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TRADER'S Be & Po

vol.286 Mar.27.2017
 
米国食肉輸出連合会
NEWS CONTENTS
市況ニュース 牛カットアウト高騰、先行き鎮静化へ
生体牛の現金価格は続伸、供給タイトで
ポーク関連ニュース ベリー急落で生体豚反落、輸出拡大が不可欠
トピックス 食品価格50年ぶりに下落、畜産物の値下がりで
リテール SMの競合激化、欧州のDS参入と食品価格低下
消費動向 2017年の1人当たり食肉消費量予測、2.6ポンド増
飼料穀物 トウモロコシの供給は引き続き潤沢
マーケット・データ 生体牛・豚価格、カットアウトバリュ、穀物先物価格
ファクト・シート ビーフ(2017年1月)米国の輸出、
と畜頭数・枝肉生産量、飼養動向、日本の輸入量
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市況ニュース

牛カットアウト高騰、先行き鎮静化へ

 
 

牛肉のカットアウト価格が急上昇している。春のグリルシーズンはまだ6週間も先で、今は牛肉需要が年間で最も弱い時期だ。アナリストは「この高騰が、春のグリルシーズンやイースター(今年は4月16日)に向けた小売業者の販促計画に影響を与えるだろう。価格はいずれ下がるが、いつ、どの水準まで下落するかが問題だ」という。

USDAのレポートによると、カットアウト価格は2月中旬以降、2週間で100ポンド当たり10.37ドル上昇し、3月第1週も続伸した。この5週間のチョイスのカットアウト価格は、前年の3月上旬と比べて12.84ドルも高い。昨年同時期のチョイスのカットアウト価格のピークは3月第3週の224.62ドルで、その後7週間で17.61ドルも下落した。

今年は2月最終週の平均が199.78ドルで、前年同週比9%安であることから、アナリストは「今年は昨年のような急続落はないだろう」と予想するが、4月が近づくにつれて下落する可能性が大きい。また今年の特徴はスポット市場での取引が少ないことだ。

2月最終週のチョイスとセレクトの販売ロード(≒コンテナ)数は、休日のない通常生産週としてはこの10年間で最少。ひき材、トリミングを含む合計販売ロード数は前年同週比6.8%減だった。

一方で、同週の牛肉生産量は6.9%増。単純に見れば、パッカーは先週には在庫があったはずだが、アナリストは「パッカーは先物取引で数週間先のミドルミート(ロイン系)をかなり販売していたため、先週はスポット市場で取引したことから、取引量は前週比31%増の389ロードとなった。このため月曜から木曜までにチョイスが7.49ドル値上がり、セレクトも4.95ドル上昇した」と分析する。

ステーキ用カットのスポット市場価格は、この時期としては高値にあり、小売業者は現在の価格水準でも購入を継続するか、あるいは販促をエンドミートに切り替えるか思案中のようだ。一部の小売業者はすでに5月引渡分の製品を予約済だが、いずれにしろミドルミートは4月上旬にピークを迎える可能性が高い。

 

※2017年3月13日 CATTLE BUYERS WEEKLY

 
 

生体牛の現金価格は続伸、供給タイトで

 
 

生体牛価格は2月中旬以降、大幅に反発しており、先週も値上がりした。肥育業者の積極的な出荷が続き、出荷適正の肥育牛がひっ迫気味なことが主因だ。3月第1週の生体牛価格は、主要5州の去勢牛平均価格で100ポンド当たり126ドル近くまで上昇。前週平均の124.76ドルより1ドル高となった。

これは前年同週比では8.1%低いが、2週間前の急反発がなければ、前年同週比での落ち込み幅はさらに大きかった。パッカーが週に46万頭を超える肥育牛を処理し続けているため、肥育業者は活発な出荷を継続しており、アナリストは「今後は牛肉の売れ行きとカットアウト価格の動向が生体牛の現金価格を左右する」と指摘する。

2月最終週のと畜頭数は推定46万3000頭。パッカーの生産量が増加すれば、肥育牛のと畜頭数はこの水準以上で維持される。出荷可能な肥育牛の供給は少なくともあと1カ月はひっ迫気味で推移し、これが価格の下支え要因となるだろう。

最新の枝肉重量のデータも供給のタイト感を示している。2月25日までの週の去勢牛の平均枝肉重量は878ポンドで前週比3ポンド減、前年比では9ポンド減。未経産牛は平均822ポンドで、同2ポンド、同12ポンドの減少となっている。

 

※2017年3月13日 CATTLE BUYERS WEEKLY

 
ポーク関連ニュース

ベリー急落で生体豚反落、輸出拡大が不可欠

 
 

