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TRADER'S Be & Po

vol.288 Apr.24.2017
 
米国食肉輸出連合会
NEWS CONTENTS
トピックス セング会長が会見、2017年の対日輸出目標示す
市況ニュース 生体牛、カットアウト価格ともに続落
輸出動向 2月の豚肉輸出15%増、過去最高を記録
牛肉輸出、日本、韓国、台湾向けチルド拡大
需給動向 第1四半期は出荷増と需要好調で活況
ワールドトレード 米国産牛肉のタイ向け輸出条件改正、販路拡大
フードサービス マクドナルドがフレッシュビーフパティ使用
マーケット・データ 生体牛・豚価格、カットアウトバリュ、穀物先物価格
ファクト・シート ビーフ(2017年2月)米国の輸出、
と畜頭数・枝肉生産量、飼養動向、日本の輸入量
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トピックス

セング会長が会見、2017年の対日輸出目標示す

 
 

米国食肉輸出連合会(USMEF)は 4月18日、都内ホテルで記者発表会を開催しました。フィリップ・セング会長兼CEO(写真)は「U.S & Japan “The most Important Relationship Bar None”」と題してプレゼンテーションを行い、米国と日本の食肉マーケットの現状や貿易関係を解説したのち、米国の食肉業界にとって日本は最も重要な市場であるとし、より緊密な関係づくりへの決意を表明。2017年の対日輸出目標はアメリカン・ビーフ(内臓含む)が前年比112%の267439トン、アメリカン・ポーク(シーズンドポーク含む)は同103%の36万5031トンを目指す方針を説明しました。

引き続き、山庄司岳道ジャパンディレクターが「2017年業界向け活動に関して」、土方多寿子生活者部門・パブリックリレーションズシニアマネージャーが「2017年生活者向け活動に関して」と題して、具体的な活動内容を発表しました(主な活動計画は本紙・USMEFインフォメーションコーナーで順次、紹介していきます)。

  フィリップ・セング会長兼CEO 写真
 
市況ニュース

生体牛、カットアウト価格ともに続落

 
 

生体牛の現金取引とボックスビーフの価格は、いずれも3月末から4月初旬にかけて続落した。グリルシーズン入りを控えているものの、4月の市況は最終週まで下落傾向が続き、安定しない可能性がある。アナリストは、イースター(今年は4月16日)が終わると牛肉の売上は落ち込むことが多いという。

出荷適正の肥育牛の供給増、去勢・未経産牛のと畜増、そして牛肉の生産増が予想されることから、5月に向けて価格回復は鈍くなりそうだ。昨年の肥育牛価格は5月に一時的に回復し、その後は年末までほぼ毎週値下がりを続けた。今年も同様の傾向となる可能性が高い。ボックスビーフ価格は昨年と同様に3月下旬に週間最高値をつけ、その後値下がり傾向をたどっている。

現金取引価格に対して、先物市場は大幅に値下がりしている。4月契約分の終値は118.80ドル、6月契約分は110.12ドルだった。ボックスビーフ価格も急落し、総合カットアウト価格は214.90ドルと前週比1.70ドル安。チョイスのカットアウト価格は月曜から木曜にかけて6.22ドル下落、セレクトは3.72ドル下落した。

 

※2017年4月10日 CATTLE BUYERS WEEKLY

 
輸出動向

2月の豚肉輸出15%増、過去最高を記録

 
 

USDA公表、USMEF編さんの2月の食肉輸出統計によると、2月の米国産豚肉(内臓含む)の輸出量は19万7025トン(前年同月比15%増)と2月としては過去最高となった。輸出額は4億8670万ドル(同17%増)。1〜2月累計は39万9692トン(同18%増)、9億9530万ドル(同22%増)。

2月の豚肉生産量に占める輸出比率は27.6%、正肉単体では22.9%を占めた。1〜2月累計の輸出割合も前年同期を上回り、全体で26.8%(前年は23%)、正肉で22.2%(同19.3%)となった。2月の輸出額は、肥育豚一頭当たり換算で51.94ドル(前年同月比18%増)。1〜2月累計では51.05ドル(同20%増)だった。

2月の輸出量の伸びを牽引したのはメキシコ市場だ。メキシコ向け輸出量は6万4990トン(同22%増)、輸出額は1億1600万ドル(同28%増)。メキシコでは1人当たりの豚肉消費量が増加を続けており、国内の豚肉価格も上昇している。メキシコからの需要が強いことで、骨付きモモの価格は4%上昇している。

一方、輸出額を牽引するのは日本市場だ。日本向け輸出量は3万2178トン(同14%増)、輸出額は1億3040万ドル(同18%増)。1〜2月累計では6万3755トン(同10%増)、2億5610万ドル(同14%増)。日本向けのチルドポークの輸出量は7%増加した。

中国・香港向けは、引き続き豚バラエティーミートの輸出が多く、4万2881トン(同5%増)、8320万ドル(同12%増)。韓国向けは1万4649トン(同26%増)、3820万ドル(同29%増)。

  米国の豚肉輸出量の月別推移
 
 

牛肉輸出、日本、韓国、台湾向けチルド拡大

 
 

2月の牛肉(バラエティーミート含む)輸出量は9万417トン(前年同月比9%増)、輸出額は5億850万ドル(同16%増)。1〜2月累計は18万6905トン(同13%増)、10億2千万ドル(同17%増)。牛肉生産量に占める輸出比率は、全体で12.6%、正肉単体では10.1%。輸出額の肥育牛一頭当たり換算は276.96ドル(同13%増)だった。

