今後5カ月間の生体牛の供給は、昨年とは全く違った展開となりそうだ。昨年の現金取引価格は、8月まで値上がりを続け、10月上旬に暴落した。今年は肥育業者が積極的な出荷を継続している限り、こうした動きはくり返さないだろう。
第1四半期の肥育牛の出荷頭数は2003年以降で最高だった。3月の出荷頭数は191万4000頭(前年同月比9.6%増)と2012年以降で最多を記録。肥育業者は4月中旬から始まった価格上昇のチャンスに乗り、4月も順調に出荷している。
第1四半期のフィードロット導入頭数は、前年同期より39万6000頭多かった。
3月の導入頭数は前年同月比11%増、21万頭多く、1996年の統計開始以来、3月として最多だ。導入の重量別内訳を見ると、800ポンド以上が83万7000頭で40%を占めるが、700〜799ポンドの区分も前年より13万頭多い62万頭が導入された。
出荷頭数が多いことから、4月1日現在のフィードロット総飼養頭数は1090万4000頭、前年同期比でわずか0.5%増、5万1000頭の増加にとどまっている。アナリストは「第1四半期は前年同期より約37万2000頭多く出荷された。第2四半期の出荷も前年同期をおよそ2%上回るだろう」と予想する。
牛肉の季節的需要が6月末までにピークを迎えれば、肥育牛価格は下降傾向に入る。だが、今年は積極的な出荷により、秋季の底値に向けた下落は通常より小幅になろう。過去10年間の平均価格を見ると、春季から秋季にかけての下落率は14.4%。アナリストは「今年の下落率は8〜10%程度にとどまる可能性がある」という。
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