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TRADER'S Be & Po

vol.287 Apr.10.2017
 
米国食肉輸出連合会
NEWS CONTENTS
市況ニュース 2017年の豚肉生産史上最高、処理能力も拡大
繁殖豚増加、今秋の大量出荷に警戒感
市況ニュース 生体牛は強気続く、肥育牛ひっ迫で
牛カットアウト価格は今がピークか
ポーク関連ニュース 輸出好調、カットアウト価格を支える
供給トレンド 肥育牛供給のピークは7月中旬から8月上旬
USMEFインフォメーション 「ごちポの日」記念キャンペーン、4月21日〜
マーケット・データ 生体牛・豚価格、カットアウトバリュ、穀物先物価格
ファクト・シート ポーク(2017年1月)米国の輸出、
と畜頭数・枝肉生産量、飼養動向、日本の輸入量
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需給展望

2017年の豚肉生産史上最高、処理能力も拡大

 
 

USDAの四半期ごとの豚飼養動向調査が3月30日に公表された。この最新レポートで、2017年の豚肉生産量は史上最高記録を更新することが確実になった。3月1日現在の豚総飼養頭数は7097万6000頭(前年比4.2%増)で史上最多。プレレポートでは前年比3.9%増と予想されていた。

肥育豚は同4.4%増、繁殖豚は同1.5%増といずれも増加。肥育豚の飼養頭数からみて、短期的(4〜5月)のと畜頭数は前年同期を約5%上回る見込みで、6〜8月は同3.5〜4.0%増と予測される。

同レポートを基にした週間と畜頭数の推移予想(推定)は下図の通り。夏から秋に向けて供給は大幅に拡大するが、今年の秋には新たな豚肉処理工場が操業を開始する予定で、パッカーのと畜処理能力も増加する。

史上最高の供給頭数を処理するために欠かせない新たな2工場は、1日最大1万〜1.2万頭(1シフト)のと畜能力を持つアイオワ州スーシティの工場(シーボードフーズとトライアンフフーズの合弁)と、ミズーリ州コールドウォーターでクレメンスフードグループが操業する工場(1日最大1万頭)。この他に2工場がと畜能力を6500頭追加する予定だ。これにより、週当たり(5.4日稼働で試算)のと畜能力は、2016年の245万頭から2017年秋には259万頭に拡大する。

供給増加の中で、今夏の市況は需要が鍵になりそうだ。今年これまでは輸出が非常に好調で、と畜頭数の多さにもかかわらず肥育豚価格は上昇。夏季にも輸出需要が維持されれば、カットアウト価格は85〜88セント周辺、肥育豚価格は70セント台後半で推移すると予想する。

と畜頭数の6%増に加え、主産地での寒波によって大幅に値下がりしたロイン価格は、季節的に5月へ向けて回復するだろう。ハム(モモ)はイースター後には一服し、夏場は前年水準付近をたどると予想されるが、大きな鍵をにぎるのはメキシコ向け輸出。昨年は60セント近辺になると、メキシコからの購買が非常に活発になった。モモ肉の輸出は、 4月後半から5月に再び増加すると予想される。

 

※2017年4月3日 NPB Pork Merchandiser's Profit Maximizer

  米国の豚と畜頭数の推移と予測(週当たり・連邦検査頭数)
 
 

繁殖豚増加、今秋の大量出荷に警戒感

 
 

最新レポートでは3〜5月期の分娩頭数は推定で前年比1.4%増と予想されているが、3月1日現在の繁殖豚の飼養頭数から推測すると、分娩頭数は前年比2%増となる可能性もあるだろう。

繁殖豚の分娩頭数の割合はここ2年間、増加傾向にある。一腹当たりの産子数が通常の増加トレンドだとすれば、今秋の週間と畜頭数は過去最高だった昨年より、さらに2.5%増加する見込みだ。もし生産者が分娩頭数を少なく申告しているとしたら、と畜頭数の増加率は4%近くになる可能性がある。その場合、新工場の稼働でと畜能力が拡大しても、処理しきれない状況となる可能性も予想される。また工場の新設や拡張が予定より遅れた場合にも、大きな問題が発生するだろう。

もう一つのリスクは需要だ。2016年10月に肥育豚価格はポンド当たり40セント近くまで下落。価格低下を受けた小売業者の積極的な販促と輸出拡大で、これまでの供給増加を乗り切ってきた。現在、2017年10月の先物価格は65セントを付けている。

