USDAの四半期ごとの豚飼養動向調査が3月30日に公表された。この最新レポートで、2017年の豚肉生産量は史上最高記録を更新することが確実になった。3月1日現在の豚総飼養頭数は7097万6000頭(前年比4.2%増)で史上最多。プレレポートでは前年比3.9%増と予想されていた。
肥育豚は同4.4%増、繁殖豚は同1.5%増といずれも増加。肥育豚の飼養頭数からみて、短期的(4〜5月)のと畜頭数は前年同期を約5%上回る見込みで、6〜8月は同3.5〜4.0%増と予測される。
同レポートを基にした週間と畜頭数の推移予想(推定)は下図の通り。夏から秋に向けて供給は大幅に拡大するが、今年の秋には新たな豚肉処理工場が操業を開始する予定で、パッカーのと畜処理能力も増加する。
史上最高の供給頭数を処理するために欠かせない新たな2工場は、1日最大1万〜1.2万頭(1シフト)のと畜能力を持つアイオワ州スーシティの工場(シーボードフーズとトライアンフフーズの合弁)と、ミズーリ州コールドウォーターでクレメンスフードグループが操業する工場(1日最大1万頭)。この他に2工場がと畜能力を6500頭追加する予定だ。これにより、週当たり(5.4日稼働で試算)のと畜能力は、2016年の245万頭から2017年秋には259万頭に拡大する。
供給増加の中で、今夏の市況は需要が鍵になりそうだ。今年これまでは輸出が非常に好調で、と畜頭数の多さにもかかわらず肥育豚価格は上昇。夏季にも輸出需要が維持されれば、カットアウト価格は85〜88セント周辺、肥育豚価格は70セント台後半で推移すると予想する。
と畜頭数の6%増に加え、主産地での寒波によって大幅に値下がりしたロイン価格は、季節的に5月へ向けて回復するだろう。ハム(モモ)はイースター後には一服し、夏場は前年水準付近をたどると予想されるが、大きな鍵をにぎるのはメキシコ向け輸出。昨年は60セント近辺になると、メキシコからの購買が非常に活発になった。モモ肉の輸出は、
4月後半から5月に再び増加すると予想される。
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