輸出量、金額ともに日本市場がけん引している。日本向け輸出量は2万3789トン(同48%増)、輸出額は1億3430万ドル(同55%増)と大幅な伸び。1〜2月累計は4万6276トン(同41%増)、2億5960万ドル(同44%増)。このうち、チルドビーフの輸出量は1万9404トン(同60%増)。日本の輸入データを見ると、豪州産牛肉のシェアが44%に低下し、米国産は45.6%へと拡大。この2カ月間、米国産牛肉の輸入量が豪州産牛肉を上回っている。

韓国向けも1万3093トン(同 11%増)、8600万ドル(26%増)と引き続き好調。特に1〜2月のチルドビーフ輸出量は5384トン(同95%増)と倍増近い伸び。台湾向けは輸出量が33%増、輸出額26%増。香港向け輸出量は19%減。

  米国の牛肉輸出量の月別推移(バラエティーミート含む)
 
需給動向

第1四半期は出荷増と需要好調で活況

 
 

2017年の第1四半期は、肥育業者とパッカーにとって予想以上の好結果となった。フィードロットからの活発な出荷と、国内外での良好な牛肉需要により、生体牛の現金価格は年初の予想をはるかに上回る水準で推移。ボックスビーフ価格は2月中旬から3月末にかけて大幅に回復した。

1月のフィードロット出荷頭数は、前年同月比3.6%増、5万7000頭増加した。2月の出荷ペースはさらに速まり、同10.2%、16万2000頭増加。3月も前年同月を上回り、およそ5.4%、9万頭増加したと推定される。アナリストは「過去5年平均と比較すると、3月はおよそ12万9000頭が前倒しで出荷されたことになる。今後10月までは前年比、過去5年平均比とも10%以上割り込んだままだろう」と予想する。

アナリストの年初の第2四半期の生体牛価格予想は平均で112ドルだったが、第1四半期の状況を踏まえると、117ドル周辺で推移しそうだ。期間中の週間最高値は129ドル、最安値は108ドルの予想。第3四半期は平均115ドル、週間最高値126.50ドル、最安値106ドル。第4四半期は平均110ドル、最高値121ドル、最安値104.50と予想されている。

第1四半期はボックスビーフ価格も予想を上回り、2月中旬から上昇。カット、ひき材、トリムを合わせたUSDAの総合ボックスビーフカットアウト価格は、1月第1週の平均が198.33ドル、2月10日までの週に最安値の190.37ドルまで値下がり、その後6週間続伸し、3月24日までの週に216.60ドルへ達した。

興味深いのは、チョイスの上昇率より総合カットアウト価格の上昇率が顕著だったことだ。カットアウトの強さは、セレクトおよびひき材やトリムの反騰が要因と思われる。去勢・未経産牛の50CLは週間最安値が1月第1週の45.57ドル、週間最高値は3月第3週の106.86ドルと、今四半期中に2倍以上に高騰した。

 

※2017年3月27日 CATTLE BUYERS WEEKLY

 
ワールドトレード

米国産牛肉のタイ向け輸出条件改正、販路拡大

 
 

タイ向けのEV(輸出認証)プログラムによって規制されていた、米国産牛肉の輸入条件が改正された。USMEFによると、2017年4月1日以降にと畜された牛由来の製品は、月齢にかかわらずボンイン・ボンレスともにタイへ出荷できることになった。

USMEFのアジア太平洋シニアバイスプレジデント、ジョエル・ハガード氏は「タイが規制していたボンレスの条件は、1ミリ大の骨片が見つかっただけでもプレミアム製品が積荷ごと拒否されるなど厳しいものだった。タイは米国産牛肉にとって相対的には小規模な市場だが、多くのフードサービスや小売業者が米国産牛肉の販促を希望しており、ボンレス、ボンインともに許可された新ルールによってタイへの輸出に興味を示す輸出業者が増えている」という。

牛内臓やバラエティーミート製品はまだ輸出できない。USMEFはタイ国畜産振興局に対し、牛内臓に分類される品目(例えばスカートやダイアフラム等)の定義や牛肉加工製品に対する適正条件などについて明確化を求めている。

 

※2017年4月12日 Meating.com

 
フードサービス

マクドナルドがフレッシュビーフパティ使用

 
 

米国マクドナルド社は、大多数の店舗で、全てのクォーターパウンダーバーガーにフレッシュビーフパティを使用する計画を明らかにした。

同社はダラスの325店舗、テキサスおよびオクラホマの77店舗でフレッシュビーフの試験的導入を行っていたが、2018年半ばまでにクォーターパウンダー、クォーターパウンダー・チーズ、ダブルクォーターパウンダー・チーズ、クォーターパウンダー・チーズデラックス、そしてシグネチャークラフテッドレシピバーガーに、フレッシュビーフパティを使用する予定だ。

マクドナルドの社長兼CEO、スティーブ・イースターブルック氏は、冷凍からフレッシュビーフへの移行は、大胆かつ目に見える一連の変化の象徴だと指摘する。米国事業部門の社長、クリス・ケンプチンスキー氏は「過去2年以上にわたり、食材の仕入れや食事の提供方法に関する変革ペースを加速させてきた。注文受付後にフレッシュビーフを調理するのは、技術レベルの引き上げを図る方法の一例にすぎない。これはまだ序章であり、早く次の変化をお見せしたい」と述べている。

 

※2017年3月30日 MEAT & POULTRY.COM

  ベリー(プライマル)の価格推移
 

 

 

マーケット・データ

 
 
 
 
 
 
 

ビーフ・ファクト・シート