繁殖豚の飼養頭数は、下図が示すように前回のホッグサイクルでは4.7%増だったが、今回は5.8%増加している。全体の飼養頭数が増加を続ける中で、生産者は未経産雌豚の保留ペースを低下させていると推測できる。しかし、先物価格の水準から年間の大部分で黒字を確保できるチャンスがある限り、生産者が再び生産を減少させるとは断言できない。肥育豚価格が大幅かつ長期的に下落するか、飼料コストが劇的に高騰しなければ、結果として豚肉生産は減少しないだろう。当面、豚肉の供給は潤沢で、さらなる拡販が必要になっている。

 

※2017年4月3日 NPB Pork Merchandiser's Profit Maximizer

  米国の繁殖豚の飼養頭数の推移
 
市況ニュース

生体牛は強気続く、肥育牛ひっ迫で

 
 

出荷適正の肥育牛がひっ迫していることから、肥育業者は依然として強気だ。2月中旬から始まった生体牛の大幅な価格上昇は3月第3週も続伸、100ポンド当たりで前週比3〜5ドル上昇した。同時に牛肉の卸売価格も上昇し、パッカーマージンも改善している。

肥育業者やパッカーのマージンが良好な半面、小売業者のマージンはかなり低下している。ボックスビーフの価格が回復する中で、牛肉の小売価格は依然として前年を大きく下回っているためだ。このため、小売業者は通常商品の販売価格の値上げを模索し始めている。

マージン低下を受けて、小売業者は今年のグリルシーズンに向けた販促を控え目にしそうだ。本格的なグリルシーズン入りにはあと1カ月あるが、これと生体牛の季節的な出荷増の時期が一致すると、生体牛価格も値下がりする可能性がある。

3月第3週のFed Cattle Exchangeオークションの生体牛の平均価格は、100ポンド当たりで前週に比べて5ドル近く値上がりした。取引頭数は委託されたうちの56%(2195頭)と少なかったが、平均価格は100ポンド当たり133.35ドルと前週(128.39ドル)に比べて4.96ドル上昇した。

一方、USDA公表の主要5州の去勢牛平均価格は同128.64ドル、枝肉は同207.94ドルで、前週比でそれぞれ3.41ドル、6.38ドル値上がりした。全体に取引頭数が少ないことが価格上昇に繋がった。ネブラスカでは8683頭が生体牛134.11ドル、枝肉212.95ドルで取引された。アイオワ・ミネソタでは3911頭が生体牛132.04ドル、枝肉では214.30ドルで販売された。

 

※2017年3月27日 CATTLE BUYERS WEEKLY

 
 

牛カットアウト価格は今がピークか

 
 

ボックスビーフのカットアウト価格は、4週間連続して上昇しているが、そろそろピークを迎えるとの見方が強まっている。チョイスのカットアウト価格は3月第3週に前週比1.15ドル安となり、セレクトは1.29ドル上昇した。

これは、パッカーがスポット市場での販売を前週より増加させたことが一因。週前半の4日間における販売数量は、前週の328ロード(≒コンテナ)に対して424ロードだった。ただ、USDAの週間レポートで報告されたカット、ひき材、トリムの総販売量1694ロードで、スポット市場の取引比率は約25%。先物取引は21.7%、フォーミュラ取引は52.4%を占めた。

アナリストは「これはパッカーが依然として、先物取引で現在のスポット市場価格よりも低価格で積極的な販売を続けているためだ。先物取引での販売量が多いのは、インサイドラウンド、グースネック、80CL(赤身率80%の牛ひき材)、ショルダークロッド、ペクトラルミート、トップバットなどだ」と述べている。

USDAが22〜90日以内の受渡契約レポートで価格情報を公表できる16品目のうち、15品目が前週のスポット市場平均より安値となった。パッカーは当初、ミドルミート(ロイン系)の先物取引価格にスポット市場価格よりプレミアムをつけていたが、現状はスポット市場価格が先物取引価格を上回っている。

牛カットアウト価格は、2015年の最高値記録(チョイスは5月、セレクトは8月)から1年余りにわって下落を続けてきたため、小売業者も活発な販促を行ってきた。しかし、2月最終週から3月第2週までに、チョイスは20ドル近く、セレクトは17.45ドル上昇した。3月第2週のチョイス価格は212.31ドルで前年同週比では5.5%低いが、ミドルミートはこの間の大幅上昇で前年より高くなった。