1〜2月の肥育豚価格は、例年より速いペースで上昇した。ベリーの高騰や出荷頭数がUSDAの当初予想を下回って推移したことが要因だが、ここにきてベリー価格が急落、肥育豚価格も反落している。

季節的に過去最高値に迫っていたベリーの価格は、3月第1週に100ポンド当たり137.86ドル、前週比15%・24ドル安と急落した。2月9日に記録したピークからは25%・45ドル安だ。この下落により、豚肉のカットアウト価格は2月のピークから100ポンド当たりで約7ドル値下がりした。

ただ、ベリーの価格は昨秋と比べると依然としてかなり高い。ベリー価格の季節変動性や在庫が今もかなりひっ迫している状況から、加工業者は今春に向けた売り出し価格に関して、これ以上の値下がりを回避するだろう。

2015年の春、ベリーは60ドル代の安値で取引された。これは前年のPED危機の間に価格が高騰し、その後に供給が回復したためで、ベーコンの需要や消費者の好みが変化したためではない。消費者のベーコンに対する嗜好や需要は根強い。ここ数週間で起きたことは、上がり過ぎたものは下がるという古典的なサイクルだ。肥育豚のと畜頭数もUSDAレポートが示す水準に近くなっている。

3月第1週の総と畜頭数は231万1000頭、前年比3.9%増。第2週も230万頭を超え、3月の週間平均と畜頭数はおよそ228万5000頭で推移するだろう。肥育豚価格は下方調整され、季節的傾向に基づいた価格予想に近づいている。

生体豚・豚肉市場ではポジティブな要素もある。1つは、欧州や南米の生産者が国際市場へ提供できる価格に対し、米国産の価格競争力がさらに強まっていること。世界市場では豚肉への強い需要があり、1〜2月に生産された米国産豚肉は、推定で22%以上が輸出に仕向けられた。

2017年の豚肉生産量は、前年を大きく上回ることが予想され、先物市場はそのリスクを見込んで安値をつけいる。豚肉輸出の安定拡大が最も重要だ。今年後半の生体豚の先物価格は現在、過去2年間に比べてかなり安くなっている。今夏に稼働予定の新施設が生体豚需要を下支えすること、また豚肉輸出が引き続き堅調にするとの見方も反映されているが、この秋冬の生体豚価格は、豚肉の輸出にマイナスになるような出来事には敏感に反応、影響を受けやすい状況にある。

 

※2017年3月6日 NPB Pork Merchandiser’s Profit Maximizer

  肥育豚(リーンホツグ)の取引価格と先物価格の予測
  ベリー(プライマル)の価格推移
 
トピックス

食品価格50年ぶりに下落、畜産物の値下がりで

 
 

2016年の食品の小売価格は前年比で1.3%下落した。暦年ベースで価格が前年より下落したのはおよそ半世紀ぶりのことだ。USDAによると、家畜・家きん類の飼養頭数の拡大、食肉生産量の増加がこの価格低下の最大の要因としている。

過去50年以上にわたり、家庭内食の消費者価格指数は年間平均4%の割合で上昇してきた。USDAのアンバー・ウェーブスの最新号によると、農産物とエネルギーの価格ショックが引き金となり、1973年、1974年にはそれぞれ16.4%、14.9%も急騰した。これとは対照的に、2007〜2009年は景気後退が食品を含む多くの品目に対する値下げ圧力となり、2009年と2010年の価格上昇率は平均上昇率を大きく下回る水準となった。

食品の小売価格が最後に下落したのは1967年で、前年比0.3%の下落だった。2016年に価格が下落した食品の中には、牛肉、子牛、豚肉、家きん類、卵、乳製品などが含まれる。USDAは「食品の小売価格は通常、商品の生産、輸送や食品加工などいくつかの要素の生産コストによって決まるが、2016年は食肉、卵、乳製品の小売価格が下落。特に鶏卵生産量の増加が関係し21.1%下落した。2015年は高病原性鳥インフルエンザ(HPAI)で採卵鶏の11%が減少、2016年に採卵鶏の数と生産数がHPAI前の水準に回復するにつれて価格が農場、小売レベルの双方で下落し始めた。牛、豚、家きん類、そして乳製品業界でも2016年に飼養頭数、生産量が上昇した」と複数の要因が組み合わさり、食品全体の価格が下落したという。

米ドルの強さやエネルギー価格の低下も、2016年前半の食品価格が値下がりする要因となった。価格が上昇した食品カテゴリーは果物が2.2%アップ、「他の食品」は0.3%アップ。野菜の価格は横ばいだった。

