと畜のために輸入された牛(と畜場直行牛)。①は個別IDにより出生農場まで追跡可能であること、②③は米国に輸入された直後に導入された農場や入国場所まで追跡できることが条件となっている。

また中国の規則で使用が禁止されている成長促進物質、飼料添加物およびその他の化合物については、製品中に含まれてはならいと規定されている。

中国向けEVプログラムと認定施設リストは下記参照。

 

※2017年6月12日 USDA 6月13日 Meatingplace.comほか

 
市況ニュース

牛肉カットアウト価格はピーク、今後は下落基調に

 
 

生体牛と牛肉の卸売価格は、夏の停滞期突入を前にピークに達したようだ。生体牛と牛肉価格は5月第4週から予想以上の上昇を見せ、6月第1週にチョイスのカットアウト価格は3日間連続で100ポンド当たり250ドルを超えた。これは前年同週比で11%高い。

6月第2週のカットアウト価格も概ね堅調と予想されるが、その後は下降局面に入るとの見方が強い。アナリストは「パッカーと小売業者の7月分の商談価格は6月よりも低くなっている。7月4日の独立記念日を過ぎると、小売業者の牛肉販促は極端に減少すると予想され、牛肉卸売価格は下落基調から暴落へと進むこともありえる」という。

先週のボックスビーフ価格は、チョイスが100ポンド当たり5.15ドル、セレクトは1.95ドル上昇。チョイスとセレクトの混合カットアウト平均価格は、8日に250.39ドルをつけ、2015年9月中旬以来の最値となった。「昨年、チョイスのカットアウト価格は、6月の高値から7月末までの7週間で17.50ドル下落した。現在の価格が昨年よりはるかに高いことから、今年の下げ幅はそれ以上になるだろう。今週から下降し始め、その後7月末までに20〜25ドル下落する可能性もある」と予想する。

一方、生体牛の現金取引価格は安定的に推移した。主要5州の去勢牛平均価格は100ポンド当たり136.29ドルで、前週比4.77ドル高。枝肉価格は平均で216.00ドル、同7.39ドル高だった。ネブラスカでは6日に6121頭が135.00ドルで取引された。7日にはネブラスカとアイオワでそれぞれ4000頭余りが枝肉で219.68ドル、219.88ドルで取引された。

 

※2017年6月12日 CATTLE BUYERS WEEKLY

 
 

ポークカットアウト堅調、ベリー、トリミングが上昇

 
 

ポークカットアウト価格は堅調に推移している。ベリー(バラ肉)の価格の強さと合わせて、ポークトリミング価格が低脂肪、高脂肪ともに上昇していることが要因だ。ビーフの50CL(赤身率50%のひき材)は下落しつつあるが、72CLポークトリム価格は100ポンド当たり95.35ドル、前年比で22%高。高脂肪のポークトリム(42CL)価格も急上昇しており、底値だった5月上旬の同30ドル台から現在は54ドルをつけている。

トリム価格の上昇は、一部のマッスルカット、特にハム(モモ肉)の最低価格を下支えする。現在ボンインのハムは多くが60ドル台と低価格で取引されているが、トリミングの価格上昇に連動して、ハムの価格が引き上げられるのは時間の問題だろう。

枝肉の約4分の1を占めるポークロイン・プライマルは、例年6月に価格が上昇する。今年も例外ではなく、ロイン価格は6月下旬にピークに達すると予想される。ロイン、トリム、ベリー価格の堅調さがポークカットアウト価格を押し上げ、続いて生体豚の現金取引価格の上昇に繋がるだろう。

短期的観点では、アイオワの気温上昇とその生体豚重量への影響を注視する必要がある。去勢豚、未経産豚の重量はすでに前年同期より1.5%軽い。パッカーの所有する生体豚は、平均重量がさらに低下している。現在、生体豚の供給は年間で最も少ない水準にあり、生体豚とカットアウトが同様に上昇する公算が大きい。

ベリーは冷凍在庫が依然としてひっ迫しており、小売でベーコンの販促に焦点になる7月4日までは価格も堅調に推移するだろう。6月第1週の木曜日に、ポークベリープライマルは100ポンド当たり156ドルをつけた。これは前週比4%高、前年同週比で30%も高い。在庫が少ないことから、ポークベリープライマルが今年これまでの最高値(2月・180ドル台前半)まで戻すこともありえる。ベリーが25ドル上昇すれば、ポークカットアウト価格は5ドルほど上昇することも予想される。