 

※2017年3月27日 CATTLE BUYERS WEEKLY

 
ポーク関連ニュース

輸出好調、カットアウト価格を支える

 
 

肥育豚の現金取引価格は、2月に急上昇した後で下降線をたどっている。3月第3週には、アイオワ・ミネソタの基本価格は100ポンド当たり66.10ドル、3月初めからは2.4ドル値下がりしている。

豚肉のカットアウト価格(グラフ参照)は、豚肉の生産量が前年比約3%増にもかかわらず、ここまで前年水準を上回って推移している。2月のと畜頭数は前年を上回ったが、生体重量はわずかながら前年を割り込んだ。肥育施設が満員で早目の出荷が行われているようだ。

豚肉の需要、特に輸出需要が好調だ。1月の輸出量は枝肉ベースで4億5790万ポンド(前年比19.6%増)。週間輸出量をベースに試算した2月の豚肉輸出量もおよそ4億4500万〜4億5000万ポンド(同16%増)。3月は5億ポンド以上で同17%増に迫る勢いだ。

輸出の拡大は、これまで増加した豚肉生産量の大部分を吸収しており、これがカットアウト価格を維持する要因になっている。先物市場では、夏季の生体豚価格が100ポンド当たり78ドル近辺で取引されており、夏季のカットアウト価格は80ドル台後半と予想される。

 

※2017年4月3日 NPB Pork Merchandiser's Profit Maximizer

  リーンホツグのカットアウト価格の推移
 
供給トレンド

肥育牛供給のピークは7月中旬から8月上旬

 
 

フィードロットの飼養頭数はほぼ横ばいで推移しているため、肥育牛の出荷は7月中旬から8月上旬にピークを迎えるだろう。アナリストは「2014〜2015年に比べて、2016年はフィードヤードにおける牛の循環スピードが加速している。フィードロットへの導入時の平均重量の大幅な増加、肥育日数の短縮化、そして出荷率の上昇により、フィードットの飼養頭数の増加率は0.5%未満にとどまっている」という。

昨年の出荷は6月にピークを迎え、その後は例年より少し速く先細りした。2016年第3四半期の導入は多かったものの、これまで順調な出荷が続いていた。3月1日現在の重量別頭数を見ると、2016年を上回っているのは1100〜1199ポンドのみで、それ以外の区分では2016年を下回っている。

 

※2017年3月27日 CATTLE BUYERS WEEKLY

 
USMEFインフォメーション

「ごちポの日」記念キャンペーン、4月21日〜

 
 

米国食肉輸出連合会(USMEF)は、「ごちポの日」(5月の第3日曜日)の制定を記念して、記念日の前後1カ月間、4月21日〜6月21日まで記念キャンペーンを展開します。これは流通販売企業の販促支援施策として、アメリカン・ポークをご購入のお客様向けに抽選でアメリカン・ポーク1kgが当たるキャンペーンです。

「ごちポ」は、ごちそうポーク・アメリカンを訴求するため、キャラクターの「ごちポくん」とともに2015年3月に生まれました。USMEFは「ごちポ」のさらなる認知拡大のために、今年から5月の第3日曜日を「ごちポの日」と制定し、一般社団法人日本記念日協会に申請、登録しました。

「ごちポの日」記念キャンペーンでは、キャンペーンラベルが貼ってある対象商品を購入されたお客様が、ラベルをめくって、QRコードからキャンペーンサイトにアクセスし、シリアルコードを入力すると、その場で当落がわかる仕組みです。賞品はA賞がアメリカン・ポーク1kg(200名)、B賞がごちポグッズ(2000名)。

キャンペーンに参加される流通販売企業には、キャンペーンラベルの提供とともに①B5POPレールPOP(データ提供)②キャンペーン誘導を兼ねたUSポークを活用した動画展開③ロース4メニューを中心にしたレシピ紹介サイト(4月21日〜)④4メニューに応じた「ごちポくん」を制作し店頭ツールとして提供(5月中旬)⑤ごちポアドトレイや惣菜売り場向けのツール提供(同)―などの販促支援活動を行います。

  「ごちポの日」記念キャンペーンラベル画像
   
 

マーケット・データ

 
 
 
 
 
 
 

ポーク・ファクト・シート