ポークカットアウト価格は堅調に推移している。ベリー(バラ肉)の価格の強さと合わせて、ポークトリミング価格が低脂肪、高脂肪ともに上昇していることが要因だ。ビーフの50CL(赤身率50%のひき材)は下落しつつあるが、72CLポークトリム価格は100ポンド当たり95.35ドル、前年比で22%高。高脂肪のポークトリム(42CL)価格も急上昇しており、底値だった5月上旬の同30ドル台から現在は54ドルをつけている。
トリム価格の上昇は、一部のマッスルカット、特にハム(モモ肉)の最低価格を下支えする。現在ボンインのハムは多くが60ドル台と低価格で取引されているが、トリミングの価格上昇に連動して、ハムの価格が引き上げられるのは時間の問題だろう。
枝肉の約4分の1を占めるポークロイン・プライマルは、例年6月に価格が上昇する。今年も例外ではなく、ロイン価格は6月下旬にピークに達すると予想される。ロイン、トリム、ベリー価格の堅調さがポークカットアウト価格を押し上げ、続いて生体豚の現金取引価格の上昇に繋がるだろう。
短期的観点では、アイオワの気温上昇とその生体豚重量への影響を注視する必要がある。去勢豚、未経産豚の重量はすでに前年同期より1.5%軽い。パッカーの所有する生体豚は、平均重量がさらに低下している。現在、生体豚の供給は年間で最も少ない水準にあり、生体豚とカットアウトが同様に上昇する公算が大きい。
ベリーは冷凍在庫が依然としてひっ迫しており、小売でベーコンの販促に焦点になる7月4日までは価格も堅調に推移するだろう。6月第1週の木曜日に、ポークベリープライマルは100ポンド当たり156ドルをつけた。これは前週比4%高、前年同週比で30%も高い。在庫が少ないことから、ポークベリープライマルが今年これまでの最高値(2月・180ドル台前半)まで戻すこともありえる。ベリーが25ドル上昇すれば、ポークカットアウト価格は5ドルほど上昇することも予想される。
|