 

※2017年3月14日 MeatPoultry.com

 
リテール

SMの競合激化、欧州のDS参入と食品価格低下

 
 

米国の食品スーパー業界の競争が一段と激しくなっている。主要チェーンであるクルーガーとウォルマートに加え、欧州で人気のドイツ系ディスカウントストア(以下DS)のアルディの台頭、そして今夏には同じドイツ系のリドルが米国市場に本格参入する。

クルーガーは13期連続で売上を伸ばしてきたが、最新の四半期決算では0.7%減少した。この減収は食品価格のデフレが原因の1つで、他のチェーンにも共通すると思われる。食肉や家きん類の価格下落が、食品の売上高低下の一因となっている。1月の牛肉小売価格は全体で前年同月比6.1%減。豚肉は同5.8%減、鶏肉は同3.6%減。

クルーガーは、全米で店舗を拡大中のアルディとの価格競争の激化にも直面している。2014年のある価格調査によると、アルディはクルーガーより約22%安かった。アルディは米国内で1600店舗以上を展開し、今後2年間でさらに600店舗を出店する予定だ。

ウォルマートも食料品事業を拡大している。2015年の価格比較によると、ウォルマートはアルディよりおよそ30%高いことが明らかになった。同社は昨年、食料品で数百品目の値下げを行い、さらにアルディを撃破すべく1200店舗で食料品の価格比較テストを開始したという。

欧州を席巻したDSのリドルが米国市場に進出することで、食料品価格の値下げ圧力はさらに強まる。同社は2018年中旬までに東海岸沿いに100店舗を出店予定で、今夏に最初の20店舗をオープンする。発表によると、同チェーンは最終的に、米国内に600店舗を出店する予定だ。

リドルは現在、欧州27カ国に1万店舗を展開している。アルディとリドルが急拡大した英国では、同国最大の食料品チェーンを熾烈な価格競争へと巻き込み、その売上高を10年前へ逆戻りさせた。クルーガーの13期連続の増収がストップしたことは、同様の価格競争が米国内でも勃発しつつあるサインだ。

 

※2017年3月13日 CATTLE BUYERS WEEKLY

 
消費動向

2017年の1人当たり食肉消費量予測、2.6ポンド増

 
 

2017年の米国の1人当たり食肉消費量(小売ベースのレッドミートと家きん類の合計)は217.2ポンドと、昨年の214.6ポンドより2.6ポンド増加する見込みであることが、USDAの最新レポートで明らかになった。

1人当たり消費量は、生産量から総輸出量と在庫変動分を引き、米国の総人口で割ることで算出されるが、今年の消費量のうち、レッドミート(牛肉、豚肉、子牛、羊肉)は50.1%と半分をわずかに超え、家きん類は49.9%とわずかに過半を下回る見通しだ。

2016年は家きん類が50.2%とわずかに多く、レッドミートは49.8%だったが、この比率が2017年に逆転する見込みだ。2017年は家きん類の生産量が2%増加する見込みであるのに対し、牛肉と豚肉の生産量の増加見込はそれぞれ4.1%、4.7%と大幅な増加が予測されている。

 

※2017年3月16日 Meatingplace.com

 
飼料穀物

トウモロコシの供給は引き続き潤沢

 
 

少なくとも今後12カ月間、穀物の供給は相対的に潤沢との見方が支配的だ。他の穀物の供給増加、昨秋の記録的な大量収穫とその後の繰り越し在庫が多いことが理由だ。また世界的な穀物の備蓄なども加味されている。

2017〜18年の米国のトウモロコシ作付面積は、現時点の予想では前年より400万エーカー減少するが、それでも2015〜16年の作付面積よりは増加するだろう。減少の理由の一つはトウモロコシの価格低下から大豆への転換が行われるため。

WASDEのレポートによると、2015〜16年のトウモロコシの出荷価格はブッシェル当たり3.61ドル。これに対して、2016〜17収穫年度の現在の予想は、6%下落して3.40ドル前後と予想されている。トウモロコシの収穫予想はおよそ140億ブッシェルで、収穫過多だった1年前より約10億ブッシェル少ないが、2015〜16年と比べると依然として多い。作付面積が4%減少しても、2017〜18年のトウモロコシの供給は160億ブッシェルを超えると推定される。収穫量は今夏の気候にも左右されるが、大量の在庫があることから、回転の速い家畜用飼料への仕向けは安定供給が見込まれる。

 

※2017年3月6日 NPB Pork Merchandiser's Profit Maximizer

 

 

 

マーケット・データ

 
 
 
 
 
 
 

ビーフ・ファクト・シート