 

※2017年6月12日 Pork Merchandiser's Profit Maximizer

  ポークベリーの価格の推移
 
需給トレンド

2017年の食肉生産量予測を下方修正、2018年は増加

 
 

USDAが公表した最新の世界農業需給予測レポートで、2017年の米国の食肉総生産量は牛肉、豚肉の生産量予測が先月時点よりも下方修正され、2018年は上方修正された。2017年の総生産量は1004億3500万ポンド(2016年実績比2.9%増)。2018年は1033億1800万ポンド(2017年予測比2.9%増)。

2017年の牛肉生産量は262億2500万ポンド(2016年比3.9%増)と、先月予測から下方修正された。2017年後半のと畜頭数の増加予測は変わらないが、枝肉の軽量化がと畜増を相殺して余りあるというのが主な理由だ。2018年の牛肉生産量は、フィードロットへの導入増加予測から、271億1100万ポンド(2017年予測比3.4%増)に上方修正された。2017〜2018年の牛肉貿易に関する予測は先月と変わらない。

2017年の豚肉生産量は、第2四半期現在のと畜ペースと枝肉重量の軽量化によって1億6000万ポンド下方修正され、258億9400万ポンド(同3.8%増)となった。2018年の生産量予測は変更なく、269億1000万ポンド(同3.9%増)。2017年の豚肉輸出予測は先月と同様だが、輸入予測は上方修正された。2018年の輸出入予測は変化なし。

2017年の生体牛・生体豚価格は、先月から上方修正された。今年に入ってからの価格の強さが、第3四半期も継続するとの見方による。肥育牛価格は、5月の予測の100ポンド当たり120〜125ドルから122〜126ドルに引き上げられた。生体豚価格は5月予測の100ポンド当たり44〜46ドルから46〜48ドルの幅に修正された。

 

※2017年6月12日 Meatingplace.com

 
業界ニュース

CSビーフパッカーズが操業を開始

 
 

CSビーフパッカーズは5月30日、アイダホ州クナの工場から牛肉を初出荷した。今秋までに1シフトの処理数を増加させ、1日当たり1100〜1200頭を処理できるようにする。最終的に最大と畜能力は1700頭となる計画だ。米国で新設の雌牛と畜工場が稼働するのはこの10年間で初。

CSビーフパッカーズは、テキサス州アマリロのカビネス・ビーフ・パッカーズと、アイダホ州ボイシのJ.R.シンプロット・カンパニーの2企業によるジョイントベンチャー。新工場の稼働により、地域の酪農家や牛肉生産者は地域外に生体牛を運送する手間が軽減されるが、同地域にある大手パッカー2社・2工場との集荷競争が激しくなることも予想される。

USDAのデータでは1月1日時点で、ワシントン州、オレゴン州、アイダホ州の雌牛飼養頭数は227万頭(肉牛127万1000頭、乳牛99万9000頭)。アイダホ州だけで乳牛は60万頭。新工場へはユタ州北部、ネバダ州北部、モンタナ州西部からも雌牛が出荷されるだろう。これら3州の雌牛の飼養頭数は225万4000頭。6州合計では、2年前に比べて雌牛の飼養頭数が27万4000頭増加しており、この工場の操業開始はまさにタイムリーだ。

 

※2017年5月29日 CATTLE BUYERS WEEKLY

 
USMEFインフォメーション

「アメリカン・ビーフ チャック&ラウンドの活用術」発刊

 
 

米国食肉輸出連合会(USMEF)はこのほど『アメリカン・ビーフ トレードセミナー』を開催し、アメリカン・ビーフに関する最新情報を提供するとともに、カッティングデモンストレーションを通じて「トップラウンド・キャップオン」「フラットオブラウンド」「ショルダークロッド」の新しい活用策を提案しました。

同セミナーでの提案内容をより多くの関係者にご理解いただくために、このほど「売れて儲かる! アメリカン・ビーフ チャック&ラウンドの活用術」と題した小冊子(A4サイズ・8頁)を作成いたしました。下記URLで閲覧、ダウンロードが可能ですので、ご一読いただき、アメリカン・ビーフの商品化と販売促進にご活用いただければ幸いです。

  売れて儲かる! アメリカン・ビーフ チャック&ラウンドの活用術
 

 

 

マーケット・データ

 
 
 
 
 
 
 

ビーフ・ファクト・シート